平成16年文教委員会(2004年9月15日)日本語学級の教員数について等

平成16年文教委員会(2004年9月15日)


◯野上委員

 私は、請願一六第二三号の地元葛飾区の水元高校の募集停止の延期を求める請願について、何点かにわたって質問させていただきたいと思います。

 最近、私は、足立新田高校の校長先生をしていらした鈴木高弘先生が書かれた「熱血!ジャージ校長奮闘記」というのを読みました。

 この都立高校は、平成九年度当時ですが、三年生二百四十人の入学者に対して、約半数の百十九人が退学していたという中途退学率トップの高校でした。学校に籍を置いている生徒も、三分の一は早退したりサボったりして教室にはいなかった。校舎は荒れてごみだらけ、落書きだらけ。生徒はあきらめ、教員もやる気がなく、すべてが負のスパイラルに陥っていて、当然、入学倍率は都立高校の中で最も低く、平成七年度から平成九年度の入試は男子が定員割れ、女子が一倍強で、ほとんど全員入学できるという状態の高校でした。

 このすさまじい学校を、この校長先生は、ジャージ姿に着がえて、一人で黙々と校内清掃から改革の一歩を踏み出し、奮闘した校長先生の取り組みについて書かれた本だったわけです。

 その本の中で、数年間、実質定員割れして、だれでも入れる高校から、改革を始めてわずか二年目で、男子が一・二一倍、女子が二・一倍になったことが書かれておりました。そこに至るまでの、この鈴木校長先生を初め、教職員の方々の血を吐くような努力には感動いたしました。

 同じように、この水元高校は、一人一人を大切にして、本当にきめ細かな教育を行っていると有名です。これは、ひとえに先生方や職員の方々、保護者の方々、地域の人々や水元高校を守る会の方々を初め、関係者の方々の大変な努力によって大きな改革がなされてきたのではないかと思います。

 その結果といっても過言ではないと思いますが、平成十六年度の受検倍率が一・六九倍という人気の学校になったのではないかと思います。普通に考えれば、廃校になるといううわさがある学校は、早々には受検倍率は上がるものではありません。ところが、この水元高校は一・六九倍になったわけです。その点につきまして、教育委員会はどのような分析をされているんでしょうか。

〇伊藤参事

 水元高校のこの五年間の推薦倍率については、全日制普通科の推薦倍率の平均をいずれの年度も下回っている状況でございます。

 また、一次の受検倍率につきましては、十四年度を除き、一・二倍から一・三倍程度と、平均倍率と同程度で推移しているところでございます。

◯野上委員

 平成十四年度には、一次の倍率が一・七九倍と高くなっているわけですね。平成十四年度から、一学年の学級数を六学級から四学級に減学級したためというふうにいわれていますけれども、平成十四年度は六から四に減らしたということは、募集定員が約八十名ほど少なくなったと。今まで一・二倍から一・三倍で推移していたのが、一・七九倍になったということは、その募集定員が少なくなったからだという説明はわかるんですけれども、平成十六年度は学級数は四学級の状態で、変わらないわけです。それでも一・六九倍というのは大したものだということがいえるのではないかと思います。

 今の時代は、義務教育ではないけれども、高校だけは卒業させたいと考えていらっしゃる親御さんも大勢います。

 都立高校は、学区制を撤廃し、だれでも自由に選択して受検することができるようになったことは、私はこれはすばらしいことだと思っています。しかし、十六年度の都立高校の全日制課程の後期二次募集において、約二千名の不合格者が出ていますね。この生徒さんの進路の状況はどうなっているのでしょうか。

〇伊藤参事

 平成十六年度におけるチャレンジスクールを含む分割後期全日制二次募集の不合格者数は、千六百九十四人でございます。その後に実施される定時制の二次募集の合格者が千五百三十九人、三次募集以降の合格者が二百十八人おり、分割後期全日制二次募集の不合格者数とほぼ一致しているところでございます。

◯野上委員

 ということは、不本意であるにしろ、通信制も含めてだと思いますけれども、何らかの場所、何らかの学校で教育を受けていると考えていいんだと思います。

 また、今回は、十四の葛飾区の近隣の中学校のPTAの会長さんたちも、水元高校の募集停止延期について賛同しますという声を寄せていらっしゃいます。やはり葛飾区の近隣の中学校の方々も、水元高校が募集停止になってしまうと進学先が少なくなって大変だという思いがあるのは当然だと思うんですね。

 ところで、地元の中学校から水元高校への進学状況はどうなっているんでしょうか。

〇伊藤参事

 十六年度入学生では、地元の中学校である葛美中学校、水元中学校、東金町中学校、金町中学校から、合わせて十名が水元高校に入学してございます。また、葛飾区立中学校卒業の入学者については、入学者百六十一人中四十四名で、二七・三%となってございます。

◯野上委員

 葛飾区全体で見ると、約四分の一強の生徒さんがこの水元高校に入学しているという実態があるわけです。

 ましてや、先ほど樺山委員さんからも話がありましたけれども、建設住宅ラッシュなんですね。まず、いろいろあるんですけれども、三菱製紙中川工場跡地にも千数百世帯の高層住宅建設が予定されておりますし、今現に完成されているところも七百世帯入居のマンション、それから日本板紙亀有工場跡地にも五百四十世帯のマンションが建設されるということで、即日完売されたという情報もあります。それから、金町駅南口にも、いずれ三十五階建ての、数百世帯ですか、高層住宅が予定されております。

 ここに多くの人たちが引っ越してこられたりするわけですね。葛飾区全体的にも、将来的に人口増加が見込まれます。

 人口がふえるということは、高校生もふえる。もしも、この水元高校が募集停止すると、それだけで百六十人の入学者枠が減少となるわけです。金町地区では、将来的に葛飾地区総合学科高校というのが、本所工業と水元高校、合併したような形で新しくそこにできるという形ですけれども、この高校は一学年が六学級で、全体で十八学級の予定だと伺っておりますけれども、急激な人口増があった場合、こういった新しい学校の学級数をふやしたりすることは可能なんでしょうか。

 特に、よく江東区の小学校のように見通しの甘さが指摘されているような現状もあります。将来、人口がふえることがわかっていて、しかも就学計画どおりの生徒の受け入れができないとなると、本当にまずいのではないかというふうに思っています。この点はいかがなんでしょうか。

〇伊藤参事

 野上理事ご指摘のとおり、平成十九年に開校予定の葛飾地区総合学科高校の基本計画段階の学校規模は、一学年六学級の全体で十八学級としており、標準的な規模として考えているところでございます。

 お尋ねの大規模なマンション建設など、金町、水元地区に急激な人口増があった場合、今後、その推移も見きわめながら、地域のバランスを考え、葛飾地区総合学科高校の学級規模の変更も検討していきたいと考えております。

◯野上委員

 水元高校を何とか存続していただきたいと、これまでも多くの署名を集めてまいりました。今回も水元高校を何としても存続させるという内容から一歩も二歩も引いて、一年あるいは二年の募集停止を延期するという請願に変えて、一生懸命運動を展開してこられたわけです。七千名を超す署名を集められたということですね。

 せめて一年あるいは二年、この水元高校の募集停止を延期できないのでしょうか。もし延期したら、どんな影響があるんでしょうか。

〇伊藤参事

 水元高校の募集停止につきましては、既に昨年十月に公表しており、中学校の生徒、保護者及び教育関係者にも周知されているところでございます。水元高校の募集停止を延期した場合、受検生、保護者初め、関係者へ大きな影響を及ぼすものと考えられるところでございます。

 さらに、水元高校におきましても、入学者選抜を実施しない体制をとっておりました関係上、現時点におきまして募集停止の延期を実施した場合、極めて困難な状況が想定されると考えているところでございます。

◯野上委員

 極めて困難な状況というのは、どういう状況なんですかね。水元高校の先生方も、入学者選抜をしない体制をとっているといわれていましたけれども、これ、簡単に変えられるんじゃないんでしょうかね。

 また、周知徹底を図るのは、例えば地元の中学校への啓蒙を図ったり、広報紙に載せたり、あるいはマスコミ、テレビとかラジオ、新聞、そういったものを利用したり、方法は幾らでも考えられると思うんですけれども、それでもだめなんでしょうか。

 私は、以前、水元高校のあのすばらしい歴史と伝統をぜひ残す形で、新しい葛飾地区総合学科高校の中にメモリアルルームを提案いたしました。覚えていらっしゃるでしょうか。そのときの答弁は大変前向きなものだったように記憶しております。

 同じように、ソフトの面で、水元高校はこれまで課題のある生徒の指導に実績を上げてこられましたけれども、そういった指導実績を新しい学校に引き継げるようなこともしっかりと考えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

〇伊藤参事

 水元高校におきましては、一人一人の生徒に応じたきめ細かな学習指導、親身な生活指導を実践してきていることは評価しているところでございます。

 新しくできる葛飾地区総合学科高校におきましても、総合学科高校としての教育展開とともに、水元高校のこれまでの一人一人の生徒に対応したきめ細かな生活指導の手法を引き継ぎ、発展させていくことも必要であると考えてございます。

 今後、来年度に設置予定の開設準備室におきまして、具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

◯野上委員

 最後に一言だけ。先ほど樺山委員が発言されているのを聞いて、本当に心情を切々と訴えられて、私も聞いていて、思わず涙があふれそうになりました。いろいろな高校改革においては、常識的に見て考え直してもよいなと思うことがたくさんあると思うんですね。でも、一度教育委員会で決めたからと、都の計画でしっかり決めたからと、全然何もひっくり返らないで来ているという状況があると思います。

 でも、だれが見ても、常識的に見ても、これはもう少し考えてみた方がいいなと思うことに関しては、やはり立ちどまってみるということも大事なんじゃないでしょうか。すべて計画を立ててから、そのとおりでないといけないというかたい頭ではなく、もう少し柔軟な発想で、都民だれもが納得できる改革を進めていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

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◯野上委員

 夜間中学校における日本語教育について質問させていただきます。

 三月十七日の文教委員会におきましても夜間中学について質疑をさせていただきました。また、第一回定例会の本会議におきましては、我が党の石井幹事長が取り上げて、日本語学級の先生方の今日までのご苦労に報いるためにも、絶対に教員を削減してはならないと鋭く迫ったのは記憶に新しいかと思います。

 夜間中学における日本語教育の支援という立場から、夜間中学の日本語教育は、都の教育委員会がバックアップして築き上げた、ほかのところにはないすぐれたシステムであり、前進することがあっても後退と受け取られることがあってはならないということでいわせていただきました。

 今日に至るまで多くの方々からはがきをいただきました。その中で、ご意見なんですけれども、先生方が本当によく教えてくださった、わかるまで丁寧に教えてくださって今の私があるとか、日本語ができないために大変日本で苦労したけれども、この夜間中学で学んできちっとした生活が樹立できたとか、この夜間中学でどれほど勇気と力を与えてもらったかわからないとか、ブラジル人と接したときに、日本語が話せないため日本でさびしく不自由な思いをしている人がたくさんいることがわかったとか、在日外国人の方々に希望を与えてくださったとか、ありとあらゆる角度から、日本語教育の必要性を問いかけていらっしゃいました。また、映画「こんばんは」というのをごらんになって、今まで余り知らなかった、中学校夜間学級については知らなかったけれども、実態を初めて知ってはがきをくださった方もたくさんいらっしゃいました。

 本日の請願審査に当たり、何点かについて質問をしたいと思います。

 まず最初に教員の配置状況なんですけれども、日本語学級の教員定数については、都がお金がない、財政状況が厳しいということはほんとによくわかるんですけれども、国の標準法の基準を勘案して学校教職員定数全体の見直しを図る中で、教員の一部を非常勤講師で対応することとして、配当基準を見直したと聞いております。三月の委員会で十六年度の教員配置について三校で三名の教員が減ると聞きましたけれども、実際に教員が減ったのは何校で何名だったんでしょうか。

〇江連人事部長

 平成十六年度の日本語学級の教員の配置につきましては、激変緩和の措置をとる一方で、異動候補者が過員教科などの理由によりまして他校へ異動できなかった、そういう理由もございまして、実際に教員が減った学校は二校二名でございます。

◯野上委員

 教員定数見直しの代替措置ということじゃないんでしょうけれども、非常勤講師を措置するということも、私たちも訴えてまいりました。しかし、この請願の中で、実際に減った二校のうち一校は、講師でさえも措置されていない状態だということが述べられているんですけど、これだと話が違うのではないでしょうか。

〇江連人事部長

 夜間学級の日本語学級におきます非常勤講師の配置につきましては、日本語の能力が十分でない生徒に対しましてきめ細かな指導を行っていく上で非常に効果的であるというふうに考えております。各校の事情に応じまして、区の教育委員会からの申請に基づき措置しているところでございます。

 お話のありました新たに非常勤講師が配置されていないという理由でございますが、十六年度に新規に夜間学級の教員として、指導経験も豊富な再雇用職員を配置したことによるものでございます。

◯野上委員

 先ほど大塚副委員長からも話がありましたけれども、日本語学級の先生方は、授業中における支援だけではなく、例えば病気になったときに一緒に病院に行って通訳をしながら病気の症状を話すこととか、あるいは、就職なども一緒についていってその会社の社長さんに頼み込んで、就職できるまで面倒を見ている、あるいは、外国人登録にも一緒に行って手続の仕方を教えてあげたり、日本における親がわりのように接しているということをよくお聞きしているんですね。

 指導経験豊かな再雇用職員を配置したということなんですけれども、多分この人は力のある立派な方だと思うんですが、勤務時間にやはり限りがあると思うんです。再雇用の職員の方々が、日常生活における細々としたことまでは面倒は見られないと思います。勤務時間外にボランティアで行うということしかできないんじゃないかと思うんですね。やはり正規の教員でないと、日中から就職活動やら、病院についていったり、お部屋を探したり、登録のお手伝いをしたり、そういうことはできないわけなんですが、この点、今後のこの支援についてはどのように考えておられるんでしょうか。

〇江連人事部長

 夜間学級の日本語学級における指導体制につきましては、専任の教員と非常勤講師、それから再雇用職員が連携、協力し、生徒への生活指導に取り組むとともに、日本語の習熟の程度に応じました学習グループの編成などを行うとともに、学校内の体制を工夫いたしまして、前年度とほぼ同様の体制が維持されているものと考えております。

 今後とも中学校夜間学級の日本語学級につきましては、東京都教育委員会としても実態を把握しまして、設置者である区と連携、協力しながら、指導体制の支援に努めてまいります。

◯野上委員

 これ、すごく大事な観点だと思います。特に実態に対して、都教育委員会として実態をよく把握していただいて--私なんかが関係者の方にお聞きすると、とても熱心でいい方を配置していただいたんだけれども、やはり勤務時間に限りがありますよね、そこら辺が厳しいのではないかという話もお聞きしております。

 私たちも、例えば非常勤講師で対応できて、いい場合もたくさんあるということで、この前もお話をさせていただきました。例えば今ブラジルの方が大変ふえているということで--ブラジルでしたかね、ブラジルの言語ができる講師の方が来ていただければ大変助かるとか、あるいは、中国の方がふえたときには中国語ができる人、韓国の人がふえたときは韓国語という、そういう語学に対応した講師とかを呼んでいただければ、授業もかなり楽だということは聞いておりますけれども、いかんせん、やっぱり非常勤講師の方の勤務実態が限られているので、そこが大変なことではないかというふうに思います。

 やっぱり都の教育委員会といたしましても、一人の人を育てていくということは、生活の細かいところまできめ細かに接してその人を育てていかないといけないと思っております。ただ単に語学だけ対応して授業のときだけ接すればいいというものではなく、その人が本当に日本が大好きになって、日本の文化に触れて、日本ってほんとにすばらしい国だったといわれるぐらいまで、私たちが親切に接していって自立をさせてあげるという、ここまでが大事じゃないかと思うんです。

 また、第一回定例会において、陳情の中でも日本語学級の条件整備のための施策を実施することということが趣旨採択されておりますけれども、都の教育委員会として、日本語教育充実に向けてどのような取り組みをされているのでしょうか。

〇近藤指導部長

 都教育委員会では、日本語テキストや指導の手引の作成、中学校夜間学級指導連絡協議会の開催、そして指導主事による中学校への訪問などを通しまして、日本語教育の充実に向けた指導助言を行い、指導方法等の改善を図っているところでございます。

 また、教職員研修センターにおける日本語指導に関する研修講座におきましては、定員をふやしたり、また夜間学級の教員が受講しやすい時期や時間帯に変更したりいたしまして、日本語指導に当たる教員の資質や能力の向上に努めているところでございます。

 今後は、これらの事業を一層充実させるとともに、各中学校が作成いたしました日本語指導の効果的な教材に関する情報を相互に提供し合うような形を支援してまいりたいと考えております。

◯野上委員

 第一回定例会の中の質疑にもありましたが、夜間中学校での日本語教育は、増加しつつある外国人犯罪を抑止する効果が指摘されているということがいわれております。外国の青年がぽんと日本に来て、言葉もわからず、学校へも行かず、働く場所もなければ、お金もないし、食べるものにも事欠いて、犯罪に引き込まれたり、犯罪に手を出してしまうという可能性が高くなるのは当たり前じゃないかと思います。

 久里浜少年院の中には日本語教室というのがあるんでしょうかね。その中に、外国人の子がやはり数十人いるそうです。今百十七人の子どもたちが入っていて、その中の二十七人が外国人籍で、中国人が一人で、タイ人が一人、二十五人がブラジルの国籍の人だそうです。不況で非行に走って、栄養のバランスのある食べ物をもらって、そこでいろいろパソコンを勉強したりして教育を受けて出てくるということらしいんですけれども、私は、こういった犯罪を犯して少年院のようなところで子どもたちを、訓練というとおかしいですけれども、まともに更生させていくよりも、未然にこうした夜間中学校でしっかりと、犯罪を犯さないように手をかけて、少々お金がかかるかもしれませんけれども、予防教育のような形で取り組んでいった方が、逆にお金もかからないでいい教育ができるのではないかと思っております。ぜひ、この請願の趣旨を踏まえて、教員の配置についても特段の配慮をしていただければというふうに思っております。

 以上でございます。

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