2016.11.08 : 平成28年文教委員会 教育庁関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取

野上委員 教育に関する事務事業について、数点にわたり確認も含めて取り上げさせていただきます。
まず最初に、英語教育についてでございます。
ことしの三月の予算特別委員会で、英語教育について質疑をさせていただきました。確認の意味も踏まえて、二〇二〇年に小学校に教科としての英語が導入されます。小学校教員の免許を持っていても、英語の免許を持っていない先生が大勢いらっしゃるわけで、本格的に英語教育が始まる前に、小学校教諭と英語教諭の免許を持つことが大事であると述べたわけであります。
しかし、現場の先生方は非常に多忙で、何らかのインセンティブがなければ、英語の指導経験のない小学校の教員にとって、英語の指導力を身につける時間とか余裕とか、なかなか生まれないのではないかと思ったわけでございます。
そのことに対して中井教育長からは、都教育委員会は、都立、公立小学校で実践的な英語を指導できる教員を育成するため、今年度、平成二十八年度に英語の教員免許状の取得を支援する取り組みを実施すると。具体的に何をするのということで、小学校教員が大学の通信教育で必要な単位を取り、中学校の英語の免許状を取得した場合には、大学での履修費用の全額を都教育委員会が補助すると。その補助対象者は百二十名ということで明確に答弁がございました。
また、英語教育推進リーダー、これは原則として三カ月間、海外研修を行う。そして、日常的に実施できるオンラインによる英会話研修を行い、指導力と英語力を身につけさせてまいりますという力強い答弁もございました。
約八カ月経過をしたわけでございますけれども、改めて英語教育推進リーダーの役割と英語教育推進地域の取り組みについてお伺いいたします。

 



◯宇田指導推進担当部長 都教育委員会は、次期学習指導要領における小学校英語の教科化に伴い、平成三十年度からの先行実施に向けて、今年度、英語教育推進リーダーを二十五地区に三十八人配置するとともに、十地区を英語教育推進地域に指定して、小学校における英語教育の充実を図っております。
英語教育推進リーダーは、配置された地区教育委員会の指導のもと、模範授業を行ったり、地区内の学校を訪問して指導助言を行ったりするとともに、英語の教科化に向けた指導計画の作成や教材開発を行うなど、地区の小学校における英語教育の牽引役を担っております。
また、英語教育推進地域では、地区の教育委員会が英語の指導を効果的に行うためのガイドラインの作成や、児童の話すことを評価するためのパフォーマンステストの開発、ALTの効果的な活用など、指導を進める上で課題となることをテーマとして研究を進めており、今後、都教育委員会はその成果を全都に普及してまいります。

 



野上委員 これからはガイドラインを作成するということと、パフォーマンステストの開発を行う、また、ALTの効果的な活用を行う研究開発をし、その成果を全都に普及をしていくということだと思います。
もう一つ、JETプログラムによる外国人の英語指導者の配置と活用の状況についてもお伺いいたします。

 



◯宇田指導推進担当部長 都教育委員会は、都立高校における英語教育の充実と国際理解教育の推進のため、JETプログラムにより招致された英語等指導助手、いわゆるJET青年を平成二十六年度に百人配置し、平成二十七年度からはその規模を二百人に拡大して、全ての都立高校と中等教育学校に配置しております。
JET青年は、放課後も含めた終日を学校で勤務し、日本人教師とのチームティーチングで授業を行うほか、文化祭などの学校行事や英会話等の部活動にも参加するなど、生徒の英語による会話の機会をふやしております。
学校からは、授業以外のさまざまな場面でJET青年と活動することにより、英語嫌いだった生徒も楽しく英語学習に取り組むようになったといった報告を受けております。
今後とも、都教育委員会は、JET青年の配置と活用により、生徒の英語によるコミュニケーション能力の向上と異文化理解の推進を図ってまいります。

 



野上委員 やはり自信を持って教育をしていくということが大事だと思っております。二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックが開催をされます。世界の人々をおもてなしするためにも、しっかりと今から準備を進めていっていただきたいことを要望します。
また、中井教育長の予特の答弁につきましては、また予特でお伺いさせていただきます。
SNSの東京ルールの取り組みについて、先ほどもちょっと質疑があったんですけれども、お伺いします。
一昔前、調べ学習というと、図書館に行って本を探して調べてそれを書いて、やっていくということだったわけですけれども、現在の調べ学習は、ネットが多く使われている実態がございます。
手軽さの余り、ネットで検索した情報を安易に信じたり、コピペ、そのままコピーして張りつけたりする、そういうことが多く用いられておりまして、子供にとっても大変便利なツールではございますけれども、一方でトラブルが多く発生をしております。
ネットでの情報に信憑性があるのかどうか、この情報をうのみにしないで判断できる能力、こういったものも育成していく必要があるのではないかと思っております。
社会の情報化が急速に進展し、誰もが情報の受け手だけでなく、送り手としての役割も担う時代でございますので、そうした意味で、この情報手段を上手に使う力、情報教育を身につけさせることが必要だと思っております。
昨年十一月に、SNS東京ルールを策定してから間もなく一年となります。現在までの学校での取り組みについてお伺いいたします。先ほどの答弁とダブるところがあるんですけれども、よろしくお願いします。

 



◯出張指導部長 本年六月に都教育委員会が行った調査では、学校のルールを策定した小学校が約八〇%、中学校が約八八%、都立学校が約六五%でございました。
また、保護者やPTAとの連携のもと、家庭における話し合いの啓発を働きかけた小学校が約八〇%、中学校が約八六%、都立学校が約六七%であり、学校ではSNS東京ルールに基づいた学校や家庭におけるルールづくりが進められております。
取り組み例といたしましては、保護者と一緒につくったルールを宣言書にまとめ、守ろうとする意識を高める取り組みや、子供が中心となり、アンケートを行いながらルールをつくる取り組み、一度つくったルールを自分たちの行動に照らし合わせて見直しを図る取り組みなどが実践されております。

 



野上委員 学校のルールを作成したパーセントと家庭における話し合いの啓発を働きかけたパーセントが大体似通っております。そういった意味で、SNS東京ルールの策定、大変大事な成果ではないかと思っております。
十一月四日でしたかしら、銀座ブロッサムで行われた情報教育フォーラムに私も参加をさせていただきました。大体こうしたフォーラムって、ぱらぱらのところが多かったんですけれども、今回の銀座ブロッサムはいっぱいで、満員で、会場いっぱいの人が集まっておりまして、大変盛況でございました。展示物も含め見学をさせていただきました。
また、児童生徒のプレゼンがすばらしくて、原稿なしで発表しているんですね。生き生きと発表していて、よくこれだけの長い文章を覚えているなというふうに感動いたしました。
そこで、今回、二回目ということでございますが、情報教育フォーラムの実施の意図と成果についてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 情報教育フォーラムは、児童生徒が学習を通して感じ、考えたことをみずからの言葉で発信することで、参加した教員や保護者、事業者、都民等とともに情報モラルについて考えることを狙いとしております。
情報モラル推進校の小学生からは、決めたルールを守ろうと思った、中学生や高校生からは、小学生に教える活動を通して、自分のかかわり方を見詰め直すことができたなどの意見がありました。さらに、保護者からは、親子でしっかりと話し合い、ルールづくりを進めていきたいとの声が寄せられました。
こうしたことから、このフォーラムを通して、情報モラル教育を進めていくことの重要性を子供も大人も確認し、社会全体で子供を守っていくことを認識する機会となったと考えております。

 



野上委員 この情報教育フォーラムの中でも、ネットのトラブルへの対応についての報告もありました。また、講師の先生からも、かわいいものをぱっと見たときに、文字入力では「かわいくない」、「かわいくない?」というのとニュアンスの違いで、共感したつもりがかわいくないと否定されたように受け取られてしまうこともあるということで、それがきっかけでいじめなどのトラブルに発展するというケースもあるということが報告をされておりました。
そこで、トラブルなどが生じた際に、相談できる体制をネット環境上に構築することも必要と考えますけれども、都教育委員会の取り組みをお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 都教育委員会が取りまとめましたいじめ問題に関する研究報告書によりますと、いじめに遭っても保護者や学校の教員など誰にも相談しなかったと回答した児童生徒の割合は約四六%でございます。
こうしたことから、児童生徒が困ったときに、直接教育相談センターに電話ができるアプリを年度内に開発いたします。
加えて、困ったときの対処法を提示し、相談を後押しするアプリも開発いたしまして、トラブルに遭った児童生徒が相談しやすい環境の構築を進めてまいります。

 



野上委員 これはとても大事なことだと思っております。前に、アルバイト先の学生が飲食店の冷蔵庫に自分が入っている写真をSNSに投稿し、大騒ぎになったことがあります。
その学生は、結局は学校を退学させられて、損害賠償も請求され、遊び半分でやったことだったかもしれないんですけれども、その軽はずみなSNSでの投稿で人生を大きく狂わせてしまったということがありました。
情報モラル教育のこれからの一層の推進を通して、子供たちの情報社会を生き抜く力が向上することを期待します。
次に、特別支援教室についてお伺いいたします。
区市町村において、本年度から小学校の特別支援教室が本格導入となりました。指導を行う教員も、昨年度の千六十一人から本年度は千百三十二人と、七十一人増加をしておりました。中には、新たに特別支援教室での指導に携わる教員も存在すると考えます。
一方で、学校現場では、巡回指導を行う教員への期待が大きく、その専門性の担保が非常に重要であると考えます。
巡回指導教員の専門性の向上に向けた都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

 



◯浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教室での巡回指導を担当する教員の育成を目的といたしまして、実践報告や協議、演習等を内容とした研修を実施しております。
今後とも、巡回指導教員の専門性の向上を図るための研修等に取り組んでまいります。
また、経験の浅い教員への実際の指導場面における指導助言を想定し、専門性の高い教員と組み合わせて巡回指導体制を編成するなど、効果的なOJTが行える体制を構築している区市町村もございます。
今後は、こうした効果的なOJTの具体的事例を積極的に紹介してまいります。

 



野上委員 ただいま効果的なOJT、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの具体的な事例を積極的に紹介していくという答弁がありましたけれども、事例の紹介方法としては、ホームページの活用なども効果的と考えますけれども、具体的な紹介手法をお伺いいたします。

 



◯浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、より効果的にOJTを行える巡回指導体制の編成の事例につきまして、今後、区市町村教育委員会に対し説明会を開催して周知するとともに、ホームページにも掲載するなどして広く紹介してまいります。

 



野上委員 いろいろ冊子をつくったりすることも、私はいいのかなとも思うんですけれどもお金がかかりますよね。そういう意味で、ホームページにそうした事例をぱっと載せるということは、非常に、使いたい人がその場で見られますし、そんなにお金もかからないと思うんですね。ずっと永遠に残っていくということもありますので、ぜひホームページに紹介手法として掲載をしていただければと思っております。
それからもう一つ、区市町村の期待が大きい中で、粉骨砕身して指導に当たっている教員がいる一方で、児童一人一人の障害の状態に応じた適切な指導を教員が行うためには、専門的立場から教員に対しての助言を行う臨床発達心理士等の活用が必要です。
現在、特別支援教室設置校一校につき年十回、一回につき四時間を原則としている心理の専門家の巡回体制を、現場で、より弾力的に活用できるようにしていくべきと考えますけれども見解を伺います。

 



◯浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教室を利用する児童が抱える学習面、行動面での困難についての的確な把握と、それに基づいた指導、支援を適切に行うため、本年度は希望のあった特別支援教室設置校の全てに臨床発達心理士等の心理の専門家が巡回し、必要に応じて助言を行う体制を整えております。
今後は、各区市町村教育委員会がその実情に応じて、心理の専門家を柔軟に活用できるよう、本年度の活用状況を検証の上、運用方法の改善を検討してまいります。

 



野上委員 一人一人の状況が全く違う場合がありますので、非常に専門性の高い先生と新卒で少し研修を受けた先生と一緒になってOJTでやっていきながら、しかも、もう一つは、臨床発達心理士の方の非常にすぐれた、その子供を見取って指導するやり方等々をやっぱり教えていっていただくことが大事ではないかと思っておりますし、それに使う時間も幅を持たせて使っていければいいかなというふうに思っております。
発達障害のある児童生徒にとってわかりやすい授業を行う上では、必要によりDAISY教科書等を活用することが有効だと思っております。子供によっては、縦に字がなかなか真っすぐに読めない子がいて、一行飛ばして読んだりする子供たちがいるわけです。そのときに、黄色か何かで読んでいるところに印をつけて、次の行に行ったらまた黄色で印をつけたりするようなDAISYを使うことによって、内容をよく正確に読み取れたりするんですね。
そういうDAISYが必要な子供というのは非常に少ないとは思うんですけれども、障害特性に配慮したDAISY教材等の活用、このことを都教育委員会から区市町村教育委員会へ十分な情報提供に努めることが重要であることを意見表明して次の質問に移ります。
次は、オリンピック・パラリンピック教育についてお伺いいたします。
これも先ほどとちょっと似ているところもあるんですけれども、東京二〇二〇大会に向けて、オリンピック・パラリンピック教育を全ての学校で展開することは、東京都の子供たちのよいところをさらに伸ばし、弱みを克服できる絶好の機会であると考えております。
このオリンピック・パラリンピック教育を実施するに当たって、都教育委員会は年間三十五時間程度を目安として実施するよう各学校に周知しており、先進的な学校では総合的な学習の時間に実施したり、さまざまな教科でオリンピック・パラリンピックと関連づけたりして行っていると聞いております。
一方では、オリ・パラ教育をどの教科にどういうふうに結びつけたらいいか、なかなかわからないっていうふうに訴えている学校もあると聞いております。例えば防災教育も三十五時間ということで、これどこで教えるんだろうと心配したことがあったんですけれども、それも「三・一一を忘れない」という防災の本がありまして、それで道徳だったり、国語だったり、社会だったり、こういうところでこの防災教育を教えたらいいという読本を出していただいたんですけれども、オリンピック・パラリンピック教育についても、そうした具体的に関連づけて示すための読本というのが要るんじゃないかというふうに思っているんですね。
都教育委員会のこの所見についてお伺いいたします。

 



◯宇田指導推進担当部長 オリンピック・パラリンピック教育を通して重点的に育成すべき五つの資質は、これまでの教育活動においてもその育成の取り組みが展開されていることから、オリンピック・パラリンピック教育は、各学校で日常実施している各教科、道徳、特別活動等の内容と関連づけて進めることが重要であります。
そのため、都教育委員会は今年度当初の全校対象の説明会で、オリンピック・パラリンピック教育の進め方について周知徹底するとともに、各教科等と関連させた具体的な事例をまとめた実践事例集を七月に全教員に配布いたしました。
また、夏季休業中にこの事例集を活用した研修会を実施し、各教科等との関連を図った指導計画作成の演習を行いました。
今後、都立学校及び小中学校の校長会において、各学校の教育課程にオリンピック・パラリンピック教育が確実に位置づけられるよう、指導助言をしてまいります。

 



野上委員 私も先日、冊子を見せていただきましたけれども、非常に上手に短期間でよくこれだけまとめられたなというふうな内容になっておりますので、ぜひ各学校においてもしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
また、都教育委員会は、オリンピック・パラリンピック教育を通して育成する重要な五つの資質を育てるために四つのプロジェクトを推進しており、私はその一つである夢・未来プロジェクトを葛飾区の中学校で参観をいたしました。
今回のリオ・パラリンピックでも銅メダルを獲得した車椅子テニスの齋田悟司選手から、子供たちに向けての数多くの困難を乗り越えた体験等のお話や障害者スポーツの実技指導が行われました。大変有意義な取り組みであると認識をいたしました。
私も初めてそこで知ったんですけれども、車椅子テニスと普通のテニス部の子供が一緒にテニスをしたんですけれども、本当にすばらしい動きで感動いたしました。
このように、子供たちがオリンピアンやパラリンピアン等と直接交流し、オリンピック・パラリンピックのすばらしさや思いやり、努力の大切さを実感できる取り組みを一層推進していくべきと考えますが所見を伺います。

 



◯宇田指導推進担当部長 都教育委員会は、子供たちがスポーツへの関心を高め、目標を持つことの大切さを理解する契機とするため、平成二十年度からオリンピアン、パラリンピアン等の学校への派遣事業を開始し、平成二十七年度からは夢・未来プロジェクトとして実施しております。
オリンピアン、パラリンピアン等と交流した子供たちからは、挑戦することや諦めないことの大切さを学んだなどの感想が数多く聞かれ、学校や保護者等の評価も高い事業でありますことから、本年度は昨年度の二倍の二百二十校で実施し、中でも障害者アスリートは、昨年度と比べ約三倍の九十校へ派遣する予定であります。
今後、これまで派遣実績がない学校にもオリンピアン、パラリンピアン等を派遣することにより、都内の多くの子供たちが世界最高の舞台を身近に感じるとともに、夢に向かって努力したり、困難を克服したりする意欲を培うための機会を提供してまいります。

 



野上委員 特にパラリンピアンの方々が健常者であったときから、病気になったり、難病になったりして、思いもしなかった人生のどん底を味わって、絶望した後、もう一度自分を奮い立たせていく、そういう過程が子供たちに物すごい感動を呼んでおります。
このパラリンピアンの手配とかオリンピアンの手配とか、人の手配等大変だと思いますけれども、ぜひ努力をして、多くの子供たちのためにアスリートとの交流の機会を持っていただきますようよろしくお願いを申し上げます。
次に、フリースクール等々の民間団体との連携について質問をいたします。
先日、十一月三日、文化の日だったと思うんですけど、葛飾区にあるフリースクール、東京シューレ葛飾中学校というのがあるんですけれども、そこで開催された研究発表会に参加をいたしました。
その中のシンポジウムで、小学校からずっと不登校で、中学校をやっと葛飾にある東京シューレ中学校に通って、その後、また東京都の単位制高校とかに行って、その方が今は京都大学の理学部の物理学専攻に通っていて、宇宙工学を研究し大学院への進路も決まっているというような話をしておりました。
自分の居場所が見つかれば、安心して学業にも励むことができるし、自分の道、自己実現も図っていけるということを力強く述べていらっしゃいました。
国の方でも、フリースクールに関する協議も今行っており、審議はストップしております。これから学校教育法の一条校に載っていない学校に対しても、子供の居場所づくりや学力支援で新たな連携を進めていくような流れにはなってくると思いますけれども、平成二十七年の第一回定例会で、フリースクール等の民間団体との連携について取り組みを私はお聞きしたんですけれども、その後どうなっているのかについてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 都教育委員会では、今年度、区市町村教育委員会やフリースクール等民間団体の関係者を集め、今後における学校とフリースクール等民間団体との連携をテーマといたしまして意見交換会を実施いたしました。
また、フリースクール等民間団体が持つ居場所づくりなどの効果的な事例を、教育支援センターにおける指導内容に取り入れて検証を図るため、試行的に五区市で月二回程度ずつ委託事業を実施しております。
今後、これらの取り組み事例を区市町村教育委員会で不登校対応に当たる担当指導主事連絡会で情報提供するなど、理解の促進に努めてまいります。

 



野上委員 いろいろな動きがあるんですけれども、今後のフリースクール等民間団体との連携の方向性についてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 不登校児童生徒の将来の社会的自立に向けた支援に当たっては、個々の状況に応じた多様な教育機会を確保することが必要でございます。
今後、都教育委員会では、これまでの取り組みを踏まえるとともに、国における不登校対策関連の動向を注視するなど、さまざまな関係機関との連携のあり方について検討してまいります。

 



野上委員 中途退学をした子供とか不登校の子供たちの立ち直りの場として、本当は公立の学校等に戻っていければ一番いいとは思うんですけれども、どうしてもいじめとか精神的なもので通えない子供たちの一つの教育の場ということで考えていただくということも大事なのかなというふうに思っております。
次に、小中学校において、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの外部人材同士が連携をし、児童生徒や保護者に対して効果的に支援を行うことができるようにするための都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 都教育委員会は、小中学校において外部人材同士が連携して効果的に子供の健全育成上の問題を解決できるようにするため、すぐれた実践をまとめた資料の配布や区市町村教育委員会を対象としたパネルディスカッションの開催などにより、先進事例の共有化を図ってきております。
このパネルディスカッションでは、経験豊かなスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等をパネリストとして招聘し、外部人材相互の情報共有やそれぞれの専門性を生かした役割分担のあり方などについて協議を行いました。
今後、都教育委員会は、区市町村教育委員会の担当者会議に加え、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの連絡会を通して成果の上がった事例を周知し、学校が子供や家庭の抱える問題の解決に向け外部人材を有効に活用できるよう、一層の啓発を図ってまいります。

 



野上委員 各学校において、教職員が同じ基準に基づいて、気づきにくいいじめについても確実に発見をし、解決を図ることが必要であると考えますけれども、都教育委員会の認識と取り組みについてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 周囲から見えにくい軽微ないじめや、子供が訴えられない陰湿ないじめを見逃さずに発見し早期の解決に導くためには、教職員がいじめはどの学校、どの子供にも起こり得る問題と捉え、いじめ防止対策推進法の定義に基づいていじめを認知するとともに、その情報を学校全体で共有し対応することが不可欠でございます。
こうしたことから、都教育委員会は、これまでの学校の取り組みから明らかになった課題を改善するため、今年度中にいじめ総合対策を改定し、新たに子供が受けた心身の苦痛に応じたいじめの類型やいじめを発見するためのアンケートの活用事例を示すなどして、学校の取り組みの強化を図る予定でございます。
この新たないじめ総合対策を踏まえ、来年度以降、全ての学校において教職員による共通理解と組織的な対応を徹底させることができるよう、OJTや校内研修を一層充実させてまいります。

 



野上委員 よろしくお願いいたします。
次に、教員、職員のメンタルヘルス対策についてお伺いいたします。
児童生徒に対する教育を考える上で、教員が精神的に健康であること、元気であることは大変重要であると考えております。
これまでもずっと文教委員会や予算特別委員会等において、教育職員の精神疾患による休職者数の推移とか復職に向けた具体的な取り組みについて何度も質問をしてまいりました。
しかしながら、現時点でも児童生徒の教育に携わるという重要な仕事を担っている教育職員が心を病み休職するということは残念な状況でございます。なかなか解消されておりません。
本日は、改めて精神疾患による休職者の状況と復職の早期自覚、早期対処のための都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。
まず、精神疾患による休職者数の状況についてでございますが、都の公立学校の教育職員のうち、平成二十六年度に精神疾患のために休職した職員数は五百二十五人ということで、近年では毎年度五百名前後で推移しているといえます。
こうした中で、予防あるいは復職などに向けた効果的な対策を講じるためには、休職者の総数だけではなく、校種や年齢別の状況、傾向を把握していくことも必要だと思っております。
そこで、平成二十六年度の状況について、校種ごとの精神疾患による休職者数と在職者に対する精神疾患による休職者の割合をお伺いいたします。

 



◯江藤人事部長 平成二十六年度の精神疾患による休職者五百二十五名の校種別の内訳は、小学校二百八十六名、中学校百二十七名、高等学校等五十一名、特別支援学校六十一名でございます。
また、在職者に対する精神疾患による休職者の割合は、都内公立学校全体では約〇・九%でございまして、校種別では小学校が約一・〇%、中学校では約〇・九%、高等学校等では約〇・五%、特別支援学校では約一・一%でございます。

 



野上委員 小学校、中学校、特別支援学校では約百人に一人の割合で精神疾患になっていると。高等学校では二百人に一人ぐらいの割合で精神疾患ということでございまして、校種ごとの状況では、特定の校種に集中して休職者が発生している状況ではないことがわかりました。ちょっと高等学校等は、割合は少ないということがわかると思います。
次に、平成二十六年度における年齢層ごとの在職者に対する精神疾患による休職者の割合をお知らせください。

 



◯江藤人事部長 平成二十六年度の年齢層ごとの在職者に対する精神疾患による休職者の割合は、二十代では約〇・五%、三十代は約一・一%、四十代は一・〇%、五十代は約〇・九%となっております。

 



野上委員 年齢別の状況でも、若い人は少ないと思いますけれども、特定の年齢層に休職者が集中しているわけではないようです。
精神疾患により休職に至った経緯は、職場の人間関係や仕事の内容などにも起因するもの、あるいは家庭の介護とか育児を初めとする生活上の問題などに起因するものなど、さまざまであると聞いております。
また、実際に校種のさまざまな年齢層の教育職員が休職をしている状況からも、休職者の復職に向けた支援などは、一人一人の状況を踏まえた丁寧な対応を図っていくことが重要になってくると思います。
そこで、続いて教育職員の復職に向けた具体的な取り組みについてお伺いいたします。
都教育委員会は、平成二十二年度に復帰訓練機関として、リワークプラザ東京を開設しました。教員の職場復帰に積極的に取り組んでおります、このリワークプラザ東京における具体的な支援内容や教員の復職実績など、復職支援の実態についてお伺いいたします。

 



◯太田福利厚生部長 リワークプラザでは、臨床心理士や校長OB等が支援対象の教員一人一人の状況に合わせた個別の訓練プログラムを作成するとともに、職場復帰訓練の段階に応じて学校を訪問し、適切な状況の把握に努め、きめ細やかな指導助言を行っております。
訓練プログラムに従い、教員は軽微な作業や事務の補助などから、段階的に訓練内容を広げていき、最終的には再び授業が行うことができるまで回復し職場に復帰してきております。
さらに、復職後においても学校へのフォロー訪問を行うとともに、状況に応じて必要な助言、支援を行い、円滑な職場復帰、再休職の防止に努めております。
このような支援を通じ、平成二十七年度に訓練を申請、開始した者百三十五名のうち、百五名の教員が訓練を終了し復帰いたしました。

 



野上委員 この職場復帰訓練を希望して受けた教員のうち、昨年度は八割近くの教員が復職している、そのことについては一定の評価ができます。
ところで、都教育委員会は、この職場復帰訓練以外にも、早期自覚、早期対処の予防策が重要であるとの認識に立ち、さまざまなメンタルヘルス対策を講じてきておりますけれども、現状の取り組みについてお伺いいたします。

 



◯太田福利厚生部長 都教育委員会は、メンタルヘルス対策の取り組みとして、精神科医や臨床心理士等による土日を含めた相談、臨床心理士の講師派遣、初任者や新任副校長に対するカウンセリングなどを実施しております。
また、これまで都教育委員会が独自に実施してきたストレス検査にかわり、今年度からは都立学校の全教職員を対象に、高ストレス者のうち希望者が医師による面接指導を受けられるストレスチェックを実施しております。
これらの取り組みによりまして、教職員の早期自覚を促し、メンタル不調の未然防止に努めております。
都教育委員会では、今後とも早期自覚、早期対処を基本としたメンタルヘルス対策に積極的に取り組んでまいります。

 



野上委員 教育職員が心を病み、休職するということがないように、また残念にも休職せざるを得なくなった教育職員については、一人一人の状況を十分に踏まえたきめ細かな支援を行うことで、ぜひ元気を取り戻し職場に復帰できるよう、都教育委員会は教育職員のメンタルヘルス対策に引き続き積極的に取り組んでいかれることを強くお願い申し上げます。
アクティブラーニングについて質問させていただきます。
私は、グローバル化の進展など変化の激しい時代を担う子供たちに必要な力を身につけさせるためには、学校において生徒が受け身の姿勢のまま教師が一方的に説明する授業ではなく、生徒が能動的に活動する、そういった学習活動が必要だと感じております。
生徒自身が自分の目で見て、自分で調べて、自分の頭で考えて、自分が獲得した知識やスキルを使って討論したり、友達の考え方を自分の中に取り入れたりする、こういった主体的、共同的な学習こそがこれからの時代に求められる形だと思っております。
国の動向を見ますと、昨年、中央教育審議会において、課題解決力を育成するため、主体的、共同的な学習、いわゆるアクティブラーニングの充実に向けた授業改善が挙げられております。
私は、昨年十二月の文教委員会において、高等学校におけるアクティブラーニングの必要性と今後の取り組みについて質問をいたしました。指導部長から、今年度、アクティブラーニング推進校を新たに指定するなど、取り組みを推進する旨の回答をいただきました。
そこで、都教育委員会が指定したアクティブラーニング推進校の取り組み状況についてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 アクティブラーニング推進校では、指導方法に関する研究や教材の開発を行うため、外部の専門家を招いた校内研修や先進校の視察などを行っております。
また、全ての推進校が日常の授業において、討論、発表、レポート作成などの言語活動を実践し、生徒の思考力、判断力、表現力等を育成しております。
例えば、講義中心の一斉授業から生徒の多様な思考を促す発問をしたり、生徒同士の話し合い活動を設けたりすることで、生徒が自分とは異なる意見を持つ他者との対話を通じて、物の見方や考え方を広げるための授業を展開しております。

 



野上委員 アクティブラーニング推進校が授業改善の取り組みを着実に進めていることがわかります。今後もしっかりと取り組みを進めてほしいと思います。
ところで、推進校以外にもアクティブラーニングの手法を取り入れた実践を行っている学校があると聞いております。私は、地元の学校などでさまざまな授業を参観しておりますけれども、アクティブラーニングに対する教員の正しい認知はまだ十分とはいえず、アクティブラーニングに対しての否定的な教員や取り組みに不安を感じている教員もいると聞いております。
このような中で、アクティブラーニングを確実に都立高校に浸透させるための取り組みが必要だと考えております。
そこで、アクティブラーニング推進校以外の都立高校にアクティブラーニングをどのように広めていくのか、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

 



◯出張指導部長 都教育委員会は、アクティブラーニングの手法を全都立高校に普及するため、各都立の研修担当主任教諭などを対象としたアクティブラーニング推進校実践報告会を本年十二月に開催する予定でございます。
また、推進校のすぐれた授業実践などの成果を報告書にまとめるとともに、アクティブラーニングの手法を用いた授業について紹介したDVDを新たに作成し、今年度中に全都立高校に配布することとしております。
こうした取り組みにより、全ての教員が主体的、対話的で深い学びの視点を生かした授業が行えるよう、各学校を支援してまいります。

 



野上委員 報告書とDVDの配布、どうぞよろしくお願いをいたします。
最後に、教育管理職の確保と育成について伺います。
学校経営の責任者である校長、そして校長を支える副校長を確保、育成することは、東京の教育を推進する上で非常に重要であります。
一方、教育管理職選考の受験者数が低迷していることを伺っております。管理職の中心的ななり手であります四十代の教員が少ないこと、一教員として教壇に立っていたいとか、多忙な副校長の姿を見て管理職の仕事に魅力を感じない等、いろいろな理由があると伺っておりますが、学校現場からも、管理職をやりたい者が少ない、今後、学校に副校長が配置されないのではないかという声も聞いております。
全ての学校現場に副校長が配置されなければならないと思いますけれども、教育管理職確保に向けたこれまでの取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。

 



◯江藤人事部長 都教育委員会は、これまで教育管理職確保に向けて、教育管理職選考に区市町村教育委員会及び校長による推薦制を導入するなど、選考制度の改正を行うとともに、副校長を補佐する校内組織である経営支援部の設置を促進するなど、副校長の業務負担軽減を図ってまいりました。
今年度から、当面の対応として、退職校長、副校長を再任用管理職として積極的に活用していくとともに、選考合格の翌年度に副校長として配置します経験豊富な教員を対象とした教育管理職C選考の合格予定者数を拡大してまいります。
また、本年六月に設置した都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会の議論を踏まえ、副校長のさらなる業務負担軽減策を検討するなどにより、教育管理職確保に努めてまいります。

 



野上委員 人材確保のために、都教育委員会が教育管理職の確保に課題意識を持って積極的に取り組んできていることは理解をしております。
これまで大量退職に伴う教員の大量採用を行ってきておりまして、小学校を中心に、教員全体の中で若手教員が占める割合が大きいと伺っております。
このような状況にあっては、若手教員がこれからの東京の教育を担っていく存在でありまして、若手教員が学校マネジメントに対する関心を高め、積極的に教育管理職になっていくことが必要と考えております。
教育管理職の確保に向けて、若手教員の育成を進めていく方途について所見をお伺いいたします。

 



◯江藤人事部長 都教育委員会は、これまで教員人材育成基本方針やOJTガイドライン等を作成し、若手教員であるうちから学校マネジメント能力の育成を図ってまいりました。
また、有望な若手教員に対するキャリア形成や学校マネジメント能力の育成を目的に、平成二十六年度から初任教諭等を対象にした学校リーダー育成特別講座を実施しており、三カ年で三百名が受講し、講座終了後のアンケート結果からは、教育管理職を目指す意識が高まったことがうかがえました。
今後とも、学校経営を担う教育管理職の魅力向上を図るとともに、学校リーダー育成特別講座のさらなる拡充を検討するなど、管理職を目指す若手人材の育成を積極的に進め、教育管理職の確保に努めてまいります。

 



野上委員 都教育委員会が管理職確保に係る課題の解決を図っていこうとしていることに一定の評価をいたします。
先月の末に、東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会中間のまとめが発表されました。その中で、学校運営事務を担う学校事務職員についても触れられておりました。
学校事務職員には、学校経営を支える役割を果たすことが求められておりますが、現在、さまざまな課題もあって、学校事務の共同実施等の方策を検討する必要性が述べられております。学校事務職員が校長、副校長の学校経営をこれまで以上に支える存在となるように、さらなる検討を深めていただきたいと考えます。
学校がさまざまな課題に対応した教育活動を行っていくためには、校長や副校長である教育管理職の役割は大変重要でございます。都教育委員会は、あらゆる手段を講じて、引き続き管理職確保に努めていただきたい旨お願いして、質問を終わります。
以上でございます。

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