平成16年文教委員会(2004年9月30日)養護学校の寄宿舎について等

平成16年文教委員会(2004年9月30日)


◯野上委員

 二十八日の代表でも、我が党としましても誠意を持って発言をさせていただきましたけれども、それを補う意味でも、重ねて質疑をさせていただきます。

 私は、まず最初に、ろう学校の再編整備計画について伺いたいと思います。

 現在、都立ろう学校では児童生徒数が減少している、学校によっては半減、三分の一になっている。このような状況を改善し学校の活性化を図るために、八校を四校に再編して各学校が適正な児童生徒数を確保していく必要があるということは、これはもう大変によく理解できます。また、再編整備の中では、中高一貫型教育校も設置していくということであります。全体計画としては評価するべき点もありますけれども、分教室化が予定されている幼稚部、小学部について幾つか確認すべき課題があると思います。

 先日、分教室化される学校の一つである品川ろう学校に参りました。そこで、幼稚部、小学部、中学部の保護者の方々から直接お話を伺う機会を得ました。保護者の方からは、分教室について早期に募集停止をしてしまうと、幼稚部、小学部の幼児、児童が毎日時間をかけて、長時間かけて大塚ろう学校に通学しなければならなくなり、子どもにとっても親にとっても負担が大きくなるという、すごくそういう不安の声をお聞きいたしました。

 品川ろう学校に通うご父兄の方々が、全員、祝日の日に、家を出まして大塚ろう学校まで何分で行くかという時間を計ったそうなんです。すると、祝日で通勤ラッシュもない中ではありますけれども、約二倍ぐらいの時間がかかって大塚ろう学校に着いたということをおっしゃっておりました。人によっては二時間以上、三時間近くかかる方もいらっしゃるということで、一人一人表にあらわして、いかに通学が大変かということを訴えていらっしゃいました。

 私も、実際、小さなお子さんたちが毎日長時間かけてこの通勤ラッシュの中を通学するということは現実的ではなく、これは再編整備に対して配慮が十分でないと考えております。

 先ほど、遠藤委員のときも答弁がありましたけれども、分教室化される幼稚部、小学部は十八年度に募集停止をするということなんですけれども、そういう対応ではなく、分教室があるうちは受け入れを行うとともに、今までの学習環境のレベルを低下しないようにしていくべきだと思います。

 しかし同時に、聴覚に障害のある児童生徒にとって、コミュニケーション能力の育成ということが重要です。そのために一定規模の人数を確保することも大事だと思っております。品川ろう学校の一学年一人という方にもご意見をお伺いいたしましたが、その方の場合は、一学年一人だけれども、本当に先生がすばらしいので今の状態で満足していますということをおっしゃっていました。ある程度年齢が上がってくると、友達同士のコミュニケーションによってそういう能力を培っていくということも大事ではないかというふうに私はいわせていただいたんですけれども、そういったいろいろな教育的な観点に立って、分教室の設置期間についても、当面という表現ではなく、きちんと保護者の方に理解していただくように、説明責任というんですか、それを果たしていかなくちゃいけないんじゃないかと思います。

 そこで、質問ですが、分教室が閉室された後の対応について伺います。

 今の計画ですと、三つの分教室が閉室後、幼稚部、小学部は、大塚ろう学校、葛飾ろう学校、立川ろう学校の三校になります。代表質問でも、我が党は教育長に、分教室統合後の対応について伺いました。すると、教育長答弁の中に、分教室の統合後も専門的な教育が継続して受けられるよう、幼稚部、小学部の幼児、児童を対象としたスクールバス等によるろう学校への通学支援や、近隣の養護学校等の施設を使用したサテライト教室による指導の実施、また乳幼児を対象とした専門家が巡回する教育相談の実施などについて具体的に検討していくという答弁をなさいましたけれども、これについてもう少し具体的に補足をしていただければと思います。

〇伊藤参事

 分教室の統合によりまして、幼稚部、小学部を設置するろう学校への通学時間が長くなる地域につきましては、通学負担の軽減のために、例えばスクールバスの効果的な活用などを検討してまいります。

 また、近隣の養護学校等に専門的な指導が受けられる教室を確保いたしまして、耳鼻科の医師、言語聴覚士、臨床心理士等の専門家の定期的な巡回による乳幼児教育相談の実施など、乳幼児が近隣の幼稚園や保育園に通いながら専門的指導を受けることが可能となるよう検討してまいります。

◯野上委員

 これはかなり前向きな答弁だと私は思っております。近隣の養護学校に必要な教室を確保して、長時間通わなくても、養護学校の一室にサテライト教室のような形にして、そこに専門の先生がきちっと来てくださって、今までの教育に不便を来すことのない、専門家が巡回をしていろいろ行うというような形のご答弁がありましたけれども、かなりこれは前向きな答弁じゃないかというふうに思っております。

 次に、ろう学校の中高一貫型教育校の設置について伺います。

 これは保護者の方々が本当に長い間待ち望んできたものでありまして、大賛成なんです。しかし、設置形態としては、中学部、高等部を分離した形で設置しますね。その後一体化して現在の杉並ろう学校の敷地に設置するということになっておりますけれども、中高一貫教育を実施するに当たり、最初から一体開校する方がいいんじゃないかと思うんですけれども、分離開校してどのように中高一貫教育を実施していくのかを伺いたいと思います。

〇伊藤参事

 平成十一年七月の東京都聴覚障害教育推進構想におきまして中高一貫型教育課程を導入した学校の設置が発表されまして以来五年がたってございまして、生徒や保護者からは、中高一貫型ろう学校の早期の設置を要望されてきたところでございます。そこで、一刻も早い開校を果たすために、既存施設を活用することで開校するものでございます。

 今後、中学部、高等部の六年間の教育を通してコミュニケーション能力や学力の伸長を図れる新たな教育課程を開発することによりまして、全国に先駆けた、大学進学などを目指すろう学校の中高一貫型教育校を推進してまいります。

◯野上委員

 中高一貫型教育校の趣旨は、大学などへ進学できる、また各種資格、いろいろな資格を取得することができるということで、これは全国でも初めての取り組みであり、聴覚障害のある子どもたちの夢をかなえていくものとなるように大変に期待をしております。

 続きまして、寄宿舎の再編について伺います。

 私も、八王子養護学校の寄宿舎と、それから青鳥養護の寄宿舎にも以前お伺いいたしました。寄宿舎の本来の入所目的は、通学困難、島なんかに住んでいて通学できないという通学困難であり、その入舎率が低下しているということですけれども、この実態はどうなっているんでしょうか。それぞれの学校ごとに通学困難による入舎の状況をお伺いいたしたいと思います。

〇伊藤参事

 平成十五年実績によりますと、通学困難を理由とする寄宿舎の入舎状況は、文京盲学校寄宿舎で三名、葛飾盲学校寄宿舎で一名、久我山盲学校寄宿舎で五名、八王子盲学校寄宿舎で八名、青鳥養護学校寄宿舎で二名の合計十九名でございまして、入舎生全体の五・一%にとどまっている状況でございます。

◯野上委員

 本来の入舎目的である通学困難者という方が本当に少なくなってきたということはこれでよくわかりましたけれども、東京都教育委員会はこれまで、この理由のほかに家庭の事情や教育上の理由による入舎も認めてきた経緯があると思います。現在、大半を占める理由が教育上の入舎ですね。保護者の方々から、児童生徒が基本的生活習慣を確立したり集団生活のマナーを身につけたりすることを期待されて入舎させております。ただ、こうした教育については、寄宿舎を設置している、いないにかかわらず、盲・ろう・養護学校としての重要な指導内容であります。学校の教育活動の中で指導を行っていくことも必要だと思います。

 また、保護者の方からの相談の実施など、家庭への支援も行っていくということですけれども、単に学校にその責任を押しつけるだけではなく、生活訓練施設の整備など、都教育委員会としても責任を持って対応していただきたいと思っております。

 また、家庭の事情による入舎ですが、入舎基準の見直しにおいて、家庭の事情については限定的に認めていくということであり、さきの代表質問でも、教育長より、家庭の事情への配慮が必要な場合があることも認識しているという答弁をいただいております。家庭の事情による入舎というのは、いわば寄宿舎がなければ児童生徒が学校に来られないというようなケースなんです。通学を保障するという観点からも必要なことですけれども、限定的な事例にこだわらず、個々の事情をよく聞いて対応していただくよう十分な配慮をお願いしたいと思います。

 今後、寄宿舎がない学校の児童生徒であっても、入舎基準に合えば入舎ができるようになるということは評価できますけれども、家庭の事情による入舎の場合、例えば保護者の方が長期間入院しなければならない場合には、寄宿舎への入舎の迅速な手続が必要になります。先日の代表質問においても、教育長から、寄宿舎が設置されていない学校の児童生徒で入舎が必要な場合、迅速に円滑に入舎できるよう、寄宿舎設置校と未設置校間の連携の仕組みを検討していくという答弁をいただいておりますが、これは具体的にはどのような方向で仕組みを改善していこうとしているのか、お伺いします。

〇伊藤参事

 寄宿舎が設置されていない学校の児童生徒が、家庭の事情により寄宿舎に入舎する必要が生じた場合、寄宿舎を設置する学校への転学手続と寄宿舎への入舎許可に関する手続が必要になってまいります。その場合、児童生徒にとっての学習環境が低下することのないよう、学校間の緊密な連携によりまして、現在、半月程度を要している転学の手続を三日程度に短期化するなど、関係手続を簡素化し、迅速かつ円滑に対応できるように検討してまいります。

◯野上委員

 今まで半月かかっていたのが三日間でできるということは画期的なことだと思いますが、急に病気になって倒れたお母さんが子どもを見られないという場合は三日間もちょっと大変だと思うので、本当に簡素化して、迅速かつ円滑に対応できるようにやっていただければありがたいと思います。

 今回の資料要求により提出されている中の三ページに、寄宿舎の現状の中で、実績宿泊日数が百三十五日から二百二十二日と表示しております、下から五行目ぐらいのところなんですが、この数字の意味を教えていただければと思います。

〇伊藤参事

 資料3の中でお示ししている実績宿泊日数とは、平成十五年度において年間日数から長期休業期間を除外した期間のうち、児童生徒が実際に宿泊した実績日数でございます。日数の相違につきましては、最多の二百二十二日は、青鳥養護学校の寄宿舎が島しょ地区からの生徒を受け入れたためでございまして、それ以外は、学校行事等の実績により異なっている状況でございます。

◯野上委員

 今、伊藤参事さんから伺ったことによりますと、長期休業中は使用していないということなんですかね。保護者から生活訓練に対して期待が大きいことを考えれば、長期休業期間中においても寄宿舎を生活訓練の場として有効に活用していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

〇伊藤参事

 野上理事ご指摘のとおり、長期休業期間中に寄宿舎の有効活用を図っていくことによりまして、各学校での生活指導を計画的、反復的に幅広く行っていけることが可能となりまして、基本的な生活習慣や集団生活におけるマナーの習得など一層の教育的効果が望めるため、具体化に向けて検討してまいります。

◯野上委員

 ぜひ寄宿舎のない学校の児童生徒も、生活訓練の場として長期休業中に寄宿舎を開放していただいて、有効に使用できるようにしていただければありがたいと思っております。

 次に、病弱養護学校について伺います。

 病弱養護学校に高等部を設置するということで、入院を必要としない病弱あるいは病気の子どもたちへの教育機関が不足していること、特に高等部段階の生徒に関しては、病弱養護学校高等部が設置されていないために、病気に対する自己管理能力を育てる教育的な取り組みが十分とはいえないということから、早急に設置すべきであると主張してきたところです。

 今回の高等部の設置については、ぜひ早急に実現していただきたいと思います。その設置時期と設置規模について伺いたいと思います。

〇伊藤参事

 病弱養護学校高等部につきましては、第一次実施計画期間内でございます平成十八年度の設置を予定しているところでございます。また、規模といたしましては、一学年一学級で、合計三学級を想定して検討を進めているところでございます。

◯野上委員

 これは、青年期にふさわしい学習環境を確保する意味からも、隣接する高等学校との連携を行うとしていますが、具体的にはどこの高等学校とどのような連携をしていくことを想定しているんでしょうか。

〇伊藤参事

 連携する高校につきましては、都立久留米西高等学校と、今後開校いたします仮称東久留米地区総合学科高校を想定してございます。

 また、連携方法といたしましては、連携する高等学校において、病弱養護学校の生徒の病状に配慮を要しない教科、科目の履修ができるようにすることや、生徒の病状に応じて、参加が可能な部活動での交流の機会を設けることなどによりまして、同年代の生徒同士による交流を通して社会性の向上を図っていくことができるよう、今後検討してまいります。

◯野上委員

 今回の計画で病弱養護学校高等部の設置が発表され、なかなか自分に合った学校に進学できない、医療の面でも不安であるという悩みを抱え、高等部の設置を待ち望んできた生徒や保護者の方々の長年の願いが結実することになります。都教委としてもしっかりと学校への支援をよろしくお願いしたいと思います。

 最後に、心身障害教育の充実のために、優秀な教員をどのように確保していくのかについてお伺いいたします。

 これは、都教委といたしましていろいろな研修などを経て特殊教育免許状取得促進を図っているところと聞いておりますけれども、今後、どのような形で優秀な教員を確保するか、確保策についてお伺いしたいと思います。

〇江連人事部長

 東京都教育委員会は、これまで、現職教員について、特殊教育免許状の取得促進を目的といたしまして、身障学級担任を含めた認定講習を毎年開催いたしまして、教員の資質の向上を図ってきているところでございます。

 また、今後の確保策につきましても、今後とも、特別支援教育に関する国の動向等も踏まえながら、心身障害教育に意欲と情熱を持ちました優秀な教員の確保に向け、努力してまいります。

◯野上委員

 ぜひともよろしくお願いいたします。

 意欲と情熱を持った人間性豊かな側面と、もう一つは、専門的に子どもたちを指導していける指導力にすぐれた、その両面を持った優秀な教員を確保できるように、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

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