がん治療で最新技術を導入/高精度の放射線機器多様な部位を“狙い撃ち”/保険適用患者の経済負担を軽減/呼吸などで動く患部にも効果/公明党が一貫して推進/東京都立駒込病院

3月7日

「がん・感染症センター」として昨年9月に全面改修された東京都立駒込病院(佐々木常雄院長=文京区)にこのほど、がん治療の最先端の放射線機器が整備され、都議会公明党(中島義雄幹事長)のメンバーが視察した。新たに整備されたのは、がん細胞に放射線をピンポイントで照射する装置や、呼吸などで動く患部に対応する機器などの3機種で、これら全てがそろった全国初の施設として注目を集めている。

同病院によると、今回導入された3機種のうち、多方向から強弱のある放射線を照射し、がん細胞を破壊する「トモセラピー」は、コンピューター断層撮影装置(CT)の技術を組み合わせて、高精度な治療を実現している。従来の装置では難しかった体の軸方向に長い部位への治療も可能で、比較的大きながんに対応できる。前立腺がんや頭頸部のがん、脳腫瘍、骨盤内臓器のがんなどに適しているという。

次に、放射線をピンポイントで照射する「サイバーナイフ」は、巡航ミサイルの技術を応用したシステムにより、がん細胞を追尾。細い光線で“標的”を塗りつぶすようなイメージで照射し、誤差は約2ミリ以内。主に脳への転移や頭頸部の再発によるがん、肺がん、肝臓がんなど、直径5、6センチ程度までの比較的小さながんに対応できる。

三つ目は、呼吸などによって揺れ動くがんをとらえながら連続照射する「MHI―TM2000」。肺がんや、横隔膜付近の膵がんや肝臓がんなどの治療で威力を発揮し、誤差は0・1ミリ程度という。

トモセラピーは今年1月から稼働し、サイバーナイフによる治療は2月からスタート。MHI―TM2000も今月中に活躍し始める。

従来の放射線治療は、がん以外の正常な周辺組織にも照射され、患者にダメージ(副作用)を与えることが課題だ。また、脳腫瘍などの治療で頭蓋骨にピンを数カ所刺して固定することもある。

導入された最新技術は、多様な部位、形状のがんを“狙い撃ち”でき、患部を固定するために体を傷つけることもない。病態に応じて3機種を使い分け、最適な治療を提供することで、患者負担の大幅な低減が期待されている。

一方、これらの装置は操作が複雑で、治療計画の策定や放射線量の検証などに、高度な専門性が求められる。同病院では、医師7人、医学物理士2人、診療放射線技師16人が対応(2月現在)。昨年度から、各装置の視察や関連学会への参加など研修を重ねてきた。

なお、同じ放射線でも粒子線による高精度の治療は保険適用外で、患者の自己負担は300万円前後に。これに対して今回の機器は保険が適用されるため、経済的負担も大きく軽減される。

都議会公明党はこれまで、高精度の放射線治療機器の導入を都議会で機会あるごとに主張。2008年2月と11年2月の定例会では、同病院への導入を提案し、「がんに対する都民の不安を和らげるべき」と訴えるなど、一貫して推進してきた。

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