平成23年文教委員会(2011年10月25日)外国語活動について等

平成23年文教委員会(2011年10月25日)



〇野上(純)委員

 私の方からは、最初に小学校の外国語活動について質問させていただきます。

 ご存じのように、今年度から小学校五、六年生に年間三十五こまで英語活動が行われております。これは、新学習指導要領に基づき実施されるものとなっております。

 英語教育の導入に関しては、賛否両論がありまして、日本語の基礎がしっかりしてから英語を教えるべきだという論調とか、耳のやわらかいときに早くから英語教育、ヒアリングですかね、そういうものをやった方がいいんじゃないかというようなさまざまな説があったりして、実質、平成二十年よりいろいろな準備に当たってきたわけでございます。

 小学校の先生で英語の免許を持っている方というのは、非常に少ないわけでございます。その中で、文科省が総合的な学習の時間を導入するときにちょっと失敗したことがありましたので、ぜひこの外国語活動は成功したいという思いだったと思うんですけれども、英語ノートというのをつくりました。それに向けて、事前に先行実施をしていたわけでございますけれども、一昨年の事業仕分けがございましたね。そのときに、この英語ノートを含む予算が一たんは廃止と判定されました。

 そのときに、現場の先生方は非常に混乱をいたしまして、全国の教育現場の先生方から反対の声が上がって、文科省は二十三年度分の英語ノートの予算はつけて、それを全国に配布しようということは決定をしておりますが、来年度の扱いはまだちょっと決まっておりません。現場の不安もなかなか払拭されないで、そういう状況が続いております。

 そういった流れから、多分、都教育委員会も二十年度の初めから外国語活動を導入するに当たって、さまざまな混乱とかご苦労があったかと思うんですね。今年度から必修化されたこの外国語活動の実施に当たって、これまで都教育委員会がどのような取り組みを一生懸命されてこられたのかについて最初にお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 平成二十年三月に告示されました小学校の新学習指導要領において、新たに導入された外国語活動は、平成二十三年度から全校で実施されることになりました。

 このことを受けまして、都教育委員会では、平成二十年度に東京都小学校外国語活動推進委員会を設置いたしまして、外国語活動についての基本的な考え方を検討いたしますとともに、報告書を全公立小学校に配布して周知に努めてまいりました。

 また、平成二十年、二十一年度の二年間にわたりまして、小学校外国語活動開発委員会を設置いたしまして、文部科学省が作成した教材であります英語ノートを活用した指導や評価のあり方に関する研究開発を行い、その成果を指導資料集にまとめて学校に配布することによりまして、教員の理解、啓発に努めてまいりました。

 さらに、平成二十一、二十二年度の二年間にわたりまして、すべての小学校を対象に外国語活動の指導の中心となる教員を各校二人ずつ、合計で約二千六百人を育成するための研修を実施いたしますとともに、その教員を活用した校内研修の促進に努めてまいりました。

〇野上(純)委員

 平成二十年から諸準備に当たられて、いわゆる開発も行われたということでございました。

 また、各校で二人ずつ教師を集めて、その研修会を実施したと、その先生方が核になって校内研修にも努めてきたという一連の流れの中での今年度の本格実施となったわけでございます。

 現場の先生方に外国語活動の指導についていろいろ聞いておりますと、今、ALTを活用している学校、例えば区によっては三十時間程度、あるいは三十五時間全部という区もあり、また半分の十七時間、また全くALT、外国人の方を採用していないところも区市町村によってまちまちな状況がございます。

 本来ならば、授業は担任教師が行って、ALTはその補助的な役割を果たすということになっておりますけれども、中にはALTが日本語も非常に堪能で、楽しく子どもたちを動かしながら、その補助役に先生たちが回っているところもさまざまな状況があります。

 ALTの方と担任教諭との連携とかをしっかりと図らなければいけなかったりとか、外国語活動が全面実施された現在におきましては、いろいろな課題が生じていると思いますが、都教育委員会といたしましては、この中で一番の課題となっていることは何なのかについてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 都教育委員会が本年度七月に都内全公立小学校を対象に行いました外国語活動の実施状況に関する調査では、実施上の課題といたしまして、児童の学習活動を評価する際の具体的な場面や方法、通知表での文章による評価の記入のあり方といった児童の学習評価にかかわる内容を挙げた学校が多くございました。

〇野上(純)委員

 評価のあり方が課題ということです。外国語活動なわけで、五、四、三、二、一とか二重丸、丸、三角とかという点数評価にはなかなかなじまない外国語活動でありますので、ほとんどの学校が文章記入による評価を行っていると思います。

 その評価をどのように表現していくのかというのは、現場の先生方は大変に今悩んでいるところだと思うんですけれども、この外国語活動の評価が適切に実施されるように、都教育委員会としての具体的な支援方法についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 教育活動の評価を適切に行うためには、指導の目標を明確に設定し、その目標に向けて指導を行い、次に指導の結果を評価し、その評価結果を今後の指導の改善に生かすという、いわゆる指導と評価の一体化が重要でございます。

 こうしたことから、都教育委員会では、外国語活動の評価が適切に行われるために、各単元の目標、評価の観点、評価場面等の設定の仕方、また評価の表記方法や記載内容等について具体的に示したリーフレットを今年度内中に作成いたしまして、全公立小学校に配布してまいります。

〇野上(純)委員

 やはり目標に対しての評価でございますので、単元の目標とか評価の観点、評価場面等の設定、また表記の方法、記載内容についても具体的に示したこのリーフレットがまた各小学校に配布されることによって、先生方はそれを参考にしながら、より子どもたちを伸ばしていく評価ができるのではないかと期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、教員の採用選考についてお伺いいたします。

 金曜日ですかね、十月二十一日に、今年度の教員採用選考の合格発表がございました。合否の結果は、受験者にとっては悲喜こもごもだったと思います。

 昨年も、この文教委員会の事務事業質疑におきまして、教員採用選考の状況、また受験者確保に向けた取り組みについて質問させていただきました。我が国は人材が貴重な資源であり、その人材の育成を担う教員の役割が極めて重要であり、その教員の確保は多くの都民が都教委に期待しておりますということを述べたと思います。教員の四千人近い大量退職、そして大量採用を迎えた状況の中で、教員採用選考の動向は絶えず注目していかなければならないと考えております。

 そこで、まず、今年度の教員採用選考の結果についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 平成二十三年度の教員採用選考の受験者数は、全校種で一万七千八百三十六人、前年度の受験者数一万七千百四十八人に比べまして約四%増加いたしました。合格者数は三千九百八十三人で、合格者に対する受験者の倍率は四・五倍となりました。

 なお、昨年は合格者数三千二百七十一人で、合格者に対する受験者の倍率は五・二倍でございました。

〇野上(純)委員

 今年度は合格者数に対する受験者の倍率が前年度に比べて下がりましたが、これは全校種で受験者数が増加したということで、倍率が下がったということで、毎年、採用者数の最も多い小学校の選考結果についてはどうなったんでしょうか。

〇岡崎人事部長

 小学校の受験者数につきましては五千三百七十八人、前年度の受験者数五千五十七人に比べまして約六%増加したところでございます。合格者数は一千六百九十六人で、合格者に対する受験者の倍率は三・二倍となりました。

 なお、昨年は合格者数一千三百二十八人で、合格者に対する受験者の倍率は三・八倍でございました。

〇野上(純)委員

 小学校でも同じことがいえるんですけれども、教員の需要がふえたことから、前年度に比べ大幅に合格者数を増加させたために、合格者に対する受験者の倍率が前年度に比べては下がったということですね。

 この新規採用教員の質を向上させるためには、受験者数を減らすことなく、引き続き増加させていくことは大事だと思っております。これは評価したいと思っております。

 優秀な教員を確保し、さらなる受験者数の増加、倍率の確保に向けての今後の取り組みについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 新規採用教員の質の維持向上のために、優秀で意欲に満ちた教員志望者を全国から確保していくための取り組みを継続的に行っていくことが重要でございます。

 このため、首都圏だけでなく、地方からも優秀な人材の受験を促すため、今年度の選考から第一次選考の会場に神戸市を追加し、来年度も各地方会場での選考を実施いたします。

 また、他県と連携した協調特別選考について、二カ年の実績を踏まえまして、他県への働きかけを継続してまいります。

 さらに、教員採用選考PRに若手教員を積極的に起用し、説明会や大学訪問などを通じて全国の大学との連携を強化するとともに、地方在住者を対象に東京の学校を紹介するバスツアーを引き続き実施するなど、教員採用選考におけるPR活動のさらなる充実を図ってまいります。

 今後とも、こうした取り組みを積極的に進めまして、優秀な人材の確保に努めてまいります。

〇野上(純)委員

 さらなる人材の確保、受験者数の増加に期待したいと思っております。

 次に、人材育成についてお伺いいたします。

 すぐれた人材をさまざまな工夫、取り組みで教員として都に採用した後は、その直後から選ばれた人材の育成を図っていく必要があります。

 本年十月四日に開催された文教委員会で、我が党の中山議員が人材育成に関する質問を行っております。その際、小学校で実施しております学級経営研修について、学習指導力等について校長から高い評価を得ており、学級経営研修生となった新規採用教員や新人育成教員からも、この研修制度を評価するという意見が寄せられているという答弁がございました。

 平成二十三年度は、再任用短時間勤務職員百四十七人を新人育成教員として小学校に配置し、新規採用教員である学級経営研修生とペアで学級を担任して、実質的な指導、育成を行っているということでございますが、採用直後から学級を担任する小学校の新規採用教員は、速やかに担任としての資質、能力を高める必要があり、これは大変重点的な指導、育成が求められます。

 そこで、この学級経営研修の一層の拡大、充実を図る必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 学級経営研修の実施規模の拡大のためには、新人育成教員の確保が重要でありますことから、都教育委員会では、今後、計画的に新人育成教員の増員を図りまして、最終的には、年間五百人程度と見込まれます大学卒業直後の新規採用教員を学級経営研修生として育成する予定でございます。

 新人育成教員確保のためには、今年度は退職予定の教員向けの退職準備講習会での周知、リーフレットの配布等を行ってまいりました。

 また、先日実施いたしました人事部事業発表会では、千人を超える小学校の校長、副校長が参加する中で、実施校が学級経営研修の効果的な実践事例を発表いたしました。参加者からは、すべての小学校でこの制度が実施されるとよい、実践報告が参考となった、退職予定者の不安を解消し、新人育成教員を確保したいなどの意見が寄せられまして、退職予定者を積極的に新人育成教員として活用していこうという機運が高まってきているところでございます。

 今後とも、学級経営研修の実施規模の計画的な拡大と、効果的な研修の実施に努めてまいります。

〇野上(純)委員

 先ほどの選考結果に関する答弁もありましたけれども、多数の教員を新規に採用する今の現状では、学級経営研修の規模拡大を図ることが大変大事だと思っております。

 一方で、この研修は新人育成教員とペアを組んで指導、育成を図ることから、この指導に当たる新人育成教員の資質が大変大事で、効果的な育成のための重要な要素だと思っております。

 今後とも、新規採用教員を適切に指導できる適任者を確保して育成に当たっていただけるよう要望いたします。

 最終的には、五百人の新人の教員全員に新人育成教員を配置して、一対一でしっかりと育成をしていくということが大事だと思っておりますが、新人育成教員の資質ということが大変大事になりますので、そこら辺はしっかりと採用するときに見きわめて、変な話、変な先生が新規採用の教師に一年間ついて指導した結果、効果的ではなかったということにならないように、新人育成教員の資質をしっかりと見きわめながら、焦らないで、新規採用教員を適切に指導できるようにしていただきたいと思っております。

 最後になりますが、被災地支援に派遣した教員の活用についてお伺いいたします。

 都教育委員会では、被災地の宮城県だけですよね、教員の派遣を実施してきましたけれども、こうした経験は宮城県の子どもたちへの教育活動に資するだけでなく、派遣された教員の成長にもつながるものだと考えております。

 そこで、都教育委員会では、宮城県への派遣期間が終了した後の教員について、この先生たちを今後どのように活用していくのかについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 宮城県への派遣教員は、被災後の教育活動の課題解決に取り組み、被災した児童生徒の実情に応じた指導を行いながら、教育活動が再開されていく過程を直接現地で体験しております。

 都教育委員会職員が派遣先校を訪問した際には、校長から、派遣教員が他の教員と協力し、広域的な視点に立って保護者や地域住民などとの連携に積極的に取り組んでいる状況を聞くことができました。

 また、派遣教員が橋渡し役となって、宮城県の学校と都内の学校との間で文通などによる交流が実施されております。

 最近では、宮城県の生徒が都内の学校を訪問し、太鼓の演奏を披露するなど、児童生徒間の交流が拡大しているところでございます。

 都教育委員会といたしましては、今後、派遣教員がみずからの経験を学校現場で生かすとともに、他の多くの教員も貴重な経験を共有し、その活用を図るよう、区市町村教育委員会や学校に働きかけてまいります。

〇野上(純)委員

 教員の育成を図るためには、東京都以外の地域や学校以外の場でのさまざまな経験を積むことも重要です。そうした観点から、被災地への教員派遣は被災地支援のみならず、教員の人材育成にも有意義であり、東京都の教育の向上にも資するものであると考えております。

 みずから志願をして被災地に赴いた先生方ですので、その経験をぜひ現場でも生かしていただきたいと思っております。そのためには、例えば体験活動会とか、また例えば自分で体験記録を書いて、それを東京都のホームページに載せて、だれでも自由に、全教師もそこで見られるようにするなど、さまざまな工夫をしていただければと思っております。

 今後とも、被災県と東京都の教育の向上に取り組んでいただけるよう要望いたしまして、これで終わりにいたします。

 以上です。

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