平成16年文教委員会(2004年10月4日)学生支援について等

平成16年文教委員会(2004年10月4日)


◯野上委員

 二十一世紀に入ってから、大学教育には多くの厳しい意識改革が求められております。具体的には、二〇〇二年に、二十一世紀COEプログラムにより大学の研究面での格付がなされてきたこと、もう一つの側面として、文部科学省は、特色ある大学教育支援プログラムにより、教育面での大学評価を始めたことであります。すなわち、現在の大学は、研究面及び教育面、その両面で真価が問われ始めております。

 現在、かつての国立大学においては、強い大学が弱い大学を吸収し始めています。ここで強いとか弱いとか語弊があるかと思いますが、あえてそう表現させてもらいました。

 私立の四年制大学の約四〇%は定員割れを起こしています。かつては安泰といわれていた病院も銀行も大学も、厳しい競争原理にさらされているわけであります。大学もまさに戦国時代を迎えております。中には受験のための宿泊費を出すところ、あるいは入学金をゼロにしている大学もございます。学生にとってみれば、先ほどもお話がありましたが、全入時代を迎え、特に選ばなければどこかの大学に必ず入れる、そういった時代がやってまいります。

 私は、これらのことから、東京都の大学が新大学として生まれ変わり、生き残りをかけて必死で改革に取り組もうとしていることに関しては大変評価をしております。ただ、改革であるがゆえに情報が少なく、先が見えないことに対して、間違った情報が流れたり、あるいは憶測で物をいったりすることがないように、我が党を初めとして都議会においてさまざまな角度から議論をしてきたところであります。

 先ほど報告があったように、首都大学東京の設置については文部科学大臣から認可を受けたところであり、平成十七年四月の開学に向けて、首都大学東京を本当に大都市東京にふさわしい大学、また都民から愛され必要とされる大学としてつくり上げていかなければなりません。

 ところで、近年、都民の生涯学習に対するニーズであるとか、社会人のリカレント教育やキャリアアップ教育に対するニーズは非常に高まってきております。首都大学東京が真に都民から必要とされる大学になるためには、こうした都民や都で働く社会人のニーズにこたえ、多くの方々がさまざまな知識を得ることができる場と機会を提供していくべきと考えます。見解をお伺いいたします。

〇大崎参事

 東京都の設置する大学といたしまして、都民や都内で働く社会人のニーズにこたえ、首都大学東京の有する知的財産を還元していくことは、社会的な要請であり、首都大の使命であると認識しているところでございます。

 そのため、首都大学東京ではオープンユニバーシティーを開設し、都民等の生涯学習ニーズやリカレント教育、キャリアアップ教育へのニーズにこたえてまいりたいと存じます。

◯野上委員

 都民や都で働く社会人のこうしたニーズにこたえていくためには、大都市東京だからこそ提供できるといった内容面の充実と、都民が利用しやすい環境の整備が非常に重要であります。

 オープンユニバーシティーでは、これらの点についてどのような配慮をしていくつもりでしょうか、見解をお伺いいたします。

〇大崎参事

 内容面につきましては、首都大学東京の講師陣が日ごろの教育研究成果をわかりやすく解説するとともに、都の芸術文化施設や研究機関等との連携による系統的かつ多様な講座の提供に努めてまいります。

 また、都民が参加しやすいよう、環境の整備につきましては、首都大学東京の各キャンパスや都の関連施設等も活用しつつ、受講生の利便性確保に十分配慮してまいります。

◯野上委員

 首都大学東京にはさまざまな分野で活躍している教授等がおります。そういった人たちの教育研究成果をわかりやすく都民に伝え還元していくことは、都民生活を豊かにする上でも非常に重要であり、ぜひ積極的に取り組んでもらいたいものです。

 次に、首都大学東京の学生支援についてお尋ねいたします。

 大学教授が自分の研究には熱心だけれども、授業には熱意がなかったり、創意工夫がないということは最悪な状況です。十年一日同じ講義をしているなどはもってのほかだと思います。教員は学生のために存在するわけですから、教授法を工夫したり、授業をできるだけわかりやすく興味深いものにし、自分の教授がどれだけ学生に身についているのか、確認する義務があります。

 また、オフィスアワーの充実、つまり教員が学生の個人的な相談や質問、指導に当たる時間の確保、あるいはシラバスの完成度なども求められていると思います。シラバスなどは都立高校などにも取り入れられているようですけれども、年間学習計画の手助けとなり、より充実させることが大事だと感じております。

 学生が大学における学生生活を豊かなものとしていくためには、教育面での充実のほかに、学生時代でなければ経験することのできないさまざまな活動がいかに充実して送れるかにかかっているといっても過言ではありません。特にサークル活動は学生の課外活動における最も重要なものの一つであり、サークル活動を通して得るさまざまな経験や友人は、学生がその後社会で生きていく上での貴重な財産であるといえます。私自身、大学ではワンダーフォーゲル部に入って、山登りをするために、日常生活では毎日きついトレーニングをしておりました。同じ部活で一緒に苦労も喜びもともに経験して、同じかまの飯を食うという言葉がありますが、友情や信頼などをはぐくんでいき、学業とは違った角度で社会に出たときの人間味を増す部分だと感じております。

 首都大学東京は、現在の都立の大学としばらくの間、同一のキャンパス内で併存することになりますけれども、その際のサークル活動はどのようになるのでしょうか。例えば、府大戦などへの参加に関してはどのようになるのでしょうか。

〇紺野参事

 現在、学内で行われているサークル等の活動が、学習活動と並んで学生の人生にとってかけがえのない貴重なものであることは、委員ご指摘のとおりでございます。これまでの長い伝統に支えられた現大学生のそうした活動は、法人化後も継承されてしかるべきものと考えております。私どもといたしましても、サークル等の活動が今後も継続発展することを願っており、支援を続けていく考えでございます。

 ちなみに、十七年度の新入生については、現在のサークル等に入ることも、また、施設の面など一定の物理的な制約はありますが、新たなサークル等をつくり登録することも可能とする方針でございます。

 なお、お話のありました府大戦、大阪府大との定期戦につきましては、十七年度もこれまでと変わらず開催されることとなっており、法人としても従前と同様の取り組みを行っていく予定でございます。

◯野上委員

 府大戦については、十七年度もこれまでと変わらず開催するということで、法人としても従前と同様の取り組みを行っていくという確認がございました。

 今、サークル活動という一例を挙げてお尋ねしたところではありますけれども、学生が日々のキャンパスライフを円滑に送るためには、大学側として学生支援の充実が不可欠であります。特に首都大学東京と現在の都立の大学はしばらくの間併存するわけであり、現大学の学生と新大学の学生に対し適切に学生支援を行っていかなければならないと思います。

 そこで、お伺いいたしますけれども、平成十七年四月以降、首都大学東京ではどのような形で学生支援を展開していくのでしょうか。

〇紺野参事

 学生支援には、大きく分けて学生生活にかかわる部分と学習に密着した部分とがございます。現在の都立大学を例にとりますと、これらに対する支援を学生部、教養部各学部事務室等で担っておりますが、案件によって学生が訪ねる建物や部署が異なるなど、必ずしも学生にとって効率的とはいえない状況にございます。

 そこで、新大学がスタートする十七年度からは、これらの支援を可能な限り一カ所で迅速に行えるよう、南大沢キャンパスに学生サポートセンターを開設いたします。学生サポートセンターでは、履修相談を初め課外活動、就職支援などからさまざまな証明書発行などまで、学生が充実したキャンパスライフを送るためのサービスを、いわゆるワンストップサービスとして提供することといたしております。

 さらに、学生からの要望や提言を受け入れ、その機能を向上させていく仕組みについても検討しているところでございます。

◯野上委員

 すべての相談をワンストップで行っていくというお話がございました。

 勉強熱心な学生さんからは要望がございまして、図書館を日曜日にも開館してほしいという意見が寄せられております。国立大学でも約半数以上開館しているという実態があります。利用者との兼ね合いもあるので、ある程度の期間を実験的に試行してみてはどうでしょうか。これは提案です。

 余りにも利用者が少ないようであれば、この人件費とか光熱費も余分にかかりますので、開館するということは難しい面もあると思いますが、かなりな人数の人たちが利用する、利用状況が大変よければ開館するということに踏み切ってはどうでしょうか。日曜日も勉強したいという勉強熱心な学生さんもたくさんいらっしゃると思いますので、ニーズの高さによって開館を検討する、そういった観点からぜひ図書館を日曜日にも開館をするということを検討してみていただけないでしょうか。

〇紺野参事

 図書館の日曜開館についてのお尋ねですが、首都大学東京の図書館のあり方については、現在さまざまな側面から検討を進めておるところでございます。

 今の日曜開館の件につきましても、今後、学生からの要望等も十分分析しながら、今後の課題の一つとして、あわせて検討してまいります。

◯野上委員

 首都大学東京は日曜日も図書館が開いているよ、大変勉強熱心な学生たちがあふれている、これも魅力のある大学の一つの効果になりますので、ぜひしっかりと検討していっていただければと思います。

 卒業生が、卒業して数年経たときに、この大学を卒業して本当によかったと思えるような大学になるかどうか、勝負の分かれ目が今だと思っております。新大学並びに現大学の学生に対する学生サービスのさらなる充実など、学生支援に積極的に取り組んでいってもらいたいと思います。

 首都大学東京の開学まで残り半年です。設置認可がおりた今日、首都大学東京の魅力を広くアピールし、これから大学を目指す多くのお子さんやその保護者の皆さんに知っていただくことが非常に重要でございます。現在は情報が少ないという声が多く聞こえてきておりますが、魅力ある大学であるということを積極的にアピールしてほしいと思います。

 そこで、お伺いいたしますが、都は、首都大学東京の具体的な内容についてどのように周知を図っていくのでしょうか。

〇紺野参事

 委員ご指摘のとおり、受験生やその父母の皆さんに対する周知、PRは非常に重要であると認識しております。都としても、大学説明会の開催や受験雑誌への広報掲載を初め、受験生向けの進学ガイダンスへの積極的参加、首都大学東京のホームページの立ち上げなどにより、首都大学東京の持つさまざまな魅力のさらなる周知、アピールに努めてまいります。

◯野上委員

 多くの学生さんたちは、特にホームページをごらんになっていろいろ検討することが多いので、ぜひ魅力あるホームページ、ユニバーサルデザインに基づいたようなホームページとかを立ち上げていただければと思います。

 先ほどもいいましたけれども、国立大学が独立行政法人化し、大学の新設、または既設大学の学部及び学科増設、または組織再編成には規制緩和がなされてきております。競争力のない大学は自然淘汰されて、どんどんつぶれていく時代になってまいりました。大学関係者の方々も、大学の生き残りに対する危機意識を持っていなければ勤務できない時代になってまいりました。

 最後にお伺いいたします。大学教授の採用、昇任、配置など教員人事を今までは教授会が行ってきた経緯がありますが、教員選考委員会、人事委員会にこれをすべて任せるようになるのでしょうか。また、教員選考委員会には外部委員の参画を図りながら、公平公正に決定されるようにすべきでありますが、その点はそうなっているのでしょうか。

〇宮下参事

 公立大学法人になりますと、地方独立行政法人法の適用を受けることになるわけでございますが、この法律では、経営に関する重要事項につきましては経営審議会、それから教育研究に関する重要事項につきましては教育研究審議機関で審議する、こういうことになってございます。

 教員人事につきましては、経営と教育研究にまたがる事項でございます。例えば、何人教員を採用するかというようなことは、人件費がどのくらいかかるかというようなことにも関連しますので、経営の重要事項というふうに考えられますし、個別のどういう人を採用するかということにつきましては、その人がどんな専門知識を持っているかという審査をするというようなこともありますので、教育研究に関する事項というふうにもいえるわけでありまして、したがいまして、教員人事は経営と教育研究にまたがる事項ということで、両審議機関のもとに経営と教学双方を構成員といたします人事委員会を置くこととしてございます。

 人事委員会で法人全体の人事方針、計画を策定いたしまして、その人事方針、計画に沿いまして、教員で構成される教員選考委員会におきまして具体的な採用、選考を実施していく予定でございます。教員選考委員会の構成員といたしましては、首都大学東京のそれぞれの分野の先生にもちろん参加していただくわけですが、外部の教員も加えて人事の公平性、公正性を確保していきたい、このように考えているところでございます。

◯野上委員

 教授と学生が麗しい師弟関係の中で学問に磨きがかけられ、学生同士は切磋琢磨し深め合っていける、ゆったりとした時間の流れの中で思索のときを奏でていける、思索し、積み重ねた研究成果を都民に還元できる、そんな大学であってほしいと望んでおります。

 開学まで残された期間はわずかでありますけれども、首都大学東京は都民の血税を使ってつくられた都民のための大学であることを常に念頭に置き、教育内容のさらなる充実など、開学に向けた準備に万全を期すことを要望して、この質問を終わります。

 以上でございます。

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