平成22年文教委員会(2011年10月4日)中途退学について等

平成23年文教委員会(2011年10月4日)



◯野上委員

 私も都立高校白書を読ませていただきました。この、内容があらゆる分野に言及されておりまして、正直な課題が書いてあります。この課題解決をこれからどう行っていくかということが、検討をどうやっていくかということが新たな内容になってくるんじゃないかなと思っております。
 この白書の中でさまざまな課題があるんですけれども、私が気になったところは、やはり先ほど吉住委員もおっしゃっておりましたけれども、卒業しないで学校を離れていく子どもたちということを取り上げさせていただこうかなと思います。
 要するに、自分が希望した学校に入った子もいれば、希望しなかったけれども、そこにしか入れないから、その高校に入学したという子どもたちもいろいろな立場があると思うんですけれども、自分の理想と現実が違って、離れていった子どもたちの未来というんですかね、それが例えばニートになったり、あるいはフリーターだったり、また、場合によってはちょっと悪いグループに誘われて、非行に走ってしまうというようなことも懸念されると思います。
 都立高校改革の計画が作成された当時、都立高校では中途退学者の数が増加を続けておりまして、私も何回か文教委員会の中で質疑はしたと思うんですけれども、やはり学区を廃止して新しいタイプの高校を設置することによって、生徒の多様化、それに合わせた高校をつくっていくべきではないかということを提案させていただきました。
 特に、うちの公明党は、どちらかというと進学重点校というよりも、ちょっと下の部分のチャレンジスクールとか、エンカレッジスクールとか、何とか三年間、高校生活を続けていっていただきたいというような、いろいろ高校時代に不登校だったり、学業が不振だっりする、そういう子どもたちも救っていきたいというような気持ちで、エンカレッジ、あるいはチャレンジスクールの設置とかを提案させていただいたという経緯がございます。
 一生懸命努力されまして、東京都も平成九年では全日制で三・六%、五千三百二十人のお子さんが中途退学をしていたんですが、平成二十二年は一・六%で千八百七十九人、かなりな人数の子どもたちが中途退学から逃れたというんですかね。定時制では一三・八%、二千四百三十九人が、現在は一二・〇%、千七百三十一人まで減少したという大変な成果を上げていることがございます。
 しかし、もう一方を見ますと、未卒業率というんですかね、中途退学の数というのは、その年度における全学年を対象とした在籍者数に占める中途退学者の割合に対して、未卒業者というのは、都立高校に入学した生徒が修業年限、例えば全日制の場合は三年、定時制の場合は四年の間に、中途退学をした数を集計したもので、ちょっと観点が違うんですけれども、特に全日制の方でも、かなり多くの人数の子どもたちが未卒業者としてカウントされております。そういうところ辺がまだまだ問題ではないかなと思っております。
 それで、例えば中途退学者を一人も出していない都立高校もあるわけで、そういうノウハウをもとに、中途退学の多い学校の方にそういうノウハウを持ったものを持っていったらどうかということもいったんですけれども、やはり中途退学者の少ない学校というのは、もともとすごく魅力があって、皆さんが入りたいと思ってやっと入った学校なので、やっぱり中途退学はしない、望んで入った学校だから中途退学は出さない。
 ところが、課題校とか、余り入りたくなかったんだけれども、しようがなく入った学校というのは、やっぱり気に入らないということで、中途退学者が多いということで、なかなかノウハウを共有できないということでございます。
 私は、エンカレッジスクールというのを、足立東から始まって今五校ですかね、つくっていただいておりまして、この学校というのが、学力検査によらない入学選抜とか、三十分授業とか、座学は午前中、午後は体験学習とか何か、視察をさせていただいたんですが、もう一回学び直しをしたい子どもたちにとっては、大変魅力的な内容になっておりました。
 このエンカレッジスクールに関しましては、前の都立高校が中途退学者が非常に多いので、この高校をエンカレッジスクールという形で変更して、エンカレッジスクールになったときには中途退学者の数が非常に減ってきたということがございますので、エンカレッジスクールで培った生徒の指導方法などを、逆に今まだまだたくさん中途退学が多い学校に、指導方法とかノウハウを普及させることが大事ではないかというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

◯直原都立学校教育部長

 エンカレッジスクールは、生徒一人一人の学習上のつまずき箇所にまでさかのぼった学び直しによる基礎、基本の学力の徹底、キャリアガイダンスや体験学習を重視した教育の実践によりまして、生徒の学習に対する興味、関心を高めてきたことから、全日制の平均にはいまだ及ばず、課題はあるものの、指定前に比べて中途退学者の大幅な減少や進路決定率の向上といった改善成果を上げております。
 お話しのとおり、エンカレッジスクールにおける学び直しの取り組みなど、生徒の学習意欲向上に向けた指導方法や学習内容を同様の課題を持つ都立高校に普及させることは、中途退学者を減らす上で有効な方策と考えており、生徒が一人でも多く卒業することができるよう、その方法や体制などについて具体的に検討してまいります。

◯野上委員

 私の目標としているところは、子どもたちが自己実現をして、将来的には税金を払ってもらえるような子どもたちに育ってもらいたいなというふうに思っているんですね。
 それで、やはり中途退学によって、家に引きこもってしまったり、ニートになってしまったりすると、本当に社会的な資源の損失だと思っておりますので、これから策定する新たな都立高校改革に基づいて、しっかりと対応していただきたいと思います。
 それからもう一つ、工業高校におけるものづくり教育についてお伺いをいたします。
 きょうもトヨタとかホンダなどですかね、自動車産業がかなり落ち込んでいるというような報道が出ておりましたけれども、小さな部品でも、たった一つでもなければ車も完成しないということで、やはり今回、東日本大震災でものづくりの大切さということは、日本のみんなが感じたことではないかと思っております。
 この震災後、それぞれの企業の状況はまだまだ冷え込んでおりますけれども、これから復帰をしてくるとは思っております。
 しかし、高校生の就職が今大変厳しい状況であるということで、知事も所信表明の中で、ものづくり技術というのは我が国の国力の源であると、今こそ日本のものづくりをより一層活性化しなければならないと。そのためには、ものづくりに対する熱意のある優秀な人材を育成し、産業界へ安定的に供給をしていくことが大事だということをおっしゃっておりました。
 大事な大事な工業高校なんですけれども、今の状況が、希望しなかったけれども、行くところがないから工業高校に進学せざるを得なかったという声もたくさん聞きます。
 そうではなく、産業を支えていくんだというような意識で入っている子もいるんですけれども、実際に工業高校に入ったときに、なかなか教師が企業現場の実態を十分に把握していない。この課題の中にも書いてありましたけれども、指導力が不足しているということも指摘をしております。
 それから、工業が日進月歩でどんどんどんどん進んでいくということもありまして、新しいものが取り入れられるために、先生自身も一生懸命勉強して、ノウハウを構築していらっしゃるんだと思うんですけれども、なかなか追いついていかないという現状もございます。
 そういういろいろな課題もあるんですけれども、要するに、教師自身の資質の向上もそうなんですけれども、ものづくり現場に子どもたちを連れていって体験をさせて、理解をさせて、新しい知識とか技能を持った外部の人材に工業高校の中に来ていただいて、生徒に教えていくなど、いろいろな方策をとりながら、魅力のある高校生活を満喫していっていただきたいなと思っているんですけれども、今後の取り組みについてお伺いいたします。

◯直原都立学校教育部長

 我が国の産業の根幹であるものづくり産業に携わる人づくりを行うことは重要であり、工業高校に対する産業界の期待は大きいものがございます。
 工業高校では、基礎的、基本的な知識、技術を習得するための学習はもちろん、レーザー加工機や三次元コンピューターグラフィックソフトなどを用いて、画像データから機械部品などの加工を行う先端的な学習にも取り組んでおります。
 しかし、教員の技術的能力などに課題があり、十分には生かし切れていない面もございます。そのため、企業から技能士などを招き、高度で専門的な技能を学ぶプログラムの実施や、学校と企業が連携して長期就業訓練を行うデュアルシステムの導入など、企業等の協力を得て、実践的な知識、技術を身につけさせる教育を推進してまいりました。
 今後とも、教員の指導力の向上を図るとともに、外部人材の活用など企業等との連携を一層図りながら、生徒がより実践的な知識、技術を習得できるよう、取り組みを推進してまいります。

◯野上委員

 今後もさまざまな取り組みを期待しておきます。
 最後に、教員の能力向上や研修体制ということでお伺いをいたします。
 都立高校白書では、教員の能力向上や研修体制についても触れられております。本書によりますと、授業が上手であるという印象を持つ生徒が三九・八%にとどまっているということが書いてありました。
 教師は授業で勝負するというのは当たり前のことなんですけれども、Aという先生とBという先生に、例えば英語を教えてもらう。一年間に教え方とか、興味の持たせ方とか、教材の工夫とか、板書の工夫とか、一人一人の声かけとか、いろいろな要素で、一年間に授業の上手な先生と下手な先生では、子どもたちの能力にかなり差ができます。
 そういう意味で、教師の資質を、どう授業力を向上させていくかというのはすごく大事だと思うんですけれども、都の教育委員会は、今後どのようにこれを取り組んでいくのか、お伺いいたします。

◯坂本指導部長

 都教育委員会は、新規採用教員を対象とした東京都若手教員育成研修を初め、専門性向上研修や東京教師道場等を実施し、教科等の指導力の向上に取り組んでおります。
 特に、東京教師道場では、指導案づくり、検証授業、授業改善を繰り返すなど、二年間の継続的な授業研究を通して、教員の授業力の向上を図っております。
 また、昨年度から、東京都教育研究員制度を設け、将来、東京都の教育研究活動の中核を担う教員が、一年間の研究、研修活動を通して、互いに切磋琢磨しながら授業改善に取り組んでおります。
 今後とも、このような取り組みを通して教員の授業力の向上を図ってまいります。

◯野上委員

 最後です。若い先生方は、東京都若手教員育成事業、中堅の先生は教師道場の講師とか、教育研究員制度ですか、そういったもので指導力の向上を図っていけると思うんですけれども、かなり年配の先生に対する研修というのはなかなか難しいんですね。
 校長、副校長とかも年配の教師より若かったりするので、なかなかもっと頑張りなさいとかいえなくて、そこら辺の技術を向上させるというのが現場の中でも非常に課題になっているということでございます。
 それから、研究員制度も非常に大切で大事なことなんですけれども、現場を離れて研究活動することが多いので、現場を離れたときのフォローですかね、そういったところも工夫していただきたいということを要望して、終わります。

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