平成17年文教委員会(2005年10月20日)学校経営支援センターについて等

平成17年文教委員会(2005年10月20日)


◯野上委員

 私も、何点かにわたって質問させていただきます。
 まず最初に、食育についてです。
 現在、子どもたちを取り巻く食環境の変化や食生活の乱れ、例えば偏った栄養摂取、朝食をとらない欠食、一人で食べる個食あるいは肥満や思春期やせ症といわれる過度の痩身の問題など、食に関する問題が顕在化しております。子どもの栄養改善だけでなく、家族形成や人間性の育成など、食を通じた子どもの健全育成、いわゆる食育の視点を踏まえた取り組みが大切であります。都議会の中で初めて食育という言葉を取り上げた関係もありまして、今回質問をさせていただきます。

 この食育に関する国の取り組みとしては、平成十四年に農林水産省の食の安全国民会議を発足させて、食と農の再生プランというのを発表いたしました。そして、食育元年といわれる平成十六年一月に開かれた第一回ニッポン食育フェアに、これは小泉総理も出席されて、政府の食育に対する力強い取り組み姿勢を内外にアピールしたわけです。平成十六年五月には食品の安全基本法が成立し、翌月六月には経済財政諮問会議が発表した経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四の中に、食育を推進するため、関係行政機関が連携し、指導の充実、国民的な運動の展開に取り組むという方針が盛り込まれたわけです。こうした動きを受けて、第百五十九回の通常国会において、与党の公明党と自民党が共同して食育基本法を制定する準備を始めたわけでございます。

 そして、今回私が特に質問したい部分なんですけれども、文部科学省は栄養教諭制度を創設し、平成十七年度から施行することになったという流れがございます。食に関する指導に関しましては、食に関する指導資料集を出していただいて、非常に現場から好評を博しております。とても使いやすい資料集だという声をよくお聞きいたします。

 今、学校栄養職員を、学校栄養士というんですか、それぞれの学校に配置しておりますが、中には二校に一校、三校に一校という学校もあると思うんですけれども、学校栄養職員に対して都教育委員会がどのような支援策を行っているのかについてお伺いいたします。

◯齊藤学務部長

 都教育委員会といたしまして、本年二月に都立学校における健康づくり推進計画、これを策定いたしております。この中の重点項目に食に関する指導の推進を位置づけまして、食に関する先ほど出ました指導資料集でございますけれども、これを各公立学校に配布いたしまして、三月にこれに関する説明会を開催しております。八月には学校栄養職員を対象に年間指導計画に基づく食に関する指導法の研修を実施いたしております。今後、十一月には各公立学校の学校栄養職員、保健主任、それから養護教諭等を対象といたしまして、食に関する指導研修会を開催し、本年度実施した食生活実態調査の結果及び調査結果を活用しました食に関する指導の実践例を報告いたしまして、食に関する指導体制の一層の充実を図ってまいります。

◯野上委員

 一度は継続審議になりましたけれども、やっと平成十七年の七月に食育基本法が施行されました。食育の重要性の認識が高まり、学校における食に関する指導の推進が求められています。そしてまた、この調査研究協力者会議の中にも食育の充実という項目がございまして、食に関する指導の重要性が指摘される中、平成十六年、学校教育法の改正により新たに栄養教諭制度が整備されたと。

 また、平成十七年六月に食育基本法が制定され、食育の指導にふさわしい教職員の配置、教職員の意識啓発、その他食育に関する指導体制の整備が国及び地方公共団体の責任であることが明記された。このため、栄養教諭、学校栄養職員等の配置の充実を図り、食に関する指導などを通じて、食に関して児童生徒に対する、個に応じたきめ細かな指導が徹底される体制づくりを行う必要があるということが書いてあるんですけれども、栄養教諭職員については、先ほどもいいましたけれども、都道府県教育委員会の判断により配置をされることになっております。東京都における栄養教諭の役割が明確でないことなど、いろいろ課題があると思いますが、ぜひ東京都においても精力的に検討されることを要望いたします。
 教諭とつくと、指導時間数が明確に決定されないとか、新たな教員配置による財源確保がなされないとか、さまざまな課題があることは重々承知をしておりますが、今後検討していかれることを望みます。

 次に、学校医について質問いたします。
 現在、学校医なんですけれども、児童生徒の不登校、自傷行為など、学校においては多くの問題が多様化しております。未成年の喫煙、飲酒の増加、薬物乱用の顕在化、性感染症の増加など、深刻な問題になっています。都の教育委員会は、このような児童生徒の危機的状況のもと、第二十五期東京都学校保健審議会答申を受けて、本年二月に都立学校における健康づくり推進計画を策定し、児童生徒の自己管理能力の育成や健康的な生活習慣の確立を理念として、さまざまな取り組みを展開しているところは評価できるところでございます。

 各学校では、これまで児童生徒の健康診断、保健指導や健康相談等を担う学校医が学校保健法に基づいて任用されております。児童生徒の健康づくりを担う人材の有効活用が大変重要となっております。
 そこで、学校医の活用について伺います。現在各学校に学校医が配置されておりますけれども、年間勤務の実態、相談の状況や報酬はどうなっているのかをお伺いいたします。

◯齊藤学務部長

 都立学校における学校医の勤務状況でございますけれども、平成十六年度の年間平均勤務日数でございますが、来校、電話相談を含めまして、内科医、これが十一・三回、眼科医五回、耳鼻咽喉科医四・七回でございます。学校医の主な勤務内容でございますけれども、学校保健委員会への参加、児童生徒の健康診断の実施、疾病の予防措置及び保健指導、健康相談等でございます。報酬は月額四万一千百円となってございます。

◯野上委員

 年間に十一回から四、五回来て、月額四万一千円、年間で大体五十万弱の報酬をいただいているという学校勤務医でございますけれども、現在、内科、耳鼻科、眼科領域の学校医が配置されております。歯科とかもありますが、本当に必要な学校医というのが今、例えば精神科医であったり、妊娠やエイズの問題、性の問題を含めて産婦人科医などの専門医の相談も必要としている学校もあります。教育委員会の考えをお聞かせいただければと思います。

◯齊藤学務部長

 都教育委員会では、児童生徒の心の健康問題の増加に対応するため、学級担任、それから養護教諭等の相談対応能力の向上のために、平成十五年度からモデル地区におきまして都立高校に精神科医を派遣しております。今後、派遣地区を拡大いたしまして、相談活動を充実させてまいります。
 それから、性感染症の増加を初め産婦人科領域の相談にも教員が適切に対応できますよう、東京都医師会の協力のもと、モデル高校に産婦人科医を派遣いたしまして、学校相談活動のあり方を今後検討してまいります。

◯野上委員

 こうした都教育委員会が児童生徒のさまざまな健康課題に適切に対応できるよう、都立学校における健康づくり推進計画の重点プランに専門医の学校相談活動を位置づけて拡充されていこうとしていることは大変意義があることと思います。今後とも、各学校が設置運営する学校保健委員会へ学校医の積極的な参加を推進するとともに、学校医が児童生徒の健康相談に積極的にかかわるよう、都教育委員会として東京都医師会などに強く要請していただきたいと思います。

 次に、主幹制度について伺います。
 主幹の配置ですけれども、都教育委員会が平成十五年度から計画的に主幹を配置し、完成時には小学校には二人、中学校に三人、全日制高等学校に六人の主幹を配置することとしております。制度発足以来三年がたちます。平成十七年度の配置状況は、小学校においては配置計画の五六%にとどまっていると聞いております。一方、受験状況を見ると、平成十六年度、平成十七年度選考の受験者も横ばい状況であると聞いており、この主幹配置が当初計画どおり達成されるか、危惧をしている者の一人でございます。
 そこで質問ですけれども、主幹選考に応募する人が減少しているということをよく聞いているんですが、その原因について都教育委員会はどのように認識をしているのか、伺います。

◯松田人事部長

 主幹の受験者数の減少の理由についてでございますが、主幹の職務の多忙さ、あるいは他校への異動に対する不安感、処遇面で必ずしも十分でないなど、さまざまな意見があることは承知をいたしております。しかしながら、私ども都教育委員会といたしましては、学校において校長がリーダーシップを発揮し、計画的に主幹の育成を図っていくような組織的な取り組みがいまだ定着していないことによることが大きいものと考えてございます。

◯野上委員

 中間管理職的な要素があり、上から下からといろいろな圧力があって、大変な職務だとは思うんですけれども、魅力のある対策として給与上の処遇はどういうふうになっているんでしょうか。

◯松田人事部長

 給与上の処遇につきましては、一般教員と比較いたしまして、高校の主幹では五十歳代で試算をいたしますと、給料月額で一万五千六百円、年収ベースでは約二十五万円高いものとなってございます。

◯野上委員

 二十五万円という金額が、主幹をやっていく上ですごく価値のあるものかどうか、そこら辺は個人によっていろいろとらえ方が違うと思うんですけれども、給与面もそうですが、主幹のメリットをもっと明確に出して、希望者が増加するような対策をとることが必要ではないかなと思っているんですが、都教育委員会の見解はどうでしょうか。

◯松田人事部長

 都教育委員会におきましては、教員の給与制度検討委員会が八月に職責、能力、業績をより反映した給与処遇の必要性があると報告をしたところでございます。また、十月十四日の人事委員会勧告におきましても、教員給与について職責、能力、業績重視の観点から見直すことが必要であると報告されております。勧告された給料表によりますと、一般教員と主幹、教育管理職の給与上の処遇の格差は、若干ではございますが、拡大をしております。主幹のみならず、教育管理職を含めた職責、能力などを重視した給与制度が重要でございまして、今後とも人事委員会など関係機関に働きかけ、職責などをより反映した給与制度の構築に向けて取り組んでまいります。

◯野上委員

 校長先生も積極的に主幹受験をするように働きかけ、また女性がなかなか受験する割合が少ないということをお聞きしておりますので、女性もそういった人材として掘り起こしていただいて、働きかけていただいて、主幹応募がふえてくるようにしっかりと支えていっていただければと思います。

 次に、指導力不足教員についてお伺いいたします。
 これは質問をしようと思った本当の理由というのは、精神疾患の方がだんだんふえているので、それを何とかしてもらえないかという要望がちょっと多いので質問したわけですが、特に今回は指導力不足教員だけに限って質問させていただきます。
 都立学校の教員にも教科指導や生徒指導の指導力が不足している教員が多くおり、これらの教員に対して指導力不足等教員として認定していると聞いておりますが、この際、相当に厳格な事務手続を求めております。それはなぜでしょうか。

◯松田人事部長

 指導力不足教員につきましては、長期にわたり学校を離れまして、最終的には教員の身分にかかわることもございますことから、厳格な事務手続をとっております。

◯野上委員

 指導力不足教員で、教育センターの中で研修をし、一年か二年たって分限処分で、ほかの職場に行かされるか、あるいは自分みずから退職するかというような形になってくると思うんですが、身分を失うということで最終的には裁判とかになって、そのときに証拠としてこれだけの指導記録がありますよというようなものが必要なんだと思うんですが、この指導力不足教員を起こすときにも非常に煩雑な事務手続が要るということで、申請しようと思うんだけれども、これだけの量の書類を書かなくちゃいけないということになると、やはりためらってしまって、申請するのをやっぱりやめようというようなことになってしまうわけなんですね。そういう意味で、校長、あるいは副校長の事務負担を軽減するような改善はできないんでしょうか。

◯松田人事部長

 校長の事務負担の軽減についてのご質問でございますが、私ども都教育委員会は、平成十六年の九月から個々の教員の能力、適性等に応じて、より的確な指導育成が行われるよう、職務実績記録の整備や指導育成策を導入しております。指導力に問題がある教員につきまして、よりきめ細かな指導を行うよう徹底したところでございます。こういった制度の導入を踏まえまして、今後指導力不足等教員の事務手続につきまして、校長の負担の軽減を図ることができるような方策について検討してまいりたいと考えております。

◯野上委員

 指導力不足教員については、学校現場から外して研修を受けさせるにしても、また退職させるにしても、相当に難しいことは理解できます。しかしながら、教員の指導力不足による影響を受けるのは児童生徒であります。このためにも、指導力不足教員への対応を検討することが必要であると考えます。その意味からも、今国の中教審で協議されている教員免許状の更新制度が論議されております。私も都議会議員になって最初の一般質問で教員免許の更新を提案したことを覚えておりますけれども、こうした免許状の更新制度を早期に導入することを強く求めておきます。

 次に、校長の業績評定について質問いたします。
 都立学校長の業績評定は本庁で実施しているとのことですけれども、これはどのように行っているのか、お伺いいたします。

◯松田人事部長

 都立学校長の業績評価は、自己申告書におきまして、年度当初に設定した職務目標等について、年一回実施している学校訪問及び年二回の校長からのヒアリング等を通じまして、その成果や達成度を確認し、評価をしているところでございます。

◯野上委員

 校長の業績評定は、目標の達成度を中心として評価しているということなんですが、さまざまな課題が山積する学校現場で目に見える成果を上げることは大変難しいことと思います。例えば不登校の子が三十人いたのが二十人になったとか、中途退学者が百人だったのが八十人になったとか、やはりどちらにしてもそれはマイナス評定になってしまいます。結果も大事ですけれども、目標を達成するプロセスをきめ細かに把握し、評価することが大切であると思います。
 しかし、現在のように本庁で評価するとなると、全部で学校が二百何十校かありますよね。管理スパンが広過ぎて、校長の学校経営を十分に把握するには無理があるんじゃないかと思います。来年度、都教委は経営支援センターを設置するとしておりますけれども、校長の業績評定を支援センターで実施するのはいかがでしょうか。

◯松田人事部長

 学校経営支援センターは、学校の身近な存在といたしましてきめ細かな学校訪問を行い、学校経営や教育活動の状況をより詳細に把握することとしております。校長の業績評定につきましても、第一次評定については学校経営支援センターで実施する方向で検討してまいります。

◯野上委員

 ぜひそういうふうにきめ細かな単位で行うことによって、年一回の学校訪問ではなく、例えば月一回のペースで学校の訪問をしたり、あるいは校長先生の人間的な側面とか、評定になじまないような温かい部分も浮かび上がってくるのではないかと思いますので、ぜひ学校経営支援センターをうまく活用して、学校長の業績評価をしていただければと思います。

 最後に、国の中央教育審議会の審議について大きく報道がされておりますけれども、義務教育をめぐるさまざまな課題について、今大きな見直しの方向に来ております。国の義務教育改革の大きな流れについては私は支持するものでありますが、今回の義務教育国庫負担制度をめぐる論議についても、義務教育自体をどのような方向に持っていくかをきちんと見据えながら結論を導いてほしいと考えております。

 そのような思いを込めながらきょうは、義務教育改革の一環として、十月三日に取りまとめられた教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議の最終報告において打ち出された内容について、改めてお伺いいたします。
 先ほど服部理事さんからもありましたけれども、今回の最終報告では、学校や市町村教育委員会の権限と責任を強化する学級編制制度の見直しと、教育現場における新たな課題に対応するための次期教職員定数改善計画の策定が提言されております。特に学級編制の制度的見直しについては、これは極めて影響が大きい課題でございます。最終報告を受けた今後の学級編制に関する制度改正については、次期通常国会に法案が提案され、具体的な施行は平成十九年度からになるという話も聞いておりますが、これからどのようなスケジュールで進められていくのでしょうか。

◯齊藤学務部長

 制度改正が今後どのような日程で行われるのか、また、いつから施行されるかにつきましては、文部科学省の方から正式には伺っておりません。ただ、九月に行われました文部科学省初等中等教育局の概算要求説明会がございましたけれども、そこにおきまして次期定数改善に係る法律改正、これにつきましては、次期通常国会で行う。ただ、新たな制度を平成十八年度から実施することは難しいとの見方が示されてございます。

◯野上委員

 現在、制度改正の検討が進められているが、その内容を平成十八年度すぐに施行することは難しいという文部科学省の説明もあったとのことであります。ここで改めて、現在の制度的な仕組みについて、確認のために押さえておきます。現在の区市町村立小中学校の学級編制の仕組みはどのようになっているのか、その制度的な背景も含めて説明を願います。

◯齊藤学務部長

 現在の制度でございますけれども、区市町村立小中学校の学級編制につきましては、現在国が定めます標準に基づきまして都教育委員会が学級編制に係る基準を設定いたしまして、区市町村教育委員会が都教育委員会の同意を得て学級編制を行うことになっております。これは区市町村立小中学校の教職員の人事、それから給与負担につきまして、その円滑な実施を期して都道府県は行うこととなっておりますことから、教職員の定数管理、これと深く関係する学級編制について都道府県に権限を与え、責任を重くしているものでございます。

◯野上委員

 この学級編制に関しましては、詳しく書いてありますけれども、例えば三十人学級編制の実現についても書いてあります。仮に全国一律に三十人学級編制を実現する場合には、増加教員定数が約十一万人で、国、地方を通じた給与所要額が年間約八千億円、教室の増加に要する経費等を含めると莫大な財政負担を伴うことになる。現時点では、実現可能性が極めて低いものと思われる。

 もう一つ、三十人学級編制とした場合、一学年三十一人の場合は、先ほどもありましたけれども、十六人と十五人の二クラスに分かれる。児童生徒が切磋琢磨し、互いに人間性、社会性をはぐくむための生活集団の規模としては小さ過ぎるのではないか。さらに、地域、学校、学年ごとに抱える課題や状況もそれぞれ異なっていることなどから、学級編制の標準を全国一律に引き下げるという画一的な取り組みではなく、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みを可能としつつ、これまで進めてきた少人数教育を一層充実させることが効果的であるということが書いてあるんです。したがって、次期教職員定数改善計画の策定に当たっては、国がナショナルスタンダードを確立し、地方がその上にローカルオプティマムを実現することを基本としているということが盛り込まれております。

 今回の最終報告において、四十人の学級編制の標準を全国一律に引き下げることはせずに、学級編制に係る学校や市町村、教育委員会の権限と責任を強化する必要があるということが特にこの中でも強調されております。
 そこで、学級編制等の制度改正の内容は、具体的に、都道府県と区市町村の関係についてですけれども、どのようなものか伺います。

◯齊藤学務部長

 今回の最終報告では、具体的な方策といたしまして、義務標準法による教職員定数につきましては、現行の都道府県ごとから市町村ごとの算定に改めること、学校や設置者である市町村教育委員会の判断で学級編制を弾力的に実施するようにするなど、仕組みを見直す必要があるというふうにいたしております。
 しかしながら、文部科学省では、今回の最終報告を受けまして、学級編制に関する都道府県と区市町村の関係を今後どのようにするかについて検討するとのことでございますので、現在のところ、明らかになってございません。私どもとしては、今後の文部科学省における具体的な検討経緯を十分注視してまいります。

◯野上委員

 先ほどと同じように、やはり具体的にどうなるのか、はっきりしていないということですけれども、いずれにしても区市町村教育委員会や学校現場の混乱を招かないように十分配慮していただきたいと思います。また、学級の考え方については、これまでの審議においても申し上げてきたところですけれども、少子化、核家族化が進む中で、子どもたちが豊かな人間関係を結び合える場として学校に対する期待は大変大きく、基本的な生活習慣や社会性を身につけていくためには、私はやはりある程度の学級規模は必要であると考えております。

 先日もご相談がありました。男の子は十二人で多いんだけれども、女の子が五人しかいないと。全部で十七人のクラスで、六年間この同じ人間関係の中で過ごしていくわけですけれども、うまくいけば、仲よくいけば兄弟のようになって、とてもいい六年間が過ごせるだろうけれども、ちょっと人間関係がいびつになってきたときに、たった五人の女の子--女の子というのは結構人間関係が難しいんですよ。そういう意味で、うまくいくかどうか、とても心配をしているというお母さんからのお話を聞きました。もう少しやはりある程度の学級規模が必要ではないかと私は思っております。この点について、都教育委員会の考え方を改めて確認しておきます。

◯齊藤学務部長

 都教育委員会といたしましては、児童生徒が集団生活の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力をはぐくむためには、学級には一定規模が必要であると考える。その一方で、児童生徒の確かな学力を育成するためには、習熟の程度等に応じました少人数による指導が有効であると考えております。基礎学力の向上に配慮いたしましてきめ細かな指導を行っていくため、少人数指導の充実に努める必要があると考えております。

◯野上委員

 まだ国の制度改正の内容は明らかになっていませんが、都教育委員会としても、こうした考え方は引き続き基礎に置いて取り組みを進めていただきたいと思います。

 こうした大きな制度が変わろうとしている中で、今、学校教育に対する都民の最大の関心事は学力問題であります。次代を担うすべての子どもたちが確かな学力を身につけ、自立した大人へと成長することは私たちの願いでもあり、責務でもあります。学力向上には、日々の学習指導の充実が何よりも大切であります。この最終報告でも詳しく書いてございますが、ちょっと時間の関係でもう飛ばしますけれども、学習指導の充実をして、少人数指導の拡充に触れ、より多くの教科において少人数指導が可能となるようにすべきであると述べられております。

 私もかねてから申し述べてきたように、複数の教員が協力をして指導する体制を組み、組織的に取り組む少人数指導は、単に人数が少ない少人数学級よりも、児童生徒の学習指導に大きな効果があると考えております。
 そこで改めて伺いますが、小人数指導の効果について、どのように考えていますでしょうか。

◯井出指導部長

 少人数指導の効果についてでございますが、習熟の程度や興味、関心の違いなど、個人差に応じた学習集団を編成して指導できることから、一人一人の児童生徒にとってわかる授業を展開することができ、学力向上が図れること。それから、より多くの教員や友達とかかわることができ、児童生徒に向上心や協調性など、社会生活に必要な資質や能力が身につくこと。また、複数の教員が協力して指導計画の立案、教材作成などを行うことから、教員としての指導力を高めることができること。さらに、学習のおくれがちな児童生徒への指導や不登校などの問題を担任が一人で抱え込まず、組織的に対応できることなどが挙げられます。
 このように少人数指導の効果は明らかであり、今後とも引き続きこの充実を図ってまいりたいと考えております。

◯野上委員

 これまで多くの学校で実績を積んできた少人数指導をより一層充実し、東京の子どもたちの学力を向上させていただけますように要望しておきます。

 ところで、この教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議の最終報告は、同じく学習指導の充実の項で、いわゆる小一プロブレムへの焦点を絞った対応の必要性に触れております。小学校低学年の場合、学級とは別に学習集団をつくるよりも、基本的な生活習慣や学習態度の育成のために生活集団と学習集団を一体として少人数化を図ることが効果的と考える。このため、例えば三十五人学級などの少人数学級編制や副担任など、教員の複数配置による指導などが可能となる教職員配置とすべきであるというようなことも少し書いてございます。私も、小学校一年生での学習のつまずきは、後の学習に大きく影響するものと思います。

 東京都は、いわゆる小一プロブレムへの対応として、平成十六年四月に策定された東京都教育ビジョンの中で、幼稚園、保育所と小学校の三者がそれぞれの指導や保育の内容を正しく理解し合い、連携を強化する中で、就学前から小学校への連続性を重視した教育を工夫し、実施していかなければならないと、教育内容にかかわった提言をしております。東京都教育ビジョンがいうように、いわゆる小一プロブレムへの効果的な対応は、単に児童の人数を減らすといった対症療法ではなく、教育内容の連続性を重視した教育の工夫が重要と考えますが、都教育委員会は現在どのような対応をしているのでしょうか。

◯井出指導部長

 お話しのように、いわゆる小一プロブレムに代表される入学時の不適応状態の改善には、幼稚園、保育所と小学校の三者が幼児期の教育、小学校の教育との内容を正しく理解し、相互の関連や系統性を明らかにして滑らかな接続を図ることも効果があると考えております。
 このため、都教育委員会は、平成十七年度から小学校への円滑な接続を図る就学前教育の推進事業を新たに実施いたしまして、幼稚園、保育所と小学校との接続期のカリキュラムを構築するための研究を進めているところでございます。

◯野上委員

 就学前の教育と小学校教育では、学習内容にも大きな差があります。また、幼児期の過ごし方も、幼稚園や保育所によってさまざまです。小一プロブレムは、さまざまな原因が絡んで起こっているものであり、家庭のしつけはもちろん、こうした学習環境の変化にも左右されるもので、学級の人数に原因があるという短絡的な問題でないことは明白です。小一プロブレム等の解決には、複数の教員が協力して指導する体制をとり、学校が組織的に取り組む少人数指導は、担任が一人で問題を抱え込まないことから効果的であると考えられております。また、教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議の最終報告で、学習指導の充実の項には、小一プロブレムの対応として教員の加配についても触れられております。

 そこで、都教育委員会は、国の動向を踏まえ、小一プロブレム対応として今後人的支援についてどのように取り組んでいくのでしょうか。

◯松田人事部長

 小一問題への対応についてでございますが、特に入門期におけるさまざまな課題につきましては、まず教員同士が協働し、組織的に取り組むことが何よりも重要であると考えております。先ほどもご答弁させていただきましたけれども、第八次教職員定数改善計画の内容につきましては、いまだ確定したものではなく、今後とも国の動向を注視していく必要があると考えておりますけれども、こうした学校現場での取り組みをさらに支援していく上でも、委員お話しの点も踏まえまして、今後人的措置を含め、その対応について検討してまいりたいと考えております。

◯野上委員

 私は、学校の実態に応じた柔軟な人的支援は、児童の学力向上の面からも意義あることと考えます。今後は、都教育委員会の研究やモデル事業の成果が公立、私立、幼稚園、保育所等の別なく、東京都全体で東京都すべての就学前児童に還元されるよう努めるとともに、国の動向を踏まえ、人的な措置についても柔軟に検討いただきたいことを要望して、質問を終わります。

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