平成18年文教委員会(2006年3月17日)配偶者暴力対策基本計画について等

平成18年文教委員会(2006年3月17日)


◯野上委員

 私の方からは、同じく東京都の文化振興指針素案について質疑をしたいと思います。
 今回の報告された文化振興指針の素案では、今後の施策の方向性として、施策九まで九点が示されておりますが、このうち私は第一の新進・若手アーチストの支援と施策三の芸術文化を支える人材の育成について、何点か質問したいと思います。

 本定例会の施政方針の中、あるいは代表質問の中にも、この新進・若手アーチスト支援の新たな取り組みとして、国連大学の旧高等研究所をアートヴィレッジIN東京として整備することが明らかにされております。十八年度予算案の中にも所要経費が盛り込まれております。また、これをこういうふうに活用するということに関しては、東京都の文化施策を語る会の中にも、国連大学の空き施設を有効活用するべきではないかという意見もあって、こういった意見が反映されてここに決まったのではないかと思っております。

 先日、私も青山のアートヴィレッジの予定施設を視察いたしました。ちょうどまだ改修工事中でしたので、ヘルメットをかぶりながら、この部屋がどうなるとかいうのをずっと見せていただいたんですけれども、まさに非常に立地条件がよいところにございます。おしゃれな街、表参道の駅からも近いですし、東京ウィメンズプラザが隣にありまして、まさに都心のど真ん中。
 また、周りには大学や劇場、ギャラリーなどがありまして、文化芸術に本当にふさわしい恵まれた環境の中にあるなということを見させていただきました。
 ここを国内外のアーチストの滞在、交流の拠点として整備するということなんですが、この施設を具体的にどのような施設や機能を持った内容とするのかについてお伺いいたします。

◯山本文化振興部長

 青山のアートヴィレッジは、地上五階建ての旧国連大学高等研究所のうち、研究員の宿泊施設として利用されておりました三階から五階までを活用して整備するものでございます。
 三階にはアトリエや談話室などを、四、五階には二十名程度が宿泊可能な部屋を設置いたしまして、国内外の新進・若手アーチストやアート関係者が滞在し、交流や作品制作などを行うことができる施設とする予定でございます。

◯野上委員

 外国からの若手アーチストが滞在し、それも無料で宿泊できるという形にして、そこに日本のアーチストが参加して一緒に作品を制作したりする、いわゆるアーチストインレジデンスという事業だそうなんですが、これは京都や青森などでも実施されていると聞いておりますが、青山のアートヴィレッジの特色といいますか、ほかの地域で実施されていないような、首都東京ならではの事業展開が求められなければいけないんじゃないかと思うんですが、これはどのような事業を行うんでしょうか。

◯山本文化振興部長

 アートヴィレッジIN東京におきましては、芸術文化にかかわる人材が多数出席いたします東京の特徴を最大限に生かした事業展開を行っていく予定でございます。美術や音楽といったジャンルを超え、またアーチストだけではなく、美術館関係者や舞台制作者など、さまざまなアート関係者が集まり刺激し合う出会いと交流の場とする予定でございます。
 具体的には、国内外の新進アーチストやアート関係者が滞在し、交流するほか、トーキョーワンダーサイトとも連携し、作品の展示やセミナーなどを行っていく予定でございます。

◯野上委員

 夢のある話で、この施設の中に才能あふれるアーチストが集って、お互いに刺激し合う中から、よりすぐれた芸術が生まれて、またさらに日本から世界に発信していくことを期待したいと思っております。

 それから、もう一点の芸術文化を支える人材育成の意義について質問いたします。
 文化を創造し、継承していくためには、すぐれたアーチストを育成することはもちろんのことですが、このアーチストをサポートして都民との橋渡しをする人材など、多様な人材が必要です。
 このような文化芸術を支える人材の育成について、都としてはどのように考えているのか、お伺いいたします。

◯山本文化振興部長

 文化芸術を支える人材といたしましては、アーチストや芸術文化団体などにとどまらず、それらを支える美術館、博物館の学芸員、劇場、ホールの舞台スタッフ、文化活動の企画や広報に携わるアートマネジャーなどの役割が重要でございます。
 そのような人材を広く育成するため、文化振興の拠点である都立文化施設においても人材育成の取り組みが必要であるというふうに認識しております。

◯野上委員

 大学との連携についてなんですけれども、東京には美術や音楽、映像など、さまざまな分野の芸術系大学や専門学校が設置されて、多くの学生がアーチストや文化芸術関係の進路を目指して学んでおります。都立文化施設がこれらの教育機関と連携して人材を育成することが大切なのではないでしょうか。
 そこで、現在都立文化施設で行っている大学などへの支援策についてお伺いいたします。

◯山本文化振興部長

 都立文化施設では、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、庭園美術館の四館で学芸員資格の取得を目指す実習生の受け入れを実施しておりまして、学芸員や司書の資格を持った職員が専門的な助言を行っております。
 また、専門書を多数保有いたします図書資料室等を設置いたしまして、多くの学生や研究者にご利用いただいているところでございます。

◯野上委員

 大学と都立文化施設との連携であれば、やはり私たち首都大学東京ということが一番頭に浮かぶんですけれども、この首都大学東京との連携が求められると思うんですね。
 指針の素案の中にも、都立文化施設を活用するとともに、首都大学東京等と連携することにより、芸術文化を支える人材を育成すると施策の中に書いてありますけれども、具体的な連携策について伺います。

◯山本文化振興部長

 首都大学東京は、豊かな人間性と創造性を備えた人材を育成するため、国際文化コースなどを設置しております。さらに、本年四月、芸術と技術の能力をあわせ持ち、文化的な創造活動をプロデュースしていく人材の育成を目指しまして、インダストリアルアートコースを設置する予定でございます。
 都立文化施設と首都大学東京との連携策といたしましては、学芸員資格取得のための実習生の受け入れに加えまして、インターンシップの受け入れ、来館者ニーズ把握の調査や分析など、さまざまな事業が考えられますので、双方のメリットを生かした連携のあり方について検討しているところでございます。

◯野上委員

 ぜひ、これは積極的に連携を進めていただきたいと思います。
 ところで、文化芸術を支える人材の育成を担うのは、大学などの高等教育機関だけではなく、さきの第四回定例会において我が党の松葉議員が、平成二十二年度に開校を予定している都立総合芸術高校、これは仮称でございますが、その芸術高校の中に舞踊科あるいは舞台芸術科を設置することを提案しております。教育長としましては、設置を前提に検討しているそうです。

 高等学校において、音楽や演劇などの専門教育を受けることは、深い知識や技術を身につけ、創造力や芸術的感性を育成するもので、意義があることです。また、アーチストを目指すのか、文化芸術を支えるスタッフとして力量を身につけるのか、将来の職業の進路を考える機会ともなります。
 都立文化施設では、開校を予定している都立総合芸術高校など高校生も対象にした取り組みを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

◯山本文化振興部長

 都立文化施設には、図書室などの施設設備だけではなく、学芸員や運営スタッフなど多様な人材を備えております。このため都立文化施設は、芸術分野を学ぶ生徒や指導する先生たちにとって心強い存在となっております。
 都立総合芸術高校の開校に当たりましては、美術館、博物館、ホールでの実習や都立文化施設の人材を活用した事業など、多様な取り組みが考えられます。都教育庁とも連携いたしまして、総合芸術高校を初めとする高等学校への支援策についても検討してまいります。

◯野上委員

 子どもたちが幼児期や青少年期にさまざまな文化に触れ合って、他者と共感したり、心や美しいものに感動できる感性をはぐくむことがとても大事だと思っております。
 よく、芸術は魂を揺さぶり、文化は心を潤すという言葉がいわれておりますけれども、現在、例えばニートやフリーターなどの問題とか、青少年が将来の目標を見出しにくい状況の中で、具体的な職業、将来の職業としてアーチストを目指したり、またアーチストじゃなくても、そのスタッフとして文化芸術を支えようと希望する学生や子どもたちのために、都の文化施設や都立文化施設の果たす役割は大変重要だと思います。子どもたちが夢をかなえることができるよう、今後ともさらに事業を充実していくことを強く要望いたします。

 続きまして、配偶者暴力対策基本計画についてお伺いいたします。
 先週警察庁からDVについて発表がございました。それによると、全国の警察が相談や被害者を受け入れるなどして認知したDVは、昨年一年間で一万六千八百八十八件です。前年に比べて一七・二%増加しております。殺人や殺人未遂は一六%増の八十七件という報告がなされております。
 また、資料にもございますが、DVは増加の一途をたどっているということで、一昨年のDV法の改正により、都道府県にもDVの防止と被害者の保護のための計画策定が義務づけられ、東京都も今週十四日に基本計画を発表したところでございます。

 そこで、配偶者暴力対策基本計画についてお伺いいたします。
 昨年九月に配偶者暴力対策基本計画の中間まとめが発表されて、この文教委員会の中でも質疑がなされ、私も幾つか質問させていただきました。
 まず、昨年の中間まとめと今回の最終的な基本計画では、どのような点が変わったのでしょうか。

◯産形参事

 まず、第一点目といたしましては、配偶者暴力をめぐる現状につきまして、中間のまとめでは配偶者暴力相談支援センターの状況のみを記載しておりましたが、今回警視庁、区市町村における相談などの実績を含めて記述し、都全体の現状を明らかにいたしました。

 次に、七つの基本目標のそれぞれに現状認識及び課題等を記述し、施策の方向性を明確にしたこと。また、二次被害の防止については施策の一つに位置づけておりましたが、施策目標として新たに項目を起こしたこと。さらに、基本計画を着実に推進するため、計画の推進体制を明記したこと、これらが主な変更点でございます。
 そのほか、専門的な用語に注釈をつけるなど、わかりやすく見やすいものにするための工夫も行っております。

◯野上委員

 二色刷りで大変わかりやすく、注もついているので、言葉についての定義もなされているということで、いいのではないかと思います。
 この三七ページの中に、中間のまとめの中では人材の育成という施策目標の中にあった二次被害の防止が、施策目標としていわば格上げされた形で載っております。この辺の事情について詳しくお聞かせください。

◯産形参事

 配偶者からの暴力により心身ともに傷ついた状況にある被害者が、関係機関等の職員の不適切な対応や言動によって、さらに傷つけられる二次被害、これを防止することは重要なことでございます。
 二次被害の防止は、職務関係者等に対し、配偶者暴力に関する正しい理解を促す研修が中心となることから、中間のまとめでは人材の育成の中の施策の一つとしておりました。しかし、策定協議会における検討や民間団体などのご意見を踏まえ、また二次被害の深刻な状況にかんがみ、新たに施策目標として掲げ、その重要性を示したものでございます。

◯野上委員

 相談に来られる方の中からも、やはり二次被害の話をよく聞きます。配偶者の暴力によって、体も心も傷ついてぼろぼろになって、やっと安心できる施設にたどりついたと。ところが、よく配偶者暴力についてわかっていない職務関係者というんですか、職員にいろいろといわれ、うつ状態になってしまったとか、配偶者暴力について、あなたが悪いのよとか、そうでなくとも自分を責めて生きてきた人たちが、さらに傷口に塩をすり込まれるようなことをいわれると。そういうことはあってはいけないんじゃないかなと思います。ぜひ研修の充実を進めていっていただきたいと思います。

 昨年九月に基本計画の中間のまとめの報告の質疑のときにも申し上げましたが、被害者の声を生かすことが何よりも大切だと思っております。計画策定に当たっては、被害者の声をどのように反映させたのか、また被害者の声をこれからの施策推進にどのように生かすつもりなのかについてお伺いいたします。

◯産形参事

 本計画の策定に当たりましては、被害体験者であり、現在は民間団体において被害者支援を行っている方にも、策定協議会の委員として議論に参加いただいております。また、昨年九月に公表した中間のまとめに対しても、被害者の方々から貴重なご意見が寄せられております。これらのご意見を踏まえ、計画を策定したものでございます。
 先ほど答弁させていただきましたが、二次被害の防止につきましても重要であるとのご意見があり、計画に反映したものでございます。

 次に、被害者の声を生かした施策の推進についてでございますが、計画では職務関係者研修等の中で被害体験者の声を生かすなどとしており、今後とも被害体験者を初め、民間の支援者団体などと連携し、配偶者暴力対策に取り組んでまいります。

◯野上委員

 それから、もう一つ、子どものことについて伺います。
 配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談の状況から見ると、被害者の八三・九%、約八割の人に子どもがいて、その半数以上の子どもにも暴力が振るわれているということが載っております。直接の暴力がなくても、母親が暴力を振るわれているのを見たり、悲鳴を聞くなどによる子どもの影響も大きなものがあるのではないかと思います。
 母親の保護、ケアはもちろん真っ先にしなくちゃいけない大事なことですけれども、このような子どものケアが非常に大切だと思います。この点についてはどのように考えているでしょうか。

◯産形参事

 配偶者暴力は、被害者だけでなく、その子どもに及ぼす影響も極めて大きいことから、配偶者暴力にさらされた子どもへの支援が重要であると認識しております。計画においては、被害者とその子どもに接する関係機関が共通の認識を持って対応するために、新たに子どものケアに関する体系的なプログラムを作成することとしております。
 また、配偶者暴力相談支援センターである東京ウィメンズプラザにおいて、十八年度から子どもを対象に心の傷の回復を支援するための講座を実施することとしております。
 今後とも、児童相談所や子ども家庭支援センターと連携協力して積極的に対応していきたいと、このように思っております。

◯野上委員

 最近寄せられた相談の中に、恋人などの若い男女間の間で暴力が多く発生していると。私のところにも相談が寄せられて、早速いろいろ手はずをとったんですけれども、相手が婚姻関係がないということで、なかなか支援の中には入らなくて、結局はホテルで一泊して難を逃れたということがございました。

 この配偶者暴力防止法では、被害者が配偶者等に限定されております。このような恋人間の暴力は、支援の対象となっていません。また、基本計画を見ますと、最初の暴力は結婚前、結婚後一年未満の早い時期から始まったとする人は六割を占めているということで、結構結婚する前からそういった暴力を振るう傾向というのが見受けられているということなんですが、この種の暴力について、計画ではどのように対応しようとしているんでしょうか。

◯産形参事

 配偶者暴力防止法に基づく一次保護及び保護命令の制度は、対象が配偶者と限定されており、婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合や離婚後も引き続き暴力を受ける場合は含みますが、恋人間は対象とはされておりません。
 しかし、配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談などから見ても、最初の暴力の時期が結婚前とする被害者が多くなっております。そのため、計画では、恋人など親密な関係にあるパートナーからの暴力に関する相談を受けるほか、若年者向けの暴力防止に関する講座を開催するなど、法律の根拠を有しないものにつきましては、恋人間の暴力も含めて対応していくこととしております。

◯野上委員

 ぜひとも法の規定以外にある苦しんでいる人たちに対しても、今後とも積極的な対応をお願いしたいと思います。

 最後に、公益法人制度改革について何点か質問いたします。
 ここ数年来、公益法人制度を抜本的に改革するということで、国において制度改革の検討が進められてきております。公益法人制度改革の内容については、昨年十二月二十六日に新しい制度の概要が取りまとめられてホームページ上に掲載されるとともに、パブリックコメントも実施されております。

 政府は十八年の通常国会に法案を提出するとしておりますが、この三月十日、法案が国会に上程されました。この法案の内容については、今後国会において十分に審議されることと思いますが、財団法人、社団法人などの公益法人の中には、都民との関係の深いものや、あるいは都や区市町村の外郭団体に近いものとして行政サービスの一翼を担っている法人も多く見られます。
 また、公益法人は、社会福祉法人や学校法人あるいはNPO法人等と同様、民間非営利部門として公益的な財、サービスの提供の役割を担っており、これからの我が国社会において従来以上に役割が増していくことが期待されております。

 そこで、今回どのように制度改革が行われるのか。そして、これから公益法人はどうなるのかを中心に幾つか質問したいと思います。
 まず、基本的なことからなんですが、現行の公益法人制度における国と地方の役割分担と事務の内容についてお伺いいたします。

◯和田都民生活部長

 国と地方の役割分担でございますけれども、公益法人は民法三十四条に根拠を有するもので、平成十一年の地方分権一括法の以前には機関委任事務でございましたが、それ以後、現在は自治事務となってございます。公益法人のうち、二つ以上の都道府県で事業活動を行うものは国の各省大臣が、また一つの都道府県内で活動するものは都道府県の知事あるいは教育委員会が設立を許可しております。
 また、事務の内容といたしましては、設立許可のほか、解散や残余財産処分の許可、そして定款や寄附行為の変更の認可、立入検査、指導監督などでございます。

◯野上委員

 今回国は抜本的な制度改革を行うということなんですが、これに至った背景、またこれまでの制度の問題点についてお伺いいたします。

◯和田都民生活部長

 制度改革の背景でございます。
 今お話のございました抜本的な公益法人制度改革は、国の行政改革の一環として平成十四年三月に打ち出されたものでございます。官民の役割分担、規制緩和といった考え方のもとで、民間の非営利部門を社会経済システムの中に積極的に位置づけ、その活動の健全な発展を促進しようとするものでございます。

 次に、問題点といたしましては、各省大臣等の許可主義のもとで裁量の幅が広く、このため法人の設立要件に違いがあり、簡便でないこと。公益性の判断基準が不明確であること。事業分野に応じて各省大臣等の指導監督を受けるため煩雑であることなどが挙げられております。
 また、時代の変化等によりまして、既に公益性を失った法人が存続し続けているといった問題もございます。

◯野上委員

 民間非営利部門の活動の推進がこれからの社会にとって重要なことは明らかなことです。また、現行制度においては、各省大臣が許可権や指導監督権を持つということで、官僚の天下りの温床になっていたり、関係する公益法人に対して事業の委託や補助が安易に行われる傾向があることは私も承知しております。
 新しい公益法人制度は、基本的にこれまでの制度とどこが違うのでしょうか。

◯和田都民生活部長

 まず、法人格の取得が簡便にできる一般社団法人、一般財団法人といった制度を創設いたしまして、その上で公益を目的とする事業を行う法人に対しては、新たに民間の有識者から成る委員会を設置し、その意見に基づき公益性を認定するという仕組みをつくることといたしております。そして、この公益性の認定を受けた法人につきましては、その活動を促進させるため、税制上の優遇措置が講ぜられるというふうになってございます。

◯野上委員

 新しい公益法人制度でも簡単に法人格が取得できる仕組みができるということと、また新たに公益性を判断する委員会が設置されるということで、それらが今回の改革のポイントともいえるかと思いますが、公益性の判断はどのような基準、仕組みで行うことになるんでしょうか。

◯和田都民生活部長

 公益性の認定に関してでございますけれども、二つ以上の都道府県にまたがって活動する法人に対しては内閣総理大臣が、一つの都道府県の中で活動する法人に対しましては知事が、それぞれ設置いたします民間の有識者から成る委員会の意見に基づきまして公益性認定の判断を行うこととしております。

 また、公益性認定の判断要件でございますけれども、これは法令や法律や政令等において明確に定めることとしておりまして、公益性があると認定される事業を、例えば学術、科学技術の振興であるとか、障害者、生活困窮者等の支援など具体的に明示するほか、公益事業に係る経費の割合は事業費全体の百分の五十以上とするなどの要件が法案では規定されております。

◯野上委員

 公益性の認定制度が創設されるわけですけれども、既存の公益法人は今後どうなるのかということと、そのままで公益性が認定され、新たな制度下での公益法人になれるのか、それとも新たな公益性の認定を受けなければならなくなるのか、この点についてお聞きしたいと思います。

◯和田都民生活部長

 今お話のございました既存の公益法人でございますけれども、これにつきましても改めて公益性の認定を受ける必要がございます。法案によれば、平成二十年度中に施行することとしておりまして、その後五年間を移行期間といたしまして、既存の法人につきましては、その期間内に公益性の要件を備え、個々に公益性の認定を受ける手続を踏むということになります。
 そして、その公益性の認定が受けられなかった法人は、最終的には税制上の優遇措置のない一般社団法人または一般財団法人に移行するということになります。

◯野上委員

 東京都においても、新しい制度に対応した公益性の認定事務を行うことになります。その準備やスケジュール管理が重要だと思います。今後、都は、この準備にどのように取り組んでいくのか、伺います。

◯和田都民生活部長

 今国会で法案が可決されますと、都における公益性認定事務のための条例案を来年、平成十九年の早い時期にご提案させていただきたいというふうに考えております。また、十九年の秋ごろには、都における公益性認定の委員会を立ち上げ、二十年度中とされております法施行を迎えたいというふうに考えております。
 それから、都が所管いたします法人は、教育庁の所管分も含めますと現在約八百八十法人ございますけれども、これらの既存の公益法人につきまして、改めて公益性認定の事務を行うほか、また新しい制度のもとでの法人となる一般社団法人、財団法人の中からも公益性認定の申請が出てくるものと思われますことから、両者をあわせますと新たに相当の事務が生じるものと思われます。

◯野上委員

 公益法人制度が新しい法律のもとに抜本的に改革され、公益性の判断も行政庁ではなく民間有識者で構成する委員会で行われることになります。ただ、この民間の有識者と呼ばれる人たちがどのようなメンバーで構成されるかによって、公正性や客観性が著しく損なわれる可能性もあるのではないか。そのことが一つの懸念の材料となりますが、いずれにしましても、都の対応は国の動向に沿って動いていることになるわけでありますが、特に現在の法人に対しては五年間の経過期間があるとはいえ、新しい制度への移行にはそれなりの準備が必要だと思います。事務的にも大変なことだと思います。

 そこで、最後に今回の公益法人制度改革の意義と都としての取り組みの姿勢について、局長のお考えをお伺いして質問を終わります。

◯山内生活文化局長

 このたびの公益法人改革は、民法施行以来百十年間にわたって続いてきた制度を抜本的に改めるものでございます。そういう意味では、民法三十四条で設立された財団法人、社団法人のいろいろ今まで問題が指摘された分も含めて、根本的に見直そうという中からできた法案でございますので、これの我が国の社会に与える影響は相当大きいものではないかなというふうに考えております。

 また、その一方で、これと別に、NPO法人についてはまた別の扱いということになっておりますので、そのNPO法人と今回の改正の中身を見ますと、かなりダブる部分がありまして、公益の認定を受けられないということになりますと、基本的にはNPO法人とほとんど同じ、しかも、それは登記でも済むという、今度は一般財団法人、一般社団法人という仕組みもあります。ついこの間、法律改正になったばかりの中間法人というのも、この公益法人の中に取り込まれるという、そういう構図になっておりますので、これはかなり大きな改革だと思っております。

 また一方で、私どもでいろいろいつも議論になるわけですけれども、外郭団体の中にも社団法人、財団法人というものがあるわけでございます。そういったものを含めて、既存の公益法人も含めて、改めて公益性の認定を受けなければならないということでございますので、その影響は本当に大きなものと思われます。
 そういう意味では、まず一つは混乱が生じないように、また的確な情報提供、あるいは個々の法人の実態に応じた適切な相談指導等に努めて、都としても十分に準備した上できちっと対応していきたいというふうに思っています。

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