平成16年文教委員会(2004年3月18日)首都大学東京の意思確認書について等

平成16年文教委員会(2004年3月18日)


◯野上委員

 私の方からは、何点か質問させていただきます。
 二月十九日の文教委員会で、意思確認書を提出した人のみが新しい首都大学東京の教師として採用されるというようなお話し合いをしたと思うんですけれども、今、三月一日付で三百一名の意思確認書が出されたということをお聞きいたしました。
 今後なんですけれども、この開学に向けた準備ですね、今一生懸命、文部科学省に出す書類をつくっていらっしゃる最中だと思うんですけれども、来月の文部科学省への申請に対してはどのような状況になっているんでしょうか。

◯大村参事

 新大学の内容につきましては、二月までに第六回の教学準備委員会を開催いたしまして、教育内容につきまして基本的な形が固まったところでございます。それをもとに、今お話しの意思確認書を提出された方などを中心に、今作業を進めていただいてございまして、来月、文部科学省の大学設置審議会の運営委員会に、事前相談といたしまして、教員審査の省略を付議するということを予定しています。運営委員会は四月二十一日を予定しておりまして、四月上旬に書類を持ち込む予定でございます。
 また、四月の下旬には、予定どおり、文部科学大臣に新大学の本申請を行うというふうなことで、現在、科目を挙げて、それを担当する教員の方はどうする、またそれに不足する部分はどうだというふうなことでの細々とした作業とか、あるいは申請に伴う必要な書類をつくっているところでございます。
 今後とも、四月の開学に向けまして、教学面では、学長予定者でございます西澤氏が座長を務める教学準備委員会で準備をいたしまして、また経営面は、理事長予定者である高橋氏が室長を務めます経営準備室で着実に検討を進めまして、来年四月の開学に向けて開学準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

◯野上委員

 新大学の教育の特色の中で、実践英語を挙げておりますが、この内容についてお伺いしたいと思います。
 東京都の都税を使って運営を図られる首都大学東京になってくるわけですので、都が求める人材を意識して育てていく必要があると思うんですね。東京都民に大学で学んだ力を還元できる学生であってもらいたいというふうに私は思っております。自分一人の研究だけで、象牙の塔というんじゃなくて、自分が学んだ力を幅広く東京都民のために尽くしていける、そういった人材を求めているところなんですけれども、実践英語についてどのような内容を考えているのか、お知らせいただければと思います。

◯大村参事

 英語教育についてでございますが、現在の大学の英語教育につきましては、概して授業内容が英文読解に偏っているということ、また、個々の学生レベルに考慮しない一律的な授業になっているということなどの問題点がございます。このような形で学生に本当の英語力がつくのかというふうな問題がございますので、首都大学東京ではそれを見直すという形で現在検討してございます。
 首都大学東京では、社会が求める能力を確実に身につけさせようという教育コンセプトで教育課程全体を貫くことにしてございまして、英語教育におきましても、社会が求める、読む、書く、聞く、話すの総合的、実践的英語力を養成していきたいというふうに考えてございます。
 その能力育成のために必要という観点から、リスニング・スピーキングの授業におきましては、外部委託によるネーティブスピーカーの方を講師として招いていきたいというふうに考えてございます。
 なお、この委託に際しましては、新大学に設けます基礎教育センターが大学側の窓口となりまして、英語教育の企画、委託業務の一括管理など、英語教育全体のコーディネーションを行っていく予定でございます。

◯野上委員

 そのコンセプトはよくわかったんですけれども、客観的な指標としてTOEFL五百点を卒業要件とするというふうにありましたが、この一定の指標を卒業要件として課すのはどのような考え方に基づくのでしょうか。このTOEFL五百点て、かなり高いレベルだと思うんですが、いかがでしょうか。

◯大村参事

 首都大学東京では、一定の能力を学生がきちっと修得して卒業していくという教育を行っていこうと考えてございます。つまり、どの大学を出たかではなくて、何を身につけて卒業したかということが大事だと。また、どの授業科目を履修したのかではなくて、授業を通してどのような能力を得たのかということが最大に大事であろうというふうに考えてございまして、こういう教育理念で授業を進めていくというものでございます。
 英語教育におきまして一定の指標を卒業要件として課すのは、まさにその観点からでございまして、社会に対しまして卒業生の英語に関する能力を客観的に立証できる部分もありますし、また、到達目標を設定することによりまして、学習管理上の効果も期待できるものでございます。
 なお、TOEFL五百点以上ということで、検討段階のまず方向性については示してございますが、詳細は今後具体的に詰めてまいりまして、場合によっては、学部ごとにはどうだとか、いろいろな中身を詰めまして、具体的な目標数値を定めていきたいというふうに考えてございます。

◯野上委員

 ということは、この大学を出た人は、読む、聞く、書く、話すという意味で、万能の英語力を備えた人材が卒業していくという形だと思います。
 あと、十八歳人口の減少などに伴って、今、二八%の私立大学が定員割れをしているというデータがございます。もうしばらくしますと、大学を選ばなければ、全員がどこかの大学に入れるような時代になってきます。そうなってきますと、それぞれの大学で、教育研究はもちろんですけれども、学生の満足度を高める学生への支援ということも問われてくると思います。例えば、さっきいいましたいろいろな運動場の設備が整っているとか、クラブ活動が活発であるとか、アルバイトの紹介とかもよくやってくれるとか、学生への支援のメリット、そういったものも大事な要素ではないかと思っています。
 その中でも一番大事な要素として、就職への支援ということが挙げられると思うんです。今、大学を卒業して三割の人たちが就職できないでいる、フリーターで暮らしているというデータもあるとお聞きしておりますので、ぜひ就職支援についても積極的に取り組んでいただければと思っております。
 今の都立大学では、就職把握率が低いということで、卒業した後、だれがどういうふうに、どこに就職しているかというのが、データがわからないというふうにお聞きしたんですけれども、新大学では、学生への支援のうち、特に就職支援に力を入れていただければと思っておりますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。

◯大村参事

 大学生の就職につきましては、現在、大体三年生の年明けの二月ぐらいから就職活動を始めるというのが普通になってございますけれども、それから急いで就職の問題に取り組むというのでは実は遅くなってございます。そういう意味では、新しい大学では、早い段階から自分のキャリア形成、将来設計を考えていくというふうなことをしながら大学生活をし、また科目の履修なんかも考えていき、最終的には就職に結びつけるという形でいきたいというふうに考えてございます。
 そういう意味で、まず学生サポートセンターを設置いたしまして、キャリア支援から心理面、健康面など多様な相談まで、学生生活をトータルにサポートしていく体制をとりたいと考えてございます。
 また、新たに導入します単位バンクでは、入学直後から卒業まで一貫してキャリア形成を目指した制度というふうに考えてございまして、キャリアカウンセラーの指導のもとに、カリキュラムの履修とキャリア形成、キャリア開発が直接結びつくような体制を考えてございます。そして、全学生へインターンシップを経験させ、高い職業意識を醸成していきたいというふうに考えてございます。
 就職支援事業としましては、一、二年次から意識を植えつけるための各種のキャリア講座の実施、また、東京都のしごとセンターと連携した、首都大学東京への出張カウンセリングや講座の開催など、十分な体制を築いてまいりたいというふうなことで、このような中で、入学時から総合的な対策をとりまして、卒業してちゃんと就職をするという形で体制をとっていきたいというふうに考えてございます。

◯野上委員

 就職支援の一つの人材活用ということで、例えば民間企業の経験が長い退職者の方とか、あるいは都立高校の就職担当の方で大変優秀なノウハウを持った人とかを就職支援のために活用することはできないんでしょうか。

◯大村参事

 就職に関するさまざまな相談への対応とか、民間企業への太いパイプの構築などのためには、やはり外部の人材、特に民間企業の経験者などが非常に重要であるというふうに考えてございます。
 キャリアカウンセラーという、先ほどちょっとご説明した方についても、そういう意味では民間企業経験者も採用して、民間企業等のいろいろな知識を利用し、あるいはパイプを利用して、キャリア形成に、そしてさらに就職に結びつけたいというふうに考えてございます。
 また、大学内のスタッフだけではなく、現在、企業などを退職した方々が社会に貢献する目的でNPOなどを設立する動きがございますけれども、そのようなNPO法人などとも連携しながら、就職そしてキャリア形成に向けて幅広い民間の方の知恵をいただきたいというふうに考えてございます。

◯野上委員

 学生さんが大学を卒業した後も、その学生さんがどうなったか、あるいはいかなる人生を歩んでいるのか見届けていくのが、大学で就職の世話をした先生の本来の役割でもあると思いますので、ぜひここら辺を充実させていっていただければと思っております。
 最後に、学生への対応についてはわかりましたけれども、教員の方ですね。教員も、生活が安定しないと、安心して教育研究活動に取り組むことができないのではないかと思います。
 任期制、年俸制が導入されております。特に、年俸制の考えとしては、基本給が五割、これが生活費。職務給、職能給というんですか、それが約三割。これは、教育研究、大学運営等の職務実績に応じて支給されるということですね。それから業績給というのが二割とありまして、各活動分野の業績評価に基づき支給ということになっているわけですけれども、特に若いやる気のある先生方の給与、処遇についてはどのようにしていくおつもりなんでしょうか。また、給料が下がってしまうということはないんでしょうか。

◯宮下参事

 首都大学では年俸制を導入することといたしておりますが、今お話のあったように、年俸の五割に相当する基本給につきましては、都立の四つの大学に今いらっしゃる先生方の現在の年収の二分の一は保障するということにしております。それから、職務給は、その先生が実際に担当する職務、業績給は、個々人の業績によるわけでございますが、いずれにいたしましても、通常の教員が通常の仕事をしていれば給与が下がるということはないようにいたしますので、安心して教育研究活動に専念していただきたい、こう考えております。
 それから、若いやる気のある先生がどうかというお話がございましたけれども、年功序列の給与体系を改めまして、能力、業績主義に基づく給与制度といたしますので、若くても業績を上げれば、給与が上がったり昇任ができるようになります。

◯野上委員

 通常の仕事をしていれば、普通に仕事をしていれば、給与が今よりも下がることはないということで確認をさせていただきます。
 新しい大学では、実績を上げている優秀で真面目な先生方の努力にきちんと報いるような人事給与制度を検討していただければと思っております。
 以上でございます。

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