平成13年文教委員会(2001年10月11日)ドメスチックバイオレンス対策について等

平成13年文教委員会(2001年10月11日)


◯野上委員

 私は、大学改革全般についてお伺いいたしたいと思います。
 昨年八月に教育庁の中に、この大学改革担当の組織が設置されて、ことしの四月には、今ありますように大学管理本部を局として立ち上げるなど、これまでにも都立の大学全体の改革に、さまざまに取り組んでこられたわけです。
 そもそも都立の大学改革が必要になった背景にはどのようなものがあったのか、それをちょっとお伺いしたいと思っております。

◯佐藤改革推進担当部長

 大学改革が必要になった背景でございますが、社会経済のグローバル化や科学技術が進展する我が国におきまして、大学に対して教育研究の質の向上を求める声が、産業界を中心に国民全体から高まっている。また、平成十二年度では、全国で大学や短期大学への進学率が四九%に達しております。さらに、十八歳人口の減少によりまして、大学は入学希望者全入時代に近づいているというふうにいわれております。今後は、それぞれの大学が、それぞれの個性や特色、教育研究の内容で評価をされて、選ばれ、淘汰される競争の時代になっていくだろうといわれております。一方で、社会人の生涯学習に対するニーズも多様化してくるなど、大学に求められます役割が、ますます重要なものとなってきております。
 都立の大学の改革が必要となった背景といたしましては、このような日本全体として大学が社会に貢献できるものとなるよう、改革の必要性が急速に高まってきたことがあると考えております。
 これに加えまして、都内には二百近くの大学や短期大学がひしめく状態にございます。そういう現在、都立の大学の設置目的であります都民生活や都内の産業、都政に対する教育と研究の成果による貢献につきまして、これまで以上にその役割と説明責任を果たすことが求められてきた、こういう点が背景にあると思っております。

◯野上委員

 背景がよくわかりましたけれども、文部科学省がことしの六月に、大学の構造改革の方針、いわゆる遠山プランを打ち出されました。そしてまた同じく文部科学省の方から、九月には、調査検討会議において新しい国立大学法人法、これは中間報告ですけれども、矢継ぎ早に発表されるなど国においてもどんどん改革が進められております。けさの新聞にも出ておりましたけれども、十二大学の統合が検討されているというふうなことも書いてありました。
 九月の中間報告の冒頭で、その本の中に、二十一世紀は知の時代にあって我が国は学問と文化の継承、発展、創造を通じ、国際社会への新たな価値の発信が求められている、二十一世紀における大学の責務は極めて重大である、そういうふうに述べられております。そうした時代の変化に適切に対応して、社会経済のニーズ、とりわけ都民のニーズに適合した教育研究を実現することが、やっぱり都立大学の行うべき改革であると私は考えております。そのためには、例えば、こんないい方をしたらちょっとあれなんですけれども、役割の低下した学部ですね、夜間課程ですか、それとか短期大学について、そのあり方を見直すことが本当に必要ではないかと思っております。もちろん働きながら学ぶ学生の立場にも本当に十分に配慮しつつも、ニーズの高い専門職業人の育成の対応に力を入れるなど、やはり既存の制度に縛られない改革を行うことが、今は必要なのではないかというふうに思うのですけれども、ご見解をお伺いしたいと思っております。

◯佐藤改革推進担当部長

 本年二月に策定をいたしました大学改革基本方針では、都立の大学のあり方につきまして、社会経済の変化に伴う都立の大学としての教育ニーズの変化に合わせた改革を行うこととしております。ご指摘のありました夜間課程や短大につきまして、社会が求める役割の変化に対応した見直しを行うとともに、希望する講義だけを受講する科目等履修生制度の拡充ですとか、在学年限を限定しないパートタイム学生制度の導入など、修業形態の多様化に合わせました新たな形態での社会人向けの学習機会提供を検討してまいります。
 また、ご指摘の、社会的ニーズが高まっております高度な職業専門人の育成に対応するために、プロフェッショナルスクールの整備についても、あわせて検討してまいります。

◯野上委員

 先ほどいわれましたように、社会から大学改革の必要性がこれほど強く求められてきたのに対して、これまで大学が敏感に反応できなかったという──言葉がちょっと悪いんですけれども、大学、とりわけ教員社会の閉鎖性、これが背景にあるのではないかというふうに私は思っております。
 その典型である教員人事についていえば、社会から隔絶された学問の世界、それも細分化された、いわゆるタコつぼのような狭い領域の中で、ベテラン教授の特定の人脈による人事、一本釣りとか、そういうものがまかり通ってきたなどの問題があるような気がいたします。このような慣行を改める必要が私はあると思っております。
 要するに、外部からも積極的に人材を取り入れるなどして、人事のルールについて、風通しをよくするような取り組みについてはどのように行ってこられたのか、これをお伺いしたいと思っております。

◯佐藤改革推進担当部長

 教員人事につきましては、特定の人脈に偏ることがないように、大学や研究機関から有為な人材を幅広く、かつ公正に確保する観点から、現在、文部科学省の機関でございますけれども、全国の教員の採用情報を集約しております、国立情報学研究所等に採用の情報を提供するなど、採用に当たりましてはできる限り公募に努めてきたところでございます。今後、透明性、公平性を高める観点から、さらに検討を深めていきたいと思っております。

◯野上委員

 公募などを行うことも本当に重要だと思うんですけれども、システムとして、人事の透明性をもっと高める制度や運用について、ぜひ今回の改革の中で具体化を図ってほしいと思っております。
 また、外部からの人材の受け入れだけではなく、教育や研究の成果について、外部から厳しい目でチェックされるような機関というんですか、そういったことが重要と考えておりますけれども、ご見解をお伺いしたいと思っております。

◯佐藤改革推進担当部長

 教員の人事のあり方につきましては、なおシステムとして透明性を高める方策につきまして、今後とも検討してまいります。
 また、教育研究に関する評価についてでございますけれども、これまでも大学としまして、外部の有識者による外部評価も行ってきておりますけれども、今後、第三者機関による評価の導入を含めまして、評価システムをさらに確かなものとしていくよう、検討をしてまいります。
 また、本年七月に大学運営諮問会議を設けまして、都立の大学のあり方につきまして、総合的な視点で外部の有識者から意見をいただくこととしたところでございまして、今後、大学運営全般について外部意見の反映に努めてまいりたいと思います。

◯野上委員

 そういった制度をいかによいものにしてきても、結局は、そこで教育研究を行う教員の意識改革、これがなされなければ、真に実効のある改革とはなかなかならないと思っております。これまでのように学問だけに向いていた教員の意識自体を、やはり変えていくことも肝要であると考えております。
 管理本部として、教員の意識改革にどのように取り組むおつもりなのか、最後ですけれども、本部長のご決意をお伺いできればと思っております。

◯鎌形大学管理本部長

 都立の大学が、都民を初めとしまして社会により一層貢献できるようにしていくためには、大学が外の声を、大学の教員それ自体が真摯に受けとめて、それを教育や研究に反映する、そういった仕組みづくりを行う必要があると、このように考えております。
 そのためには、ただいまご指摘いただきましたように、教員がこれまでの意識を根本的に改めることが必須でございまして、本部といたしましては、先ほどご答弁申し上げましたように、人事だとか評価のシステムを改革する、さらには都民と直接触れ合う産学連携の充実などさまざまな改革に取り組むことを通じまして、教員の意識改革を強力に進めてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 私は、配偶者に対する暴力、ドメスチックバイオレンス──ここではDVと表現させていただきますけれども──について、都の今後の対応についてお聞きしたいと思っております。
 かつて平成九年度に都が実施いたしました女性に対する暴力に関する実態調査、この種の調査といたしましては、多分日本で初めてのものだったと思うんですけれども、大変注目をいたしました。
 その後、平成十年度には国が全国的な規模で調査を行いまして、その後いろいろな各自治体で調査が行われております。どの調査におきましても、ほぼ共通した結果が見られます。びっくりするような内容で、本来最も安全で安心でき、またほっとできる場である家庭で、これほどまでに配偶者間の暴力が行われていたのかということが明らかになりまして、大変大きな衝撃をまた与えられたわけでございます。私も実際に、私が受けたわけじゃないんですけれども、着の身着のままで夫からの暴力で飛び込んできた方をどのようにケアしたらいいかという、民間シェルターとか公営のシェルターとか、そのかかわり合いで、非常に現実厳しいなあということを目の当たりにしたことがございます。実際、家庭内における配偶者間の暴力を防止していくということは、これからの男女平等参画社会を形成していく上でも、非常に重要な取り組みと私は思っております。
 全国に先駆けて平成十二年の四月に、東京都の男女平等参画基本条例というのがございます。これなんですけれども、この十四条第三項の中で、「家庭内等において、配偶者等に対する身体的又は精神的な苦痛を著しく与える暴力的行為は、これを行ってはならない。」、こういうふうに規定をしております。
 また、平成十二年度に出されました東京構想二〇〇〇におきましても、家庭内暴力の取り組みが計画化されるとともに、本年の都議会の第一定におきましても、ウィメンズプラザの直営化の質疑では、行政として、企業における女性の参画促進とともに、配偶者等への暴力防止への取り組みを進めていく必要性、こういったものが明言されておりました。
 平成十三年四月に国会におきまして超党派の賛成で成立いたしましたのが、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法ですね。このような社会的な動きを背景に生まれたものだと私は思っております。
 そこでお伺いするんですけれども、このDV法の主な内容や特徴などについてちょっと詳しくお尋ねしたいと思っております。

◯高西男女平等参画担当部長

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法でございますが、この主な内容と特徴としましては、大きな特徴といたしまして、まず第一に、国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有するといたしまして、特に都道府県には配偶者暴力相談支援センターの機能を整備するように義務づけております。これは、配偶者暴力の被害者に対し、相談やカウンセリング、一時保護、地方裁判所に対して被害者が申し立てる保護命令への対応、さらにまた、自立支援に関する情報提供や援助などの六つの機能を内容とするものでございまして、平成十四年四月一日に開設するものとされております。
 第二点目といたしまして、被害者は地方裁判所に対しまして保護命令を申し立てることができることとされており、効果としましては、加害者に対して住居から二週間の退去を命じる退去命令と、加害者の被害者への接近を六カ月間禁止する接近禁止命令が規定されております。なお、この保護命令に関する規定は、この十月十三日から施行されることとなっております。
 このほか、DV法におきましては、発見者による通報や警察官による被害の防止の努力義務等を定めております。

◯野上委員

 今ございましたように、十月十三日から、被害者が地方裁判所に対して行う保護命令の申し立ての規定を中心に一部施行されるわけですけれども、この法律では、平成十四年四月一日に、配偶者暴力相談支援センターが設置されるまでの間、保護命令の申し立てに対応する官署として、都道府県が設置する婦人相談所を配偶者暴力相談支援センターに読みかえて適用するものとする経過措置が規定されております。
 これまで、DVに関する相談につきましては、局としては生活文化局が所管する東京ウィメンズプラザですよね、それともう一つは、福祉局が所管する婦人相談所である東京都女性相談センター、こういう部局で担当してこられたわけなんですけれども、この法律の経過規定に従えば、婦人相談所ではないウィメンズプラザが受けた相談等の対応に対しては、この経過期間中、数カ月間あるわけですけれども、保護命令に関する対応ができなくなってしまうのではないか、そういう心配をするわけですけれども、これにつきましては、どういうふうに対処していかれるのか、お伺いしたいと思っております。

◯高西男女平等参画担当部長

 法の経過措置といたしまして、配偶者暴力相談支援センターが開設される平成十四年四月一日までの間は、婦人相談所が保護命令に関する対応をすることとされております。しかしながら、ご指摘のありましたように、ウィメンズプラザでできないということでは、大変都民の方にもご不便をおかけするということでございますので、都におきましては、これまでもウィメンズプラザで多数の相談を受けているという実績を踏まえまして、都民の利便と被害者の適切な救済を図るために、ウィメンズプラザの関係職員を女性相談センターの職員として兼務させることによりまして、ウィメンズプラザにおいても経過期間中の保護命令への対応を行うことにしております。

◯野上委員

 法と法の間の不備を補うような細かい対応をしていただくということで、よくわかりました。
 そういたしますと、十月十三日からは、ウィメンズプラザにおきましても、女性相談センターにおきましても、DV法の一部施行に伴う経過措置に対応していくということになるわけですよね。
 このことにつきましては、やはり広く東京都民の方々に知らせていくことも大事ではないかと思っております。そのことにつきましてどのような取り組みをしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思っております。

◯高西男女平等参画担当部長

 DV法の施行にかかわる周知、広報ということでございますが、きのうきょうの新聞等にも少し記事が出てございましたけれども、この十月十三日からの法律の一部施行にあわせまして、電話によるドメスチックバイオレンス総合相談というものを十月の十二日、あしたでございますが、十二日と十三日の二日間にわたりましてウィメンズプラザにおいて実施することとしております。
 この取り組みは、ドメスチックバイオレンス対応において、今後とも緊密に連携をしていくことが必要な関係機関であります東京都の女性相談センター、警視庁、それから民間のシェルター、さらに精神科のお医者さんや弁護士などの協力を得て実施するものでございまして、関係機関が連携して多角的に対応するとともに、法律の普及等も図ってまいりたいと考えております。
 さらに、DV法の内容やDVへの取り組みにつきまして、ウィメンズプラザのホームページや広報紙のほか、区市町村の女性センター、それから福祉事務所等の関係機関を通じて普及に努めてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 ちょうど時宣を得て、都民の大勢の方々からそういう相談が来ることを期待しております。
 十月十三日からの対応は、いわゆる経過措置的なものですよね。DV法が都道府県に平成十四年四月一日に設置を義務づけている配偶者暴力相談支援センターの機能については、どのように検討しているところでしょうか、それをお聞きしたいと思います。
 知事本部から私もレクチャーを受けましたけれども、重要政策の中で、生活文化局が配偶者暴力相談支援センターの開設を立案しているということが出ておりました。最終的な予算原案とか人員要求などがまだ確定しておりませんけれども、福祉局の所管する女性相談センターとの機能分担ですか、そこら辺の調整がかなり難しいと私は思っているんですけれども、現在検討している内容についてお尋ねしたいと思っております。

◯高西男女平等参画担当部長

 DV法が定めます配偶者暴力相談支援センターについてでございますが、都におきましては、ウィメンズプラザと女性相談センターとが連携協力して機能の整備を進めてまいります。
 ウィメンズプラザにつきましては、先ほどの保護命令への対応も含め、相談、情報提供等を行う総合相談窓口として整備しまして、広く都民に周知を図ってまいります。また、それとともに、区市町村等関係機関との連携を強化しまして、被害者への支援が円滑に行われますよう、調整機能を果たしてまいりたいと考えております。
 一方、一時保護につきましては、被害者の安全を確保しなければならないということでございますので、総合相談窓口とは別に、女性相談センターにおいて機能を果たしていくというふうな関係で、総合的な配偶者暴力相談支援センターを整備してまいりたいというふうに考えております。

◯野上委員

 十月十三日から来年の四月一日までの、その間の配偶者の暴力相談支援センターの設置に関しての質問をしてまいりましたけれども、これからの男女共同参画社会を形成していくためにも、このことは非常に重要で、重要であるとともに大変難しい事業であると思います。いつも被害者の立場に立って、そこら辺の立場を十分に配慮しながら進めていただけるといいかなと思っております。
 関係機関や民間の関係者との連携、協力体制をしっかりと構築をしながら、この基本条例と同様に、全国の先駆的なモデルとなるように、配偶者暴力相談支援センターの機能を整備していかれますことを要望して、終わらせていただきます。ありがとうございました。

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