平成16年文教委員会(2004年3月17日)夜間中学校等の料金改定について等

平成16年文教委員会(2004年3月17日)


◯野上委員

 私は、きょうは夜間中学校、ろう学校の教育、都立体育館の施設利用料金改定、そして都響、この四項目にわたって質問させていただきます。
 最初に、夜間中学校における日本語教育についてお伺いいたします。
 一年前になりますでしょうか、葛飾区の夜間中学校を視察いたしました。小学校で不登校になり、中学校を一日も出席できなかった子が、十六歳になり、勉強したいと目覚めるわけです。勉強できるところがあるかどうか探したところ、夜間中学というのがあると。いきなり高校入試も難しいから、一から勉強をし直すということで、夜間中学の門をたたいたのです。ところが、夜間中学には入れない。なぜか。それは、中学校の卒業証書をいただいてしまったからなんです。一日も中学校に通っていないのに卒業証書をもらってしまったがゆえに、門が閉じてしまっている。私は、このときに大変な憤りを覚えたことを記憶しております。
 また、もう一つ、いじめで悩んでいる子が、昼間の学校に通えない、だから夜間中学にかわりたいといっても、これがまた現実に厳しいということもお聞きしております。中学校一、二年生は移れないが、最後の三年生ぐらいだと移れるかもしれないということをお聞きしております。
 そこで、初めて夜間中学を視察させていただきまして、私は、高校生ぐらいの子が多いのかなと思っていたわけですけれども、ほとんどが高齢者の方でした。一生懸命勉強しておられました。その方たちからお聞きして、一番の楽しみは給食とクラブ活動だといわれていたのが、とても印象に残っております。それから、外国の方々が日本語の勉強をしておられました。ちょっと語学学校のような感じを受けたのを記憶しております。
 きょうは、夜間中学の中の特に日本語学級に限定して質問をいたします。
 さきの都議会の代表質問で、公明党の石井幹事長が質問に立ちました。代表質問、予算委員会を通して夜間中学校の問題を取り上げたのは、公明党の石井幹事長だけだと思います。この質問を作成する過程で、私は、石井幹事長とともに墨田区立の文花中学校を訪問させていただきました。そして、先生方や生徒の皆さんの意見を十分にお伺いいたしました。この日本語学級の先生方の今日までのご苦労に報いるためにも絶対に教諭を削減してはならないと、鋭く石井幹事長がこの前の代表質問で迫ったことは、皆様のご記憶にもあるかと思います。
 日本語学級の人事発表が先日ありましたが、その内容についてお伺いいたします。平成十六年度における教員の定数はどうなっているのでしょうか。

◯臼井人事部長

 平成十六年度の中学校夜間学級における日本語学級の教員定数は、三学級設置校は四名、二学級設置校は三名であり、五校合計で十八名となっております。

◯野上委員

 実際の教員の配置はどのようになるのでしょうか。

◯臼井人事部長

 中学校夜間学級におきます日本語学級への教員の配置は、平成十六年度については、六名配置する学校が二校、五名配置する学校が一校、三名配置する学校が二校であり、合計で二十三名でございます。

◯野上委員

 この差が五名になっていますけれども、その差があるとすれば、その原因は何でしょうか。

◯臼井人事部長

 配当基準による定数と実際の配置の差についてでございますが、大きく二つの理由がございます。一点目は、三学級設置校につきましては、激変緩和措置として、二名減のところを原則一名減としました。また、二点目に、異動候補者が、過員教科や妊娠などの理由によりまして他校へ異動できなかった、そうした理由によるものでございます。

◯野上委員

 昨年の暮れですか、いきなりの定数の見直しということが浮上したんですけれども、この定数の見直しの理由は、何によってでしょうか。

◯臼井人事部長

 見直しの理由でございますが、日本語学級の教員定数につきましては、都の財政状況及び国の標準法の基準を勘案しまして、学校教職員定数全体の見直しを図る中で、現在配置しております教員の一部を非常勤講師で対応することとしまして、配当基準を見直したものでございます。

◯野上委員

 そのことを、どのように周知徹底を図ったのでしょうか。

◯臼井人事部長

 定数配当基準の見直しにつきましては、人事異動等の影響を考慮しまして、予算原案発表前でございます一月上旬に、各区市町村教育委員会人事担当者に対して情報提供を行いました。また、一月下旬に、平成十六年度定数等に関する説明会を開催し、周知徹底を図ったところでございます。

◯野上委員

 この夜間中学校における教員の勤務時間及び授業の実施時間はどのようになっているのでしょうか。また、授業開始前はどこにいて、どのような職務を行っているのでしょうか。

◯臼井人事部長

 中学校夜間学級におけます教員の勤務時間につきましては、学校によって若干始業時間は異なりますが、おおむね午後一時から午後九時四十五分までとなっております。いずれの学校におきましても、生徒の登校及び学級活動が午後五時ごろ、一校時目の開始が午後五時三十分ごろ、給食を挟みまして午後九時ごろに四校時目が終了し、下校となっております。
 また、勤務開始から授業開始までの教員の勤務につきましては、おおむね教材研究、校内研修、各種会議や打ち合わせ等に当てられておりまして、個別指導などの補習を行っている場合もございます。

◯野上委員

 この日本語学級の先生方は、本当に勤務時間を割いてでも、日本語学級の生徒のために、住む部屋を探したり、あるいは就職の世話をしたり、困らないように、ありとあらゆる日常のお世話をしているという実態もお聞きしております。勤務時間も、あってないように忙しいということも聞いております
 あと、この日本語学級に入る資格や基準はあるのでしょうか。

◯山際学務部長

 夜間の日本語学級につきましては、中学校夜間学級に入学する生徒のうち、日本語教育を行う必要がある生徒を対象とするものでございまして、学籍を夜間学級の通常の学級にするか、あるいは日本語学級にするかにつきましては、個々の生徒の日本語能力に応じて学校長が判断をしているものでございます。
 なお、中学校夜間学級の入学条件につきましては、学齢を超過していること、義務教育未修了であること、都内に在住または在勤していることでございまして、外国人につきましては、在留資格のある方で、母国において義務教育の未修了者が対象となるものでございます。

◯野上委員

 きょうの新聞にも日本語学校のことが出ておりました。不法就労のために、不良外国人というんですかね、約八千人の中国人をあっせんした日本語学校の記事が載っておりましたけれども、あくまでも夜間中学の日本語学級におきましては、在留資格者で母国の義務教育が未修了の者が対象となっているという確認をとっておきたいと思います。
 今後の対応はどうなっているんでしょうか。

◯臼井人事部長

 今後の対応でございますけれども、日本語指導に関しまして専門性を有します、力ある優秀な人材を非常勤講師として活用を図るなど、生徒の実態に応じ学校が創意工夫できるよう、設置者であります区市とも協力し、指導体制の充実に努めてまいります。

◯野上委員

 ここのところはちょっと難しいところなんですけれども、日本語を教えるということは、相手の言語がある程度わかることが必須条件になってくると思うんです。ちょっと私も、ロシアの人に日本語を教えていた時期があるんですけれども、ロシア語は私できないので、英語で話をしながら日本語を教えていく。身ぶり手ぶりでは、ある程度の限界があるわけです。
 この日本語学級の場合、年によって、母国の言語が変わってくると思うんですね。韓国語の先生が大変必要になる場合もあるし、あるいは生徒に中国人が多い場合は、中国語ができる先生が欲しかったり、あるいはポルトガル語だったりスペイン語だったりとか、年によってちょっとニーズが変わる場合があると思うんですね。講師を固定するよりは、必要とされる言語を扱える非常に優秀な講師の先生を補充して学習に取り込むということを都教育委員会は考えているということで確認してよろしいでしょうか。そして、その非常勤講師の活用の方法はどのようなものなのでしょうか。

◯臼井人事部長

 非常勤講師の活用方法についてのお尋ねでございますが、まず、常勤の教員では担当できない授業時数につきましては非常勤講師で対応するものでありまして、日本語の習熟の程度に応じたグループ編成が、こうしたことにより同様に可能であると考えております。
 また、非常勤講師を活用することによりまして、先生も今ご指摘のように、学習到達度に応じた授業展開や多様な授業選択の設定など、日本語学級における教育課程の一層の弾力化を図ることができると考えております。
 また、日本語指導に関しましても、専門性を有する非常勤講師と専任の教員との連携、協力を図ることによりまして、これまで取り組んできました日本語指導に関する教科指導や生活指導においても、さらなる工夫、改善が期待できると考えております。
 こうしたことから、非常勤講師の活用は、日本語能力が十分でないさまざまな生徒に対しまして、きめ細かな指導を行う上で効果的であると考えております。

◯野上委員

 私たち公明党は、夜間中学校の問題解決のために、文部科学省まで出向きました。文部科学省の金森大臣官房審議官にも面談をいたしまして、国の法整備を強く求めてまいりました。石井幹事長の質問に対し横山教育長も、国に整備を要求していくという力強い回答がございましたが、改めてお伺いします。
 できれば、十七年度の国への概算要求で、夜間中学校の日本語学級、日本語教育の法整備を盛り込むべきと思いますが、人事部長にお伺いいたします。

◯臼井人事部長

 日本語学級の法的位置づけや特別な人的加配につきましては、本年夏に行います文教予算に関する国への提案要求の中で要望してまいります。

◯野上委員

 最後に、横山教育長にお伺いいたします。
 夜間中学の日本語教育は、国の日本語教育が十分になされていない中で、都の教育委員会がバックアップして今日まで築き上げてきたすぐれた教育システムだと思います。多くの夜間中学校の関係者の皆さんが、心配して、本日も傍聴に見えておられます。前進することがあっても、後退と受け取られることがあってはならないと思います。
 きょう来てくださった皆様に、教育長として、全力を挙げて夜間中学の日本語教育を支援していく決意を表明していただきたいと思っております。

◯横山教育長

 東京都教育委員会といたしましても、日本語能力が不十分な中国残留邦人等に対しまして学習の場を提供しますことは、義務教育を保障し、日本社会への定着と自立を促進する視点からも必要であると考えておりますので、今後とも、多様な人材を活用するなど、学校が創意工夫できるよう、設置者でございます区市とも協力をしまして、指導体制の支援に努めてまいります。

◯野上委員

 ありがとうございます。心強い、力強い後押しを受けまして、次は、ろう教育について質問させていただきます。
 今、ろう教育では、どのようなコミュニケーション手段を使っているのでしょうか。

◯近藤指導部長

 ろう学校での指導につきましては、学習指導要領に、補聴器等の利用により児童生徒の保有する聴覚を最大限活用すること、そして、日本語による意思の相互伝達を充実することと示されております。
 現在、ろう学校では、聴覚口話法を中心とした指導が行われておりますが、児童生徒の障害の状態や発達段階を考慮いたしまして、手話や指文字などのコミュニケーション手段の選択や活用も適切に行うこととしております。

◯野上委員

 この聴覚口話法というのは、口の形を見て、何をいっているかを読み取る作業なんですね。「ま」とか「わ」とか「は」とか、口の形だけで言語を読み取るというのはかなり高度なテクニックが要りまして、特に小さい子どもたちは、この聴覚口話法を覚えることが大変苦痛に思っているということもよくお聞きするんですが、現在この口話が中心となっている歴史的な経緯というのをお聞きしたいと思います。

◯近藤指導部長

 日本では、明治十一年に聴覚障害教育が開始されまして、手話を中心とした指導を行ってきたわけでございますが、その後、補聴器の進歩や医療技術の進展によりまして、徐々に残された聴力を活用する指導に変わりまして、現在は聴覚口話法を中心とした指導が行われているという経緯でございます。

◯野上委員

 手話を中心とした教育が昔は行われていたけれども、その後、補聴器が進歩したから聴覚口話法に変わってきたということが今いわれました。しかし、現実に三歳、二歳ぐらいの子どもたちは、補聴器をつけてもなかなか音声が聞き取れない。子どもたちが口話法だけで初めの言語を取得することは非常に難しいと思われるわけです。今、学校においてなかなか手話教育が行われていないという現状もあるようなんですが、今現在、手話にはどのような種類があるんでしょうか。

◯近藤指導部長

 平成五年に出されております文部省の聴覚障害児のコミュニケーション手段に関する調査研究協力者会議の報告では、手話には、日本語の文法とは異なる独自の文法を持つ日本手話、日本語の話し言葉に対応して使用される日本語対応手話、そして、両者の中間に位置する中間手話があると定義されております。

◯野上委員

 ちょっと手話関係者の方にお聞きすると、言語と同じで、その地方独特の手話があるそうなんですね。方言と同じような形で、北海道には北海道の手話、沖縄には沖縄の手話というように独特の手話があって、それがなかなか共通するものではないと。ただ、今NHKのテレビで行われている、丸くなって人の手話が出るのは、これは日本語対応手話といって、割と共通語のような形で行われているそうなんですが、ろう学校の教師が手話を学習する、そういう仕組み、システムはどのようになっているんでしょうか。

◯近藤指導部長

 現在、各ろう学校におきましては、校内での手話研修が活発に行われておりまして、初任者や、また他校種から転任してきた教員でも、授業中に必要に応じて手話を使用することが可能となっております。
 また、教職員研修センターにおきましては、ろう学校に勤務する教員の初任者研修や十年経験者研修におきまして、障害の実態に応じた多様なコミュニケーション手段の活用に関した研修を行っているところでございます。

◯野上委員

 私は、一人一人のニーズに応じた教育を推進していくことが大事ではないかと思っております。補聴器をつけてある程度音が聞こえる子には聴覚口話もいいと思いますし、あるいは指文字でわかる子はそれでもいいし、また、手話が一番コミュニケーションの円滑な方法であれば、手話でもいいと。そういうふうに、ニーズに応じた教育を推進していかれればいいかなと思っております。
 私が視察させていただいた葛飾ろう学校では、こういった多様なコミュニケーションを教師が行っておりました。指文字もやっておりましたし、手話も行っておりましたし、聴覚口話も行っておりました。しかし、ほかのろう学校の中では、これだけ充実した教育が行われているかということは、まだ甚だ疑問なんです。
 いずれにしても、口話だけでは授業できない子どもたちに対しては、幅広い教育を進めていっていただければというふうに思っておりますが、この点につきましてはどうでしょうか。

◯近藤指導部長

 都教育委員会では、平成十二年三月にコミュニケーション指導等の研究委員会報告を示しまして、そこでは、幼児、児童生徒一人一人の障害の状態に応じた多様なコミュニケーション手段の活用の必要性について提言をいたしました。この提言に基づきまして、現在、一人一人の障害の状態に応じまして、手話、指文字などのコミュニケーション手段を用いた指導を進めているところでございます。
 今後、東京都教育委員会は、先ほどお話のありました、ITを活用した教育推進校であります都立葛飾ろう学校における研究成果なども十分に生かしまして、多様なコミュニケーション方法の開発と工夫に努めるなどいたしまして、個に応じた指導を一層推進してまいります。

◯野上委員

 どうもありがとうございました。
 続きまして、都立体育施設の料金改定等について質問させていただきます。
 この料金の算定方法なんですけれども、先ほど松原理事からも質問がございました。各施設ごとの人件費、光熱費、水道代、清掃の維持管理費あるいは建物及び設備の減価償却費を加味しながら体育施設の利用料金の上限額について決めてきているということが、先ほど質疑されておりましたので、これは飛ばします。
 でも、今回、料金改定ということで、最高では一・五倍ということが出ておりますが、内部努力はどの程度なさったんでしょうか。

◯鈴木生涯学習スポーツ部長

 都立体育施設では、光熱水費の節約や清掃業務の効率化などに努めております。東京体育館など四館の平成十六年度の管理運営経費につきましては、人件費を除いて約二十億一千万円と見込んでおりまして、平成十一年度の実績と比較いたしまして約二三%の減となっております。
 また、施設の管理運営業務に携わる常勤の職員数でございますが、平成十一年度は六十九名でありましたが、平成十六年度は五十名とする予定でございます。

◯野上委員

 これまで、都の委託料については精算を実施してきましたが、先ほどの説明にありましたが、平成十六年度からは精算を行わないということで、料金の値上げに結びつくのではないかと危惧されております。この点について、都の教育委員会の見解を伺いたいと思います。

◯鈴木生涯学習スポーツ部長

 今回の委託料の全額精算の見直しは、利用料金制の本来の目的の一つである、管理受託者の経営努力を促すために実施するものでございます。このことによりまして、管理受託者は一層のコスト削減を図るとともに、利用者の増加に向けてサービスの向上に努めることが必要となってまいります。
 都教育委員会では、人件費を除いた委託料の精算を行わないことが、利用者の著しい減少を招くような安易な料金改定に結びつくものではないと考えておりますが、実際に適用する料金の承認に当たりましては、料金改定の理由や改定の内容、改定の時期などを十分に検討いたしまして、その適否を判断してまいります。

◯野上委員

 料金について、たとえ十円上がっても大変高く感じる場合もありますので、減額、免除制度についても、最初に利用者に負担を求めるのではなく、まず徹底した内部努力を行って、そして、それ以上限界であると思ったときに、また料金値上げということを考えていただければと思っております。
 多くの方々からお手紙をいただきまして、生涯水泳をめざす会とか辰巳国際水泳場・生涯水泳をめざす会ですか、これ、別ですね、いただきまして、自分たちが健康でいられること、健康維持のために、こういった料金を値上げしないでもらいたいというような陳情も来ておりますので、ぜひ考慮していただければと思います。
 最後に、東京都交響楽団について意見だけいいます。
 東京都交響楽団について。東京で芸術が活発になることは、都民に心の安らぎ、あすへの活力をもたらすことはもとより、芸術への支出、投資を通じて、ひいては東京の経済の再生をもたらします。すばらしい芸術にはだれもが感銘を受けるものであり、芸術のレベルは、芸術家や芸術団体のレベルに負うところが大きいのは論をまたないところであります。都響は、我が国を代表する在京八楽団、NHK、読響、都響、日フィル、新日フィル、東京シティ、東京交響、東フィルの中でもレベルが高いという評価は周知のとおりであります。
 したがって、今回の雇用関係を百八十度転換する有期契約楽員制度の導入を急ぐことは、都響の音楽の質を落とし、ひいては首都東京の文化にとって大きなマイナスになります。過激な改革ではなく、着実に実行できる改革を進めるべきであり、拙速な対応は避けるべきであると意見を申し上げ、私の質問を終わります。
 以上です。

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