平成16年文教委員会(2004年10月26日)少人数指導について等

平成16年文教委員会(2004年10月26日)


◯野上委員

 時間も終了時刻に押してまいりましたので、簡潔に行いたいと思います。

 最初に、三十人学級の問題について質問いたします。

 今回、教育庁より、平成十六年度において学級編制の弾力化を実施している道府県の状況という資料が出されました。この二ページ、三ページでございます。この資料では、四十二道府県で、いわゆる少人数学級を導入しているとされております。よく見ると、少人数学級を限られた研究指定校でのみ行っている県も五県ほどあります。今のところ、少人数学級への対応は、導入したといわれる道府県の中でもかなり濃淡があるのではないかと思われます。

 この三十人学級の問題は、さきの第三回定例議会の中でも、石原知事が、他の道府県がやっているから東京都もと、付和雷同的に考える必要はないと答弁されたのは、皆様の記憶に新しいかと思っております。子どもたちにとって本当によい方法は何なのかをじっくりと考えて、この問題について取り組んでいただきたいと思っております。

 そこで、まず、東京都の学級規模について、現在、一学級当たりの平均の児童生徒数は何人なのでしょうか。また、三十人以下の学級、あるいは三十五人以下の学級はそれぞれどれぐらいあるのでしょうか。最初にお尋ねいたします。

〇山際学務部長

 一学級当たりの児童生徒数につきましては、小学校では三十・八人、中学校では三十三・六人でございます。

 また、三十人以下の学級につきましては、小学校で七千七百八十一学級あり、全学級数の四四・五%でございます。中学校では千百六十学級あり、全学級数の一八・一%でございます。

 三十五人以下の学級につきましては、小学校で一万三千九百四十学級ございまして、全学級数の七九・七%、中学校は四千二十三学級あり、全学級数の六二・七%でございます。

◯野上委員

 今答弁がありましたように、既に半数近くの学級が三十人以下という、そういった実態があります。こうした学級の実態にかかわらず、さらに現在の四十人学級制度を改めて三十人学級制度を導入するという考え方の方も多くいらっしゃいますけれども、例えば三十一人の学級になりますと、三十人学級を導入すると、三十一人が二つに分かれて十五人と十六人に分かれてくるわけですね。一つのクラスが十五人、あるいは十六人だとすると、男女同数だったとしても、それぞれ男の子七、八人、女の子七、八人ずつしかいないということになります。サッカーの試合もできないような現状になるわけです。日々の学校教育の活動を行っていく上で、生活集団の規模としてはいかがなものなんだろうかと。

 確かに教師にとってみれば、採点にしても、四十人採点するのと十五人採点するのでは、三分の一ぐらいの労力になるので、楽は楽なんですけれども、子どもにとってみて、そういう小規模の集団というのはどうなんだろうかと、ちょっと心配する面もあります。

 例えば、七人から八人しかいない女の子の集団の中で、いじめとか起きたときに、人間関係が固定しているので、出口がなくなってしまう。最終的には転校するしかないようなことも起きてしまうのではないか。いろいろな生活集団としての学級のあり方と教育効果との関係について、都の教育委員会はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

〇山際学務部長

 都教育委員会といたしましては、生活集団としての学級には、児童生徒が、集団生活の中で、お互いの切磋琢磨や多様な人間関係を通じて社会性を養うという観点から、一定規模が必要であるというふうに考えております。

 一方、児童生徒の確かな学力を育成することも重要でございますが、これには教科等の特性に応じた少人数指導やチームティーチングが有効であると考えておりまして、これまで着実にその充実を図ってきたところでございます。

◯野上委員

 今の答弁にありましたように、生活集団として一定の規模を持つ学級の中で児童生徒が基本的な生活習慣を身につけることが大切だと私も思っております。しかし、今よくいわれている小一プロブレムという問題があります。幼稚園、あるいは保育園でそれぞれの教育環境の中で育った子どもたちが入学してくると、幼稚園の指導方針、保育園の育児方針とか、いろいろ違っておりますので、小学校低学年における授業が成立しがたい状況が指摘されております。

 こうした生活指導の面に関して、少人数学級が有効だとする考え方もありますけれども、都教委が推進している少人数指導は、生活指導に関してどのようなメリットがあるんでしょうか、お伺いいたします。

〇近藤指導部長

 小学校の入門期や低学年において、集団生活になじめず、授業が始まっても遊んでいたり、歩き回ったりする児童がおり、授業がなかなか成立しないという状況が見られることがございます。こうした授業が成立しがたい状況を改善するには、何よりも担任が一人で問題を抱え込まず、組織として対応することが有効でございます。したがいまして、学級や学年の枠を超えて、教員同士が共同体制を組み、組織的に対応する指導体制のある少人数指導が、学習指導だけではなく、生活指導面においても効果が期待できるものと考えております。

◯野上委員

 小学校一年に入ったときに、最初は落ちつきがなくても、集団活動の中で一カ月もすると、大体落ちついてきます。自閉症とか、あるいはLD、ADHDなど、さまざまな障害を持っているお子さんや多様なお子さんがいて、ベテランの先生もなかなかうまくいかない状況も生まれてきておりますが、そうしたときに担任一人が悩んでいるのではなくて、組織として対応するということで、少人数指導が効果があるということだと思っております。

 今、学校教育に寄せられている大きな期待は、児童生徒一人一人に確かな学力を育ててほしいということです。これまでも少人数指導が学習指導に効果的であることはうかがっておりますけれども、学力向上という観点で、少人数指導がすぐれているという調査結果はあるんでしょうか。

〇近藤指導部長

 都教育委員会が平成十四年十月に研究推進校の児童生徒を対象にした調査によりますと、少人数指導を通して勉強がよくわかるようになったと答えた児童生徒の割合は、小学校の国語や算数では約八〇%、中学校の国語、数学及び英語では約七〇%から七五%という結果でございました。また、都教育委員会が指定いたしました少人数学習集団による指導法の研究推進校からの報告によりますと、児童生徒が学習への理解を深めたり、意欲を高めたりすることができること、複数の教員が協力して学習集団の編制や指導計画の立案、教材の作成等を行うことから、相互に研修し合う機会がふえ、指導力を高めることができたなどが挙げられております。

 さらに、平成十六年六月に発表されました国立教育政策研究所の指導方法の工夫、改善による教育効果に関する比較調査の研究では、小学校四年の算数、六年の算数、中学校の二年の数学及び英語において、学級規模や少人数指導等の比較調査研究を行ったところ、学力の形成については、すべての学年、教科において、少人数指導が最も有効であるとの結果が出ております。

◯野上委員

 今の指導部長のお答えで、少人数指導がかなり教育的な効果があるということが調査の結果でもわかったということを伝えていただきました。

 今、小学校、中学校の学級規模も随分小さくなって、高齢の方なんか、六十人学級とか経験された方もいらっしゃるかもしれないんですけど、私たちのころ、四十五人学級とかありましたけれども、昔は六十人学級とかでしたね。それでも、先生方も一生懸命やっていたということだと思います。

 ある程度の一定規模が集団としても必要であると。最後は、教育をよくするのも、悪くするのも、それは教師にかかっていると思っております。教育への期待と責任、すべて教師に負わせるというのは酷なことかもしれませんけれども、現に人の師として子どもたちの前に立っている以上、社会から期待や願望を受けて立つのが教師としての責務だと思っております。そういった意味で、一人一人の教師の資質向上、そのことがとても大事だと思っております。

 その次に、指導力不足教員についてお聞きいたします。

 都教委は、指導力不足教員に対し、東京都教職員研修センターにおいて、三年前から指導力ステップアップ研修を実施しているということなんですが、こうした研修を受講した後、都教育委員会はどのように対応することとしているのでしょうか。

〇江連人事部長

 お話のように、東京都教育委員会では、児童生徒を適切に指導できない教員につきまして、平成十三年度から、東京都教職員研修センターにおいて指導力ステップアップ研修を実施し、指導力の向上等を図っているところでございます。こうした研修の結果等に基づきまして、教育庁内に設置いたしました審査委員会におきまして、指導力不足等教員としての決定を解除する者、引き続き研修が必要な者、教育公務員としての適格性に欠ける者を判別した上で、教育公務員としての適格性に欠ける者については、教員を免職し、事務職員等に採用することを可能とする規定を設け、対応しているところでございます。

◯野上委員

 平成十五年度において、指導力ステップアップ研修を受講し、現場復帰を認めた者、あるいはまた事務職員として転職した教員は、それぞれどのような状況になっているんでしょうか。

〇江連人事部長

 平成十五年度におきます指導力ステップアップ研修を受講した者は十八名でございます。そのうち、指導力不足等教員としての決定を解除し、現場に復帰した教員は三人でございます。事務職員に転職した者はいませんでした。

◯野上委員

 途中退職も含めて、九名の先生方が自主退職したということだと思います。指導力不足教員として申請される先生方の中には、校長とうまくいかないという理由で、安易に申請されるといったケースも聞いておりますけれども、都教育委員会はどのように対応しているんでしょうか。

〇江連人事部長

 指導力不足教員につきましては、校長及び区市町村教育委員会が適切な指導計画のもとに必要な指導を行っても、なお、指導力等の改善が図れない場合におきましては、区市町村教育委員会が東京都教育委員会に申請する仕組みとなっております。申請に当たっては、まず、校長と区市町村教育委員会とが連携し、当該教員の能力、適性等の課題を的確に把握するとともに、本人に指導力等に課題があることの自覚を促した上で、研修等を受講させていることとしております。

 こうした手続を行うことによりまして、個々の教員の課題に応じたきめ細かな対応が可能となりまして、一層の研修の成果が期待できるとともに、お話のような安易な申請によるトラブルが防げるものと考えておりますし、また、そのように努めてまいります。

◯野上委員

 こうした制度を適正に運用することは必要だと思います。そのために申請がおくれて、児童生徒が犠牲になっては何もならないと思います。

 今、精神疾患の先生方も百七十一人ということで、先生が壊れていっている。壊れていっているけれども、自分も自覚がなく、教壇に立っているという方も多分いらっしゃるんだと思います。そのためには、日ごろから教員の能力等を的確に把握し、適切に指導していくことが必要であると考えますが、今後、都教委はどのように対応していくのでしょうか。

〇江連人事部長

 東京都教育委員会は、教員の職務実績及び指導の結果等をより的確に把握することによりまして、個々の教員の能力、適性等に応じたきめ細かな指導、育成が行われるよう、職務実績記録の整備を各学校に通知し、その徹底を図ったところでございます。さらに、来年度からは、人事考課制度による業績評価の結果を踏まえ、校長が指導、育成を強化する必要を認めた教員につきましては、育成シートを作成し、個々の教員の課題に応じて計画的に指導を行い、その指導計画を記録させ、必要に応じて報告を求める制度を導入することとしております。

 こうした制度の確実な推進によりまして、個々の教員の人材育成を図るとともに、今後とも指導力不足等教員につきましては厳正に対応するよう、区市町村教育委員会に対して指導を徹底してまいります。

◯野上委員

 個々の先生の持っている能力を引き出しながら、そして先生方の人材育成を図るということで大事な制度だと思っておりますので、ぜひ進めていっていただきたいと思います。

 最後に、職場における禁煙対策のためのガイドラインについて質問いたします。

 平成十五年五月に健康増進法が施行されました。受動喫煙防止対策として、分煙の考え方が厳しくなったと聞いておりますが、現在の分煙の基準はどうなっているのでしょうか。

〇山際学務部長

 平成十五年五月、厚生労働省で出されました職場における喫煙対策のためのガイドラインにおける分煙の考え方は、第一に、独立した喫煙室を設置すること、第二に、喫煙室には独立した空調設備と屋外への排気装置を設けること、以上、二点が主な考え方でございます。

◯野上委員

 都立学校において現在建物内禁煙とされ、また、平成十七年四月からは、敷地内全面禁煙が実施されると聞いておりますが、喫煙している教職員に対してはどのような対策を講じているのでしょうか。

〇山際学務部長

 都立学校における敷地内全面禁煙を円滑に推進するためには、教職員の理解が不可欠でございます。このため、教職員に対して、児童生徒の受動喫煙防止及び喫煙防止教育のより一層の推進という趣旨の周知徹底を図るとともに、喫煙する教職員に対しましては、禁煙指導を実施している医療機関や三楽病院の禁煙相談事業などについて情報提供しているところでございます。

◯野上委員

 今は建物内禁煙だけなので、今、たばこを吸いたい人はベランダあるいは屋上でたばこを吸えるわけです。ところが、来年四月からはそれもままならないということになります。私は、すばらしいことを実施されて、大賛成なんですけれども、私も小学校のころ、職員室に行くと、たばこの煙がもうもうとしておりまして、大好きな先生方がたばこをおいしそうに吸っているのを見て、子ども心に、自分も大人になったら吸いたいなという気持ちもわいてきました。それも当然だと思うんですけれども、ただ、たばこを吸うと歯が黒くなるというので吸いませんでしたけれども……。都立学校における禁煙対策を先駆的にとられたことは本当に意義が大きいし、このことが必ずや区市町村立学校にも影響が大きいと思います。

 葛飾区などは、今年度から敷地内あるいは建物内、すべて禁煙ということで実施しております。先生方も、ちょっと苦しい面もあるかもしれないんですけれども、残された期間の間に禁煙を進めて、体にもいいことですので、ぜひ禁煙の実施を強力に進めていただきたいことを要望して、終わります。

 以上でございます。

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