平成18年文教委員会(2006年6月1日)多摩養護学校の移転について等

平成18年文教委員会(2006年6月1日)


◯野上委員

 陳情一八第一七号について質疑をいたします。
 この陳情は、過去二回も出されて、さんざん質疑をした内容でございますが、何でこんなにまた出されるのかというところで、南大沢学園養護学校の児童生徒が多摩養護学校に移転をするということで、保護者の皆様からは、それを取り下げていただきたいというような陳情の趣旨でございますけれども、保護者の方々の十分な理解を得ながら進めるべきだということでずっと主張をしてまいりました。先ほど説明がありましたように、これまで保護者の方から要望されたことに対して、移転案の見直しをするということで、かなり内容も変わってきたという経過がございます。

 多摩養護学校の知的障害教育部門の設置を検討する基本計画検討委員会に保護者の方も代表として入っていただき、三月二十三日にはこの報告書も出されたということで、かなり丁寧な対応をされてきたのではないかとも思うところでございますけれども、改めて、移転対象となる小学部の保護者の方々の理解を得るためには、よりきめ細やかな、丁寧な対応を行う必要があると考えておりますけれども、ここはどのように対応されてきたんでしょうか。

◯荒屋参事

 小学部の保護者の理解を十分に得るためには、保護者に対しまして丁寧な対応をしていくことが大事であると認識しております。このため、昨年九月以降、移転対象となる小学部の保護者に対しまして、移転に当たって不安に思っていることや、移転の際に要望したいことなどの聞き取りを個別に行うとともに、基本計画検討委員会の委員となっている保護者代表を通じまして保護者の意見を集約しております。
 このような取り組みを通じまして理解を得るよう努めてきたところでございますが、今後も、保護者の要望をお聞きしながら、多摩養護学校への移転計画を進めてまいります。

◯野上委員

 先日五月二十九日にも、都教育庁では、南大沢学園養護学校で保護者説明会をしたということをお聞きしております。この内容なんですけれども、時間とか、双方向の話し合いができたのかどうかとか、どのような様子だったんでしょうか。

◯荒屋参事

 保護者説明会の状況でございますが、多摩養護学校の知的教育部門の増築に伴います施設設備の配置計画案の大枠を二十分程度説明いたしますとともに、保護者からの工事期間、設備等に関する質問や要望を一時間程度お聞きいたしました。
 今後は、説明会終了後に気づいた点などにつきましても、学校を通じてお聞かせいただき、設計等に反映してまいります。

◯野上委員

 実際に説明会で保護者の方と意見交換を約一時間にわたって行ったということで、それでもまだ意見がある方は再度学校を通していろんな意見を聞かせていただきたいということをいったということですよね。保護者へ十分配慮をしながら計画を進めていっているんだなというようなことだと思います。

 先日、私は、上野議員と一緒に、この多摩養護学校と南大沢学園養護学校、両方を視察してまいりました。
 まず、南大沢学園養護学校では、かなり過密な状況で、一つの教室をパーティションあるいはカーテンで二つに仕切って使用していたり、また特別教室、そこに複数の普通教室を設置したりして、普通教室を確保するために相当努力しているということを実際に見てまいりました。

 この南大沢学園養護学校の過密な状況を早期に解消するためにも、多摩養護学校への移転を進める必要があるのかなということを感じた次第です。これ以上児童数がふえると、どうやって授業を進めるスペースを確保していくのかということで、大変心配になってまいりました。
 児童生徒が今度は移転していく多摩養護学校に知的障害教育部門を設置するということなんですが、児童生徒が学ぶ教室を十分に確保しなければいけません。教育環境を整備することが必要だと思っております。

 さらに、今までずっと勉強している肢体不自由教育部門と、さらにこれからふえてくる知的障害教育部門の方と、両方一緒に今度は勉強していくようになるわけですから、共用の施設、例えば体育館が果たして十分に使えるのかとか、プールとか、食堂とか、両部門の教育環境の充実、改善につながるように整備をしていくことが大事ではないかというふうに思っておりますが、見解をお伺いいたします。

◯荒屋参事

 多摩養護学校への移転に当たりましては、これまで以上の教育環境を整備していくことが必要であると認識しております。
 多摩養護学校におきましては、校内の西側の敷地に校舎の増築を行うことによりまして、知的障害教育部門の普通教室や特別教室を確保し、教育環境の整備をいたします。先生のご指摘を踏まえまして、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門が併置する学校として、教育環境の改善充実に十分配慮してまいります。

◯野上委員

 多摩養護学校が知的障害教育部門と肢体不自由教育部門と併置校になるということで、教育環境の改善充実に配慮していただけるということで、ぜひお願いしたいと思います。
 また、視察のときに、多摩養護学校が近隣の小中学校と交流をしているという話もお聞きいたしました。知肢併置校となっても、近隣の学校等と交流を図るとともに、地域社会と連携して、地域に信頼される学校にしていただきたいと思っております。

 ところで、多摩養護学校が知肢併置校となった際には、肢体不自由教育と知的障害教育の両部門を持つことのメリットを十分に生かした教育をしていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。

◯荒屋参事

 多摩養護学校におきましては、肢体不自由教育と知的障害教育のそれぞれの専門性を持つ教員が連携協力し、小学部から高等部まで一貫した指導の充実に努めてまいります。
 また、肢体不自由教育部門の自立活動の専門性のある教員や外部専門家などの活用を図り、重複障害のある児童生徒の自立活動の充実を図ってまいります。
 さらに、肢体と知的の両教育部門の児童生徒の相互理解を深めるための交流に努めますとともに、小学部のクラブ活動、中学部、高等部の生徒会活動などを通して、児童生徒の主体的な活動の充実を図るなど、知肢併置校のメリットを生かしてまいります。

◯野上委員

 両教育部門の併置のメリットを最大限に生かして、新しい多摩養護学校の教育を充実していただきたいと思っております。
 もう一つ、多摩養護学校の視察を終えた後、今度は南大沢学園養護学校へ車で移動したんですが、二十五分ぐらいかかったんですね。多摩養護学校へ移転するに当たって、現在南大沢学園養護学校に在籍する児童とか生徒がスクールバスに乗って通っているわけですが、今度は南大沢から多摩に移ったときに、スクールバスの乗車時間についても配慮しなくちゃいけないのかなというふうに思っておりますが、そこら辺はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

◯荒屋参事

 多摩養護学校に移転することで、居住場所によりましては、通学時間が短くなる場合と長くなる場合が考えられますが、今後、スクールバスコースを見直すなどいたしまして、乗車時間の増加を最小限にすることを検討してまいります。
 また、通学区域につきましては、南大沢学園養護学校から多摩養護学校に移る児童生徒に対しましては、柔軟に対応してまいります。

◯野上委員

 住んでいる場所によっては、今の南大沢学園に行くよりも、多摩養護に行く方が近くなる児童生徒の方もいらっしゃると思います。逆に、南大沢までよりもはるかに遠くなる方もいらっしゃると思うんですが、居住場所によってはまた違う養護学校にも行けるというふうに、柔軟に対応していただければと思います。

 南大沢学園養護学校では、高等部の産業技術科の生徒全員が企業就労を目指し、職業教育に熱心に取り組んでおりました。就職率が一〇〇%ということで、これはすばらしい成果ではないかと思っております。近年、社会のノーマライゼーションの進展により、障害のある人たちの社会参加の機会がふえてきております。今後設置が予定されている南多摩地区学園養護学校では、知的障害が軽い生徒に対して、将来の企業就労による社会参加、自立に向け、職業自立のための就労支援の充実を図る教育環境を整備していくことが重要だと考えます。いかがでしょうか。

◯荒屋参事

 就労支援の充実を図る教育環境を整備することによりまして、将来の職業的自立を目指した教育を推進し、知的障害のある生徒の自己実現と社会参加、自立を促進いたしまして、社会に貢献できる人間を育てていくことは極めて重要であると思います。
 このため、平成二十二年度に、南大沢学園養護学校の敷地に、知的障害が軽い生徒を対象といたしまして、将来の職業的自立に向けた専門的な教育を行うことを目的といたしました南多摩地区学園養護学校(仮称)を開校いたします。

 南多摩地区学園養護学校におきましては、南大沢学園養護学校産業技術科の実績を受け継ぎまして、専門的な職業教育を実施する就業技術科、仮称でございますが、を設置いたしまして、生徒全員の企業就労に向けた教育を実施してまいります。

◯野上委員

 生徒全員の企業就労を目指すということは、本当に大変なご苦労があることだと思います。知的障害者の法定雇用率とかはありますが、まだまだ就職先を確保していくということも大変なことだと思っております。
 知的障害者の雇用に関する企業等のニーズを踏まえた職業教育、また、今後雇用が見込まれる福祉施設の介護とかの就労に対応した職業教育を実施することが重要であると考えます。

 また、就労先を安定的に確保していくためにも、それぞれの関係機関、学校あるいは企業が連携して、企業就労を促進する方策を協議していくことも必要であると思いますが、いかがでしょうか。

◯荒屋参事

 近年の産業構造の変化や知的障害養護学校卒業生の企業就労先の動向を踏まえまして職業教育を実施していくことは、重要なことでございます。南多摩地区学園養護学校の就業技術科には、ご指摘いただきました福祉分野を初めとして、ビルクリーニング、物流事務、食品などのさまざまな職業分野に対応したコースを設置いたしまして、企業などのニーズを踏まえました職業教育を実施してまいります。

 また、特別支援教育推進計画に基づきまして、南多摩地区学園養護学校を含め、知的障害が軽い生徒を対象にした養護学校高等部を今後順次開設していく予定でございまして、生徒の就労を確保するため、教育庁、他の関係部局、東京労働局、学校関係者、企業などにより構成される協議会を設置いたしまして、雇用や企業実習先の拡大のための方策などの協議を行ってまいります。

◯野上委員

 最後に。こういう知的障害の軽い生徒の企業就労を促進し、社会参加、自立を実現するためには、南多摩地区学園養護学校の教育環境の整備を進めていくことはぜひ必要であると思います。
 一方、南多摩地域の知的障害養護学校の過密状況は一刻の猶予もならない状況にあります。これを改善するためにも、多摩養護学校に知的障害教育部門を設置し、知肢併置校としての特色を生かし、教育を充実していくことは必要だと思います。

 今後も、教育内容の継続性、教育環境の整備、職業教育の充実など、保護者の意見や要望を受けとめながら、多摩養護学校の知的障害教育部門の設置、南多摩地区学園養護学校の開設を推進していただきたいと要望して、終わります。

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