平成22年文教委員会(2011年3月1日)児童生徒の健全育成について等

平成23年文教委員会(2011年3月1日)


児童生徒の健全育成の充実

〇野上委員

 最初に、児童生徒の健全育成の充実について質問させていただきます。
 ますます陰湿に変化していく傾向のあるいじめの問題とか、それから不登校、児童生徒の問題行動に対しては、学校が組織的に解決を図るとともに、必要に応じて外部人材の協力を得ることが重要であると考えております。
 その観点から、児童生徒の健全育成における外部人材の活用という視点から、何点か質問させていただきます。
 まず最初に、スクールカウンセラーでございますが、十六億九千三百八十万三千円という予算配分が今回なされておりますが、このスクールカウンセラーは、臨床心理の専門家として、不登校やいじめ、そして暴力行為などの児童生徒の問題行動の未然防止とその解消を図るため、各学校に配置をされております。
 平成二十二年十一月二日の文教委員会におきましても、スクールカウンセラーの配置の成果についてお伺いいたしました。指導部長からは、配慮の必要な児童生徒への対応ができ問題解決につながった、保護者への対応が充実し、学校に対する信頼感が高まったなどの報告があり、スクールカウンセラーの配置は、学校内の相談、教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価している。また、配置校の拡大については、今後、国の動向を注視しつつ、配置校の拡大を検討しているというご答弁をいただきました。
 都議会公明党としては、このスクールカウンセラーの重要性を深く認識し、毎年その配置の拡充について要望してまいりました。
 都の、平成二十三年度のスクールカウンセラーの配置の拡大状況について、まず最初にお伺いいたします。

〇高野指導部長

 これまでスクールカウンセラーの配置につきましては、お話しのように平成十五年に全公立中学校に配置したのを初めまして、小学校及び都立高校への配置の拡大を図ってきております。
 平成二十三年度につきましては、全公立中学校への配置を継続するとともに、小学校については現在の百三十二校から三百二十七校へ、高等学校についても六十校から百校へとそれぞれ配置を拡大いたします。
 今後とも、各学校の教育相談体制を一層充実させ、児童生徒の健全育成を推進してまいります。

〇野上委員

 拡大をされるということです。
 また、近年の児童生徒の問題行動は、複雑化、深刻化しており、関係機関等と連携した対応が必要なケースがふえてまいりました。特に、児童虐待が疑われるケースを中心といたしまして、教育分野のみならず福祉的な視点からの支援が欠かせない状況も見られます。
 これらに対応する人材としては、現在、スクールソーシャルワーカーという人材がおります。これにも予算規模で、三九ページにありますけれども、四千百八十五万円が配当されております。
 平成二十二年都議会第四定例会において、我が党の東村議員の代表質問で、スクールソーシャルワーカーの配置の成果について、教育長からご答弁がありました。これは、中身は学校と関係機関等との連携の中で、児童虐待や児童生徒の問題行動の未然防止、早期発見、早期対応が図られ、また、保護者や教職員に対する支援、相談、情報提供により組織的な対応につながったなど、児童生徒の健全育成の上の課題解決に成果を上げていると答えられております。
 これまでも学校では、教員が中心となり、家庭や地域、関係機関等との連携を強化する中で、児童生徒への問題行動への対応を行っておりますが、今後はこのスクールソーシャルワーカーの果たす役割の重要性がますます高まっていくことが予想されます。その一層の拡充が求められます。
 平成二十三年度のスクールソーシャルワーカーの配置についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 国が定めましたスクールソーシャルワーカー活用事業は、その趣旨を踏まえまして、本事業実施開始の平成二十年度は十六区市、平成二十一年度は十五区市、平成二十二年度は二十四区市町で取り組んできております。
 このスクールソーシャルワーカー活用事業につきましては、お話しのような成果がございまして、また区市町村からの配置拡大の要望等が強いことから、平成二十三年度は三十地区へ配置を拡大してまいります。
 また、これまでの配置の成果をリーフレットにまとめまして、本年四月には生活指導担当指導主事連絡会で配布するなど、区市町村教育委員会と連携を強化する中で、今後とも児童生徒の問題行動の解消と、その未然防止に向けた取り組みの充実を図ってまいります。

〇野上委員

 三十地区に拡大するということと、成果をリーフレットにまとめて指導主事に配布をしていくということですね。
 児童生徒の問題行動への対応については、学校だけでは解決されない事例も多くて、スクールカウンセラー、またスクールソーシャルワーカーなどの人材に加え、より広範な関係機関との連携が必要な場合も多いです。
 現在、学校ではいじめや暴力行為など、児童生徒の問題行動の未然防止や早期解決を図るために、警察や児童相談所、福祉関係部署の職員などの協力を得て、学校サポートチームを設置し、組織的な対応の強化に取り組んでいると聞いております。この学校サポートチームの設置目的と現状についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 学校サポートチームは、児童生徒の問題行動への対処や対応や未然防止を図るため、学校、家庭、地域、関係機関が迅速かつ適切に連携協力できるよう、学校の校務分掌に位置づけた組織でございます。
 お話しのように、その構成員は管理職を含めた教職員、警察、児童相談所、福祉関係部署の職員、民生児童委員、保護司などでございます。
 この学校サポートチームでは、児童生徒の問題行動の内容や程度に応じた解決方法について学校において協議をいたしまして、解決に向けた具体的な対応につなげるほか、定期的に健全育成上の課題についての協議を行ってございます。
 現在、学校サポートチームは、都内すべての公立中学校と約七

〇%の公立小学校に設置されているところでございます。

〇野上委員

 この学校サポートチームという取り組みにより、学校からの指導に加えて、さまざまな専門的な立場からの支援が行われることによって、児童生徒の問題行動の解決に大きな役割を果たしていくのではないかと思っております。
 学校サポートチームの成果というんですかね、今後の予定について具体的にお伺いいたします。

〇高野指導部長

 学校サポートチームを設置いたしました小中学校からは、学校の教職員からの指導だけではなく、保護司や民生児童委員を初めとする関係機関の職員と連携した対応が行われたことから、多様な解決策の提示や具体的な支援が行われ、児童生徒の問題行動の解決に向けて効果が出ているという報告を受けているところでございます。
 都教育委員会といたしましては、児童生徒の問題行動へはなるべく早い段階で対応することが問題の未然防止及び早期解決につながることになりますことから、区市町村教育委員会とも連携を図りまして、今年度中に全公立小学校千三百十一校に学校サポートチームを設置してまいります。

〇野上委員

 中学校のみでなく、全公立小学校にも学校サポートチームが設置をされることになります。
 このように最近の学校では、さまざまな人材の協力を得て、児童生徒や保護者からの相談に応じ、問題解決に当たる体制が整いつつあると思います。
 しかし、児童生徒の健全育成を図る上で大きな役割を担うのは保護者であるということはいうまでもありません。最近の児童生徒の問題行動の背景に、残念ながら保護者の子育てに対する関心の薄さが影響していると思われるケースもあります。
 こうしたことから、都教育委員会では、平成二十三年度から新たに保護者支援に焦点を当てた学校と家庭の連携推進事業を実施すると聞いております。学校と家庭の連携推進事業に取り組む背景と目的についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 児童生徒の健全育成を図るためには、課題を抱えた児童生徒への対応だけではなく、その保護者への支援を行うことが重要であると認識してございます。これまで都教育委員会は、お話しのように平成七年度からスクールカウンセラーの配置を開始いたしまして、平成二十年度からはスクールソーシャルワーカーの配置や健全育成学校支援の派遣を行うなど、学校における健全育成の取り組みを支援してまいりましたが、これらの取り組みを通しまして、学校から保護者への直接の支援がないと問題解決につながらないことが多い、こういったことが明らかとなりました。
 このため、都教育委員会は、保護者への支援を強化することを目的といたしまして、平成二十三年度から新たに学校から家庭に出向いて支援を行います学校と家庭の連携推進事業を実施してまいります。

〇野上委員

 児童生徒の健全育成を図るために保護者支援にも取り組むということは、これまでにない画期的な取り組みであると思います。本事業には、学校、家庭、地域の中で児童生徒の健全育成が図られることが期待できると感じております。学校と家庭の連携推進事業の具体的な内容についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 学校と家庭の連携推進事業では、学校に家庭と子どもの支援員として配置された退職教員、保護司、民生児童委員や心理学系大学生等が教員とともに家庭訪問などを行いまして、保護者に対して子どもが抱える課題について明らかにするとともに、その解決に向けた助言を行います。
 さらに、相談にも積極的に応じまして、保護者の不安や悩みを解消することで、子どもの健全育成を図ってまいりたいと考えております。
 また、対応が困難なケースにつきましては、学校が精神科医や臨床心理士などの専門家をスーパーバイザーとして活用できるような仕組みとしてございます。
 平成二十三年度は、こうした家庭と子どもの支援員やスーパーバイザーを小学校五十校、中学校百校に配置いたします。
 家庭と子どもの支援につきましては、一校当たり週三回、一日四時間、年間三十週の配置を予定してございまして、スーパーバイザーにつきましては年間三回、一回二時間を予定しているところでございます。

〇野上委員

 こうしたさまざまな取り組みで、一人でも多くの子どもたちが健全育成に寄与していただければと思っております。

メンタルヘルス対策
 次に、メンタルヘルス対策についてお伺いいたします。
 メンタルヘルスに対しましては、教員の精神疾患による休職者の増加の問題があります。資料にも入れていただいたと思いますが、平成二十一年度に精神疾患で休職した教員は全国で五千四百五十八人に上り、文部科学省では長時間労働や保護者からの要望の多様化など、複数の要因が絡み合っていると推測しております。
 東京都でも、平成二十年度は五百四十人、二十一年度でも五百三十二人が精神疾患で休職しており、全教員に占める割合は、残念なことですが、全国でもワースト三位となっております。
 先生方は多忙で、自分のことは後回しにする傾向にあり、治療のために病院に行くのではなく、出勤できなくなったので、休暇取得に必要な診断書をもらうために病院に行くというような手おくれ受診というべき事態が生じております。いきなりあすから担任の先生が来なくなるということで、児童生徒に及ぼす影響ははかり知れません。
 先生方が、メンタル不調を早い時期に自覚するきっかけをつくることが極めて重要なメンタル対策と思います。昨年十一月の文教委員会で、八月から試行していますというストレス検査について質問しましたけれども、来年度本格実施するということなので、改めて伺いたいと思います。
 都教育委員会では、ストレス検査を定期健康診断にあわせて実施すると聞きましたが、定期健康診断とストレス検査の違いについてお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 定期健康診断は、学校保健安全法及び労働安全衛生法に基づき、教職員の健康の保持増進を図ることを目的として、学校設置者たる教育委員会等が義務として設置するもので、血圧や血液検査の数値などから、医師が治療等を指示することがございます。
 一方、ストレス検査は、ご指摘のように都の公立学校教員の精神疾患を理由とする求職者の急増が、学校経営のみならず児童生徒の生活にも極めて大きな影響を及ぼすことから、法的整備を待つことなく、都教育委員会が独自にかつ全国に先駆けて実施するものでございます。
 ストレスの程度をはかり、相談などの催告を行うことによって、ストレス不調をみずからが早期に自覚することを促し、手おくれ受診の防止に相当の効果があるものと考えております。

〇野上委員

 昨年、当時の長妻厚生労働大臣が法改正を視野に入れてストレス検査を実施すると発表しましたけれども、個人情報の管理に課題があるという理由で、今、とんざしております。
 ストレス検査は、個人の情報の厳格な管理が極めて重要であると考えます。この実施方法についてお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 ストレス検査には、極めて高いプライバシーの保護が求められることから、信頼される検査とするには、個人情報の厳格な管理が重要でございます。
 具体的には、ストレス問診票の記載時におきまして、他人の目に触れないように独立した記載スペースを整備したり、提出時にみずから封をして記載された問診票の機密性を確保するなどの注意を払うこととしております。
 また、検査の委託業者につきましても、個人情報の適正な管理に留意した契約を交わすとともに、実際の検査、解析行為に対しても指導を行うこととしています。
 さらに、結果の通知は本人のみに行い、校長には全体傾向の連絡にとどめるなど、個人情報の管理に万全を期してまいります。

〇野上委員

 あくまでも結果の報告は個人のみということで確認をさせていただきたいと思います。
 ストレス検査を通じて、教員のメンタル不調を早期に自覚させて、カウンセリングや受診につなげていくという取り組みを確実に進めていただきたいと思っております。
 現在、学校現場は新規採用者がふえ、若い先生たちが多くなっております。三十代、四十代などの学校の中心となる人たちが、管理職に魅力を感じないという声を聞きます。校長や副校長の忙しさ、責任の重さ、孤立感などを目の当たりにして、管理職を目指すことをやめてしまう。これは教育現場にとって大きな損失ではないでしょうか。
 管理職が生き生きと働き、その姿を自分の将来に重ねたくなるような魅力ある職にする必要があります。特に副校長については、多忙対策として業務内容の見直しは予算特別委員会の質疑でもありましたが、精神面での支援も必要なことと考えます。
 来年度の予算における新規事業の一つとして、副校長ベーシックプログラムがメンタルヘルスに位置づけられておりますけれども、この内容についてお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 副校長ベーシックプログラムは、昇任した副校長全員を対象に実施するものでございまして、カウンセリング、健康相談及び研修を組み合わせ、総合的な人材育成の機会として二日間にわたり実施することとしております。
 特にカウンセリングの実施は、一人一人にその実体験を通してメンタルヘルス管理の必要性を認識させ、本人のセルフケアのみならず、ラインケアにも貢献するものと考え、ベーシックプログラムの重要な要素と位置づけております。
 なお、研修におきましては、副校長の業務遂行上の諸課題について意見交換も行いますので、同じ職にある者同士の交流を通して、連帯感の醸成にもつながるものと期待しております。

〇野上委員

 昇任する予定の副校長全員がこの研修を受けるということで、大変多忙な副校長が二日間学校をあけるというのは大変なことではないかと心配をしております。
 具体的に、取り組む時期とかの工夫とかが必要ではないかと思いますが、これから取り組む状況についてお伺いいたします。

〇谷島福利厚生部長

 副校長は学校経営のかなめでございまして、学期中の校務は極めて多忙なことは十分に承知しております。そこで、原則としまして夏季休業中に実施するなど、参加しやすい環境の整備とともに、関係者との調整を図りながら実施することとしております。
 また、このベーシックプログラムにつきましては、区市町村教育委員会や学校長等の協力や支援も必要なために、既に事業の説明を行いまして、理解を得ているところでございます。

〇野上委員

 この質問の最後でございますが、今年度のリワークプラザ東京の開設も含めて、全国に先駆けてこの二年間に数々のメンタル対策を強力に推進されてきたことは大いに評価いたします。
 最後に、大原教育長にメンタルヘルスに関しての決意を伺い、メンタルヘルスに関しての質問を終了したいと思います。

〇大原教育長

 教員が心の病によって教壇に立てなくなるということは、教えることを無上の喜びとする教員自身にとっても、あるいは子どもにとっても、保護者にとっても、本当に不幸なことであると思います。そのために、教職員のメンタルヘルス対策というのは、本当に重要な事項であるというふうに認識をしております。
 都教育委員会では、今年度からメンタルヘルス対策を主要施策として位置づけまして、ただいまご指摘をいただきました数々のメンタルヘルス対策を積極的に実施しております。
 しかし、これはまだ小さな一歩を踏み出したにすぎないというふうに認識をしておりまして、メンタル不調に対する原因の把握、あるいは分析、職場環境の整備など、私たちがこれからまだまだ克服しなければならない課題は山積していると思っております。
 今後とも、早期自覚、早期対処の方針のもとに、とにかくならないように、なってしまったら確実に復職できるように教員を応援して、メンタルヘルス対策を積極的に推進していきたいと思っております。

〇野上委員

 ぜひよろしくお願いいたします。

特別支援教育
次に、特別支援教育について質問をいたします。
教育委員会は、昨年十一月に特別支援教育推進計画第三次実施計画を策定し、公表いたしましたが、実施計画の初年度である平成二十三年度には、具体的にどのような取り組みを行うのかとか、都民にとっても保護者ってもとても関心が高いものと考えております。
 第三次実施計画の理念は、この表紙にもありますが、すべての学校における特別支援教育の推進を目指すことにあると思っております。特に、小中学校における発達障害の児童生徒に対しては、多くの先生方も保護者も支援の必要性を認めるようになり、早期発見や早期対応も進んでまいりました。
 そのことはとてもよいことでございますけれども、情緒障害等の通級指導学級には毎年通う子どもたちがふえ、平成十六年度は千八百三十一人であったのに対し、平成二十一年度は四千六百四十七人、平成二十七年度の推計値は八千人を超えるというものになっております。
 こうした状況の中で、第三次実施計画の七七ページには、情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発を行うと書かれておりますが、まず初めに、通常の学級に在籍している発達障害の児童生徒の多くが利用しております情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発に関する具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 情緒障害等通級指導学級は、全都で小学校百六十二校、中学校七十三校に設置されておりまして、発達障害の児童生徒に対して、人とのかかわり方やコミュニケーションの力を伸ばす指導を行い、児童生徒の行動面での改善を図っているところでございます。
 一方で、発達障害の児童生徒の中には、文章の読み書きや計算のつまずきなど、学習上の困難が見られる場合もございまして、こうした児童生徒に対する指導内容や方法の改善、充実が課題となっておるところでございます。
 そのため、都教育委員会は、平成二十三年度から二つのモデル地域を区市町村の中から指定いたしまして、情緒障害等通級指導学級において、学習上の困難さを克服するための指導や発達障害に配慮した教科指導に関する研究を行いまして、今後設置を進めてまいります予定の特別支援教室における指導に生かしていきたいと考えております。

〇野上委員

 東京都教育委員会として、情緒障害等通級指導学級が必要な数だけ確保されるよう、教育環境の整備充実に力を入れていただくことはもちろんのことですが、子どもたちのために質の高い教育が行われるよう、情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発にも力を注いでいただくよう要望いたします。
 第三次実施計画では、自閉症のような発達障害の児童生徒の中には、通級指導学級の指導時間が週八時間までとされているために、学習や生活上の困難を改善するのが難しい児童生徒がいると書かれております。そして、そうした児童生徒が、やむを得ず知的障害特別支援学級に入級している場合があるといった課題も浮き彫りになっています。
 私も地元の特別支援学級を見学する機会がございますが、一人一人の子どもたちの実態も実にさまざまで、対応する先生方も対応に苦慮されている場面を拝見いたします。先日も授業参観がございまして、ほかの教室に行くことなく、ずっとその学級に張りついておりましたけれども、本当に先生たちが大変だなという、子どもたちがあっちに行ったりこっちに行ったりして大変だなということを感じました。
 三次計画では、区市町村における新たな特別支援教育推進体制を整備して、その中で自閉症情緒障害学級を計画的に配置することとされております。こうした学級が今後ふえていくことはとても喜ばしいことでございます。
 七六ページには、改善の方向及び計画として、自閉症情緒障害学級の教育課程の研究開発が来年度から始まるとされております。
 そこで、自閉症情緒障害学級の教育課程の研究開発に関する具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 自閉症情緒障害学級は、通級指導学級では十分な効果が上がらない自閉症等の児童生徒を対象とした固定式の学級でございまして、現在全都で小学校十五校、中学校十一校に設置されているところでございます。
 近年、自閉症の障害特性に応じた指導の必要性が明らかになったことから、自閉症情緒障害学級においても、より自閉症の障害特性に応じた教科学習等の開発が課題となってきております。
 そこで、都教育委員会は、平成二十三年度から自閉症情緒障害学級を既に設置している区市町村から二つの地区をモデル地域に指定いたしまして、自閉症情緒障害学級における教育課程について研究開発を行いまして、その成果を区市町村教育委員会に周知し、自閉症情緒障害学級の教育の充実を図ってまいります。

〇野上委員

 自閉症情緒障害学級を計画的に設置するためには、指導内容を明確にして、東京都全体で同じような教育が実施できるようにすることが大切ですので、ぜひとも都教育委員会の責任において、研究の成果を確実に区市町村に還元するようお願いいたします。
 続いて、区市町村における特別支援教育体制整備への支援として、三次計画の七八ページには、個別の支援、教育支援計画の平成二十一年度の作成率が書かれておりますが、個別の教育支援計画の作成率は、個別指導計画に比べるとまだまだ低い数値になっております。
 個別の教育支援計画は、進級とか進学の際に支援を引き継ぐ大切なものであると思いますが、学校現場ではまだまだ取り組みが難しい状況があるということです。それには、支援が必要な子どもたちに、個別の教育支援計画の作成が行き届くよう、都教育委員会としても小中学校に対する支援を強化すべきであると考えます。
 そこで、小中学校における個別の教育支援計画の作成に関して、都教育委員会は今までどのように支援してきたのか、またその作成状況と今後の取り組み内容についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 平成二十年三月告示の小中学校学習指導要領におきまして、障害のある児童生徒などについては、個別の教育支援計画を作成する必要性が示されました。
 これに先立ちまして、東京都教育委員会は、平成十九年三月に個別の教育支援計画の作成と活用の手引を都内公立小中学校に配布いたしまして、発達障害等の児童生徒にとって、個別の教育支援計画を作成する重要性につきまして、区市町村教育委員会と連携して指導してまいりました。
 また、平成二十一年度からは、小中学校の全教員に指導資料を配布するとともに、小中学校の教員を対象とした講習会を開催することなどによりまして作成率は年々上昇いたしまして、平成二十二年度は小学校が五九%、中学校が四九%となってございます。
 今後とも、こうした取り組みを引き続き実施するとともに、平成二十三年度からは、個別の教育支援計画に基づく支援の充実に関する検討委員会、これを設置いたしまして、これまでの課題を踏まえ、個別の教育支援計画に記載すべき内容や、上級学校への引き継ぎのあり方等についての検証と研究を行いまして、小中学校における個別の教育支援計画の作成や活用を支援してまいります。

〇野上委員

 障害のある方々の作品が展示されている美術展には毎年行っているんですけれども、そこに展示されている作品は大変すばらしいものがたくさんございます。色使いとか絵柄というんですかね、なかなか表現できないところがすばらしく、見学をしながらいつも感動しているところでございます。
 平成二十年度に都教育委員会の指定を受けて、芸術教育を推進するということで、特別支援学校において芸術教育を推進していくということはとても大事なことだと考えておりますが、第三次計画の四九ページにおいても、都立特別支援学校における芸術教育の推進を図る事業が記載されております。
 そこで、都立特別支援学校における芸術教育の実績と、今後の具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

〇高野指導部長

 特別支援学校には、芸術分野にすぐれた才能を有する児童生徒も少なくないことから、都教育委員会は、平成二十年度から二年間、文部科学省の発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業の指定を受けまして、知的障害特別支援学校に対しまして、東京芸術大学などの大学院の学生を派遣し、美術の指導の充実を図ってまいりました。
 指定校では、美術担当教員が学生とともに授業や放課後の部活動などで専門的な美術指導を実施いたしまして、その結果、生徒の筆の使い方、あるいは色使い等が上達するなど、美術への技能や興味、関心に高まりが見えたところでございます。
 都教育委員会では、こうした事業の継続が必要であると考えまして、平成二十三年度からは、都独自の事業といたしまして、都立特別支援学校三校において、芸術教育の推進に関する事業を実施いたしまして、障害のある児童生徒の表現能力の向上に努めるとともに、生徒の作品を広く都民に紹介してまいりたいと考えております。

〇野上委員

 裸の大将で有名な山下清ですよね。これは、知的障害がありましたけれども、張り絵の作品はとても有名で、丁寧な色使いのすばらしい、日本のゴッホともいわれていたそうでございます。
 障害のある人々の中には、こうした秀でた才能を持ち合わせている人も数多くあると思います。近年、障害者の制作による芸術作品が社会的に評価を受ける機会や場が整いつつありますので、これらの芸術教育の推進事業で作成された作品などを、答弁にありましたように広く都民に紹介をしていくようにお願いをします。そして、都立特別支援学校から第二の山下清を生み出すような充実した芸術活動の取り組みを要望いたします。

学校におけるスポーツ教育の推進
 次に、学校におけるスポーツ教育の推進について質問いたします。
 都教育委員会では、子どもの体力を向上させるために、大原教育長を本部長に、局横断的に子供の体力向上推進本部を設置し、昨年には総合的な子供の基礎体力向上方策第一次推進計画を策定いたしました。
 また、体育の授業での充実はもとより、部活動の振興とか、またスポーツ教育の推進にも力を注いでおります。
 学校においても、一校一取り組み運動など、子どもの体力向上に取り組んでいると聞いております。
 最近では、スポーツ教育推進校においてトップアスリートが一日校長先生として児童生徒と交流するという新聞記事を多く見かけました。
 そこで、このスポーツ教育の推進について、事業の概要をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 都教育委員会は、子どもの体力低下や学習指導要領の改訂、スポーツ祭東京二〇一三や、平成二十六年度インターハイの開催等を踏まえまして、児童生徒が積極的にスポーツに親しみ、健康増進や体力向上を図ることができるよう、スポーツ教育の推進を重要な施策と位置づけております。
 このため、都内公立小中学校、高等学校、特別支援学校、合計三百校をスポーツ教育推進校と指定いたしまして、体育授業の内容、方法の改善充実、全国体力テスト平均値以上を目標にした取り組み等を推進してございます。
 そうした各学校の取り組みに加えまして、特に平成二十二年度は、お話しのようにスポーツ教育推進校で実施していたアスリートの派遣事業を一日校長先生事業と銘打ちまして、バドミントンの潮田玲子さんや体操競技の塚原直也さんなどの国内トップアスリート二十人を学校に招聘いたしまして、児童生徒が直接アスリートと交流したり、体育授業の指導を受けたりするなどの取り組みを行ってきたところでございます。
 今後とも、引き続きこうした取り組みを行うことによりまして、スポーツ教育を推進してまいります。

〇野上委員

 私は、先月、同僚の中山議員とともに、そのスポーツ教育推進校の一つであります港区立青山小学校と、もう一つは生活運動習慣等の定着に関する実践研究モデル校であります北区立王子第三小学校、この二校を視察いたしまして、校長先生からお話を伺ってまいりました。
 港区立青山小学校では、これまでの児童の様子から、なかなか学校の中で競争心が低くて、落ちつきがないということが課題となっておりまして、都教育委員会のスポーツ教育推進校として放課後の総合運動部活動に取り組んでおりました。少しでも体を動かすことを通して体力を向上させ、基本的な生活習慣の改善と、スポーツをする子は学力が向上するということで、学力向上を図ろうとしておりました。
 また、北区立の王子第三小学校は、すくすくプロジェクトと称して、健康、運動、食育、この三つの角度からの健康的な生活行動の習慣化を研究しておりました。特に、子どもの足形をとって、土踏まずの形成がどうか、左右のバランスがどうなっているのか、毎日運動しているにもかかわらず、なかなか土踏まずの形成がうまくいってない等、自分で自分の健康チェックができるようなことも実践研究をしておりました。
 いずれも、生活習慣とか運動習慣の改善の取り組みこそが体力向上の土台であることがよく理解できる実践研究だったと考えております。
 やはり運動やスポーツを行うことは大切ですが、子どもたちの現状を見ると、子どもの体力を向上させていくためには、まず食生活や日常生活の基本から改善すべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。

〇高野指導部長

 現在、児童生徒は、生活環境やライフスタイルの変化によりまして、日常生活で体を動かさずに済む状況にございます。また、夜更かし、朝寝坊、朝食の欠食、間食、遊びや運動不足など、基本的な生活習慣が乱れておりまして、学校においては、学習に集中できず、疲れやすい児童生徒が増加してきていることも指摘されているところでございます。
 都教育委員会は、運動やスポーツを行う以前に、まず基本的な生活習慣や運動習慣を確立していくことが必要であると認識してございます。このため、平成二十二年度、生活習慣や運動習慣等の定着に関する実践研究モデル事業を小学校九校で実施いたしまして、児童の日常生活における活発な身体活動を推奨し、体力向上に向けた生活、運動習慣などの改善方策について実践研究を行っているところでございます。
 今後ともモデル校においては、引き続き実践研究を行うとともに、報告書や実践報告会を通しまして、その研究成果の普及に努めてまいります。

〇野上委員

 モデル校で出された報告書とか報告会を通して、その研究成果を東京じゅうに広めていっていただければと思っております。
 多くの学校に普及啓発をしていくことが大事だと思っております。子どもたちが明るい笑顔で、健康的な生活を送ることができるよう、スポーツ教育を推進していただくようお願いして、次の質問に移ります。

栄養教諭
 最後です。栄養教諭について質問させていただきます。
 学校給食というのは、明治のころからあったわけでございます。一部の地域で始められたということで、もともとはお弁当を持ってこられない子どもたちのために、戦後、昭和二十一年十二月ぐらいから学校教育が始まったということで、私たちは、年がそうなんですけれども、脱脂粉乳を飲まされてというか、飲んで、大きくなったわけです。皆さんの中には、牛乳で大きくなった方が多いと思いますけれども、私たちの時代は脱脂粉乳で、鼻をつまんで飲んでおりました。
 そういうことはともかくといたしまして、今、学校が栄養源になっている子どもがいるということなのです。だから、学校のお昼の給食がその子どもの栄養源であって、家では朝食を抜いて、夕食はファストフードとか、ジャンクフードとか、栄養のバランスがとれていないものをとっている子どもたちがふえてきているということが指摘されております。
 また、これからいよいよ物価が高騰してくるだろうということも予測されて、小麦や大豆もちょっと高騰しておりますけれども、大変な時代に入ってくるんではないかと思っております。
 また、栄養士の存在というのが非常に大事で、栄養指導に熱心に取り組んでいる学校ほど食べ残しが少ないということで、学校の先生がおいしくなくても、おいしいね、おいしいねとかいいながら食べていると、子どもたちも、そうなのかと思って食べたり、また、先生が残っているのを欲しい人とついで回ると、本当に残菜がなくなるんですね。
 ですから、そういう努力をするとか、特に中学校の女子生徒は、やせたいという願望が強いので、残す子が多いというんですね。なかなかバランスがとれた栄養をとっていないというようなさまざまな課題があります。
 十一月二日の文教委員会で、栄養教諭に任命されるまでの手続とか、食育の推進については確認をしましたので、現在の栄養教諭の配置状況はどうなっているんでしょうか。

〇松山地域教育支援部長

 都教育委員会は、平成二十年五月に策定した東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、平成二十年度から平成二十四年度まで、栄養教諭を区市に計画的に配置することとしております。
 これまで二十四区市に二十四名、都立学校に三名の栄養教諭を配置しております。平成二十三年度は、新たに九区市に九名の栄養教諭を配置する予定でございまして、合計いたしますと三十六名の配置となります。

〇野上委員

 これはいろいろ課題もあると思いますが、さらに進めていただきたいことを要望しておきます。
 その栄養教諭を配置した結果、学校教育の現場での効果についてお伺いいたします。

〇松山地域教育支援部長

 各地区の栄養教諭は、生産体験学習など、地域に密着した食育の実践や学校給食への地場産物供給ルートの開拓等、地域の実情に応じたさまざまな食育に取り組んでおります。
 こうした取り組みを通じて、児童生徒に勤労を重んじる態度が養われるとともに、学校給食の残菜が減少したとの報告がなされております。

〇野上委員

 残菜に関しては、先ほどもいいましたけれども、私たちの小さいころ、昔は、残してはいけないと無理やり食べさせられておりましたが、今はそういうことは余りされなくて、食べられるだけ食べて、残したいときは残してもいいという自由な教育方針でやっていると思っておりますが、とにかく、少しでも残菜を減らしていくということが、これから大変大事なことではないかと思っております。
 そのためには、食育リーダーというんですか、各学校で一人、食育リーダーを決めておりまして、栄養士さん、あるいは食育リーダーが中心となって、学校の栄養指導について当たるわけでございますが、この栄養教諭及び食育リーダーに対して、都教育委員会の研修内容についてお伺いいたします。

〇松山地域教育支援部長

 新たに配置した栄養教諭に対しましては、新規採用栄養教諭研修を実施しております。
 研修内容といたしましては、学習指導要領の理解、教材研究、学習指導案の作成、模擬授業等に係る講義、演習などで、年間七回にわたっております。
 食育リーダーに対する研修につきましては、夏季休業期間中に、食育リーダーの役割についての講義を行いますとともに、栄養教諭による実践事例の発表を取り入れるなど、学校で活用できる内容としております。
 本日、三月一日も、教職員研修センターにおきまして、食に関する指導研修会として、本年度配置した栄養教諭による研究発表会を開催しております。
 この研究内容は、冊子にまとめ、都内公立全小中学校に配布したところでございます。

〇野上委員

 本日、指導研修会を行っているんですよね。その内容について、都立、公立全小中学校にもう配布したんですか--配布したんですね。わかりました。平成二十五年度以降の栄養教諭の配置についてお伺いいたします。

〇松山地域教育支援部長

 まず、配布した冊子ですけれども、こちらのようなものでございまして、既に配布しているところでございます。
 二十五年度以降の栄養教諭の配置についてでございますが、来年度、庁内に検討委員会を設置いたしまして、これまで配置してきた栄養教諭のさまざまな成果を踏まえまして、人材の育成、配置の方針などについて検討してまいります。

〇野上委員

 予算の関係とか、今までの栄養士の配置基準の歴史的な課題もあって、すべての区市に栄養教諭を配備することが難しいと思われるんですが、将来的には、都内のすべての自治体で配置を望むことを要望いたしまして、終わります。

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