平成17年文教委員会(2005年12月12日)教職員研修センター設置条例について等

平成17年文教委員会(2005年12月12日)


◯野上委員

 私の方からは、百九十八号議案の東京都教職員研修センター設置条例の一部を改正する条例に関連して質問いたします。

 教職員研修センターは、昭和十四年に発足した、当時の東京市教育局教育研究所がその前身と聞いております。昭和四十一年には、現在の目黒の地に都立教育研究所として新しい施設が竣工し、その建物をそのまま平成十三年四月に現在の東京都教職員研修センターとして活用してきたという経緯がございます。
 最近、塾の講師による児童の殺人事件という凶悪な事件もございました。いうまでもなく、児童生徒にとって学校が楽しい場所であるかどうかは、教員の資質、能力に負うところが極めて大きいといえると思います。ですから、幾ら学級規模の定数を削減したとしても、毎年学級崩壊をさせてしまう先生は、繰り返し、またことしも学級崩壊かというようなことがあるわけで、小学校の担任のように、日々の大半の授業を一人の教師に任せるような仕組みの場合には、よい意味でも悪い意味でも、その教師一人の、人格も含めて、教育技術も含めて、大きな影響があると思っております。

 教員には、日々の教育実践の場や日常生活において、みずからの資質向上に努めることは当然のことだと思います。任免権者である教育委員会は、教員の経験や専門分野などに応じた研修を組織的、計画的に実施、運営する必要があります。

 今回、目黒区から文京区の分館への移転統合を予定している教職員研修センターは、教育研究所の時代から、多くの都立、公立学校の教員が研修や研究のために通い、その資質向上を図ってきた場所です。まさに東京都の教育推進の一翼を担う重要な施設であったと思います。
 私自身、教員だったときに、一年間、教育研究生の試験を受けて、運よく合格させていただいて、給料をいただきながら、学校を離れ、一年間、自分の深めたい研究を決め、研究に取り組んだことがございます。この経験は、わずか一年間ではありましたけれども、自分自身の力量を高める上で貴重な経験でありました。そうした意味で、現在本館がある目黒区の教職員研修センターにはさまざまな思いがあります。

 そこで、質問いたしますが、今回文京区の分館に移転統合することになった経緯について、まず伺います。

◯井出指導部長

 今回の移転統合は、教職員研修センターの分館であります総合技術教育センターに対する行政評価の結果を受けまして、教職員研修センターのあり方を見直したことによるものでございます。
 総合技術教育センターは、生徒実習や教員対象の産業教育研修等を行う施設でございますが、平成十四年度に実施された行政評価では、実習設備面では専門高校よりも必ずしもすぐれているとはいえなくなったこと、生徒実習の時期が集中してしまい、施設設備が年間を通じて有効に活用されていないことなどが指摘されまして、事業のあり方や施設設備の活用など、抜本的見直しを行うことという評価結果が出されました。

 一方、目黒区にあります教職員研修センターは、竣工以来約四十年が経過しまして、老朽化が著しくなっているところでございます。これらのことから、総合技術教育センターにおける生徒実習の見直しや施設の有効活用について検討し、平成十八年度から、目黒区にある教職員研修センターを総合技術教育センターのある文京区に移転し、分館と統合することとしたものでございます。

◯野上委員

 今まで教職員研修センターでは、教職員のライフステージに応じて多様な研修を実施し、教職員の資質向上を図ってきたという経緯がございます。特に、服務とか、大変徹底して行われたと思います。移転統合後も、これまでの実績を踏まえた研修を実施し、魅力あふれた優秀な教職員を育成していただきたいと思います。
 移転統合後の研修はどのように行われるのでしょうか。

◯井出指導部長

 移転に伴い、教職員研修センターでは、これまでの研修に加えまして、都の重要課題である児童生徒の学力向上を図るために、東京教師道場を新たに開設するなど、教員の授業力向上に向けた研修をさらに充実してまいります。
 なお、授業改善や教材等に関する教員からの質問や相談に対しましては、これまでどおり、迅速かつ的確な情報提供を行い、教員の自主的な研修を支援してまいります。

◯野上委員

 もう一つですけれども、教職員の研修だけでなく、教科研究や、特にいじめの相談室も含め、不登校、いじめなどの教育課題研究などの教育研究がかなり大きな成果を上げてきたと伺っております。今までの教職員研修センターの研究機能は、移転後も継続されるのでしょうか。

◯井出指導部長

 教職員研修センターでは、都の教育に関する諸課題の解決を目的としました研究や調査、資料収集を行うとともに、研究の成果を教職員研修に生かしてきたところでございます。移転後も、教育課題等を踏まえた研究の充実に努めてまいります。

◯野上委員

 現在の教職員研修センターには、退職した校長先生たちが教授という名前で配置されております。管理職候補者研修や、もう一つは、指導力不足教員に対する指導を担当して、効果を上げていると聞いております。この教授の役割というんですか、移転後のセンターにも教授は配置されるのでしょうか。

◯井出指導部長

 現在、教職員研修センターでは、退職校長等が教授として配置され、管理職研修の講師や指導力不足等教員の指導に当たっているところでございます。
 研修センターの教授は、学校経営にかかわる豊かな経験や教員の能力開発、人材育成に携わってきた経験を生かして、実践的な指導により、教員の資質向上に成果を上げており、移転統合後も引き続き配置する予定でございます。

◯野上委員

 教員の資質向上を図るための研修や研究が重要であることに加えて、子どもたちと適切な関係を築けないなど、指導が適切にできない、いわゆる指導力不足教員について、子どもへの影響も極めて大きく、継続的な指導と研修が重要であると思います。
 現在、研修センターで実施している指導力不足教員等に対する指導力ステップアップ研修は、移転後はどのような体制で行われるんでしょうか。

◯井出指導部長

 指導力不足等教員を対象としました指導力ステップアップ研修につきましては、移転後もこれまでと同様の体制で実施をし、教育公務員としての自覚を高め、教員としての基礎的な資質能力の向上を図ってまいります。

◯野上委員

 いろいろな教授とかも活用しながら研修を図っていくということで、確認されました。文京区にある教職員研修センター分館への移転統合によって、現在の教職員研修センターの果たしている機能が維持強化され、教職員の研修や教育に関する専門的な調査研究体制がより一層充実していくだろうということが想像されます。

 最後に、今後、教職員研修センターの活用をどう図っていくのかということで、耐震の問題など取りざたされておりますけれども、四十年たっているということで、先日の七月の大きな地震がございましたけれども、そのときに窓ガラスが割れたということも聞き及んでおりますが、そういった耐震の問題もありますけれども、教育目的の有効活用も含めて、ぜひ教育庁の方で検討をしていただければと思っております。

 もう一つ、今、教育現場で大変な悲鳴が上がっているということをちょっと聞いております。現在、現場の指導主事が若過ぎて、現場の校長、副校長の指導がなかなかできない。それはそうだと思います。たかが一年や二年、長くて三年の指導主事経験では、現場の対応は大変厳しいのではないか。また、区でしっかり育てても、すぐに異動になってしまい、人材が不足をしているというような声も聞かれております。ぜひ今回こうした新しいところで、今回の移転統合をチャンスととらえて、都内公立学校の教職員の研修研究センター機能を十分に発揮して、教職員の資質向上を図り、都の教育改革を推進していただくことを要望して、質問を終わります。

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