平成17年文教委員会(2005年3月16日)都教育委員会について等

平成17年文教委員会(2005年3月16日)


◯野上委員

 時間も押してまいりましたので、重複する質問は避けて行いたいと思います。

 最初に、指定管理者制度についてです。

 平成十五年六月の地方自治法の改正によって、従来は地方公共団体が出資する法人等に限られていた公の施設の管理運営が民間業者にも拡大されました。すなわち地方公共団体の出資法人等に対する管理の委託から、民間事業者を含む地方公共団体が指定する指定管理者による管理の代行へと制度が転換するわけです。この改正の目的は、公の施設の管理運営に民間事業者のノウハウを活用して、利用者の視点に立ったサービスの提供等、コスト意識に基づく経費の削減を図ろうというものです。

 こうした制度も、実際指定管理者となる事業者が、体育施設が持つ公共性とスポーツ振興の役割に対する正しい理解と自覚が欠如していたのでは、制度本来の目的を達成することは不可能です。したがって、指定管理者をどのように選定するかが制度の趣旨を十分生かし、かつ本来の体育施設の役割を今後も果たしていくために極めて重要な問題であります。

 そこで、指定管理者制度の導入に関して何点か伺います。

 最初に、都民の財産である体育施設の管理を代行する指定管理者を選定するに当たっては、公募に際し、できるだけ広く応募者を募る必要があると思います。そのための工夫は何を考えているのか、教えてください。

〇沼沢参事

 広く応募者を募るための工夫についてのお尋ねですが、公募における周知につきましては、募集要項を作成し、ホームページや「東京都公報」に掲載するなど広く都民や事業者に周知がなされるよう努めてまいります。また、現地説明会を行うなど事業者に施設の状況を十分に周知してまいります。さらに、事業者の参加機会の確保に配慮し、十分な受け付け期間を設定するよう努めてまいります。

◯野上委員

 選定の方法なんですけれども、これは福士さんとちょっと質問が重なるので省かせていただきますけれども、応募要件として余り厳しいと、実質的には参入の制限となってくるし、逆に緩和し過ぎると、新規参入者が非常に低いコストで参入し、その結果、よく建築業界が抱えている問題と同じなんですけど、安かろう悪かろうというようなおそれもあると思います。ですから、複数の応募者の申請ができる応募資格を設定しつつも、コストの削減とサービス向上の両方が図られるような具体的な選定基準を定めることが大事かなと思っております。

 次に、指定期間についても、ちょっとダブりますので。東京都は原則五年、最低三年、最長十年と考えているとございましたけれども、施設の特性とか委託する業務内容から施設ごとに適切な指定期間に設定することが望ましいと思いますので、この体育館は原則五年で望ましいのではないかなというふうに思っております。

 次の質問なんですけれども、せっかく選ばれた指定管理者が指定後に経営難に陥って倒産するような事態になった場合は、どのように対応するんでしょうか。

〇沼沢参事

 倒産するような事態になった場合の対応についてでございますが、指定管理者の指定に当たりましては、条例改正案の第十六条第二項で指定の基準を規定し、同項第二号で安定的な経営基盤を有していることを挙げております。選定委員会による審査において、この基準を満たす事業者を選定するものでございます。

 しかしながら、万が一指定管理者が倒産した場合でございますが、事前にどのような場合に指定を取り消すかということにつきまして、都と指定管理者との間で締結する協定で明らかにしておきまして、指定期間中であっても指定を取り消し、速やかに新たな指定管理者を選定するものでございます。

◯野上委員

 指定管理者制度の導入については、効率性や経費削減が強調される傾向がありますが、スポーツの振興という体育施設が持つ本来の役割が十分果たされることが前提となるはずです。そうしたことが担保できるような方策が講じられているのでしょうか。

〇沼沢参事

 体育施設としての役割についてのお尋ねでございますが、施設の運営につきましては、条例改正案の第十五条で指定管理者に行わせる業務の範囲を定めております。これまでの体育施設における使用承認の考え方や減免制度の適用などの基本的利用条件を募集要項で示すなどしまして、公の施設の役割を正しく理解している事業者を選定委員会により選定してまいります。さらに、指定管理者の選定後も、体育施設におけるこうした基本的な利用条件を都と指定管理者との協定の中に盛り込むことによりまして、体育施設の公的役割を十分果たせるようにしてまいります。

◯野上委員

 制度がどのように変わっても、一番大切なのは、利用される都民の皆さんにとって利用しやすい施設であり続けることであると思います。利用者の方の意見や要望はどのようにして施設運営に反映されるのでしょうか。

〇沼沢参事

 使用者の意見や要望について、施設運営への反映に関するご質問でございます。現在でも使用者とは事前に十分な意見交換を行うとともに、利用者懇談会を開催したり投書箱を設置するなどして、日常的に使用者の意見の把握、反映に努めているところでございます。指定管理者制度導入後も同様に、引き続き使用者の意見の把握、反映に努めてまいります。

◯野上委員

 この指定管理者制度は、単なる民間委託によるコスト削減などとは異なって、本来、指定管理者の創意工夫を引き出し、都民共有の財産である公の施設をよりよく活用するための制度だと認識しております。管理者指定後の指定管理者のチェックの方法等の検討も、私も福士さんと同じように大事な問題だなというふうに思っておりますけれども、体育施設としてのこれまでの役割が制度導入後も引き続き果たされるとともに、これまでの利用者を含む多くの都民が質の高いサービスが享受できる運営がされることを強く要望いたします。

 次に、教育の問題に移ります。

 児童生徒の学力向上のために、都の教育委員会は学力向上を実施するとともに、調査結果を分析し、各学校に授業改善推進プランの作成を義務づけ、各学校の授業改善の促進を求めていることは高く評価しております。しかしながら、児童生徒の学力向上のためには、教員の指導力、とりわけ授業を実際にわかりやすく行う力である授業力の向上を図らなければならないと思います。

 この間、平成十三年には教職員の研修の体系化を図り、初任者研修などの必須研修、管理職や主幹等に対する職層研修の充実を図るとともに、教員のライフステージに応じた研修を計画的に行うため、選択課題研修としてのキャリアアップ研修一、基礎、キャリアアップ研修二、充実、キャリアアップ研修三、発展を各種用意し、教員の自主的な研修を促進してきております。こうした中で、都教育委員会は検討委員会を設置し、児童生徒の学力向上や教員の授業力向上などのための方策を検討し、二・三年次の授業研究、東京教師道場などさまざまな施策を計画したと聞いております。

 そこでまず、二・三年次授業研究についてお聞きいたします。この二・三年次の授業研究は基本的には校内で管理職の実施計画で行うものとされております。都立学校の二・三年次授業研究は平成十七年度に実施するとしていますが、こうした研修を行う上で、都教育委員会はどのように支援していくのでしょうか。

〇近藤指導部長

 都教育委員会は、各学校が二・三年次授業研究を円滑に運営できるよう、二・三年次授業研究の具体的な研修方法や内容を示しました実施の手引を作成し、また、授業研究の進め方、評価の方法などについて、夏期研修講座を実施するなどいたしまして、各学校を支援してまいります。

◯野上委員

 二・三年次の授業研究の手引や研修センターでの夏期集中研修などは都教育委員会がきちんと支援するということですね。今後も手引の内容や夏期集中研修の内容の充実をお願いしたいと思っております。

 こうした二・三年次の授業研究を修了した教員のうち、優秀な教員約四百名には、平成十八年度に設置するリーダー育成機関である東京教師道場で、全都にわたって他の教員を指導できるようにするため、二年間の研修を行うとしています。そもそもどのような方法で研修を行うのか、また、どのように参加教員を決定するのか、お伺いいたします。

〇近藤指導部長

 東京教師道場では、若手教員が経験豊かな教員の指導のもとに、将来の学習のリーダーを目指しまして、授業力の向上のために研さんしていくものでございます。また、受講者の決定方法は、若手教員については校長及び区市町村教育委員会からの推薦された者の中から都教育委員会が指名いたします。また、経験豊かな教員につきましては、東京教師道場を修了した者の中から都教育委員会が指名するというものでございます。

◯野上委員

 東京教師道場で研修することは、将来のリーダー教員の育成のために必要と考えます。東京教師道場に研修参加する若手教員や若手教員を指導する教員も、自校の教育指導を進める上で不可欠な人材であると思います。

 そこで、こうした東京教師道場の参加教員が研修を効率的に行うため、都教育委員会はどのような進め方を考えているのでしょうか。

〇近藤指導部長

 東京教師道場では、教員同士でより密度の濃い情報交換を行い、効率的に研修ができるよう、教科別のグループを編成するとともに、電子メールや電子会議等の情報通信ネットワークを有効に利用してまいります。

◯野上委員

 新しい方式で、電子メールや電子会議の情報通信ネットワークというのは物すごく新しいやり方ですね。こうした東京教師道場を修了した者には、自校のみならず、全都的にその活用を図るべきだと思います。授業力リーダー、授業力スペシャリストの役割を付与し、処遇のあり方も検討すると聞いております。二・三年次授業研究や東京教師道場は、採用後約十年くらいの教員に対する研修のように思いますけれども、教員の授業力向上のためには、早いうちに優秀な若手教員を育成することは必要なことであります。その他の教員の研修も極めて重要であると思います。

 ここで、各校の校内研修をより一層充実する必要がありますけれども、都教育委員会はどのように対応していくのでしょうか。

〇近藤指導部長

 教員の授業力を向上させるためには、やはり何と申しましても校内研修の活性化を図ることが重要でございまして、そのためには、校内研修を推進する担当者を設置する必要がございます。都教育委員会は、校内に設置されました校内研修担当者に対しまして、平成十八年度から校内研修のあり方や進め方などの実践的な研修を実施いたしまして、校内研修の活性化を図ってまいります。

◯野上委員

 最後ですけれども、教師は授業で勝負をする、私はこの言葉が大好きです。これからもより一層教師の授業力を高めるために、都教育委員会はしっかりと頑張っていただきたいと思います。応援をいたします。

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