平成17年文教委員会(2005年10月27日)ヘブンアーチストについて等

平成17年文教委員会(2005年10月27日)


◯野上委員

 私の方からは、NPO法人と文化施策のヘブンアーチストについて、この二点について質疑をさせていただきます。

 近年、福祉や環境、教育や介護、まちづくりなど、実に幅広い分野でNPO法人、特定非営利活動法人など、民間非営利団体による社会貢献活動が盛んになってきております。このような団体の活動は、今まで培ってきた能力やみずからの経験を生かし、生きがいを持って取り組む人々によって支えられております。今まで必要下に迫られて設立することが多く、きめ細かいサービスの提供などを行っております。そうした点におきましては、行政にはない特性を持っております。今後ますます団塊の世代が大量退職をしていく中で、現役時代に培った豊かな経験を市民活動に生かしていくことなども考えられます。行政の施策としても、NPOの特性を生かすことによって、多様化する都民のニーズにより的確に対応することが可能になると思われ、今後、NPOと行政との協働がますます必要になってくるのではないでしょうか。

 そこで、平成十年に施行されたNPO法に基づき設立されたNPO法人は、平成十一年度以降さまざまな分野で多くの社会貢献活動を重ねていますが、都が認証したNPO法人について、まず何点か伺います。
 現在までの都によるNPO法人の認証数はどれくらいの数になっていますか。その状況をお伺いいたします。

◯和田都民生活部長

 これまでの東京都におけるNPO法人の認証数でございますけれども、平成十六年度末で四千百三十五法人となってございます。

◯野上委員

 都のNPO法人の認証数は、平成十六年度末で四千件を超えているということですが、NPO法人であることを利用して、必ずしも公益、非営利とは認められない活動を行う団体もふえています。直接あるいは間接的にいろいろな情報が私どものところにも来ますし、詳しく調べてほしいとの声もあります。NPO法人の認証事務を行う上で、NPO法人に対する苦情などはあるのでしょうか。もしあるとすれば、どのような内容になっているのでしょうか。

◯和田都民生活部長

 NPO法人に対します市民からの苦情でございますけれども、平成十六年度中に私ども職員が電話であるとか来庁された方に対して直接応対した件数は、百六十八件ございます。
 その内容といたしましては、一つは、詐欺的な活動をしているとか、営利的な色彩が強いといったような、いわば役員やその法人自体がNPO法人としてふさわしくないという趣旨のものが約三割ほどございます。
 それから、契約上のトラブルなど法人の運営に関するものが約二割、認証法人の信頼性に関するものが、またこれも二割程度、その他、法人制度の仕組み等に関する一般的な苦情が約三割となってございます。

◯野上委員

 そういうことで、例えば無料耐震診断という名目で、NPO法人であるということで、ノンプロフィットということで、利益を追求しないのだろうと信じて大きな被害に遭ったということも聞いております。
 また、例えば、これは新聞紙上にも出ておりましたけれども、路上生活者の支援をしていくということで、区から支払われている生活保護費を、横取りというのか、かすめ取るというのか、そういうようなことがあったとか、あるいは、どこの党とはいいませんけれども、非常に熱心にNPOのもとに隠れて党活動を行っているとか、選挙活動を行っているとか、そういったこともいろいろお聞きをしております。そのような都民からの苦情とか情報提供などをきっかけに、問題のあるNPO法人が明らかになる場合も考えられます。

 そこで、問題法人に対する行政としての指導は行われているんでしょうか、また、犯罪にかかわるようなおそれがある場合にはどのように対処しているんでしょうか、お伺いいたします。

◯和田都民生活部長

 今、先生のお話にございましたような問題法人の存在というのは、NPO法人全体の信頼を低下させるばかりではなく、市民生活にとっても悪影響を与えるおそれがあります。こうしたことから、都といたしましては、東京都独自のNPO法の運用方針を本年の三月に策定いたしまして、この五月から施行いたしております。

 この運用方針では、法人の運営の健全化を図るという観点から、その認証基準や監督基準を明確にし、かつ具体的にお示しをしたほか、法人情報の市民への積極的な公開等を盛り込んだところでございます。
 また、昨年度にはNPO法人に関する調査を行いまして、問題のある法人に対する情報収集をいたしてまいりました。
 今年度からは、新たにNPO法人の指導監督班を私どものセクションに設置いたしまして、現在、設立登記が未提出の法人であるとか所在不明の法人に対する追跡調査などを行っております。
 問題法人の実態把握やご指摘のような違法性の確認につきましては、さまざま困難が伴うものでございますけれども、今後、これまでの都の調査結果や都民からの通報内容などを分析いたしまして、いわゆる休眠法人の整理の促進や問題のある法人への指導監督を強化してまいりたいと考えております。

◯野上委員

 東京都は、東京都におけるNPO法の運用方針というものを定めて、指導監督班も設置し、指導監督を強化していただけるということでございます。しかしながら、非常に雨後のタケノコのように短期間に多くのNPO法人が設立されたということも踏まえますと、生活文化局のこれからの役割というのが非常に大きいものではないかなというふうに思われます。本来、社会貢献活動を行うNPO法人の運営の適正化に向けて、引き続き的確な指導をお願いしたいと思います。

 一方で、NPOと行政との協働を推進していくことは、行政の効率化や体質改善にもつなげることもでき、重要な課題だと思います。そのためには、まず、職員の方がNPOについて理解をし、認識を深めていくことが重要であります。そのことについて、自分たちが取り組んでいる仕事の中で、何をどうしたらNPOとの協働が進められるのか、仕事のあり方から問い直していくことが必要であります。そうした観点から、幾つかお伺いいたします。

 都は、平成十三年に社会貢献活動団体との協働の推進指針を策定し、協働マニュアルの作成や都及び区市町村の職員を対象としたNPOとの協働に関する公開講座を実施してきております。生活文化局の事業概要を見ると、公開講座は平成十六年度に二回開催しているということですが、その開催実績や参加者の反応等の状況はどうなっていますか。

◯和田都民生活部長

 公開講座でございますけれども、平成十四年度から都や区市町村の職員を対象といたしまして、NPOとの協働の意識を高めることを目的に、年二回開催をしております。
 内容といたしましては、NPOとの協働に関する基礎的な講座と、協働における問題点等を分析する、より実践的な講座の二種類でございまして、毎回百五十名程度の職員が参加をしております。
 また、参加者の反応でございますけれども、公開講座のアンケートによりますと、指定管理者制度の導入などNPOを取り巻く環境変化への対応といったものを講義内容に盛り込んでほしいというご意見や、区市町村自身ではこのような講座の実施が難しいということから大変貴重な講座であるといった声も寄せられております。
 今後とも、こうした参加者の声を参考に講座内容の充実を図り、都内における協働事業の推進に努めてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 そのような公開講座により、職員の一般的な意識を高める啓発を行うことも重要ですが、実際にNPOとの協働を推進するためには、より実践的な取り組みが重要と思います。それについてはいかがでしょうか。

◯和田都民生活部長

 今の実践的なというお話でございますけれども、都といたしましては、今、お話のございました実践的な取り組みといたしまして、区市町村のNPOを担当する職員の連絡会議といったものを開催しております。

 この会議は、区市町村のNPO支援を担当する職員、それから区市町村にございますボランティアセンターの職員を対象にいたしまして、情報の共有化や課題への対応といったことを目的としまして、平成十一年度から年一回開催いたしております。毎年大体百名程度の職員の参加をいただいております。
 この会議におきましては、ほかの自治体におけるNPO支援の事例の報告であるとか、分科会に分かれまして、各区市町村における現状、それから今後の課題等についての話を行っております。
 行政とNPOとの協働の促進やNPO支援の環境整備といった面で役に立っているものと考えております。

◯野上委員

 今のようなご説明で、都が協働の推進に努めていることはよくわかりましたが、その効果はあらわれているのでしょうか。また、協働の輪を広げていくために、都はNPOに対してどのような支援をしているのでしょうか。あわせて伺います。

◯和田都民生活部長

 NPOとの協働の推進の効果でございますけれども、都とNPOとの協働事業に関する調査によりますと、平成十二年度は百五件であったものが、その事業数が平成十六年度には百八十一件と、着実に増加をしてきております。
 例えば、具体的な事例といたしましては、河川の浄化であるとか商店街の活性化といったテーマ、それから、公共施設、美術館、博物館のガイドと、中身的にも多岐にわたっているという状況でございます。
 また、東京都の支援という意味でございますけれども、支援といたしましては、NPOの活動拠点となっております東京ボランティア・市民活動センターの運営費につきまして補助を行っております。そして、センターの方では、これに基づきましてNPOに関する情報提供、相談事業、人材育成事業などを行っているものでございます。

◯野上委員

 今のお答えで、都もそれなりに努力していることはよくわかりましたけれども、最初に話したように、これから団塊の世代の方々の社会参加といった問題や、現在の大きな流れとして、官から民へという状況を踏まえると、これまでの行政の仕事を見直しつつ、都民の生活をより豊かなものにしていくために、健全な--ここを強調しておきます、健全なNPOの成長、そして、NPOとの有効な協働が必要であります。

 出されました東京都におけるNPO法の運用方針の中にもありましたけれども、このNPOが平成七年の一月十七日に起こった阪神・淡路大震災の復興支援に多くのボランティアや市民団体が活躍し、こうした活動を行う団体の法人格取得の必要性が強く求められたことが、このNPO法策定の出発点であったという、そういった初心を忘れることなく、さまざまな人々がさまざまなステージで、官と民もお互いに競い合いながら全体としての協働を果たしていく、そのことが二十一世紀のより成熟した社会の一つの姿ではないかと思います。そうした新たな時代のためにも、今後ともNPOに関する施策のますますの充実、努力を求めておきたいと思います。

 次に、ヘブンアーチストについて伺います。
 文化芸術の中心である東京においては、芸術家やアーチストを目指して大勢の若者が集まっていますけれども、なかなか発表の場が少ないことが悩みになっております。それで、ヘブンアーチスト事業については、平成十三年の第二回定例会で、我が党の石川議員が発言をいたしました。これは、中身的には、都営大江戸線ができて、都営地下鉄大江戸線の構内を活用して、音楽専門学校で学ぶ学生の協力のもと、そこでミュージカルとかレビューとかゴスペルコーラスとかジャズの演奏とかを行って非常に好評を博したと。世界各国をめぐってみますと、やはりパリとかニューヨーク、ロスとかサンフランシスコとか、いろいろな街角で多くの方たちが、アーチストというんですか、大道芸人というんですか、そういった方たちがいろいろと活躍をしております。それからまた、ちょっとした空間でミニコンサートを行っている姿もよく見ます。私も海外あちこち行った中で、こういう場が日本にももっとたくさんあるといいなというようなことをとても感じておりまして、そういうことからも、若いアーチストたちが貴重な自己表現のアピールの場として、このヘブンアーチスト事業をしていただきたいということで、石川議員が発言をいたしました。そして、それが契機となりまして、現在では上野公園を初めとするいろいろな場所で多くの都民や観光客がアーチストのパフォーマンスを楽しんでおります。
 私もそこの都民広場で公開審査が行われているのを拝見いたしました。事業が始まって四年目を迎え、ことしの応募状況や審査結果はどのようになっているんでしょうか。

◯山本文化振興部長

 審査をごらんいただきまして、どうもありがとうございます。
 本年九月五日から七日にかけて実施した審査では、前回の二百十七組を上回ります二百四十組の応募がございまして、多数のアーチストがライセンスの取得を目指して応募する状況が続いております。最終合格者数は、応募者数の約一割に当たります二十九組でございまして、これによって現在の登録数は二百六十七組になっております。
 審査に当たりましては、芸術性や娯楽性などから見て、東京の新しい文化史にふさわしいレベルを持つアーチストということで選定をさせていただいております。

◯野上委員

 約一割の人しか受からないで、結構入試より難しい、非常にレベルの高いことだと思います。
 多くのアーチストがライセンスを得るためにチャレンジをしているとのことですが、厳しい審査を経て合格したヘブンアーチストのパフォーマンスを多くの都民が楽しんでいけるように、活動の場を広げることが重要であると考えますが、どのように取り組んでいるんでしょうか。

◯山本文化振興部長

 ヘブンアーチストの活動場所につきましては、事業を開始した平成十四年度では、都立施設二十カ所でございましたが、その後、区市や民間の協力を得まして拡大して、現在は五十九カ所となっております。指定に当たりましては、アーチストが多くの都民や観光客の前でパフォーマンスを披露することができて、投げ銭収入も得られるような集客力のある施設であること、また、交通の妨げにならない、観客の安全が確保されることなどを条件に選定してきております。
 今後とも、多くの都民や観光客がヘブンアーチストの演技に触れることができるよう活動場所の拡大に努めるとともに、区市町村主催のイベントへの紹介やヘブンアーチストを目にする機会が少ない島しょ地区への派遣などについても取り組んでまいります。

◯野上委員

 私の知人が受けまして、見事に合格をして大変喜んでおりまして、東京都から認証バッグですか、何かそういうものをいただいて、すごい自慢で、見せていただきましたけれども、これをあけると、それに投げ銭とか入れていただくような仕組みにもなっているそうで、私なんか、はしに千円札とか挟んで上げたりすることもあるんですけど、それは冗談として、そういう一人一人の方がいろいろな自分の芸を磨いて、今後ともますます活躍をしていただければと思っております。
 この前、名古屋で愛・地球博というのが行われまして、私も最後の週ですか、駆け込みで行ってまいりました。その中で、東京都のヘブンアーチストじゃないんですけれども、いろいろなパフォーマンスをする、外国人の方も含めて、多くの方が大道芸を披露しておりました。ことし、東京都の方でもヘブンアーチストが愛・地球博に参加したと聞いておりますけれども、その状況や現地での反響はいかがでしたでしょうか。

◯山本文化振興部長

 東京都は、八月上旬の六日間、愛・地球博での東京都の日にヘブンアーチストを派遣いたしました。期間中は十五組のヘブンアーチストが、世界の人々が集い、交流する博覧会会場の日本広場で演技を披露いたしまして、炎天下にもかかわらず、約六万人もの方々にパフォーマンスをごらんいただいたところでございます。
 お客様からは、笑いがとまらなかった、人間の持つ表現力の魅力を感じたなど、高い評価をいただいたところでございます。

◯野上委員

 愛・地球博においても大変好評だったとのことですが、ヘブンアーチストの活躍は、東京発の新しい文化として、東京の魅力の発信にもつながるものであります。今後ともこの事業の充実に努めていただくことを切に要望して、質問を終わります。

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