平成22年文教委員会(2011年3月2日)障害者スポーツについて等

平成23年文教委員会(2011年3月2日)


障害者スポーツ委員

〇野上委員

 障害者スポーツについてお伺いいたします。
 先日の東京マラソンの大成功、大変おめでとうございます。晴天にも恵まれて、初めてのチャリティー枠もあり、さらにグレードアップしてできたのではないかと思っております。車いすマラソンのスタートも大変に圧巻でございました。知事のあいさつも久しぶりによかった。
 他県の公務員の方が日本人では優勝されて、記録もすばらしくて、実業団ではなく民間人が日本人としては一番トップだったということで、マスコミには注目をされて、だれもが主役になれる東京マラソンのイメージにもつながったのではないかと思っております。関係者の皆様の努力に敬意を表すものであります。
 昨年七月のスポーツ振興局設置を機に、都は、障害のある人もない人も、だれもがスポーツに親しむスポーツ都市東京を目指し、障害者スポーツをスポーツ施策として一元的に推進する体制を整えました。このことは大変にすばらしいことであると思っております。
 前回、十一月四日の文教委員会事務事業質疑におきまして、地域における障害者スポーツを支える人材の育成、あるいは障害者スポーツに関する情報発信について質疑をさせていただきましたので、きょうは、障害者が身近にスポーツを楽しめる場づくりについて質疑をさせていただきたいと思っております。
 今までの調査の中で、障害者を対象にした東京都障害者スポーツ協会の調査というのがありますが、なかなか区市町村の身近な施設の利用が進まないというような状況もあります。
 障害者の方が地域で日常的にスポーツを楽しむことができるようにするためには、やっぱり身近な地域の施設などを活用したスポーツ教室を開催するなど、スポーツ実践の場づくりを進めていくことが重要であると思いますが、今後の都の取り組み状況についてお伺いいたします。

〇安藤スポーツ事業部長

 障害者スポーツの普及を図り、すそ野を拡大していくためには、ご指摘のとおり、身近な地域において障害者がスポーツに親しめる環境を整えることが重要であると考えております。
 そのため新たに、これまで都における障害者スポーツ事業の展開を担ってまいりました東京都障害者スポーツ協会の中に障害者スポーツ開拓推進員を設置しまして、地域における障害者のスポーツ活動の場を開拓してまいります。
 障害者スポーツ開拓推進員は、区市町村や地域スポーツクラブなどを積極的に訪問しまして、地域における障害者スポーツの現状やニーズを把握し、例えば区市町村の施設を活用した障害者スポーツ教室の実施を提案するなど、地域での障害者スポーツ振興の取り組みを支援いたします。
 これらによりまして、区市町村等の身近な地域における障害者スポーツの場づくりを推進してまいります。

〇野上委員

 障害者スポーツの場が地域に広がっていくように、ぜひこの開拓推進員の方にはしっかり頑張っていただきたいと思います。
 こうした仕事を進めていくためには、障害者スポーツに関する知識とかノウハウを有したそれなりの人材が必要と考えますけれども、この開拓推進員に求められる人材像というんですか、どういう人を充てるのかとか、また、人数をどれぐらい配置していくのかという今後の予定についてお伺いいたします。

〇安藤スポーツ事業部長

 障害者スポーツ開拓推進員は、地域の現状やニーズを踏まえて的確な障害者スポーツのプログラムを提案していくことになります。そのため、開拓推進員に求められる要件としましては、障害者スポーツ全般に関する知識はもとより、障害の種別、程度に応じたスポーツクラブを提案できる専門的知識を有していること、また、障害者スポーツの現場におきまして実務経験を有していることなどが挙げられます。
 今後、協会の中において人材を選抜しまして、人数につきましては三人程度を予定しているところでございます。

〇野上委員

 地域で障害者スポーツの場を開拓する先駆的な三人の方たち、これから区市町村とのコーディネーターを行う、この開拓推進員の果たす役割は重要だと思っております。
 一方、障害者スポーツの取り組みを継続させていくためには、実際にスポーツ教室等の現場でスポーツに取り組む人を支援、指導するような人材も必要であります。こうした役割は、現在、障害者スポーツ指導員という方が担っておりますけれども、スポーツ振興局の調査によると、都内区市町村のスポーツ施設において障害者スポーツ指導員を配置しているのは四・八%というデータもありまして、地域のスポーツ施設における障害者スポーツ指導員の配置というのはまだまだ進んでいない、これからだということがいえると思います。
 この開拓推進員の方は、障害者スポーツ活動を継続できるような環境を整備するために、こうした課題に対して真剣に取り組んでいかなければいけないわけですが、その点に関してお伺いいたします。

〇安藤スポーツ事業部長

 開拓推進員は、障害者スポーツ教室などの場づくりとして、具体的な企画の提案にあわせまして、実際に指導に当たりますスポーツ指導員、障害者スポーツ指導員の派遣のコーディネーターを、バンクに登録されている指導員の中から行うことを予定しております。また、立ち上げ期におきましては、教室の運営に必要な障害者スポーツ指導員の派遣に伴う費用の支援も行う予定でございます。
 こうしたことによりまして、区市町村等の身近な地域において障害者スポーツの場が新たにつくられ、継続的な取り組みとなるよう支援してまいります。

〇野上委員

 障害者スポーツの振興のためには、一つは場づくり、人材の育成、情報発信、これらを体系的、また継続的に推進していくことが重要であります。都として障害者スポーツの方向性を明確にしながら進めていく必要があります。
 我が党の本会議の代表質問において、長期的な指針の策定の重要性を主張し、都は今後、障害者スポーツ振興の指針となる中長期の計画の策定に向け、準備を進めていきますという答弁がございました。具体的に、この策定作業の準備ですね、どのように進めていくのかをお伺いして質問を終わりにします。

〇安藤スポーツ事業部長

 障害者スポーツを普及し根づかせるためには、体系的、継続的な取り組みを進めていく必要がありまして、その指針となる中長期計画の策定は極めて重要でございます。
 そのため、都はスポーツ振興審議会のもとに障害者スポーツに係る専門部会を設置し、障害者スポーツに関して専門的知見を有する学識経験者や障害者スポーツの指導に長く携わってきた有識者、地域スポーツ関係者、行政関係者などから多角的かつ専門的なご意見、ご知見をいただきながら策定作業を進め、二十三年度中の公表を目指してまいります。

〇野上委員

 最初に、先日、ニュージーランドのクライストチャーチで大規模な地震がありまして、日本から語学留学をしている学生を含めて、いまだに日本人二十八名の方々の安否が依然として確認されていないということでありますが、都内にも留学生を初めとして多くの外国人が暮らしていますけれども、地震の経験のない外国人の方もたくさんお見えになっております。
 大規模地震等の災害発生時に、状況が理解できないために適切な行動がとれないでパニックに陥るということも予測されます。このため、外国人を対象とした防災訓練を実施することが重要だと思われます。
 東京都はこれまで外国人のための防災訓練を実施してきたということなんですけれども、その取り組み状況と、また、参加者数の実績についてお伺いいたします。

〇飯塚都民生活部長

 都では、東京都地域防災計画の中で、災害時に東京都外国人災害時情報センターを設置し、被災外国人に関する情報の収集や提供を行うこととしております。
 平成十八年度から情報センターを中心とした支援体制の機能検証と、外国人への防災知識の普及を目的として防災訓練を行っております。今年度は、一月十八日に区や消防、警察などの参加協力を得て、江戸東京博物館をメーン会場として実施いたしました。
 具体的には、外国人と防災語学ボランティアによる災害時を想定した通信訓練や、地震災害の知識に乏しい外国人を対象とした起震車体験、倒壊建物からの救出訓練、AEDを使用した応急救護など、多様な訓練を実施したところでございます。
 当日は、各国大使を含む外国人が四十カ国三百四名、防災語学ボランティア四十九名、国際交流協会等二十七名、区市町村、警察、消防など関係職員百十二名と、これまで最多の四百九十二名が参加いたしました。

〇野上委員

 四百九十二名の大勢の方が参加して開催されたということで、東京に暮らしている外国人の状況を的確にとらえて、今後とも、効果的、実践的な訓練を引き続き実施していただきたいと思っております。
 先ほどの答弁の中で、防災語学ボランティアが通信訓練を行ったという話がございます。阪神・淡路大震災の教訓から、語学力があるボランティアが重要であると考えております。都における防災語学ボランティアの登録者数及び対象言語数の推移と、また、ボランティア募集の方法についてお伺いいたします。

〇飯塚都民生活部長

 都では、平成八年から災害時に被災外国人等を支援するため、一定以上の語学力を有する都民や外国人を東京都の防災語学ボランティアとして登録しております。
 登録者数は、制度創設時である平成八年度は、十六言語三百八名でありましたが、平成二十三年二月末現在では、十八言語八百三十六名となっております。
 ボランティアの募集については、東京都のホームページや、区市町村、外国人支援団体等との会議の場を通じたPRとともに、九月一日の防災の日に合わせて「広報東京都」に募集記事を掲載するなど、多様な機会をとらえて募集活動を行っております。

〇野上委員

 多くの都民の方々が多様な言語でボランティア登録をしていることがわかりました。引き続き周知、広報を続けていただきまして、広範な都民の参加を進めていただきたいと思っております。
 いつ起きるかわからない災害に常日ごろから備える体制をつくり、外国人が東京で安心して学び、働くことができる環境の確保をお願いしたいと思います。

配偶者暴力対策
 次に、配偶者暴力対策について質問をさせていただきます。
 東京ウィメンズプラザの費用として、九億二千八百六万一千円という予算計上がなされております。
 配偶者暴力に対する社会的認識が高まるにつれて、都内の相談機関に寄せられているDV相談の件数が年々増加しているわけでございます。特に被害者にとって身近な相談窓口である区市町村の件数も伸びが大きくて、平成二十一年度には、区市町村全体で二万二千件近くもの相談があったと聞いております。
 DV被害を潜在化させないためにも、また、相談を適切な支援に結びつけていくためにも、身近な地域で適切に相談を受けられる体制をつくっていくことが大切ではないかと思っております。
 区市町村における相談体制を強化するために、都は、人材育成の面での支援を行っていく必要があると考えますが、現在、都の取り組みについてお伺いいたします。

〇萩原男女平等参画担当部長

 東京都配偶者暴力対策基本計画は、区市町村における配偶者暴力対策の充実を中心的視点の一つとしており、都は区市町村における相談体制の強化のため、人材育成の支援を行っております。
 具体的には、東京ウィメンズプラザにおいて、新たに就任した区市町村の相談員が基本的知識を身につけるための講座を開催するほか、相談員の対応能力と専門性の向上を図るため、相談員が担当する困難事例に対し、専門家が助言を行う機会の提供などを行っております。

〇野上委員

 相談窓口の周知も必要なことですが、日本人だけではなく、外国人からの相談もふえておりまして、区市町村では、日本語がうまく話せない外国人被害者への対応に大変に苦慮しているという話も聞いております。
 先ほどの防災に関する外国人支援と同じように、DV対策においても、言葉の問題などから孤立をし、被害が深刻化しやすい外国人への対応を充実していくことが必要と思われます。都の、区市町村への支援としての取り組み状況についてお伺いいたします。

〇萩原男女平等参画担当部長

 区市町村が外国人被害者に適切に対応できるよう、東京ウィメンズプラザでは、外国語の通訳が配偶者暴力に関する基本的知識を身につけた後に登録し、区市町村の依頼により派遣する仕組みを平成二十二年度に創設したところでございます。現在の登録者数は五十三名であり、十二言語にわたっております。
 また、平成二十三年度には、外国人被害者からの相談に利用できるよう、外国語に翻訳した相談シートを作成いたしまして、区市町村に配布する予定でございます。

〇野上委員

 翻訳相談シートがあれば、これを見せながら、通訳がいなくてもとりあえず対応できるのではないかなと思っております。これ、期待をしております。
 東京ウィメンズプラザというのは、都の配偶者暴力相談支援センターとして、区市町村支援と新しいニーズへの対応にも積極的に取り組んでいることがわかりました。
 東京ウィメンズプラザは、都のDV対策の中核となる施設として、その重要性を増していると考えますが、これまでに果たしてきた役割や成果について、都の認識についてお伺いいたします。

〇萩原男女平等参画担当部長

 東京ウィメンズプラザは、都民に開かれた総合相談窓口として、平成十四年度から二十一年度までの八年間で延べ四万件に上る配偶者暴力に関する相談に対応し、被害者の救済と生活再建のための支援に取り組んでまいりました。
 また、配偶者暴力に対する都民の理解を深めるための講演会の開催や、被害者の身近な地域で被害者支援に携わる関係者への各種研修を行うほか、区市町村への支援や民間支援団体への助成など、都における被害者支援の拠点施設として、さまざまな取り組みを実施してきたところでございます。
 今後とも、区市町村、警察、民間支援団体等の関係機関と連携しながら、配偶者暴力対策の充実を図ってまいります。

〇野上委員

 次に、有料老人ホームに関する消費生活行政の取り組みについて質問させていただきます。
 有料老人ホームの契約とか解約をめぐるトラブルが非常に多くなってまいりまして、新聞紙上などで報道されており、社会問題化していると思っております。
 平成二十一年度に全国の消費生活センターに寄せられた有料老人ホームに関する相談件数は四百件を超えており、その八割が契約や解約に関する苦情相談で、中でも入居一時金の返還などのトラブルが目立って多いと聞いております。
 高齢化が急速に進んでいる中、ついの住みかとして有料老人ホームを選択しようとする高齢者の方が安心して施設との契約を結び、入居生活を送れるよう、消費者の立場に立った取り組みが必要であると考えております。
 そこでまず、東京都の消費生活総合センターに寄せられた有料老人ホームに関する相談の状況についてお伺いいたします。

〇小笠原消費生活部長

 消費生活総合センターに寄せられた有料老人ホームに係る相談は、平成二十一年度が七十九件、平成二十二年度は十二月末までに三十一件となっております。
 具体的な相談事例といたしましては、短期間で退去することになったが、入居一時金の返金がされなかった。契約書には、一日でも入居すると入居一時金は戻らないとの記載があるが、不当な契約ではないかというものや、入居一時金を支払ったが、十九カ月後に入院のため退去したところ、入居期間の計算と原状回復費用の内容が不明確であり、入居一時金のかなりの部分が返金されなかったなど、解約時の入居一時金に関するものが多くなっております。

〇野上委員

 都においても、入居一時金に関する相談が多いということでございます。
 しかし、消費生活総合センターにこのような相談が寄せられても、入居一時金について、法令による規制が必ずしも十分ではないことから、センターの相談員による対応のみではなかなか解決しがたい場合もあります。
 こうした案件に対応するために、東京都には、東京都消費者被害救済委員会という仕組みがございます。
 そこで、この東京都消費者被害救済委員会の基本的な役割と、有料老人ホームについて、これまでに付託された案件の数と、付託に至ったトラブルの原因はどんなものがあるのかについてお伺いいたします。

〇小笠原消費生活部長

 東京都消費者被害救済委員会は、都民から寄せられた苦情や相談のうち、都民生活全体に大きな影響を及ぼすおそれがある案件について、あっせんや調停を行うことにより、公正かつ速やかに紛争解決を図るために設置されております。
 お尋ねの有料老人ホームにつきましては、平成二十年度から三件が付託されており、いずれの案件も、入居期間が短いにもかかわらず、入居一時金が納得のいく形で返還されないことから紛争に発展したものでございます。
 なお、三件の付託のうち二件はあっせん解決いたしまして、一件は現在処理中でございます。

〇野上委員

 東京都消費者被害救済委員会に付託された有料老人ホームに係る案件は、いずれも入居一時金という同じ原因によるトラブルであります。この問題に多くの高齢者が直面し、本当に困っている様子がよくうかがえます。
 有料老人ホームの入居一時金問題については、トラブルの増加を受けて、厚生労働省が法的規制の強化を図ろうとする動きも出ております。都は、状況に応じて国への提言や要望を行う必要性もあるかと思います。その際、国が実効性のある対策をとれるよう、現場の声を知る都から実情を伝えていただきたいと思います。
 しかし、有料老人ホームの問題は、都民にとって解決すべき喫緊の課題であります。都はこれ以上、被害が拡大することのないよう、国の動きを待つことなく、必要な取り組みをしっかりと進めていくべきであります。
 これらの取り組みをより的確に進めていくためには、消費生活行政を所管する生活文化局と有料老人ホームを指導監督する福祉保健局とが連携する仕組みをきちんと構築していくことが重要と考えますが、見解を伺います。

〇小笠原消費生活部長

 都は、これまでも複数の局にまたがるさまざまな課題に対して、より的確に対応するため、関係局による横断的な組織である特別対策班を設置いたしまして、取り組みを進めてまいりました。
 有料老人ホームの問題は喫緊の課題でございますことから、福祉保健局と特別対策班を二月に設置いたしまして、連携強化の仕組みを整えたところでございます。
 今後は、都民から両局に寄せられるさまざまな相談情報などを共有いたしまして、それぞれの持つ法令の権限を駆使した行政指導、有料老人ホームに関する都民への情報提供や注意喚起などを図ってまいります。

〇野上委員

 有料老人ホームの利用者である高齢者の方は、ただでさえ情報量や交渉力といった面で事業者に比べて弱い立場に置かれております。泣き寝入りしている消費者もいるのではないかと思っております。新たな連携の強化に期待するので、消費者トラブルの未然防止、拡大防止が図られるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、公衆浴場対策について質問させていただきます。
 数年前になりますでしょうか、おふろ屋さんが火災に遭いまして、ちょうどそのおふろ屋さんの周りの都営住宅におふろが設置されていないということで、ぜひもう一度この公衆浴場を開始していただきたいということで、いろいろな資金繰りを初め相談に乗ったことがあるんですが、結局は、最終的にはその場所が駐車場になってしまっておふろ屋さんがなくなった。そして、その都営住宅の方々は、かなり遠くの公衆浴場まで通わなくちゃいけないということで、今なおご苦労なさっていることがございます。
 そういった意味で、公衆浴場は、公衆衛生の確保を初めとして、都民の健康維持と地域のコミュニティの場としてなくてはならないものでございます。しかし、都内の公衆浴場は、利用者の減少とか後継者の不足、施設の老朽化などによって、年間四十件から五十件が廃業しておりまして、右肩下がりで減少の一途をたどっております。
 また、公衆浴場離れは、家庭ぶろの普及による利用者の減少もありますけれども、最近では気軽に温泉気分が味わえるスーパー銭湯が家族客でにぎわっているほかに、フィットネスクラブですね。これ、毎月一万円を超える金額でしょうけれども、フィットネスクラブに行けば、毎日そこにサウナも銭湯というかおふろもついているということで、フィットネスクラブを銭湯がわりに利用している人も多くて、公衆浴場を取り巻く経営環境はますます厳しくなってまいります。
 そうした中で、東京都は施設の整備を中心に、各種補助制度を設けて、公衆浴場の経営安定化に取り組んでおります。中でも、利用者の安全のための浴場の耐震化補助とか、また環境負荷の少ない都市ガスへの転換を推進するクリーンエネルギー化の補助については、今日的な課題にかなった事業であると思っております。
 私の地元葛飾区では、耐震化補助制度を活用した浴場は六件、またクリーンエネルギー化の補助制度を活用した浴場は四件と伺っておりますが、大切な事業であり、都としてこの補助制度の活用を一層推進していくべきと考えます。
 この点につきましては、昨年十一月の文教委員会で中山理事が質問を行いまして、耐震化、クリーンエネルギー化に対して、補助事業をまだ活用していない経営者の方々に利用済みの事業者の体験談を交えた講演会などをしていくべきだというふうに提案されましたけれども、その後の取り組みの中でどのようなことを行ってきたのかお伺いいたします。

〇小笠原消費生活部長

 耐震化及びクリーンエネルギー化促進のため、都は浴場組合役員の研修会に出向き、両事業の活用を依頼いたしましたほか、組合と連携いたしまして、浴場経営者の個別相談会を実施してまいりました。
 また、地域別説明会を実施いたしまして、実際に補助制度を活用した浴場経営者から施工内容や費用などについて詳しく話をしてもらう機会を設けたところでございます。
 こうした取り組みによりまして、今年度の実績は、耐震化は四十四件、クリーンエネルギー化は十八件となる見込みでございます。
 今後とも、浴場組合と協力いたしまして、地域に積極的に出向き、浴場経営者の方々にわかりやすくアピールするなど、これら補助制度の活用を働きかけてまいります。

〇野上委員

 この事業促進に向け、着実に取り組まれていることがよくわかりました。今後とも、より一層普及促進に努めていただけるようお願いいたします。
 公衆浴場対策には、これらのほかにも、健康増進型公衆浴場改築への補助制度などがあります。健康増進型への改築を行ったことで、公衆浴場を拠点として、高齢者の介護予防やひとり暮らしの方が地域でつながりを持てるようになったという話も聞いております。こうした補助制度についても、今回の説明会や相談会の場を利用して働きかけることで、さらに活用を促していけると考えております。
 今後とも、浴場組合と協力をして、地域に積極的に出向いて、創意工夫を凝らしたPRを行うことで、各種補助制度の活用を促し、公衆浴場の経営安定化に寄与していただくことをお願いして、次の質問に入ります。
 最後は、都民芸術フェスティバルについてでございます。
 今、非常に都民の生活が厳しいということで、文化芸術に割くお金のゆとりがなくなっているのではないかと危惧される面もございます。オーケストラ団体などのいろいろな話を聞いておりましても、チケットの売れ行きが悪いとか、厳しい経営が続いているということをこの前もお聞きいたしました。
 こうした苦しい時代にあって、都民が身近に芸術文化に触れ、心の豊かさを取り戻すことができるようにするために、行政の積極的な取り組みが重要であると思っております。
 都は、従来から芸術文化の振興を図るとともに、都民芸術フェスティバルというのを実施しておりますが、これは昭和四十三年から今日に至るまでの長い期間、ずっと行政と芸術文化団体が手を携えて取り組んできているという事業です。歴史的に古いんですけれども、この役割は大変重要で、この事業の意義がますます高まっているのではないかと思っております。
 前回もちょっと事務事業質疑において、都民芸術フェスティバルの規模と実績について伺ったところなんですが、この事業のさらなる拡充を願う立場から幾つかお伺いいたします。
 まず、都民芸術フェスティバルの二十三年度予算は幾らなんでしょうか。

〇桃原文化振興部長

 都民芸術フェスティバルの平成二十三年度予算額でございますが、二十二年度と同額の約一億五千万円となっております。

〇野上委員

 国の方が事業仕分けの中で、芸術文化団体への助成金を削減しようという動きがありまして、それでも都は前年と同じ予算を確保し、芸術文化団体を支えているということでございます。都民が多様な芸術文化に触れる機会の確保に努めていることは評価していきたいと思います。
 次に、都民芸術フェスティバルは、オーケストラとかオペラとかバレエとか、それぞれ十一分野の公演に対して助成を行う事業と伺っておりますが、このフェスティバル参加公演はどのように決めているんでしょうか。
 また、助成金の決定はどのように行っているのか、その内容、区分ですかね、それについてお伺いいたします。

〇桃原文化振興部長

 都民芸術フェスティバルは、東京都と東京都歴史文化財団が共催によって事業を実施しております。
 参加公演につきましては、歴史文化財団が専門家で構成する審査会を設置しておりますが、そこで団体からの申請に基づきまして、公演の事業計画の内容を審査した上で選定をしております。
 助成額につきましても、この審査会においてそれぞれの公演に要する事業予算や公演内容等を勘案し、決定をしております。

〇野上委員

 都民芸術フェスティバルというのは、都民が気楽にすぐれた舞台芸術に親しめる機会を提供する、要するに安い料金で、質の高いものを提供するということで、そのことが非常に重要な目的となっていることでございますが、この参加公演の選定に当たっては、公演の内容ですかね、それが果たしてそれにそぐうものかどうかということもあわせて、どのような観点から選定しているんでしょうか。

〇桃原文化振興部長

 都民芸術フェスティバルは、質の高い公演を都民の皆様に低廉な料金で提供することが事業目的となっておりますことから、参加公演の選定に当たりましても、この点を最も重視して審査を行っております。
 その上で、日ごろ芸術文化になじみの薄い都民の方々にも気軽に公演を楽しんでいただけるよう、公演中に作品の解説を行ったり、せりふの字幕をつけることなどにより、公演内容をわかりやすくする工夫を行っているか、また託児サービスの導入などにより、来場される方々に対する配慮を行っているかなどについても重要な要素として審査を行っております。

〇野上委員

 さっきの託児サービスとか、歌舞伎の字幕サービスとか、多くの都民の方が舞台公演を鑑賞していく上で非常にプラスになるような施策も行っているわけでございますが、最後に、観客からはどのような評価を得ているのかということと、その声を都としてどう受けとめているかについてお聞かせください。

〇桃原文化振興部長

 まず、観客の皆様からの評価でございますけれども、二十一年度の公演時に実施をいたしましたアンケート結果におきまして、約九割の方から満足、またはやや満足のお答えをいただいております。
 能楽の公演では、五つの流派が一堂に会する唯一の機会であったこと、オペラの公演では、日本での上演機会が少ない演目が見られたことなど、多彩なプログラムを提供したことが評価されるとともに、バレエの公演では、初めて見る子どもたちにも役立つよう、公演の前に解説を実施するなど、親しみやすい工夫がなされていることなどが高い評価につながったものと考えております。
 都といたしましては、この事業に対する都民の期待が大きいものと認識しておりまして、今後とも都民芸術フェスティバルを着実に推進してまいります。

〇野上委員

 今後とも、都民芸術フェスティバルを通じて、都内で活躍、活動する多くの芸術文化団体が安定的に質の高い公演を続けることができ、都民がその成果を十分に享受できるよう事業の拡充を求めて、質問を終わります。

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