平成22年文教委員会(2010年12月10日)教職員のメンタルヘルスについて等

平成22年文教委員会(2010年12月10日)教職員のメンタルヘルスについて等

平成22年文教委員会(2010年11月2日)


◯野上委員

 資源が少ない日本にとって、未来を担う人材こそが貴重な資源だと思っております。
 その人材を育成する教員が担う役割は極めて重要であると考えております。その重要な職責を担う教員の質の確保は、多くの都民が都教育委員会に対して期待しておるものだと思っております。
 都教育委員会は、他県の優秀な人材を確保するために、他県との連携を図った教員採用選考を実施しております。また、受験機会の拡大を図るため、東京都内だけでなく、地方会場の仙台に加え、九州地方においても選考を実施していると聞いております。
 そこで、地方での試験会場を設けるなど、受験者を増加させるための取り組みの結果、受験者数や合格率にあらわれた効果についてお聞きいたします。
 特に小学校では、二年前の採用選考で二・六倍という非常に低い倍率になったと聞いておりますが、その後の変化についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 平成二十二年度に実施いたしました教員採用選考の受験者数は、全校種で一万七千百四十八人、前年度に比べ一二・五%増加したことから、合格者数三千二百七十一人に対する倍率は五・二倍となり、さまざまな人材確保の取り組みの結果、受験者数、倍率ともに二年連続で増加いたしました。
 このうち、小学校の受験者数は五千五十七人、前年度に比べ七・四%増加し、合格者数一千三百二十八人に対する倍率は三・八倍となりました。これは、委員ご指摘のとおり、小学校の教員を確保するため、試験会場を新たに福岡市に設けたほか、秋田、大分、高知の三県の一次試験で一定の成績をおさめた者が都の二次試験に進むことができる協調特別選考を実施するなど、新たな取り組みを行ったことによるものと考えてございます。

◯野上委員

 地方での試験会場を設けるなど、受験者を増加させるための取り組みの結果、受験者数や合格倍率が増加傾向に転じたことは評価したいと思っております。
 今後とも優秀な教員を引き続き確保し、さらなる受験者数の増加に向けて、都教育委員会としてさらなる取り組みについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 教員の質の維持の向上のため、教員採用選考において受験者数を増加させることが重要でございます。
 このため、地方からも優秀な人材を受け入れることを目的として、第一次選考の地方会場をさらにふやすことを検討しております。
 また、協調特別選考については、今年度の成果を踏まえ、他県への働きかけを強化してまいります。
 さらに、若手教員を活用した募集活動を開始するほか、地方大学と連携した説明会や、地方在住者に東京の学校を紹介するバスツアーを実施するなど、PR活動の充実を図ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に進め、優秀な人材の確保に努めてまいります。

◯野上委員

 ぜひ優秀な人材の確保に努めていただきたいと思っております。
 一方、採用後の一年間は条件つき採用期間で、良好な成績で勤務した場合に正式採用となることが、地方公務員法、あるいは教育公務員特例法で規定されております。難しい試験に合格して採用された優秀な教員が、すぐにやめてしまっていないか心配になります。
 そこで、平成二十一年四月一日に採用された教員で、採用後一年間に自主退職などにより正式採用とならなかった教員数は何人か、校種別にお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 都教育委員会が、平成二十一年四月一日に新規採用した教員数は二千八百九十四名でございます。その内訳は、小学校で一千五百八十四名、中学校で六百四十名、高等学校で三百三十二名、特別支援学校で三百三十八名となっております。
 そのうち、採用後一年間に自主退職などにより正式採用とならなかった教員数は八十七名でございます。その内訳ですが、小学校で五十一名、中学校で十九名、高等学校で六名、特別支援学校で十一名となっております。また、正式な採用とならなかった教員の新規採用教員全体に占める割合は三%でございます。

◯野上委員

 全体の三%という数字をどのようにとらえるかというのは難しいところがございます。小学校の教員の場合は三%ですが、高校の方は三百三十二名中六名というので、やめられた方がかなり少ないと思っております。
 個人によって異なると思いますけれども、せっかく難しい試験に合格して採用された方々なので、できれば長く勤めていただきたいと思っております。
 しかし、条件つき採用期間中の教員で正式採用とならなかった教員の中には、精神疾患を罹患して、みずから退職しなければならなくなった教員も少なからずいるのではないかと思っております。
 そこで、次に、メンタルヘルスについて何点か伺います。
 昨年の第一回定例会予算特別委員会におきまして、教員のメンタルヘルスについて質問させていただきました。その際に、東京都も多くの取り組みをしていますけれども、さらにもう一歩踏み込んだ施策をする必要があるのではないかとの質問に対して、大原教育長は、抜本的な対策を講じるという力強い答弁がございました。非常に感激いたしました。
 もとより、メンタルヘルス対策には特効薬というものはなかなか見出しがたいものだと思います。一つ一つ地道に対策を講じていくことが何より大切なことだと考えます。
 平成十九年度の精神疾患による休職者というのは、そのときは四百十六人でありました。休職者の六九・一%が精神疾患であったと記憶しております。精神疾患による休職者数が、近年どのように推移しているのかが大変気になるところでございます。
 そこで改めて伺いますが、平成十七年度から平成二十一年度までの五年間の精神疾患による病気休職者数は何人でしょうか。

〇岡崎人事部長

 都が任命しております公立学校教員の精神疾患による病気休職者数を年度別に申し上げますと、平成十七年度が三百三十四名、十八年度は三百八十四名、十九年度は四百十六名、二十年度は五百四十名、二十一年度は五百三十二名でございました。

◯野上委員

 平成十七年度の精神疾患による休職者が三百三十四人のところ、平成二十一年度は五百三十二人と、五年間で百九十八名ふえております。二十一年度は、前年度よりわずかに減ったとはいえ、休職者が高どまりの状況にあるといえます。今まで行ってきたメンタルヘルス対策が、残念ながら功を奏していないのではないかというふうに感じております。
 そこで、都教育委員会では、今後どのような方針に基づいて新たなメンタルヘルス対策を実施していくのかお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 平成十九年度における精神疾患を理由とする休職者を分析しましたところ、その三分の二が病気休暇に入る直前まで精神科への受診をしていないなど、いわゆる手おくれ受診の多いことが判明いたしました。
 そこで、休職の未然防止を図る観点から、都教育委員会は、早期自覚、早期対処を基本方針と定めまして、今年度から土日相談、臨床心理士の講師派遣、初任者や副校長昇任者に対するカウンセリング、メンタルヘルスに関するチェックシート導入の試行などを実施しております。

◯野上委員

 ただいまの答弁でもありましたけれども、主要事務事業の中でメンタルヘルスに関するチェックシートの導入について記述があります。これについて、これはどのような事業なのでしょうか。

〇谷島福利厚生部長

 うつ病などの精神疾患は、本人の自覚がないままに重篤化することが多いことから、心の病の自覚を促すことで受診や相談につながるストレス検査は重要なメンタルヘルス対策の一つと考えております。
 ストレス検査の効果を高めるには、積極的に希望しない人も対象に含むこと、受診者が同一条件で検査が受けられること、短時間で済むなど負担軽減が図られること、その他、一定の条件を重複させる必要がございます。
 そこで今年度は、全教員の一割に当たる約六千人を対象に、定期健康診断時にチェックシートを用いてストレス検査の試行を実施しております。今後はこの試行結果をもとに、効果的なストレス検査のあり方を検討してまいります。

◯野上委員

 一割の六千人に対してのチェックシートを用いたストレス検査を試行したということですけれども、こういった取り組みは全国でも初めてだと思います。この効果を期待しておりますが、今後の状況をまた勘案していきたいと思っております。
 予防が第一ということは理解するところですけれども、不幸にして心の病を理由に休職された教員に手を差し伸べる対策も忘れてはならないと思っております。
 そこで、復帰訓練機関としてリワークプラザ東京を新設したと聞いています。その実施状況についてお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 リワークプラザ東京は、全国で初めて教育委員会が直接運営に携わる復帰訓練機関でございまして、精神科医が訓練の開始時及び終了時に面接を行い、臨床心理士や校長OB等による復職アドバイザーが学校を訪問して、個人に応じた訓練プログラムの作成や授業観察を行うなど、職場復帰に向けてきめ細かく支援を行ってございます。
 本年五月に開所し、六月から訓練参加の申し込みを受け付け、八月から復帰訓練を開始したところでございます。先月の十月二十五日現在、一週間前で申しわけございませんが、参加申し込み者九十人、訓練参加者五十三人であります。
 訓練修了者につきましては、訓練開始から期間がまだ短いため、修了者が出ておりません。

◯野上委員

 リワークプラザ東京が、全国に先駆けて設置された機関ということで、今後、復職者に対して細やかな支援を行うことを期待しています。
 次に、教育管理職不足についてお伺いいたします。
 これまでも都議会において、校長や副校長といった教育管理職そのものに焦点を当てた議論を重ねてきた印象もありますが、別の見方をすれば、副校長、副校長職の一歩手前である主幹教諭というものは、教育管理職の予備軍的な存在でもあります。教育管理職の供給源、源泉という人材ではないかと思っております。今回は、その点に焦点を当てて何点かお伺いいたします。
 まず、都教育委員会では、教育管理職選考の受験者数の減少傾向に危機感を持っていると聞いていますが、教育管理職選考の受験者数が減少している要因と対策についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 教育管理職選考の受験者数減少の要因としては、現在、教育管理職選考の受験対象となる三十代後半から四十代前半が年齢構成の谷間に当たるという問題のほかに、学校組織の中で主体的に学校経営を担おうという意識が多くの教員に希薄であることや、管理職という仕事に魅力を見出せないことなどが挙げられます。
 このため、若手教員のころから学校組織を動かして、子どもたちによりよい教育を提供する管理職の仕事の魅力を伝えるとともに、学校がより組織的に機能する仕組みを構築する必要があると考えます。
 具体的には、校長、副校長が面接や日常の職務を通じて、キャリア形成の中長期的な展望を意識させ、主任教諭、主幹教諭へと計画的に育成し、受験を促してまいります。
 こうした取り組みにより、これからの学校経営を担う、意欲の高い管理職を数多く確保してまいりたいと存じます。

◯野上委員

 都教育委員会は、校長、教頭、以下平みたいな、従来のいわゆる鍋ぶた式の組織から、管理職と一般の教員の間に主幹という職を平成十五年度から全国に先駆けて設けました。この主幹が学校運営の中核となり、学校を取り巻くさまざまな課題への組織的対応力の向上に重要な役割を担ってきたと思っております。
 この主幹制度は、全国的に見れば、平成十九年六月の学校教育法等の改正により、主幹教諭という新しい職の設置が可能となった先駆けとなるものであります。
 そこで、現在の状況を尋ねますが、平成二十二年度における主幹教諭の配置実績数と充足率はいかがなんでしょうか。校種別にお願いいたします。

〇岡崎人事部長

 平成二十二年四月一日におけます校種別の主幹教諭の配置実績数と充足率は、小学校で一千七百十一名、七五・七%、中学校で一千五百三十名、九一・二%、高等学校で九百六名、七三・六%、特別支援学校で二百三十一名、八八・八%であり、全体では四千三百七十八名、八〇・六%となっております。

◯野上委員

 学校運営の中核となり、学校を取り巻くさまざまな課題への組織的対応力の向上に重要な役割を担っております主幹教諭の配置が、必要数の八割程度しか充足できていない現状では、都の学校現場の状況を考えると一抹の不安を感じております。
 教育管理職の有資格者である主幹教諭を確保することは、待ったなしの喫緊の課題であります。都教育委員会の今後の取り組みをお伺いいたします。

〇高畑人事企画担当部長

 都教育委員会では、これまでも推薦制の導入や受験資格の見直しなどにより、主幹教諭選考の受験者拡大を図ってまいりましたが、ただいま人事部長が答弁いたしましたように、学校を組織的に運営するために必要な計画数をいまだ満たしておりません。
 また、校種間、地域間で主幹教諭の配置の不均衡も生じております。このため、本年度から、これまで受験をちゅうちょしていた優秀な人材を区市町村教育委員会、学校経営支援センター及び校長が発掘して、受験を強く促すという推薦方法に改めたところでございます。
 こうした見直しを行うことによりまして、教育管理職の有資格者でもある主幹教諭を計画的に確保いたしますとともに、校種間、地域間の廃止の不均衡を是正してまいります。

◯野上委員

 教育管理職の確保に向けた都教育委員会の地道な取り組みに期待するところでありますが、都教育委員会には本人希望による降任制度があります。教員各自のライフサイクルで教育管理職として勤務することが難しい時期もあると思います。降任制度などをうまく活用して、職責とライフサイクルをマッチングさえすれば、もっと多くの教員が受験できるようになるのではないかと考えております。
 次に、要望事項なのですけれども、再任用、フルタイム校長制度なんですが、このすぐれたすばらしい優秀な校長が、一たん退職した後にもう一度採用されるようにする仕組みでございますが、区市によって採用状況の差がございます。たくさん採用している区とそうでない区市の差がありますので、ぜひ優秀な校長先生を再任用、フルタイム校長として活用していただければと思っております。
 もう一つ要望事項で、教員免許更新制についてでございますが、これは平成十三年の第三回定例会で、処分を受ける教員がふえている現状を考慮して、教員免許についても更新制度を設け、常に資質と意識の維持向上を図るべきだというふうに、教員の免許更新制を提案させていただきました。
 そして今、これが今後どうなるかというのがちょっとまだはっきりいたしませんが、この免許更新制、今までと同じように免許講習等を受講していただければと思っております。これはそのままにしておきます。
 それから、都立高校の募集枠でございますが、先ほど議論があったのでかいつまんでいいますと、ことし三百名の方たちを追加募集したんですが、都立定時制高校においてもなかなか状況が厳しかったということを聞いております。
 今回、追加募集は四月に入ってからどこにも行き場のない子どもたちにとって、受け入れ枠を確保したということは評価できますけれども、中学校として時間のない中、卒業して進路が決まらない生徒がたくさんいたということで不安も感じております。
 来年度、定時制で不合格となって行き場のなくなる生徒が出ることのないように、都教育委員会としてどんな対応をとるのかお聞かせください。

〇直原都立学校教育部長

 平成二十二年度定時制課程の入学者選抜において応募人員が募集人員を上回った原因は、都立高校授業料の不徴収や景気の低迷などを受け、都立高校全日制進学を希望していながらも選抜不合格となった生徒が応募したためと考えられます。
 都内公立中学校卒業生の高校への受け入れにつきましては、都と私立高校の代表者で構成する公私連絡協議会の協議により分担数を決定しておりますが、意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れ、行き場のない生徒が生まれないようにするために、平成二十三年度の入学者選抜に当たっては、従前の公私合意に基づく都立全日制高校の募集数に緊急対応枠として百六十人を加え、募集することとしたところでございます。

◯野上委員

 とりあえず百六十人ということですが、もしまだたくさん行き場のない生徒があらわれた場合には、臨機応変に対応していただければと思っております。
 次に、学校非公式サイトの監視結果についてということで質問させていただきます。
 これも平成二十年の第三回定例会の代表質問の中において、いじめにつながる特定の個人への誹謗中傷が携帯ネットやインターネットの学校裏サイト、今、学校非公式サイトといっておりますが、掲示板、ブログ、プロフなどの中に掲載され、大変大きな社会問題となっていることについて指摘をさせていただきました。また、教育庁に対しましては、実効性のある対策を求めたところでございます。
 これを受けて、都教育委員会は全国に先駆けて学校非公式サイト等のネット監視を開始していただきましたが、その状況についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 都教育委員会は、平成二十一年六月からすべての都内公立学校に約二千二百校を対象といたしまして、学校非公式サイト等の監視業務を業者委託により開始いたしまして、児童生徒を有害情報から守る取り組みを行っているところでございます。
 平成二十二年三月末日までの約十カ月間の監視結果によれば、検出されたサイト上にある特定個人に対する誹謗中傷、いじめや犯罪につながるおそれのある有害情報、他人や自分の情報の書き込みなどの不適切な書き込みについては一万三千九百五十五件でございました。
 また、平成二十二年四月から九月末日までの六カ月間の監視結果によりますと、昨年度と同様の不適切な書き込みについては八千四百六十件でございまして、いずれも中学校と高等学校でほぼ二分されているところでございます。

◯野上委員

 監視状況についてよくわかりました。特定個人に対する誹謗中傷や、いじめや犯罪につながる有害情報が検出された場合、当該校への指導は具体的にどのように行っているんでしょうか。

〇高野指導部長

 検出された不適切な書き込みにつきましては、都教育委員会が受託業者を通じて当該サイトの管理運営者に通報して削除依頼を行うとともに、特定個人に対する誹謗中傷や、いじめや犯罪につながる情報は、すべて当該校や当該校を所管する区市町村教育委員会に情報提供いたしまして、速やかに対応するよう指導しているところでございます。
 情報提供を受けた各学校は、その内容をもとに児童生徒への指導を行い、不適切な書き込みによる事件、事故の未然防止に努めているところでございまして、現在まで大きな被害は報告されておりません。

◯野上委員

 今まではこういった作業は学校や学校関係者だけで、教員でやってきていたわけですが、それが学校や教員にかわって専門業者と連携してネット監視をするという、そして子どもたちのトラブルを未然に防止するというすばらしい取り組みが行われていると感じております。
 しかし、学校非公式サイトの被害はどの学校でも起こり得ると考えております。被害が報告されていない学校も含め、各学校へはどのような指導を行ってきたのかお伺いいたします。

〇高野指導部長

 インターネットや携帯サイトの有害情報が児童生徒を取り巻く中、児童生徒が被害者にも加害者にもなることなく安全に生活をするための能力を身につけることは重要でございます。
 しかしながら、都教育委員会が平成二十年七月に実施いたしましたインターネット、携帯電話利用に関する実態調査の結果によりますと、トラブルを経験した都内公立学校の児童生徒の割合は五人に一人に達するなど極めて深刻なことから、平成二十年十月、児童生徒、保護者、教員、さらには関係業者それぞれに対しまして、携帯電話利用等にかかわる東京都教育委員会としてのアピールを発出したところでございます。
 また、都内公立学校のすべての学級でネット被害防止の指導を行うことやネット被害に対する担当者を校内に配置することを目的に指導資料集を作成、配布するとともに、児童生徒が被害者にも加害者にもならないために教員を対象とした具体的な指導事例集を作成いたしまして、都内すべての公立学校に配布したところでございます。
 さらに、これまでの学校非公式サイト等の監視結果によると、児童生徒による自分や他人の個人情報の不用意な公開が全体の約六割を占めるなど、トラブルに巻き込まれやすい状況があることから、昨年十一月には各学校で適切に指導するよう通知し、注意喚起をしたところでございます。

◯野上委員

 学校への取り組みはよくわかりました。児童生徒が加害者にも被害者にもならないためには学校だけの取り組みではなく、家庭や地域社会との連携を図るとともに、学校非公式サイト等の監視の取り組みを継続して行うべきと考えております。都教育委員会の所見をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 児童生徒をインターネットや携帯サイトの有害情報から守るためには、学校の取り組みだけではなく、家庭、地域社会が連携して取り組みを進めることが重要でございます。
 都教育委員会は、平成二十二年三月には監視結果を踏まえたリーフレットを作成、配布し、困ったときの相談窓口の紹介や携帯電話の利用にかかわる家庭でのルールづくりについて、これを児童生徒とともに保護者への啓発を行ったところでございます。
 特に家庭でのルールづくりにつきましては、東京都青少年・治安対策本部と連携いたしまして、保護者がルールづくりのコツを学ぶ、ファミリeルール講座につきまして、区市町村教育委員会へ紹介するなど、その周知を図っているところでございます。
 ネット監視が不適切な書き込みの未然防止や誹謗中傷によるいじめの解消など、事件、事故から児童生徒を守る取り組みとして効果があることを踏まえまして、今後とも都教育委員会といたしましては、引き続き学校非公式サイト等の監視を行うなど、有害情報から子どもを守るための取り組みを一層充実してまいります。

◯野上委員

 ぜひ、他の局とも連携を図りながら継続していっていただければと思っております。
 次に、スクールカウンセラーの充実について質問いたします。
 スクールカウンセラーは学校の教員との連携体制を確立し、不登校児童生徒の学校復帰率の向上やいじめの未然防止とその解消などに大きな効果を上げていると聞いております。
 スクールカウンセラー活用事業は、当初、国の負担率一〇〇%の委託事業としてスタートいたしましたが、途中から補助事業へ、しかも国の負担率が二分の一から三分の一へ下がるなど、徐々に国が地方に負担を強いる中で行われていると伺っております。
 こうした状況の中でも、都は全国に先駆けて公立中学校の全校配置を実現するなど、その充実に着実に取り組んできていると認識しております。
 児童生徒の問題行動の未然防止には、少しでも早い段階から心理的なケアをすることが必要であると思います。既に配置が始まっていると思っていますが、公立小学校への配置状況について都教委の見解をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 都教育委員会では、児童生徒の臨床心理に関しまして、高度に専門的な知識、経験を有する臨床心理士をスクールカウンセラーとして学校に配置いたしまして、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図り、いじめや不登校等の児童生徒の問題行動の未然防止や解消を図っているところでございます。
 スクールカウンセラーの配置は、平成七年度から平成十二年度までは国の委託事業、平成十三年度からは補助事業として実施しているところでございます。また、平成十五年度からは都内全公立中学校に配置しているところでございます。
 お話しの公立小学校へのスクールカウンセラーの配置は、平成二十年度に九十二校、平成二十一年度と平成二十二年度は百三十二校となってございます。

◯野上委員

 今後、小学校への配置の拡大を図るべきと考えておりますが、都教委の見解をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 これまでスクールカウンセラーの配置につきましては、平成二十年度から小学校への配置の拡大を図ってきておりまして、配置校からは配慮の必要な児童への対応ができるようになった、スクールカウンセラーからの助言等により教員の教育相談技術が向上した、あるいはまた、保護者への対応が充実し、学校に対する信頼感が高まったなどの報告がございまして、スクールカウンセラーの配置は学校内の教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価しているところでございます。
 お話しの小学校へのスクールカウンセラーの配置拡大につきましては、現在、国は平成二十三年度予算概算要求におきまして、拡大する方向で検討していると伺っております。
 都教育委員会といたしましては、こうした国の動向を注視しつつ、充実に向けて検討してまいります。

◯野上委員

 ぜひ国の方でもしっかりと拡大を図っていただきたいと思っております。
 次に、栄養教諭と食育リーダーについて質問をさせていただきます。
 多分、これ、平成十六年の第三回定例会だったと思います。議場で初めて食育について提案をさせていただきました。そのとき、石原知事が、僕、食育なる言葉を生まれて初めて聞きましたという答弁がありまして、しっかりと食育を推進してまいりますという力強い言葉もいただきました。
 その後、平成十八年の第二回の一般質問で食育リーダーについて提案させていただきました。これは校長のリーダーシップのもと、学校栄養職員、それから養護教員等を含めてすべての関係する教職員が連携して、協力して食育推進の中核となる食育リーダーをしっかりと各校一人配置するべきだということを提案させていただきました。
 その裏にあるのは何かというと、本来ならば栄養教諭を全校に配置していただきたいということがあったんですが、予算的な措置もあって、学校栄養教諭も全校に配置されていないという裏事情もありまして、それはなかなか厳しいので、各学校でたった一人でいいから、そういう食育を推進していく食育リーダーを配置して、その人を中心として食育を推進していくべきだということを述べました。
 そのときは中村教育長だったんですけれども、七月を目途にして推進してまいりますという答弁をいただきまして、その年に大体食育リーダーが決まりまして、その翌年からいよいよ本格的実施をされたと伺っております。
 栄養教諭に任命するための手続について、先ほどちょっと答弁がありましたので、これは割愛をさせていただきます。今、東京都における栄養教諭の数は二十七名ということも先ほど出ましたので、これも割愛させていただきます。
 最後に、都は栄養教諭の配置に先立って、各学校に食育リーダーを設置しておりますけれども、栄養教諭は食育リーダーをどのように活用して、その地区の食育を推進しているのかお聞きいたします。

〇松山地域教育支援部長

 都教育委員会は、平成十九年度から都内公立小中学校に食育リーダーを設置してきておりまして、設置率は小学校九八%、中学校九六%となっております。
 栄養教諭は、食育と関連づけた環境問題や保健等の公開授業、地場産物マップやレシピ集の配布などにより、地区の各学校の食育リーダーを支援し、食育リーダーはこうした事例を参考にして、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、給食で残ったご飯をおにぎりにすることで残菜を減らし、環境問題を考えさせる取り組みや朝食の重要性を学ぶ授業、地場産物を活用した親子料理教室の開催等により、食への感謝の念の醸成や望ましい生活習慣の確立等に努めております。

◯野上委員

 余り時間がありませんので、この食育を推進することが将来的には大きく医療費の削減につながることを申し述べておきます。
 次に、子どもの体力向上策について質問させていただきます。
 文部科学省が実施した全国の小学校五年生と中学校二年生、約二百四十人全員を対象にした体力・運動能力調査では、子どもの体力、運動能力は昭和六十年以降年々低下していると。一方、身長、体重などの子どもの体格については親の世代を上回っている。
 このように、体格が向上しているにもかかわらず、体力、あるいは運動能力が低下していることは、身体能力の低下が深刻な状況であることを示していると思います。子どもの体力の低下は、将来的に国民全体の体力低下にもつながり、生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こすことが懸念されます。
 特に、東京都の児童生徒の体力の面では、中学校二年生の男子が四十七都道府県の中で四十六番目と全国でも下位に甘んじています。これは室内ゲーム時間の増加による外遊びの減少とか塾通いによる運動する時間が足りないとか、運動禁止の公園の増加とか、さまざまな運動不足の原因が考えられますが、子どもの体力増強について手をこまねいているわけにはいかないと思っております。
 そこで、東京都の児童生徒の体力向上策について、二点についてお伺いいたします。
 まず第一に、東京都は体力向上東京大作戦として、一日当たり一万五千歩を歩く、一日六十分のスポーツをすると掲げております。運動量やスポーツする時間の目標を掲げております。自分で目標を決めて、記録等をとりながら楽しく運動する習慣を推進していくべきと考えます。所見を伺います。

〇高野指導部長

 児童生徒の体力を向上させていくためには、すべての学校で児童生徒の体力の把握に努め、その結果の評価、分析に基づきまして、休み時間の過ごし方や体育授業、学校行事を工夫するなどの取り組みを推進することが大切でございます。
 このため都教育委員会は、平成二十年度から小中高校、特別支援学校にスポーツ教育推進校の指定を開始いたしまして、今年度は合計三百校を指定しているところでございます。
 その結果、各学校が児童生徒の現状を踏まえまして、例えば声を出して持久走を行うことや昼休みに縄跳びに取り組むことなど、児童生徒が目標を持って体を動かすことが体力向上に効果があるという成果を得たところでございます。
 今後、都教育委員会は、スポーツ教育推進校の取り組みの成果を踏まえまして、児童生徒の個々の実態や学校の現状、課題に基づき、児童生徒自身が具体的な目標を達成していくための実効性のある一校一取り組み運動を都内すべての公立学校において推進していくとともに、すぐれた取り組みを行った学校を顕彰してまいります。

◯野上委員

 ぜひ推進を図っていただきたいと思います。
 要望事項なんですけれども、例えば自分の体力がどのように変化したかとか、どれぐらい歩いたとか、運動をどれぐらいやったとか、そういう記録用紙等を作成する工夫とかが必要ではないかと思っております。
 例えばインターネット上で、私もダイエットに励んで、記録をとる用紙とかをいつも張っているんですけれども、要するにインターネットで自分の運動量を記録できるような、そういう様式をつくっていただいて自分でとっていく、そういうのもいいんじゃないかなと思って要望しておきます。
 それから二点目なんですけれども、保護者や児童生徒を含めて、社会全体で子どもの体力低下の現状を正しく理解して、体力を向上させなければならないという意識を高めるような普及啓発活動を行うことが重要であると考えております。これも所見をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 東京都の児童生徒の体力は、全国平均よりもはるかに低いという憂慮すべき状況に陥ってございます。
 児童生徒の体力低下の原因には、時間、空間、仲間の減少によりまして、運動量が少なくなったことや人々の意識が低下してきたことにあると分析しているところでございます。
 こうしたことから、都教育委員会は子どもの体力低下に歯どめをかけていくために都民一人一人が体力の意義を理解し、児童生徒にとっては、進んで体を動かし、スポーツ等により体を鍛えることが必要である、こういった認識をだれもが持つことが重要であると認識してございます。
 このため具体的には、社会全体に働きかける取り組みといたしまして、今年度から十月を東京都体力向上努力月間と定めまして、地域におけるスポーツ行事との関連を図りながら学校における取り組みを一層強化するとともに、都民の日における教育実践発表会では、運動習慣等の確立を目指してシンポジウムを開催したところでございます。
 今後は、十一月六日は東京都教育の日、記念事業の日でございますが、その記念事業でのトップアスリートを招いた講演会や主に小中学生を対象とした体力測定会の開催などを通しまして、広く都民に対し、児童生徒の体力向上の必要感の醸成に努めてまいりますとともに、中学生東京駅伝大会開催等のキャンペーンを引き続き行うことによりまして、体力向上に向けた普及啓発活動をより積極的に行ってまいります。

◯野上委員

 東京都の児童生徒の体力向上のためにしっかりと頑張っていただきたいと思っております。
 最後になりますが、教育現場における脳脊髄液減少症の対策について述べさせていただきます。
 脳脊髄液減少症は、これも本会議の中でいわせていただいたことがあるんですけれども、これはどういうものかというと、交通事故によるむち打ちとか、あるいはでんぐり返しとか、頭の上に何か物が落ちたとかいろいろな事情、出産のときのいきみというんですかね、それもぷちっと切れる原因になるそうなんですけれども、頭部とか全身の強い衝撃によって、脳の脊髄液が漏れ続ける病気というんですかね、症状をいうんですね。
 ずっと脊髄液が漏れ続けるために、頭痛とか、首とか背中が痛んだり、腰が痛んだり、しびれとか、目まいとか、吐き気とか、思考が低下したり、うつ症状、それから寝られない、睡眠障害、それから倦怠感、いろいろな症状が出てくる、これが脳脊髄液減少症というものなんですね。
 その治療法としては、ブラッドパッチという療法があって、ブラッドというのは血液というブラッドですね。自分の血液を漏れているところに注射して、血液が固まるという性質で漏れを防いでいくという、それがブラッドパッチ療法という唯一の治療法なんですけれども、初期段階で、例えば子どもたちが頭が痛いとか何かいろいろな症状が出たときに、水分補給をして、横になっていると重症化が防げるんですけれども、特にそういう脳脊髄液減少症に対する意識のない教育現場では、子どもたちが怠けているとか何か、要するに起立性障害とか自律神経失調症のような状況と同じようなことなので、怠け者みたいないわれ方をして、二次災害ができているという現象があるんですね。
 起き上がると髄液が下がるために頭がすごく痛くなるんで、寝ると髄液が下に下がるので、何かちょっと頭が痛いのがとれてしまうという。ただ、寝ているときに楽で起きたら頭が痛くなるというのがその症状を見きわめるポイントみたいになっているんですけれども、不登校の子どもたちの中にも、この脳脊髄液減少症の子どもたちが多数存在するのではないかと思っております。
 それで、この前、教育長にも要望書を提出された団体があるんですけれども、文部科学省の方から事務連絡が出されまして、教育現場の中で脳脊髄液減少症がどういう病気なのかみんなに知っていただきたいということで、事務連絡の通知が各学校に行ったんですけれども、なかなかそれを現場の教師がしっかりと理解をして、頭の中にインプットされていないというか、一応職員会議等でそういう文書はいわれたんだと思うんですけれども、なかなか意識の中に定着していないということが挙げられたと思うんですね。
 ですから、この脳脊髄液減少症に関するセミナーとかそういった説明会等を現場の先生とか養護教諭、管理職の方も知っていた方がいいと思うんですけれども、そういう方を対象とした研修会とかを実施することはいかがでしょうか。

〇松山地域教育支援部長

 脳脊髄液減少症と呼ばれる疾患につきましては、疾患定義や診断方法、治療法などに関して現時点では専門家の間でも意見の統一がなされておりませんことから、厚生労働省の補助事業により大学の専門家等から成る研究班において、平成二十四年度までの期間で調査研究が行われており、医学的に解明が進められている段階でございます。
 この疾患の学校関係者への理解啓発につきましては、平成十九年五月三十一日付で文部科学省から学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についての事務連絡があり、都教育委員会は、同年六月八日付で都立学校長及び各区市町村教育委員会に対し、周知を図るための通知を発出いたしました。
 今後、この文部科学省事務連絡に基づき、教職員が連携して適切な対応が行われるよう、養護教諭研修会等のさまざまな場をとらえて周知、理解啓発に努めてまいります。

◯野上委員

 最後ですけれども、不登校の子どもたちの中にも、この脳脊髄液減少症ではないかなと思える子が必ずいると思うんですけれども、そういう長期欠席者に対して支援というのは考えられるんでしょうか。

〇高野指導部長

 教員は一人一人の児童生徒の出席状況を常に把握するとともに、欠席した児童生徒に対しましては、学習面や生活面についてきめ細かく適切に対応する必要があると考えてございます。
 現在、学校等において疾病等を理由に長期にわたり欠席している児童生徒に対しましては、保護者との連携を密に行うとともに、医師による診断や病状の経過等を踏まえ、児童生徒の状況に応じた適切な有効な対策を講じておるところでございまして、今後とも引き続き適切に対応するよう学校を指導してまいります。

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