平成15年文教委員会(2003年11月18日)入学式・卒業式の適正実施について等

平成15年文教委員会(2003年11月18日)


◯野上委員

 では、私の方からは、大きく三点にわたって質問をさせていただきます。
 まず最初に、都立高校の募集人員について質問させていただきます。
 現在、東京都教育委員会が進めている都立高校改革は、アンケートの結果から見ても、都民から大変高く評価されてきているものと考えます。この春実施された平成十五年度の都立高校入試においても、倍率が過去最高を記録するなど、中学校の保護者や生徒の都立高校に対する期待が高いことがうかがわれます。
 さて、先般発表された平成十六年度都立高校第一学年生徒募集人員表を見ると、全日制普通科では、男子が一万五千四百六十五人、女子が一万四千四十二人となっております。そこで、最初に、この募集人員についてお伺いいたしますけれども、全日制普通科の募集人員で男女別に定数を定めている理由についてお伺いしたいと思います。

◯山際学務部長

 男女別定員制の理由についてでございますが、男女がお互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を生徒に理解させ、その実現を図るためには、男女比が大きく偏らない学習環境が大切でございます。こうした理念に基づきまして、都立高校の普通科につきましては、基本的に男女共学制を導入しておりまして、男女一定数の入学を保障するために、男女別定員制をとっているところでございます。

◯野上委員

 そのような趣旨であるならば、男女が同数であることが原則であると考えますけれども、普通科の総募集人員において、なぜ男子の方が女子より多いのか、お聞きしたいと思います。

◯山際学務部長

 ご指摘の点につきましては、男女共学制を実施し、入学者の男女数の実質的な均衡を図るために、平成十五年五月一日時点での都内公立中学三年在籍者数の男女比、男子が五二・五%、女子が四七・五%でございますが、これを根拠といたしまして、各高校の募集人員を定めたものでございまして、ご指摘の数字のとおり、男子が女子より千四百二十三人多くなっている状況でございます。

◯野上委員

 学校基本調査をもとにして男女比を定めているということで、よくわかりました。
 各都立高校では、このような男子、女子別募集により、試験の後に合格者を決定することになると思うんですけれども、男女の募集人員が定められている以上、受検倍率や試験を受けた子どもたちのできばえによっては、男子、女子間で不合理というものが生じないでしょうか。例えば、ある高校では、男子の成績よりも女子の成績の方がはるかに高くて、男女の募集枠が決まっているために、得点の高い女子が不合格で、それよりもはるかに低い得点をとった男子生徒が合格しているということもお聞きするわけです。また、その逆の高校もあると思います。男子の方が高くて、女子の方が低いという逆もあると思うんです。
 そこで、質問なんですけれども、各都立高校では実際どのようにして合格者を決定しているのか、お伺いしたいと思います。

◯山際学務部長

 男女別募集におきましては、男女別にそれぞれの学力検査や調査票などの総合成績に基づいて選考を行っているところでございます。このために、男女によりまして合格者の総合成績に差を生じる場合があることは、理事ご指摘のとおりでございます。しかし、その状況は各学校で異なるものでございます。こうした状況を解消するため、都教育委員会は、平成十年度入学選抜から、校長の具申に基づきまして、募集人員の九割までは男女別に総合成績に基づいて合格者を決定し、残る一割に当たる合格者を男女合同で決定する、男女別定員制の緩和を実施しているところでございます。

◯野上委員

 九割まで定数でとって、一割を緩和でとるということで、その差を是正しているということです。
 次に、昨年度の都立高校入試は、都立高校改革の流れの中で実施されたものと考えます。一つには、学区廃止の中で、都立高校が、本校の期待する生徒の姿を保護者や生徒に公表しております。これはインターネットでも比較検討ができるようになっておりました。また、子どもたちが自分の長所などを直接高校に伝える自己PRカードを導入しております。学力試験だけ、ペーパーテストだけ、一回の試験だけで子どもたちを判定するのではなく、そういった受検する子どもの意欲を見るということで、自己PRカードが導入されたということを聞いておりますが、学力検査や調査票といった、いわば中学校が作成する資料ではなく、子どもたちが直接自己PRカードに書いた、その高校への志願理由や、中学校の活動の中で頑張ったことなどを評価しようとするものであると思います。
 そこで、質問ですけれども、昨年度の入試で新たに導入した自己PRカードの成果と課題についてお伺いしたいと思います。

◯山際学務部長

 自己PRカードは、学力検査及び調査票にあらわれない受検者の意欲を見るための選考資料でございます。本年の三月に実施いたしました東京都中学校長会のアンケート調査では、各高校の特色を理解した、あるいは進学の目的を深く考えるようになったなど、八割以上の受検生が極めて肯定的に受けとめているとともに、中学校の教員からも、志望動機が明確になり目的意識が高まったなどの評価を受けているところでございます。
 同調査から、都教育委員会といたしまして、中学校における指導の差の解消や、各高校における評価の精度の向上などが今後の問題であるというふうに認識をしております。このため、区市町村教育委員会及び中学校に対しまして、志願校に自分の長所を自分の言葉で伝えるという自己PRカードの趣旨を徹底させるとともに、高校に対しましては、より一層の評価基準の改善に努めるよう指導をしたところでございます。
 今後とも、自己PRカードの取り扱いの改善について、一層の指導の徹底を図ってまいります。

◯野上委員

 自己PRカードが入試の一つの大きなポイントにもなってきておりますので、そういった意味では、適正な実施というんですか、それをお願いしたいと思っております。
 高校入試は、子どもたちにとっても大きな人生の山場になるものであります。また、都立高校は、新しく基礎、基本をしっかりと身につけて、特色ある学校づくりを進めてきているわけでございますけれども、子どもたちの能力とか適性、あるいは興味、関心が、進路希望に応じて、より一層特色を出して、子どもたちが希望する学校の方に進学できるようにお願いをしておきたいと思います。
 二点目ですが、二点目に関しましては、異動要綱についてお伺いいたします。異動要綱の改正により必異動年限が八年から六年に短縮されたということなんですけれども、その理由についてお伺いしたいと思います。

◯臼井人事部長

 異動要綱の改正でございますが、必異動年限の短縮化につきましては、人事の停滞を防止し、教員に多様な経験を積ませることによりまして、資質、能力の向上を図り、学校の活性化を図ることを目的としております。校長は、学校経営計画を踏まえまして、かつ人材活用、育成の観点に立ち、中長期的な視点で人事構想を作成していただきます。その校長の作成した人事構想に基づきまして、東京都教育委員会は、全都的な視野に立った人事異動を行うこととしたものでございます。

◯野上委員

 生徒指導の負担の少ない中堅校といわれる学校では、教員の居心地がよい、また校長が具申しても──異動については一身上の問題なので、校長も校内運営が混乱することを避けて、具申をしないで、結局は異動の停滞という事態が危惧されるのではないかということを聞いております。校長が必異動年限を超えて勤務させる場合、どのような手続で行うのでしょうか。

◯臼井人事部長

 校長が、必異動年限を超えまして教員を引き続き勤務させたい場合につきましては、勤務延長の具体的理由を付しました継続勤務審査申請を提出していただきまして、東京都教育委員会は、その当該申請に基づきまして審査を行った上で、異動の可否を決定する仕組みとしております。

◯野上委員

 教育課題校という、いろいろ生徒指導が大変な学校に勤務する教師は、多くの場合三年で異動希望を出すことが考えられます。また、進学指導重点校に勤務した教員で、進学指導を大変だと考える教員は、また異動希望を出すことも考えられるわけです。しかし、生徒指導の負担の少ない中堅校では、異動を希望せずに何年も居座ってしまう、結局異動が停滞してしまうという事態を引き起こすことにもなってしまうと思います。一部の教員のわがままを通さないためにも、都教委は、必異動年限を超えた教員については厳格に審査すべきと考えるのですが、どうでしょうか。

◯臼井人事部長

 ご指摘の勤務延長につきましては、校長の学校経営を支援するための特例的な取り扱いでございます。したがいまして、勤務延長につきましては、必異動年限の短縮化を図った趣旨を踏まえまして、校長の学校経営を行っていく上で必要不可欠な人材以外は原則として認めない方針でございます。

◯野上委員

 この学校になくてはならない名物教師、そういった意味で残していくという形ですね。例えば、校長先生からよくいわれるのは、組合の幹部をしていて、校長におどしをかけて、自分をその学校にずっと残さないと大変なことになるという、そういうことも聞いておりますので、よっぽどその学校に学校経営の上でプラスになる教師だけが残っていく、そうじゃない教師はどんどん異動をしていくという確認をさせていただきたいと思います。
 三番目に、国旗・国歌の指導についてお伺いいたします。
 本年十月二十三日付で都の教育委員会は、入学式、卒業式の適正実施を図るための通達を出しておりますが、都の教育委員会は平成十一年にも通達を出しております。今回改めて通達を出した背景についてお伺いしたいと思います。

◯近藤指導部長

 都教育委員会はこれまでも、学習指導要領に基づきまして、入学式、卒業式が適正に実施されるよう、各学校を指導してまいりました。その結果、平成十二年度の卒業式より、すべての都立高等学校、都立盲・ろう・養護学校で、国旗掲揚、国歌斉唱が実施されました。しかし、国旗が参列者から確認できない位置に掲揚されたり、また、子どもを指導すべき立場にある教員が国歌斉唱時に起立をしなかったりするなど、実施態様にはさまざまな課題がありまして、このことは多くの方々から指摘されているところでございます。このため、本年七月に、都立学校等卒業式・入学式対策本部を設置しまして、入学式、卒業式等の適正実施を図るため、新たに通達を行ったものでございます。

◯野上委員

 十月の二十三日以降に、都立高等学校や都立盲・ろう・養護学校では、周年式典、周年行事等が行われていると思うんですけれども、今回の通達はこうした儀式にも適用されたのでしょうか。

◯近藤指導部長

 入学式、卒業式を初めといたしまして、周年式典や閉校式、落成式などは学習指導要領に示された儀式的行事でございまして、通達は適用されております。したがいまして、通達の施行日であります十月二十三日以降に行われております周年式典や閉校式、落成式等においても、通達に基づいて国旗・国歌が適正に実施されるよう、各学校を指導しているところでございます。

◯野上委員

 スムーズにいっているということですね。
 今回の通達に対しては、教職員からの抵抗が大きいものと思われます。例えば、国歌の伴奏を弾く音楽教師が、校長から頼まれて、職務だし、弾こうとしていても、例えば組合から圧力がかかって板挟みになって苦しんでいるというようなことも現場から聞いているわけです。入学式、卒業式等を通達に基づき適正に実施できるようにするために、都の教育委員会は校長先生をどのように支援していくのでしょうか。

◯近藤指導部長

 都教育委員会は、通達に従って各学校の入学式や卒業式が適正に実施されるよう、校長先生からの相談を受け、各学校の取り組み状況についての実態把握に努め、課題解決に向けて、校長先生に助言等をしているところでございます。
 今後、すべての都立学校の卒業式等に教育庁の職員を派遣したり、円滑な実施に向けての助言をしたり、また指導資料を作成、配布するなどしたりいたしまして、校長先生を孤立させることなく、全力で支援してまいります。

◯野上委員

 入学式、卒業式の適正化を図るために通達が出されましたけれども、通達どおり実施するように徹底を図っていくべきですが、その際、内心の自由といって国歌斉唱時に起立をしないなど、実施指針に従わない教員がいる場合、厳正に対応するべきと考えますけれども、今後、適正実施に向けてどのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いいたします。

◯臼井人事部長

 教職員が通達に基づく校長の職務命令に従わない場合につきましては、服務上の責任を問われることとなります。教員は、教育公務員として校長の命令に従う義務がありまして、これに従わない場合は、職務命令違反として厳正に対処してまいります。

◯野上委員

 最後に、私は生まれたのが広島県尾道市なんですが、広島県の世羅高校の校長先生が自殺をされたという事件がありました。それから、民間人の校長先生も、すごく評判よかったんですけれども、自殺をされ、そして、行政サイドの指導に当たっていた方も自殺をされるという、すごく痛ましい事件が続いたわけです。私はあくまでも適正に実施されることを強く望むものなんですが、こういった痛ましい事件、事故にならないためにも、最後に、横山教育長の適正実施に向けての決意をお伺いして、終わりたいと思います。

◯横山教育長

 学校におきます入学式とか卒業式といいますのは、学校生活に有意義な変化や折り目をつけまして、新しい生活の展開の動機づけとなる大切な儀式的学校行事でございます。これは校長の権限と責任のもとに適正に実施されなければならないのでございますが、いまだ適正とはいいがたい学校があることも事実でございます。
 このため、都教育委員会としましては、先ほど指導部長も申し上げましたが、本年七月に都立学校等卒業式・入学式対策本部を設置しますとともに、入学式や卒業式等を学習指導要領にのっとり適正に実施することなどを内容とする通達を、十月二十三日付で、都立高等学校長及び都立盲・ろう・養護学校長に対して行ったところでございます。一部の学校で毎年のように繰り返される、こうした入学式等をめぐる不適正な状況に早期に終止符を打つ、そのためにもこの対策本部を継続させまして、各学校における入学式、卒業式が学習指導要領や通達に基づき適正に実施されるよう、教育庁挙げまして校長を支援し、全力で取り組んでまいります。

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