平成18年文教委員会(2006年9月29日)高齢者の消費者被害対策について等

平成18年文教委員会(2006年9月29日)


◯野上委員

 私も中間報告について質疑をさせていただきます。
 特に、高齢者の消費者被害対策について何点か質問をさせていただきます。

 昨年もこのことについて申し述べたのですけれども、また、それから私の事務所にも被害を受けたということが報告がございました。それは、床下の土台が腐っていて、このままだと家が傾いてしまうということで、次から次へと同じような業者がやってきては、屋根を直せとか、柱を直せとかというふうに違った場所に入り込んできて、多額なお金を要求してきたという、この一一ページにも書いてありますけれども、要するにいわゆる消費者の名簿、カモリストが事業者間でやりとりされ、一人の消費者に対して複数の事業者が次々と契約を結ばせた実態という、まさにこれに相当する事件だと思っております。

 昨年、高齢者の悪質住宅リフォームの被害が大きな社会問題となりましたが、ことしになってからも、高齢者の被害の報道が依然として続いております。
 今回の消費生活対策審議会部会中間報告にも、高齢者の生活基盤を根底から危うくする事件が多発しているとの記述もございます。こうした中で、消費生活総合センターに、ことしの四月から、高齢者本人と家族向けに高齢者被害一一〇番、また介護事業者や民生委員、高齢者の身近にいる人向けに、高齢消費者見守りホットラインという相談電話が開設されておりますけれども、この開設後の相談件数や、その内容がどのようなものがあったのか、どのような効果があったのかについてお伺いいたします。

◯宮川消費生活部長

 平成十八年の四月に始まったわけでございますけれども、四月から八月までの五カ月間の高齢者相談の件数、全体で見ますと二千五百八十五件でございまして、前年の同時期に比べて約二五%、件数にして五百九件増加しております。中でも八十歳代の高齢者のトラブルに関する相談がふえております。

 このうち、高齢者被害一一〇番、それから高齢消費者見守りホットライン、これの本年四月の開設以降八月までの相談件数は四百八十二件となっております。この五カ月間の相談全体に占める割合が約一九%ということでございまして、こうした件数の増加、全体で二五%伸びる中で、この高齢者一一〇番などのいわゆる専門の電話で受け付けた件数が約一九%というようなことでございますから、専用の相談電話の開設がこれまで潜在化しておりました高齢者の被害を掘り起こす上で相当な効果があったと考えております。

 ついでといっては何でございますけれども、この九月は高齢者被害の防止キャンペーン月間でございまして、その効果が、一日から二十日までの二十日間で、専用電話で受け付けました相談件数は二百三件ございました。これまでの実績の月平均九十六件を既に大きく上回っているという状況でございます。

◯野上委員

 今、具体的な数字を挙げて教えていただきましたけれども、高齢者の被害に関する相談が増加している。一方で、ふえてきた中で潜在化している被害の掘り起こしも進んでいる。そういうこともあって、この件数が増加しているという点では、大変心強く思っております。
 高齢者の相談の特徴として、催眠商法とかいろいろなものがありますけれども、具体的にどのようなものがあるのか、ちょっとお知らせください。

◯宮川消費生活部長

 まず、相談内容について見てまいりますと、電話勧誘販売や訪問販売によります被害が多くなっております。ひとりで自宅におられることの多い、または相談する方が周りにいない高齢者がターゲットになっていると考えられます。中でも電話勧誘販売による未公開株の取引や先物取引などによりまして、高齢者の財産がねらわれるというケースが最近ふえております。
 未公開株の取引による被害で一例を挙げますと、二千万円を超える高額な被害も発生しております。また、無料の商品を配って閉め切った会場に誘い込みまして、先ほど先生のお話もございましたけれども、いわゆる催眠商法、とにかく雰囲気を盛り上げて高額な布団や健康食品なんかを売りつけるような、そういった雰囲気の中でなかなか勧誘を拒否できない高齢者の心理を巧みについた、つけ込んだ被害も目立っております。
 また、相談者の面から見ますと、高齢者本人からだけでなくて、家族やケアマネジャーなど、高齢者の身近にいる方々からの相談も増加しているということが特徴となっております。

◯野上委員

 被害の当事者ではない家族など第三者からの相談が増加しているということなんですけれども、こうした第三者からの情報提供は、高齢者の場合、特に重要であると思います。認知症などで自分の意見がいえない、ひとりで暮らしている人たちが、介護事業者などがその家庭に入って知り得た情報、第三者からの情報提供その効果をさらに広く広げて、高齢者の被害の発生を未然に防止し、被害の拡大を防ぐために、これからどのような具体的な取り組みを行っていくのでしょうか。

◯宮川消費生活部長

 高齢者の消費者被害防止のためには、ご指摘のとおり、高齢者本人からの相談への対応に加えまして、地域において高齢者を支えていただいている方々からの相談や通報をもとに、表面に出にくい高齢者被害の掘り起こしを進めて、迅速な解決につなげていく必要があると考えております。
 このため、地域からの相談、通報のあり方や、高齢者を見守る方々のネットワーク、消費生活行政と高齢者福祉行政との連携強化のあり方などにつきまして具体的に定めるガイドラインを策定し、都全域にわたる被害防止のためのセーフティネットの構築に向けて取り組む必要があると考えております。
 この九月に介護事業者や民生委員、町会などの方々や高齢者の消費者被害を専門とする学識経験者、都や区市町村の高齢福祉部門や消費生活部門の幹部職員などから構成されます高齢者の消費者被害防止対策検討委員会を設置いたしまして、来年二月を目途にガイドラインを策定するための検討を開始したところでございます。

◯野上委員

 最後ですけれども、必要な情報が必要なところに届いていないとか、被害に遭っているらしいという高齢者が周囲にいても、どう対応したらいいかわからないというような声が上がっております。特に民生委員の方や地域の人、介護事業者からもそういった声が上がっております。
 今回、ガイドラインを策定することにより、そうした問題が解消され、高齢者被害の防止につながることを期待しています。ぜひよいものをつくってほしいと思いますので、最後に局長の決意をお伺いいたします。

◯渡辺生活文化局長

 先ほど消費生活部長からお答えいたしました高齢者の消費者被害防止対策検討委員会でございますけれども、これは私が委員長になっておりまして、第一回の検討委員会に出席いたしました。
 その委員会におきましても、先生の方からご指摘ございました、高齢者の方で判断力が低下し、気力が落ちている方にきちんと情報を提供していく必要がある。また、周辺の人々による見守りの重要性などについて、委員の皆様から大変貴重なご意見をいただきました。その中には、ただ、現在地域によっては人と人とのつながりが薄れていて、なかなかそういう形で支えていくのも難しいというような、大変厳しい実情についてのお話もございました。

 いずれにいたしましても、私どもガイドラインの策定に当たりましては、このような高齢者福祉の第一線で活動されている方々からのご提言を踏まえるとともに、区市町村における先進的な消費者被害防止対策も参考としながら、実効性ある被害防止のためのガイドラインを策定できるよう、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

◯野上委員

 私からも、都立図書館改革の具体的方策について質問いたします。
 第二次都立図書館あり方検討委員会報告の際には、パブリックコメントを実施したと聞いております。今回の報告に関しては行っていないんでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 都立図書館改革の具体的方策は、第二次都立図書館あり方検討委員会報告で示した基本的な考え方に基づいて、改革への具体的な取り組みをまとめたものでございまして、基本的な考え方が変わったものではないことから、再度パブリックコメントは行わない予定でございます。

◯野上委員

 八月に出されたこのあり方検討委員会と今回の報告の中には、記載されていない部分がありまして、例えば協力貸し出しの見直しなどは、この第二次あり方報告の方には記載されておりません。パブリックコメントは必要としないまでも、このことによって影響が大きい区市町村の意見は聞くべきではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 区市町村に対しましては、九月八日に開催されました都内の公立図書館の連絡調整の場である東京都公立図書館長連絡会におきまして、この都立図書館改革の具体的方策の概要を説明するとともに、意見交換を行ったところでございます。今後も、区市町村の教育長会などにおきましてもご説明をし、意見を伺ってまいります。

◯野上委員

 協力貸し出しの見直しについてですけれども、貸し出し資料の館内閲覧と搬送車の費用負担の問題が記載されております。館内閲覧については先ほど山田副委員長から質疑がありましたので省略させていただいて、あと搬送車の費用負担について質問いたします。
 現在、都が負担している搬送車の費用は年間幾らぐらいかかるのか、そしてこの費用負担を求める理由は何かということ、この二点についてよろしくお願いします。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 協力貸し出しのための搬送車に係る平成十八年度予算額は、約一千万円でございます。現在、都の搬送車では、都立図書館から区市町村立図書館への協力貸し出し資料だけでなく、区市町村立図書館同士のいわゆる相互貸借資料もあわせて搬送しております。
 今後も相互貸借はさらに増加する見込みであることなどから、都の搬送車の費用負担のあり方について検討するとともに、区市町村に対しても、今後の相互貸借資料の運搬方法について検討していただくことを働きかけていきたいと考えたものでございます。

◯野上委員

 東京都から区市町村だけでなく、それ以上に区市町村同士の相互貸借の運搬の数がふえているということなんですけれども、相互貸借が増加しているということはよくわかりましたけれども、区市町村にこの費用負担を求めることについては、区市町村の理解を得ることが必要ではないかと思います。これは慎重に進めるべきと思います。
 この問題に関しては、この前、教育長会、あるいは東京都公立図書館長連絡会でもいろいろと討議されたことと思いますけれども、この費用の面も含めて、早急に意見を出してやめるというのではなく、十分意見交換を行った上で結論を出すことを求めておきます。

 次に、子どもの読書活動の推進について伺います。
 我が党は、特に子ども読書推進については非常に熱心に今までやってまいりまして、子どもが小さいころから読書の習慣を身につけることによって、他者を思いやるとか考える力を育てる、あるいは非行防止の観点からも非常に有効なことであると考えて、朝読の推進などをやってまいりました。この子どもの読書活動の推進は、都立図書館の重要な役割の一つであると思いますけれども、区市町村立図書館に対して、都の図書館としてどのような支援策を考えているのでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 これまでも、都立図書館では、乳幼児や小学生など、対象別に子ども読書活動推進資料を作成、配布するなど、区市町村における家庭での読み聞かせの普及や地域での読書活動推進への支援を行ってまいりました。今後は、さらに中学生や高校生に対象範囲を広げるなどの拡充を図ってまいります。
 また、昨年度から始まりました文字・活字文化の日関連行事、文字・活字文化フォーラム、今年度は十月二十八日に開催されますが、このフォーラムにおきましても、子ども読書活動に関する講演をいただいたり、各区市町村立図書館や子ども読書活動団体の活動事例の紹介などを行っておりますが、今後はさらに規模を拡大した子ども読書活動報告会を実施し、実践的事例を幅広く取り上げて、各区市町村での新たなサービスへの取り組みにつながるよう支援していきたいと考えております。
 さらに、区市町村立図書館職員を対象とした児童青少年サービスに関する研修につきましても、講義だけでなく、読み聞かせなどの実践的要素を取り入れるなど、一層充実を図ってまいります。

◯野上委員

 乳幼児や小学生だけでなく、あるいは中学生、高校生に対象範囲を広げたり、特に読み聞かせなど実践的な要素を取り入れるということで、非常に期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、都立図書館を支える人材育成に関して質問をいたします。
 先ほど資料を提供していただきましたが、資料によりますと、都立図書館の司書の年齢構成は、百三十六人中五十代の方が九十七名で、これが大体七〇%ということで、今後十年の間、団塊の世代の大量退職ということで、たくさんの退職者が出てまいります。この後の補充についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

 例えば、この前私も代表質問の方で書かせていただいたんですけれども、教育管理職も同じようなことがいえまして、大量退職だからといって大量に新採用教員を採用すると、また大きな山になってしまう。それで優秀な校長のフルタイムの再任用制度をぜひ導入するということで、局の方もそういった意見をいってくださったんですけれども、ベテランの司書の方が大量退職をするので、その数を全部補充するということもいろいろな面で厳しいものがあるのかと思っております。
 ベテランの司書の方が、今まで培ってきたノウハウを有している優秀な方がどっと失われることになっていくと、能力の継承ですか、これをしっかりと後輩に図っていくことが大事ではないかと思いますが、この点についてもいかがでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 お話しのとおり、図書館を支える人材の確保は今後の大きな課題であるというふうに認識しております。書庫にある資料の出し入れや簡易な資料整理など、定型的な業務につきましては今後も委託化を推進いたしますけれども、レファレンスや資料選定など高度の専門性による司書が担うべき業務に関しましては、必要な人材を確保するよう努め、専門性やノウハウの継承につきましては、現行の再任用制度などを活用するとともに、従来の研修体系を体系的に見直すなど、有効な対策を検討しているところでございます。

◯野上委員

 もう一つ書いてありましたけれども、ワンストップサービスに関して質問いたします。
 中央図書館のレファレンスサービスのワンストップ化については、一階に司書が集中して配置されて、二階以上には司書がいなくなるために、利用者にとってかえって不便になるのではないかという意見もございます。このような意見に対してどのように考えているのか、司書の配置なども含めてご説明いただければと思います。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 中央図書館では、開館当時から各階を人文科学、社会科学など特定分野ごとの主題室とし、図書、レファレンスカウンター、書庫を各階に配置してまいりました。このサービス体制では、フロアの異なる複数の分野にわたって調査したり、あるいはどの分野にも分類しにくい新たなテーマについて調査する利用者にとって、必ずしも便利とはいえなくなってきております。総合レファレンスカウンターを一階フロアに設置し、複数の職員を配置することにより、複数の階でレファレンスサービスの申し込みをすることなく、一カ所あるいは一回の手続で、どのような主題に関するレファレンスにも、質の高いサービスを迅速に受けられるようにすることが今回のねらいでございます。
 また、カウンターの混雑時などには、一階に集中化した事務室にいる司書が応援することも可能になるとともに、二階以上の各フロアには相談ブースを設置して、必要に応じて司書が出向いてレファレンスサービスを行っていきたいというふうに考えております。

◯野上委員

 ちょうど昨年の九月三十日にこの場で質疑をしましたけれども、都立図書館の司書の専門性を高く評価しているものの一人です。今回の総合レファレンスカウンターの設置及び事務室の集中化が、中央図書館における司書の削減につながるのではないかと危惧しております。この点に関して所見を伺います。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 中央図書館における総合レファレンスカウンターの設置などワンストップサービスの実施は、司書による高度専門的なレファレンスサービスを充実し、利用者サービスの向上を図る観点から検討を進めたものでございます。中央図書館では、あわせて同じ一階に都民ニーズの高い分野に関する重点的情報サービスのコーナーを設けるとともに、利用者みずから活用できるオンラインデータベースの利用環境を整備してまいりますので、これらとあわせて利用者が効率的な調査研究を図ることも期待できると考えておりまして、こうした取り組みに必要な人材については、今後も育成確保に努めてまいります。

◯野上委員

 最後に、改革ということで、効率的な運営も確かに大事なことなんですけれとも、利用者の利便性がどのように図られるかということが、これからの都立図書館の運営に当たって最も優先されなければいけないものだと考えております。そのためには、図書館を支える人材の育成確保が欠かせないものではないかと考えます。特に五五ページ、五六ページに書いてございますが、この点にも十分留意して改革を進めるように要望して、私の質問を終わります。

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