平成16年文教委員会(2004年11月26日)定時制について等

平成16年文教委員会(2004年11月26日)


◯野上委員

 では、陳情一六第九〇号の方について述べます。

 平成十六年四月開校の大江戸高校は大変人気があり、分割前期募集では五百一名が受検して三百八十五名が不合格、分割後期募集では二百一人が受検し百七十名が不合格になりました。私の知人のお嬢さんが第一希望として新設の大江戸高校を受検したのですけれども、不合格になり、大変にショックを受けておりました。まさか不合格になるとは思わなかったわけですから、定時制なら楽に入れるだろうと思っていたところ不合格で、目の前が真っ暗になってしまったと。こうした例は枚挙にいとまがないと思います。

 平成十六年度入学者選抜において、墨田、江東、江戸川地域で、高校進学を希望しながら進学できなかった生徒はどれくらいいるんでしょうか。

〇伊藤参事

 墨田、江東、江戸川区域の都立の定時制高校は、普通科六校、専門高校四校ありますが、これらの定時制高校の二次募集では、六十四人が不合格となっておる状況でございます。

◯野上委員

 この六十四名の進路がどうなったのか、とても気になるところです。一次試験で全日制を受検した生徒が不合格となった場合、二次試験で定時制を受検すると、初めから定時制を第一希望、希望していた生徒は就学できなくなることはないでしょうか。

〇伊藤参事

 昼夜間定時制高校等を除き、定時制高校の第一次募集の学力検査日を全日制の第一次募集と同日に実施し、四千百四十人の募集枠に千四百五十二人が受検しております。受検倍率は〇・三五倍となっており、当初より定時制高校を希望する生徒の受け入れはできていると考えてございます。

 定時制高校の希望者は、東京都中学校長会進路対策委員会の調査では、例年、八百五十人前後で推移しておりますので、新規卒業生以外の受検者は六百人程度と計算できます。したがいまして、これら初めから定時制を希望した生徒については就学が確保されている状況でございます。

◯野上委員

 全日制を希望している生徒が受検に失敗した場合、定時制の枠が確保してあるので就学できない生徒はいないということですよね。しかし、定時制への進学を希望しない場合には、私立高校にでも行かない限り、中学生浪人ということも考えられるわけです。

 都の教育委員会としては、東京都全体の立場で、すべての受検生が必ずどこかの高校に落ちつくであろうと計画を十分よく練っているのはわかります。しかし、自分の住んでいるエリアで見ると、多くの生徒が自分の希望する学校ではなく進学をしているという実態もあります。生徒数の増減をよく見通して、就学できない生徒ができてしまう場合には、臨時で学級増をしたり計画を一年先延ばしにするなど柔軟な態度ができないのでしょうか。

〇伊藤参事

 定時制高校の二次募集の都全体の倍率は〇・五九倍で、枠としては確保されてございます。また、定時制高校の三次募集においても、都全体で千五十九人、区部に限っても七百六十七人の募集枠がございますので、最終的には定時制高校希望者は受け入れられていると考えてございます。

◯野上委員

 確かに、人数枠でいうと、受け入れ可能な人数枠を確保しているということですね。大江戸高校のように倍率が高い高校も、いずれ、この計画にあるように、全都で十一校の昼夜間定時制独立校を整備していくということなので、数年後には平準化していくだろうと思います。

 定時制の最大の課題は、自分は定時制を卒業したと胸を張っていえるような学校にすることだと思います。苦学をして働きながら、一生懸命眠い目をこすって勉強して大学に進んだことに誇りを持っている人を私はたくさん知っております。しかし、生徒の勤労の実態調査などによってもわかるように、定時制が勤労青少年が学ぶための学校であるという認識が揺らいできているのではないでしょうか。その証拠に、国の政策面では補助金の削減という形で端的にあらわれてきております。

 今の定時制高校の現状は、定時制に対して誇りを持つことができているのかどうかが課題だと感じております。基本的には、定時制という呼称は廃止して、大江戸高校のように、その学校に見合ったすてきな名前をつけていくことが必要なのかとも思います。これから設置される学校はそうした配慮がなされているのはすばらしいことだと感じております。

 最後に、個人的な意見として、全・定併置の定時制を発展的に統合し、昼夜間定時制高校を設置する計画自体には賛成です。定時制課程は、全日制と併設するのではなく、独立させ、なおかつ、できれば交通至便なところに設置すべきです。例えば駅に近いところのビルの一角を専有するとか、多方面、他地域の生徒が通いやすいところに設置すべきだと思っております。また、あえて夜間ではなくて、その大部分は昼間の時間帯で、今夜間定時制で行っているカリキュラムを行えるように工夫すべきだと感じております。仮に昼間定時制とするのであれば、朝と昼の二部制がふさわしいのではないかと意見を申し述べておきます。

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◯野上委員

 では、一六第七〇号、平成十七年度東京都公立高等学校定時制通信制教育振興に関する陳情の中の一項、定時制通信制高校の明確な位置づけに関する事項の(1)、三年間で卒業を可能とする三修制の整備に賛成の立場で発言をさせていただきます。

 定時制高校も多様化が進み、昼間定時制や三部制の定時制高校が新たな形で生まれてきております。定時制が夜間である必要も四年制でなければならない理由もなくなってきております。定時制に関連して、三修制の取り組みについて伺います。

 都の定時制高校での三修制、三年間で卒業できる仕組みについて、現在どのような状況になっているのでしょうか。

〇伊藤参事

 本年三月の定時制卒業生の中で、四年の修業年限のところを三年で卒業した生徒でございますが、定時制高校の二学年相当での入学者もありますことから、正確な数字ではございませんが、二百五十人程度でございます。中でも、昼夜間定時制高校でございますチャレンジスクールの桐ヶ丘高校では五十五人、世田谷泉高校では七十人で、ともに四〇%弱の割合となってございます。

 三年での卒業の仕組みは、昼夜間定時制では他部履修や学校外での学習の成果の単位認定によりまして、また、夜間定時制におきましては主に大学入学資格検定における合格した科目による単位認定によりまして、三年での卒業が可能になっているところでございます。

 また、この取り組みに関しましては、現時点で、チャレンジスクールを含めまして、昼夜間定時制高校で四校、夜間定時制高校で二十四校が実施しているところでございます。

◯野上委員

 この三修制を取り入れるためには幾つかの条件が必要になります。通常の定時制高校では一日四時間の授業を組んでおり、年十九単位で三年間学んでも五十七単位で、卒業に必要な単位七十四単位を獲得することは不可能です。

 現在、三修制を導入している学校をいろいろ調べてみました。すると、四種類の単位のとり方があることがわかりました。

 その一つは、通信制高校との併修です。新宿山吹高校の開校に伴い、園芸高校、立川高校、第一商業高校がこの方法でいち早く三修制を取り入れています。二番目は、自前で一日六時間の授業を組むことです。これは蔵前工業高校や単位制の飛鳥高校が実施しております。三番目は、始業前にゼロ時間目を実施する、つまり、十六時半から、四時半から五時十五分に一時間分を開講する。その時間帯は全日制生徒が活動している時間であり、かなり工夫が要ると思いますが、実施しているところもあります。四番目は、先ほどご説明がありました大検や実務代替、公開講座、インターンシップなど学校外の学習単位を認める方法、以上の四種類があると思います。

 いろいろ工夫して実施されているようですけれども、今後、都の教育委員会は三修制の取り組みをどのように進めていくのでしょうか、お伺いしたいと思います。

〇伊藤参事

 平成十九年度で昼夜間定時制高校が十一校体制となるわけでございますが、昼夜間定時制高校相互の連携のみならず、夜間定時制高校との緊密な連携も図る中で、三修制についての取り組みも進めていく予定でございます。

◯野上委員

 ちょっとあいまいなんですけれども、要するに、いろいろなタイプがあるけれども、それぞれの学校の特色に任せてやっていくということでよろしいですね。--この四つの三修制の方法を上手に取り入れて進めていくということで確認をさせていただきます。

 定時制を改革するためには、この三修制の導入は避けて通れない、最も今日的であり、重要な視点と考えております。三修制は、多様な学習希望を持つ生徒に対応することができ、生徒がコンプレックスを抱くこともなく学校生活を送ることができ、そのことが学習意欲の向上にも結びついているといいます。単位制のもとに三修制を推進し、全日制、定時制の課程の壁を取り払うことこそ、今日の深刻な不登校、中退、原級留置などの問題解決に結びつくと確信をしております。そうした意味では、この三修制の導入は、義務教育修了学力とは一体何なのか、また、高校卒業とする学力認定基準の明確化などとあわせて、全日制とも共同して取り組む大切な課題だといえます。

 学校が変わるとは教育課程が変わることです。これまでの長い慣習を打破して学校に新たなシステムを導入するためには、何よりも教員の意識改革を図る必要があります。教育課程の編成が難しいので取り組まないところもあるように聞いておりますけれども、生徒一人一人の能力、適性、興味、関心、進路希望に応じたきめ細かな教育の実現のために、ぜひ真剣に取り組んでいかれることを望みます。

 次に、3の定時制通信制教育振興の管理運営に関する事項、(1)の特に音楽鑑賞教室について、これは意見表明をさせてください。

 去る五月十三日に、日比谷公会堂で音楽鑑賞教室を開催したことをお聞きいたしました。今までは、定時制通信制の音楽鑑賞教室には、二百五十万かかるとすれば、百二十五万は教育庁からの予算として出て、残り百二十五万が受益者負担で、約一回の音楽鑑賞教室に千人が鑑賞すると、大体割り算をして、千二百五十円から千三百円ぐらいで鑑賞できておりました。

 ところが、平成十六年度からは百二十五万円がカットされた。今までは都響以外の三つの楽団の方へ百二十五万円払っていたけれども、その分を自前の都交響楽団が担うことになり、補助金が要らないので、実質生徒が払う金額は千三百円と変わりないということです。

 ところが、場所を借りるお金は、校長会でプールしていたお金を出して実施したということを聞いております。例えば、芸術劇場を借りるとすると約八十万円かかり、百二十五万と八十万で二百万ちょっと以上の金額になり、受益者負担の金額がはね上がるということです。校長会から会場費補助を--いつまでもこうしたプールしたお金があるわけでもなく、これからこういった音楽鑑賞教室をするときにそういった会場費が出ないということで、何とか配慮していただければと思っております。

 演劇にしても音楽にしても、本物の文化に接することが、どれほどこの時期に接することが大事であるかを痛いほど感じておりますので、ぜひご配慮していただければと意見表明をさせていただきます。

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◯野上委員

 一六第九二号、夜間中学校の日本語学級の教職員定数削減の見直しに関する陳情について申し述べます。

 以前に、ことしの第一回定例会での代表質問で、公明党の石井幹事長が質問に立ちました。また、予算特別委員会や文教委員会でも夜間中学校の問題を取り上げてまいりました。私たちはいつも現場第一主義に徹し、夜間中学の先生方や生徒の皆さんの意見をお聞きしてまいりました。この中学校夜間学級の先生方の今日までのご苦労に報いるためにも、絶対に教諭を削減してはならないと鋭く石井幹事長が迫ったことは、まだ皆様のご記憶にも残っているかと思います。

 日本語学級の先生方は、勤務時間外にも、日本語学級の生徒のために、部屋探しや就職の世話、病気になったときには病院まで付き添うなど、ありとあらゆる日常のお世話をしているという実態もあります。

 十七年度の国への概算要求で、夜間中学の日本語学級、日本語教育の法整備を盛り込むべきであると思いますが、日本語学級の法的位置づけや特別な人的加配につきましては、文教予算に関する国への概算要求の中で要望していただけたと伺っております。

 夜間中学の日本語教育は、国の日本語教育が十分になされていない中で、都の教育委員会がバックアップして今日まで築き上げてきた、すぐれた教育システムです。前進することがあっても、後退と受け取られることがあってはならないと思っております。

 横山教育長も、日本語能力が不十分な中国残留邦人等に対し学習の場を提供することは、義務教育を保障し、日本社会への定着と自立を促進する視点からも必要であると考えておりますとの答弁もいただいております。

 今後とも、定数削減を見直し、多様な人材を活用し、学校が創意工夫できるよう、設置者である区市とも協力をしながら、指導体制の支援に努めていただきたいことを切に要望します。

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