平成16年文教委員会(2004年9月16日)配偶者暴力防止について等

平成16年文教委員会(2004年9月16日)


◯野上委員

 国におきましては、配偶者暴力防止法の一部改正が、本年十二月二日から施行されます。時を得て、東京都男女平等参画審議会から、今回、配偶者暴力に関する被害実態の把握・分析及び対策について、報告がなされました。

 配偶者暴力は、相談件数も年々ふえてきておりまして、深刻な社会問題となっております。三日に一人、殺人事件が起こっております。ほとんどの女性が夫によって殺されているという、こういう深刻な実態があることを認識しながら、質疑をしていきたいと思います。

 今回の審議会報告で、配偶者暴力についての実態の把握と分析を行った結果が載っておりますけれども、被害の実態や、関係機関の支援の状況について、どのような課題が浮かび上がったのでしょうか。

〇江津参事

 今回の審議会報告では、配偶者暴力対策における課題として、被害の早期発見から自立に至るまでの継続した支援が不十分であること、配偶者暴力のある家庭の子どもへの被害の広がりと深刻な影響があるにもかかわらず、子どもに対する専門的支援が不十分であること、支援関係機関の間の連携が十分でないことなどが挙げられております。

◯野上委員

 私のところにも、実際に被害を受けた方々から、本当に多くの相談が寄せられております。

 例えば、シェルターなどに逃げ込む場合、準備期間をある程度経てそういったシェルターに行かれる方は、ある程度身の回りのものを用意して出かけるんですけれども、命からがら、着のみ着のままの状態で逃げていった方というのは、何も持ってきていないんですね。お財布を握り締めているぐらいで、持ち出せないような状況になっております。

 やはり被害者支援ということでは、被害者の心のケア、あるいは子どもさんがいる場合は子どもの支援、それから自立に向けた支援、どっちにしても生活がなかなかできませんので、生活保護を受けながら、あとをきちっと終了できるように、最終的には終了できるところまでの、そういった自立に向けた支援が重要だと思っております。

 そのためには、さまざまな機関が連携して対応していくことが必要ですけれども、このことに関しましてはどのような施策を考えているんでしょうか。

〇江津参事

 ご指摘のとおり、被害者の支援に当たっては、被害の早期発見から被害者や子どもの心のケアなどを含め、被害者の状況に応じ、自立に向けた総合的かつ継続的な支援を行うことが必要でございます。

 このため、被害者の状況に応じた支援施策を体系化し、各支援機関の機能と役割を明確にしたネットワークのあり方を具体的に示す、被害者支援のための基本プログラムの作成が提言されております。

 都といたしましても、相談から自立に至る多様な関係機関による切れ目のない総合的な取り組みを推進するため、関係局や区市町村を初めとする関係機関の協力のもとに、この基本プログラムの作成に早急に着手をしていきたいと考えております。

◯野上委員

 被害者に対する相談や支援の過程で、支援機関に逃げ込んだ方からもいろいろ相談を受けるのですけれども、支援機関の職員の不適切な対応によって、より一層心を傷つけられるということがあり、いわゆる二次被害というんですか、そういったものが多く発生している状況があると聞いております。

 その人たちにとってみれば、そこしかもう行くところはない、逃げたくてももうそこしか行くところがない、追い詰められていると、あんたが悪いんだというような感じで責め立てられて、どんどんうつ状態になっていってしまうというようなことがあります。この二次被害を防止するためのやはり対策が必要と考えられるんですけれども、どんなことを考えていらっしゃるんでしょうか。

〇江津参事

 被害者は、長期間に及ぶ暴力により、精神的にも被害をこうむっている場合が多く、二次被害の防止は重要な課題であるというふうに認識をしております。

 これまでも、都は、二次被害防止のために、相談窓口や職務関係者を対象としたマニュアル等を作成するとともに、研修を実施するなど、被害者への適切な支援が行われるよう努めてまいりました。

 今後、被害者と接触する機関の職員を対象とした研修を充実するなど、関係機関において適切な対応が行われるよう努めてまいります。

◯野上委員

 配偶者暴力の根本的な解決のためには、加害者対策の充実が必要と考えられます。

 DVに関しましては、女性から男性に対する暴力も中にはあるんですけれども、ほとんどが男性から女性に対する暴力なんですね。ですから、都では、平成十三年度から男性相談を、男性の電話相談とかも開始していらっしゃいます。加害者対策に取り組んでいくとともに、今度、内閣府の方で、国の加害者更生に関する調査研究の一環として、都が加害者向けプログラムを試行的に実施するということをお聞きしておりますけれども、その内容はどのようなものなんでしょうか。

〇江津参事

 被害者の安全確保とさらなる被害の防止など、被害者支援の視点から加害者対策は重要であると認識をしております。

 今年度都が実施している加害者向けプログラムは、内閣府の委嘱を受けて、内閣府が作成した基準とマニュアルに沿って試行的に実施しているものでございます。本年七月から事業に着手し、九月末から一月末までの連続十八回の予定で、加害者を対象にしたグループ形式での教育講座を実施し、その結果を検証するものでございます。

◯野上委員

 今回の加害者向けプログラムが成功いたしますと、かなり大きな影響を与えると思うので、これはぜひ実施して、結果の検証もしっかり行っていただきたいと思っております。

 男性相談の電話をかけた方からもちょっとお話を聞きましたけれども、大変丁寧に対応していただいて、話をしている中で、だんだん自分が加害者であったということを自覚するようなことがあるということも聞いておりますので、ぜひこの加害者向けプログラムを大成功に終えたいというふうに思っております。

 DV法の改正で、各都道府県は、配偶者暴力の防止と、被害者保護のための基本計画の策定が義務づけられております。配偶者暴力対策を着実に推進していく上で重要と考えますけれども、これから都はどのように対応していくのでしょうか。

〇江津参事

 配偶者暴力防止法の改正により、都道府県が新たに策定することとなった基本計画は、主務大臣が定める基本方針に即して策定されることとされております。

 改正法の施行後に発表される基本方針を受け、基本計画の策定に早期に着手する予定でございます。

◯野上委員

 最後に、この配偶者暴力というのは人権問題の最たるものだと思っております。今後も、この被害の実態や被害者支援の現状の状況を十分に踏まえて、配偶者暴力対策の総合的な取り組みを展開していく必要があると考えますが、ここで、最後に局長の決意を聞いて終わりにいたします。

〇山内生活文化局長

 配偶者暴力は、今回の男女平等参画審議会の報告で改めてその被害実態が明らかにされましたように、深刻な社会問題となっております。

 このような配偶者暴力は、個人の尊厳を侵害するものでありまして、理事ご指摘のように重大な人権問題と認識しております。今後も、男女平等参画施策の重要課題として、今回の審議会報告を踏まえまして、総合的な被害者支援が適切に行われるよう、関係機関と連携を図りながら、積極的に取り組んでまいります。

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