災害時の「帰宅困難者」対策

10月20日

東日本大震災が発生した3月11日、そして大型の台風15号が関東地方を直撃した9月21日――。両日とも、首都圏では一時、ほとんどの交通機関がストップしたため、通勤・通学者の“足”は奪われ、多くの帰宅困難者が生じた。阪神・淡路大震災でその対策の重要性が認識されたが、今回、十分には機能しなかったことで新たな対策拡充が求められている。東京都議会公明党はかねてから、大規模災害発生時の帰宅困難者対策を独自に提言し、議会質問などで推進強化を訴えている。都議会公明党の取り組みを紹介する。

支援ステーションを設置 徒歩での帰宅者に トイレ、水道、情報提供

「帰宅途中にトイレを使わせてもらった。こういう取り組みは、いざという時にありがたい」。こう語るのは、9月21日に勤務先(東京都豊島区)から文京区にある自宅まで徒歩で帰宅した男性(31歳)だ。

男性が帰宅する時には、ほとんどの交通機関がストップしていた。このため、男性は同僚と一緒に自宅方向へ歩き出したという。その途中、用を足すため、コンビニエンスストアに立ち寄ろうとしたが、どの店舗も混雑しており、「周辺の店をあちこち探し回った」という。たまたま、カラオケ店の店員が「休憩できますよ」と声を掛けてきたので利用すると、「いつもと違い、パーティールームが休憩室になっていた」と男性は語る。実は、これが都議会公明党が推進している「災害時帰宅支援ステーション」なのだ。

同ステーションは、首都直下型地震などの大規模災害時を想定し、徒歩帰宅者にトイレや水道水、そしてラジオによる災害情報などを提供する拠点だ。

コンビニエンスストアや飲食店などが登録しており、9月1日現在、都内では約7500カ所が指定されている。3月11日も多くの帰宅困難者などが利用したという。

企業に食料・水の備蓄促す 宿泊施設、水上搬送なども提言

首都直下型地震による帰宅困難者は、都内在住者で約390万人、埼玉・千葉・神奈川を加えた1都3県の在住者では約650万人と想定されている。実際、東日本大震災の発生直後、都内の大規模事業所ビルなどのうちの94.4%で帰宅困難者が発生したという。

このため、都議会公明党は、さらなる対策を進めるため、議会質問を通して帰宅困難者対策の強化を訴えてきた。

具体的には、9月の都議会本会議で公明議員が、大規模災害を想定し、医療訓練を加えた実践的な訓練を要請した。また、複数のターミナル駅で同時に訓練を実施し、関係機関との連携などの課題を検証するよう求めている。

そのほか、都議会公明党は過去の議会質問を通し、避難所に指定されている学校や公園、公共施設が避難者で混雑することが予想されるため、映画館やコンサートホール、大学などと自治体が協定を結び、一時宿泊や避難できる体制整備なども要請している。

また、2005年に公明党東京都本部として政策提言「安心・安全 新東京プラン――TOKYOレスキュー2005」を発表しているが、この中でも災害時の混乱を最小限に抑えるため、臨時宿泊施設の提供や、遠距離通勤者を水上搬送する対応などを提言していた。

こうした都議会公明党の要請を受け、東京都は現在、帰宅困難者対策の強化に乗り出し、民間企業に食料や水の備蓄を促す条例案を検討している。

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