●7月21日
東日本大震災から1年4カ月が経過した今でも、福島県では東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の影響が色濃く残っている。東京都はこれまで、さまざまな支援策を講じてきたが、このほど鉄道事業者や金融機関、区市町村などと協力して、同県の生産物販売や観光を多角的に支援する「ふくしま⇔東京 キャンペーン」をスタートさせた。都議会公明党(中島義雄幹事長)は12日、同キャンペーンの一環としてJR秋葉原駅(千代田区)構内で開かれた「福島産直市」を視察した。
キャンペーンは、大消費地・東京と大供給地・福島の“つながり”をさらに強めるもので、6つのプロジェクトからなる。
今回の福島産直市(11~13日)は、駅ナカ・駅チカで県産品を販売する「プロジェクト1」の第1号。同県の旬の野菜や果物、喜多方ラーメン、ゆべしのほか、赤べこなどの民芸品が店頭に並んだ。
視察した都議らは商品を買い求めながら、福島県から来た販売員を激励。販売員は「こうした都の支援に、本当に感謝している。今後はモモが旬になり、秋には米の収穫があるので、これからが正念場。いろんな機会を通してPRしたい」と語っていた。
秋葉原駅に続いて、JR上野駅(台東区)の地産品ショップ「のもの」でも、25日から8月21日まで「福島のもの」が開催される。
「プロジェクト2」では、各種イベントを利用して同県産品をPRする。
第1弾は、竹芝桟橋・客船ターミナル(港区)で先ごろ開催された「愛らんどフェア・島じまん2012」での販売コーナー。農産物や銘菓のほか、地酒などを買い求める客でにぎわった。
今後、「全国都市緑化フェアTOKYO」(9、10月=上野恩賜公園)、「市場まつり」(10月=中央卸売市場)、東京マラソンのコース沿道で催される「東京大マラソン祭り」(来年2月)などのイベントに合わせてPR活動が展開される。
「プロジェクト3」では、都庁内の職員食堂などで「食べて応援!」と呼び掛け、同県産の食材を積極的に利用したメニューを提供し、安全性もアピールしている。
「プロジェクト4」は、「ふくしまへ行こう!」を合言葉に観光をPR。都営地下鉄の車内の中づり広告や主な駅でのポスター掲示、JRのトレインチャンネル(車内のドアの上にあるモニター)、テレビの都提供番組などで展開されている。
このほか、県産品について、企業や小売店の団体などへ販売協力を要請する「プロジェクト5」、通信販売での消費拡大を促す「プロジェクト6」が進められている。
都議会公明党は、一貫して福島県の復興を支援してきた。
6月の都議会定例会でも一般質問で高倉良生議員が、「福島県を応援していこうという都民の機運を高めていくため、民間団体とも連携した息の長い取り組みが必要だ」と訴え、同キャンペーンを強力に後押ししている。
今回の視察を終え、中島幹事長は「今でも、都内のスーパーでは福島県産の食品が売れ残っているといった話を聞く。都で福島県産の食品に表示する『安全マーク』を作れないかという声もある。これからも継続して支援していきたい」と強調していた。