2018-10-02 平成30年経済・港湾委員会 本文


37◯のがみ委員 私からも、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターについて質問をさせていただきます。
 今回、報告のあった平成二十九年度の業務実績評価の全体評価では、中期計画の達成に向けて業務全体がすぐれた進捗状況にあるとあるように、中小企業を支援する産業技術研究センターの取り組みは、二十四項目のうち、Sが二項目、Aが十二項目、Bが十項目、CとDはなしという結果で、高い評価を得ております。
 日本のものづくりでいえば、一昔前は半導体や電機産業、インテルなど世界シェア一で、世界での最高品質、世界での最先端の技術を持っていた時代がありました。
 いずれも、そのシェアを失い、その製造からは撤退せざるを得なくなっていきました。
 それぞれの産業や各企業が世の中の変化に対応することができず、顧客の要求するものに耳を傾け過ぎ、安いもの、小さいもの、使いやすいものの技術を追いかけるようになり、次第に転落していった経緯がございます。
 近年、新たな技術の進展など、ものづくりを取り巻く環境が大きく変わっていく中で、ものづくりに情熱を持って取り組み、すぐれた技術で、すばらしい製品を生み出す中小零細企業を効果的に支援できるよう、中小零細企業の実態や地域の実情を踏まえ、支援を充実してこられた成果だと受けとめております。
 例えば、産業技術研究センターの城東支所では、昨年の十月リニューアルをし、最新のレーザー加工機や3Dプリンター等、地域のニーズを踏まえた試験機器を整備し、さまざまな製品の試作支援体制などを強化したと伺っております。
 すばらしい取り組みだと思いますが、より多くの中小ものづくり企業に活用していただくことで、その真価を発揮してもらうことが重要であります。
 そのためにも、地元の自治体等と連携した取り組みも効果的と考えております。
 リニューアル後の産技研の取り組み状況について、まず最初にお伺いいたします。

38◯坂本商工部長 産業技術研究センターの城東支所では、中小のものづくり企業から技術開発や製品のデザインに関する相談が多いことから、平成二十九年十月に新たにものづくりスタジオとデザインスタジオを開設して、サポート体制の充実を図ってございます。
 新たに二つのスタジオを設けた後に、年度末までに中小企業による実験用の機器の利用は七千四百四十四件となりまして、このうちの二三%は新しく導入をした3Dプリンターに集まるなど、支援ニーズへの的確な対応が進んでいるところでございます。
 スタジオの開設の後、3Dプリンターの活用やデザインをテーマとする二回のセミナーを開きまして、事前のPRにより地元からの多くの参加を図ったところでございます。
 また、支所の隣にございます葛飾区の運営するテクノプラザかつしかで開催された産業フェアに合わせ、施設の一般公開を行いまして、約二千四百名が来場したほか、三十年二月に東京国際フォーラムで葛飾区が開いた町工場見本市に出展をいたしまして、支所の紹介を行うなど、地元の自治体と連携した取り組みも着実に進めたところでございます。

39◯のがみ委員 引き続き、葛飾区など地元の自治体とも連携して、多くの企業の支援に取り組んでいただきたいと思います。
 葛飾区も、いろいろな場面を利用して地域振興を図っております。東京理科大学との協働により、介護スーツの開発等、産学連携して頑張っているところでございます。
 すぐれた技術を持つものづくり中小企業の一層の発展には、例えば3D技術などの新たな技術を活用し、製品開発等に取り組むことも重要でございます。
 評価委員会の意見で、3D、ものづくり技術の進展によって、ものづくりの概念が大きく進化していると指摘されているように、技術の革新、ものづくり中小企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
 すぐれた技術を持つ中小零細企業が独自性の高い製品開発をする上で、3D技術の活用は有効でございますけれども、一方で、こうした高額な機器を単独で購入することは相当にハードルが高いのが実情でございます。
 そこで、産業技術研究センターが技術支援や研究で培ってきた3D、ものづくりの技術やノウハウを中小企業に還元することが重要と考えますが、平成二十九年度、3Dものづくりセクターではどう取り組みを進めたのか、お伺いいたします。

40◯坂本商工部長 3Dものづくりセクターでは、中小企業の高付加価値の製品開発について、3Dプリンターや三次元のCADシステムなどの機器を活用してサポートを行っております。
 平成二十九年度は、3Dプリンターの機器利用による試作品の開発などを一万九千二百八十一件実施するとともに、製品の形状を三次元で立体的に測定する依頼試験などを四千七百五十二件行っております。
 また、技術開発のプロセスで利用の多い3Dプリンターに関して、中小企業との共同研究によりまして、セラミックを新しい材料として使う方法を確立いたしました。
 さらに、車椅子マラソンで選手が車輪をつかむ場合に手につけるグローブの部品を3Dプリンターで製作し、実用化するサポートを行ったところでございます。これによりまして、従来は選手の手の形状をプラスチック樹脂を使い型をとり、試作を繰り返す工程が必要でございましたが、事前に形状のデータをとってから3Dプリンターを使い、一回で効率的に試作品をつくり出すことを可能といたしました。
 こうした3Dものづくりセクターの取り組みによりまして、中小企業の製品開発を適切に後押しすることとしております。

41◯のがみ委員 もう一つ、中小企業のビジネスチャンスという点では、ロボットの技術の活用も多いに期待される分野です。
 平成二十八年度に産技研の東京ロボット産業支援プラザが開設された際には、私自身も視察をさせていただきましたが、産業分野のみならず、介護の現場など日常生活を含むさまざまな場面での導入が期待されております。
 すぐれた技術を持つ中小企業にとって、これらの新たなロボット分野への参入は大きなビジネスチャンスである一方で、業務実績評価でも指摘されているように、サービスロボットを実現するにはさまざまな課題があるのが現実です。
 こうした課題を解決し、実用化に向けて、中小企業をきめ細かく支援していくことが必要だと思いますけれども、平成二十九年度の取り組み状況についてお伺いいたします。

42◯坂本商工部長 産業技術研究センターでは、将来に向けた発展が期待できるロボット産業の振興を図るため、平成二十七年度より、ロボット産業活性化事業を実施してございます。
 同事業におきましては、ロボットにかかわる技術開発や事業化の支援のほか、その安全性の検証や技術者の育成などのサポートを行っており、本部の近くにございますテレコムセンタービルに東京ロボット産業支援プラザを設けまして、各種の取り組みを総合的に展開してございます。
 二十九年度には、ロボット開発の基礎となる研究のほか、民間企業との共同研究をそれぞれ一テーマずつ行うほか、公募による共同研究として、警備や運搬などの業務での活用に関する八テーマを採択したところでございます。
 また、中小企業を支援し、開発した案内ロボットについて、商業施設や美術館で実証実験を行うとともに、センターが独自に開発したロボットについて、都庁の展望室で三回にわたり外国語で案内を行うテスト運用を実施して、技術の向上を図っております。
 こうした取り組みによりまして、産業技術研究センターでは、ロボット産業の振興を着実に進めているところでございます。

43◯のがみ委員 これまで、ものづくり企業の技術面等での支援を中心に行ってまいりました。3Dものづくりやロボットなど、ますます高度化、複雑化する技術を活用し、自社の成長を確実なものとしていくためには、それを担う人材を育てることが不可欠です。しかしながら、人材も限られた中小企業にとって、自力で育成をする余裕はなかなかというのが、まさに実態です。
 こうした環境のもと、中小企業が持続的に発展するためには、将来を担う人材の育成への支援が重要であると考えます。この点について、産技研の取り組み状況をお伺いいたします。

44◯坂本商工部長 東京の中小のものづくり企業で働く人材の能力を高めるために、産業技術研究センターでは、技術面の知識を提供するための講義や測定機器などを操作しながら現場での実務のレベルの向上を図る講習会などを行ってございます。
 具体的には、若手の技術者に対し、製品開発に必要となるプラスチック等の材料の選び方や海外での製品の規格を体系的に学ぶ講義などを、二十九年度には百七十六回開催して、四千三百八十九名が参加いたしました。また、新たに開発した製品の性能を検査する方法を初心者も習得できるよう、製品の騒音を調べる測定機器の操作手順を学ぶ講習会などを、年間で七十一件実施しております。
 また、センターの研究員を、首都大学東京や産業技術高等専門学校など、十五の教育機関に講師として派遣し、ものづくり技術に関する講義や学生の実験の指導を行うなど、将来の産業人材の育成にも取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組みによりまして、産業技術研究センターでは、中小企業の人材育成を着実にサポートしているところでございます。

45◯のがみ委員 今回報告のあった平成二十九年度の業務実績評価の全体評価では、中小企業を支援する産業技術研究センターの取り組みは、先ほどもいいましたけれども、高い評価を得ております。これからの我が国の企業は、ますます他国との熾烈な競争の中で生き抜いていかなければなりません。企画とかマーケティングや販売など、他の国と比較すると劣っていると指摘されております。マーケティング力を強くするのは、経営戦略やグローバル人材の育成が不可欠です。販売力を高めるためには、価格競争力や販売のチャンネルを広げていくことが大事です。
 産業技術研究センターが技術面等で、学識経験者や中小企業事業者等、専門家で構成される評価委員会の意見も踏まえ、一層その事業を効果的なものとし、より充実した支援を提供していただくよう要望し、質問を終わります。

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