築地市場移転問題/都議会公明党都民の目線で課題探る/計画の再検討を主張/特別チームが調査活動を展開/東京都

8月10日

 東京都は、築地市場(中央卸売市場、中央区)の移転計画を進めているが、新市場予定地(江東区豊洲)で、

一部の土壌から環境基準(環境省)を大きく上回る濃度の有毒物質が検出され、移転を疑問視する声が上がっている。都議会公明党(中島義雄幹事長)は6月、定例会で計画の再検討を主張するとともに、党内に築地市場問題調査特別チーム(石川芳昭座長)を立ち上げ、精力的に調査活動を展開している。
 築地市場は1935年の開業以来、増改築を重ねてきたが、施設の老朽化や売り場の過密化が著しく、91年から本格的な再整備工事が進められた。しかし、営業を行いながらの整備工事であることから、市場業界との調整が難航するなどして工事が遅れ、工事費の増額も迫られた。
 99年には都と市場業界の協議機関(築地市場再整備推進協議会)で、現在地での再整備は困難との結論が示されたことから、都は、都内の大規模な未利用地など移転先の候補地を検討。その結果、2001年、豊洲にある東京ガス株式会社の工場跡地へ移転する計画を決めた。

 一方、東京ガスの調査(02年報告)で、移転予定地の土壌から環境基準の1500倍に及ぶ濃度のベンゼンが検出されるなど、有害物質の存在が確認された。東京ガスによると、この土壌汚染は、石炭ガスの製造時につくられたベンゼンを含有するタールなどが、地中に浸透したことによるもの。
 都は昨年5月、専門家会議(座長=平田健正和歌山大学教授)を発足し、移転先における食の安全・安心を確保する観点から検討を重ねてきた。昨年10月には、同会議の提案による追加調査で、土壌の一部から環境基準の1600倍の濃度のベンゼンが検出されたことなどが公表された。
 都議会公明党は同11月、決算特別委員会で、「このままでは、食の安全は守れないとの声が上がっている」として、より詳細な調査の必要性を主張した。

 都は、専門家会議の提言も踏まえて、10メートルメッシュ(マス目)ごとに4122地点で土壌調査を実施。その結果、今年5月、環境基準の4万3000倍に上る高濃度のベンゼンが検出された地点があるなど、さらに詳細な有毒物質の分布状況が明らかになった。
 こうした事態を受けて都議会公明党は同月、新市場予定地を訪れ、「4万3000倍のベンゼン」が検出された地点に踏み込むなど、現場の状況を調査。また、6月定例会の代表質問では、土壌汚染対策費が、当初予定(約670億円)の2倍掛かるともいわれていることを指摘するとともに、“初めに移転ありき”の議論を廃して再検討するよう強く訴えた。
 7月には、調査チームが築地市場を訪問。卸・仲卸業者の売り場、周辺施設などを視察し、関係者と意見を交わした。また、豊洲地区のほか、晴海地区(中央区)、有明北地区(江東区)、大井ふ頭地区(大田区)、羽田空港跡地地区(同)など、これまでに都が検討した移転候補地を調査した。

 専門家会議は7月26日、最終報告書を取りまとめ、今後の対策の方向性を示したが、中島幹事長は「さらに慎重に調査し、都民の目線で、議論を深めたい」と語っている。

 築地市場問題調査特別チームのメンバーは、石川座長、東村邦浩副座長、上野和彦事務局長のほか、野上純子、橘正剛、伊藤興一、松葉多美子、遠藤守の各都議。これまでに公明党が意見を聴取してきた主な築地市場関連団体は、東京都水産物卸売業者協会、東京魚市場買参協同組合、東京魚商業協同組合、築地市場青果連合事業協会、築地市場関連事業者等協議会、東京魚市場卸協同組合、水産仲卸・市場を考える会など。

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