平成23年文教委員会(2011年11月1日)高齢者の相談について等

平成23年文教委員会(2011年11月1日)



〇野上(純)委員

 四点にわたり質問させていただきます。

 最初に、消費者行政についてお伺いいたします。

 今、若者でいえば、携帯に関するトラブルが多くて、携帯の中につけなくてもいいオプションを契約させられて、またそれを解約しようとすると、なかなかうまくいかないような仕組みになっていたり、また、ネットショッピングで、たくさん商品を買えば送料は無料だというふうに書いてあるのに送料を要求されたりとか、最近、私の身近であったのは、使った覚えのない多額の通信料金の請求が来て、それを親御さんが、子どもが勝手にアクセスしてはいけないところにアクセスしたのだろうと、確かめもしないで料金を払ってしまったというような事例がございました。

 今、ライフスタイルや価値観が多様化しておりまして、さまざまな消費者ニーズにこたえる新商品、あるいはサービスなどが次々と登場しております。その関係で、商品やサービスの利用、購入などの取引形態も、ネットを利用する人も多く、複雑化しております。それに伴って、次から次へさまざまなトラブルもふえてきております。

 また、最近では、東日本大震災に乗じて、不安な気持ち、例えばお宅の家は耐震が厳しいから耐震診断をしましょうとか、耐震補強しましょうとかといって多額な料金を請求されたという事例とか、被災地を支援したいという気持ちを利用した悪質な勧誘とか、詐欺まがいの行為も行われております。巧妙な手口で消費者の心のすきにつけ込むような悪質な事業者が後を絶ちません。

 こうした中で、都及び区市町村の消費生活相談窓口には、日々、悪質な商法や被害について多くの消費者からの切実な相談が多数寄せられております。

 そこでまず、都内の消費生活センターにおける相談の状況と、特に被害が及びやすい高齢者の相談の特徴をお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 平成二十二年度に、都及び区市町村の消費生活センターに寄せられました相談は十二万五千七百六件と、高い水準となっております。

 内容的には、インターネットを利用した架空不当請求等にかかわるトラブルが最も多く、相談全体の一六%を占めています。

 六十歳以上の高齢者の相談は約三万五千件と前年に比べまして六・一%増加し、過去最多となりました。平均契約金額も、高齢者は三百二十二万円と、相談全体の百九十六万円と比較して高額であり、被害が深刻化している状況であります。

 特に公社債や未公開株等の金融商品に関する相談や、貴金属の訪問買い取りに関する相談が急増しております。

〇野上(純)委員

 高齢者をねらった貴金属の悪質な訪問買い取り、いわゆる押し買いによる被害が急増しております。

 今、金が値上がりしておりまして、ピークをちょっと下がったぐらいなんですけれども、例えば金の入れ歯なども高く買いますよとか、ネックレスとかの貴金属も買いますよということで優しく声をかけて、一人で寂しく暮らしている高齢者たちに、自分の孫のような青年が接して、優しくして、家の中の金品をおばあちゃんが売ってしまうという事件とか、あるいは出すまで帰らないみたいな悪徳な場合とかさまざまな相談件数がございますが、この貴金属をねらった悪質な売買、買い取りについての相談件数の実績についてお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 六十歳以上の高齢者から都内の消費生活センターに寄せられました貴金属の訪問買い取りに関する相談は、平成二十一年度が十三件だったのに対しまして、二十二年度は百七十件と約十三・一倍となっております。

〇野上(純)委員

 十三・一倍という、これは驚くほどの急増ぶりだと思っております。三月の大震災の後は、さらに悪質な便乗商法も発生していますので、対策が急務です。

 貴金属の訪問買い取りによる被害の対応について、被害の防止のためにさまざまな対応をとっていると思いますが、より具体的な対応策についてお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 貴金属の訪問買い取りにつきましては、消費者が商品を売り渡す立場となることから、訪問販売等による購入者の保護を目的とする特定商取引法を適用することができません。また、消費者が事業者名を確認できないまま取引に応じているケースが多いため、悪質な事業者を取り締まることが極めて困難でございます。

 こうした中、都では、消費生活センターに寄せられる相談の急増を受けまして、不適正な取引行為が行われた疑いのある相談案件を抽出し、事業者を特定できたものにつきまして、消費生活条例により改善指導を行ったところでございます。

 さらに、本年四月二十六日には、緊急消費者被害情報を発信いたしまして、強引な買い取りや、震災に便乗して善意につけ込むなど、代表的な手口を紹介するとともに、被害に遭わないためのアドバイスを都のホームページ「東京くらしWEB」などに掲載し、被害の拡大防止のための注意喚起を図りました。

 あわせて、国に対しまして貴金属の訪問買い取りを特定商取引法の規制対象とするよう、法整備を強く要望したところでございます。

〇野上(純)委員

 新聞報道によりますと、国では遅まきながら研究会を立ち上げて、貴金属の訪問買い取りに新たな法的措置を講じるための検討を行っているということでございます。

 都においては、引き続き国を動かして、また国に先んじた取り組みによって、都民、特に立場の弱い高齢者が、こうした悪質事業者の被害に遭わないように努めていただきたいと思います。

 ただいまの答弁によりますと、注意喚起の方法の一つとして、ホームページの活用を挙げております。多くの人に迅速に情報を伝えられる手段として、ホームページは大変有効です。

 高齢者のことを考えると、若者のようにホームページにアクセスして使いこなすということはなかなか難しいのが現状です。やはり七十歳過ぎの方々で、インターネットを駆使している方は少ないのではないかと思っております。高齢者を情報弱者として孤立させない配慮が必要と考えます。

 そこで、ホームページを見る機会がない高齢者に対しては、どのような方法で注意喚起を行っていくのかお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 都ではホームページに加えまして、「広報東京都」や、消費生活に関する情報誌「東京くらしねっと」といった、だれでも簡単に入手できる紙媒体も活用いたしまして、高齢者に向けた情報提供を行っております。

 また、毎年九月を高齢者被害防止キャンペーン月間と定めまして、ポスター、リーフレット等による啓発を実施しております。今年度は、新たに啓発用ポスターを、電車、バスの都内主要路線の車内に掲出するなど、集中的な広報を行ったところでございます。

 さらに、高齢者の身近な方々からの働きかけが効果的でありますことから、民生委員やホームヘルパーなど、高齢者を見守る方々を対象に、悪質商法の手口や対処法などをわかりやすく解説する出前講座を地域の求めに応じて実施しております。

 昨年は、これらに加えまして、被害防止のポイントや見守りの重要性について、具体的な情報を盛り込んだDVDを作成し、区市町村等関係機関へ配布いたしました。

 今後とも消費者被害防止のため、さまざまな手法できめ細かい普及を行いまして、高齢者が安心して暮らせるよう取り組んでまいります。

〇野上(純)委員

 今現在、大変先行きの不透明な時代でございますので、悪質業者はさまざまな販売方法や手口を考えてきます。それぞれの商法の特徴とか、今まで高齢者で手口にかかった事例とか、また、高齢者の方が消費者被害に遭わないように防止することが大事だと思っております。

 悪徳業者というのは、言葉が非常に巧みです。高齢者のところに行って、不安をあおるようなことをいったり、また、ひとりぼっちで寂しい孤独な高齢者に対して、大変親切に近寄って信用させて、高齢者が今までためてきたお金とか年金など、大切な財産をねらっています。

 また、高齢者は一人で自宅にいることが多いため、訪問販売とか電話勧誘販売によって被害に遭いやすいとかの特徴もあるわけでございます。高齢者を悪質事業者から守るためには、ご本人への周知はもちろん、周囲の働きかけや見守りが大切であると思います。

 ひとり暮らしの方もふえている中で、先ほど答弁にありましたけれども、地域の方たちの協力なしには、防止はできないと思っております。

 都は、身近な区市町村と連携して、地域に根差した高齢者の消費者被害防止の取り組みを推進していただきたいと思っております。

 次の質問に移ります。次は、芸術文化を通じた被災者支援についてです。

 芸術文化を通じた被災者支援については、先日、仙台に行ったときに被災者の方と話す機会がありました。そのときに、被災、発災直後というんですかね、水とか毛布とかトイレといった命を守るための物資が必要だと思っていたけれども、時間が経過するとともに、心に残っている傷、また、悲しい思いをいやしてくれる支援が欲しいということでございました。

 私も七月に石巻に行ったときには、四回目だったですかね、おもちゃを持っていきました。今まで米とか水とか食料とかはあったけれども、おもちゃというのは初めてだったので、非常に喜んでいただきました。

 ちょっとおもちゃとは違うんですけれども、被災地にアーチストというんですかね、文化芸術発信のアーチストを派遣することというのは非常に有意義なことだと考えております。

 東京都交響楽団が五月に郡山で復興支援コンサートを行いました。我が党の議員が視察したことは第二回定例会でも取り上げましたが、その後の芸術文化活動を通じた被災地支援についてお伺いいたします。

〇関文化振興部長

 芸術文化を通じました被災地支援につきましては、東京都交響楽団を七月に宮城県石巻市へ派遣するなど、学校や仮設住宅等の集会所での演奏会をこれまでに十八公演行ってまいりました。

 また、ヘブンアーチストも、宮城県、岩手県の被災地で子どもたちを集めまして、アクロバットですとか一輪車などが楽しめる公演を十七回行っております。

 さらに、被災三県やNPOなどと連携いたしましたアートプログラム事業にも取り組みまして、フェスティバルFUKUSHIMAにおける大ぶろしきの作製や、宮城県の雄勝法印神楽の舞の再生などを実施しております。

〇野上(純)委員

 被災地はまだまだ復興途上でもありまして、被災者が文化を楽しみたいという気持ちはあっても、地元の自治体ではなかなかそこまで手が回らない状況だと思っております。

 そうした中で、東京都が都響とかヘブンアーチストなどをこんなにたくさん派遣していただいたことは、東京だからこそできた取り組みであって、被災地にとっても意義があることだと感じております。

 こうした被災地への支援をより効果的に行うためには、現地のニーズを踏まえた取り組みが必要であると思います。

 実施に当たっては、どんな工夫を行ったかお伺いいたします。

〇関文化振興部長

 被災地での支援に当たりましては、地域ごとのニーズをきめ細かく把握するために、現地のNPOなどと意見交換を行いながら実施をしてまいりました。

 具体的には、都響は、より多くの方が楽しんでいただけるよう、クラシックの中でも、広く親しまれている曲を演目に取り入れ、演奏を行いました。

 また、ヘブンアーチストは、もともと大道芸でございますから、身軽に移動できるという特性を生かしまして、一つの公演に複数のアーチストを組み合わせることによりまして、延べ八十七組が実演を行い、約四千人の参加者を得ております。

 事業の実施に当たりましては、地域の方に広く周知するため、都の現地事務所とも連携した丁寧なPR活動にも努めてきたところでございます。

〇野上(純)委員

 いろいろ工夫を凝らして被災地の支援を行っているということが明らかになりました。こうした経緯を今後の事業に生かすためには、その効果を検証していくことが大切だと思っております。

 これまでの効果について、現地の声なども交えて教えていただきたいと思います。

〇関文化振興部長

 効果でございますけれども、例えば先ほどご答弁いたしました宮城県の雄勝法印神楽でございますけれども、これは東北を代表いたします民俗芸能でございました。

 ただ、津波で舞台が失われてしまいましたので、この神楽の存続のため、新たな舞台の製作を都が支援いたしまして神楽の舞が復活し、十月二十二日には、公演を行う運びとなりました。

 また、ヘブンアーチストを派遣した学校では、三月十一日以降全く笑うことのなかった子どもが、今回のヘブンアーチストの公演を見て初めて笑ってくれた姿を見てとてもうれしかったという声を先生方からもいただいております。

 また、つかの間の楽しい公演だったけれども、その間だけでも悲しみを忘れさせてくれてありがとうと感きわまって涙を流す年配の女性もいらっしゃるなど、被災地の方に心をいやす取り組みができたと考えております。

〇野上(純)委員

 大変効果があったと思っております。芸術文化を活用した被災地支援は、息の長い取り組みが必要と思います。発災から七カ月が過ぎ、これから寒い冬を迎えるわけでございますが、雪で閉ざされた東北地方の生活は、さらに困難さを増していくものと思われます。

 そうした中で、これからも楽しみを提供し、元気づける支援こそが重要と考えますが、この取り組みに対していかがでしょうか。

〇関文化振興部長

 今後でございますけれども、引き続き都響やヘブンアーチストの被災地への派遣を継続してまいりますとともに、地元のNPOなどと連携をいたしながら、十二のアートプログラムの事業を実施していく予定でございます。

 今後とも、芸術文化を通じまして、被災地に元気を与えることで被災地の復興を支援してまいります。

〇野上(純)委員

 我が党では、これまでも被災地での文化活動の取り組みを強化するようにずっと要望してまいりました。

 都が被災地ニーズ等にきめ細かく対応しながら、芸術文化活動の支援に積極的に取り組んでいることは高く評価をしております。

 今後とも、心に希望を見出せるような温かい支援に引き続き力を入れて取り組んでいただけますよう強く要望します。

 次の質問に移ります。新しい公共支援事業について質問いたします。

 平成二十三年二月の文教委員会の質疑におきまして、新しい公共支援事業について、予算規模やモデル事業の対象について質疑を行いました。この質疑を通して、都が新しい公共の場づくりのためのモデル事業など、さまざまな事業に取り組むことがわかりました。

 その中でも、特に行政とNPOが協働して、地域の諸課題解決に取り組むモデル事業が重要であると考えております。

 そこで、モデル事業を中心に、都の取り組み状況がどのようになっているのか、最初にお伺いいたします。

〇飯塚都民生活部長

 新しい公共支援事業については、当該事業の全般に関する検討、選定、評価を行う東京都新しい公共支援事業運営委員会を五月に設置し、この委員会での検討を経て、新しい公共の活動を推進する上での課題、取り組み方針や都が推進する施策の内容等を定めた東京都新しい公共支援事業基本方針及び東京都新しい公共支援事業事業計画を策定いたしました。

 その後、七月から事業計画に基づく新しい公共の場づくりのためのモデル事業の第一回の公募を行いました。全体で二十七件の応募があり、運営委員会による審査、選定の結果、九月に十五件を交付対象事業として決定いたしました。

 現在、第二回のモデル事業を公募しているところでございます。

〇野上(純)委員

 三月十一日に発生した東日本大震災を受けて、多くのNPOの方やボランティア団体が被災地に入り、さまざまな支援活動を行っております。

 こうした活動がメディアに連日取り上げられるなどして、被災地、あるいは被災者を支援するNPOの担う役割が改めて注目されております。

 一方で、このような活動を行う団体は、寄附が集まりにくいなど、資金面での苦労があります。新しい公共支援事業は、東日本大震災の発生前から国が進めてきた事業であり、大震災対応を主目的とした事業ではないことは十分に理解しておりますけれども、東日本大震災への支援において、NPO等と自治体が連携するスキームは大変有効であります。このスキームにモデル事業を活用すれば、支援の取り組みが一層進むべきものと考えております。

 そこで、東日本大震災の支援を希望する自治体とかNPO等が、新しい公共支援事業を活用できるようにするための対応についてお伺いいたします。

〇飯塚都民生活部長

 東日本大震災への対応に関しては、国が東日本大震災を受けて、平成二十三年四月にガイドラインを改定したことに伴い、都においても、震災の緊急性や重要性を踏まえた十分な対応ができるように事業計画を策定いたしました。

 具体的には、モデル事業について五億七千四百万円の既定予算枠の中で、一億円の震災支援枠を設定いたしました。

 そのほか、申請に当たっての要件であるモデル事業の参画者数について、おおむね五団体以上から震災対応事業に限って二団体でも可能とする緩和を行ったところでございます。

〇野上(純)委員

 我が党としては、第二回都議会定例会における代表質問や文教委員会の質疑を通して、芸術文化活動の提供による被災地支援の重要性を指摘して、その推進をお願いしたところであります。

 私は、芸術文化に関するノウハウを有して、地域に密着して活動を行っているNPO等の民間非営利団体と自治体とが連携して取り組む事業には、さまざまな可能性があると考えております。

 こうした活動を行っているNPOの方が被災地における文化交流事業を行うのに際して、この新しい公共支援事業のモデル事業を大いに活用することを願っております。

 一方、この支援事業は、平成二十五年三月までの二年間の時限措置となっております。平成二十三年二月の文教委員会での質疑において、もし基金に残金が発生した場合、どうなるのかという質問をいたしましたところ、このお金は国庫に返還するとの答弁でございました。都には、残額が発生しないように確実に事業執行することが求められていると考えます。

 そのためにも、この支援事業に関する周知を徹底して、より多くの団体から申請をしてもらう取り組みが重要となります。

 そこで、都として、これまで周知活動に取り組んできた経緯とか、また今後、これを広げるための取り組みについてお伺いいたします。

〇飯塚都民生活部長

 都では、ホームページを活用した周知を行うとともに、平成二十三年四月に区市町村及び庁内全局の担当者向け説明会を実施し、区市町村からは四十団体の参加がございました。

 七月と十月には、モデル事業への応募を希望する区市町村やNPO等向けに、より実務的な説明会を開催し、合計で百七十八名が参加いたしました。また、より着実かつ円滑な事業周知と応募を促すことを目的に、希望のあった二十一の区市町村に対して、みずから直接出向いて説明を行うなど、事業の周知に取り組んできたところでございます。

 今後とも、都のホームページ等を活用した周知や、参加者のニーズに合った説明会を開催するとともに、東京ボランティア・市民活動センター等の関係機関の協力を得ながら、新しい公共支援事業に関する周知に積極的に取り組んでまいります。

〇野上(純)委員

 今の答弁を聞いておりましても、都としても周知活動を初め、確実かつ円滑な事業執行に向けたさまざまな取り組みを行ってきたことがわかりました。

 新しい公共支援事業に係る交付金については、交付に至るまでの経緯はいろいろありましたけれども、国から措置されたせっかくの交付金であることから、ぜひ有効活用していただき、国庫に返さずに済むように取り組んでいただくよう要望して、次の質問に移ります。

 配偶者暴力対策についてお伺いいたします。

 配偶者暴力防止法が平成十三年に施行されてから丸十年がたちました。この間、都は、東京都配偶者暴力対策基本計画を策定して、さまざまな取り組みを進めるなど、DV対策の充実に努めてきました。

 今年度末にも計画の期間が終了するため、現在、私も委員として参加しております東京都男女平等参画審議会において計画改定に当たっての基本的な考え方について議論を進めているところでございます。

 この十年間の取り組みにより、多くの被害者が救われてきたと思いますが、審議会の場で伺ったデータによると、平成二十一年度に、都や区市町村のDV相談窓口に寄せられた相談件数は、この資料にもございますが、合計三万五千件と増加傾向にあります。

 また、一時保護件数は、年間でおおむね五百から六百件に上り、そのうちの約六割は子どもさんを同伴しているということでございます。

 加害者から逃れてきた被害者の方は、心身ともに疲れ果てている上に、住宅とか就労の確保、子どもの教育など、さまざまな課題まで抱えておりまして、一人で生活を再建し、自立に至ることは到底できるものではございません。地域の関係機関が連携して、被害者が抱える課題の解決を支援していくことが重要でございます。

 そこで伺いますけれども、被害者の一日も早い自立支援に向けて、都は、関連機関との連携をどのように図っているんでしょうか。

〇菊地男女平等参画担当部長

 配偶者暴力被害者の支援については、被害者の置かれている状況や抱えている課題に応じて、関係機関が密接に連携しながら適切に対応していくことが重要であります。

 このため、都は、平成十九年度に庁内各局のほか、区市町村、警視庁、医師会、シェルターを運営する民間団体等で構成する東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議を設置し、関係機関の連携に努めてまいりました。

 今年度は、新たに民生児童委員連合会の参加も得て、さらなる連携の強化を図ったところでございます。

〇野上(純)委員

 ネットワーク会議は設置から五年目を迎え、今年度も参加機関の充実を図ったとのことでございます。実りある議論や情報交換を行える貴重な場として、今後も活用していただきたいと思っております。

 都は、さまざまな団体との連携強化を図っているとのことですが、被害者が生活を再建し、新しい人生をスタートする上で、とりわけ被害者に寄り添ったきめ細かい支援をすることができる民間団体の存在が欠かせません。

 都は、ネットワーク会議のほか、東京ウィメンズプラザの事業などを通して、さまざまな場面で、民間団体との協力、連携を図っておりますけれども、日ごろ被害者支援に取り組む中で、民間団体の抱えている課題をどのように認識しているでしょうか。

〇菊地男女平等参画担当部長

 民間の支援団体の中には、配偶者暴力防止法の整備以前から取り組みを行ってきた団体や、専門の分野に関して高い能力を有する団体もあります。

 しかしながら、多くの団体は小規模であり、人材や資金の不足から、被害者が一時保護所を出た後に、自立に向けた準備をすることができる施設の設置や、被害者と子どもを支援するプログラムの実施に思うように取り組めないことが多いと聞いております。

〇野上(純)委員

 ただいまの答弁で、自立に向けての準備ができる施設の設置が思うようにいかないとのお話がございました。

 いろいろな施設があるのでしょうけれども、私がとりわけ大事だと思うのは、心のケアも受けながら、自立生活に向けて練習ができる、いわゆるステップハウスの存在だと思っております。

 被害者は、一時保護所に原則として二週間しかいられませんので、民間団体が運営するステップハウスに移って、精神的なサポートを受けながら、時間をかけて社会復帰に向けた準備を行えることはとても有効な支援といえます。しかし、都内では、地価が高いことなどにより、なかなか設置が進んでいないと聞いております。

 DV被害者の自立支援をサポートするために、都内にステップハウスを少しでもふやせるよう、民間団体に対して財政的支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。

〇菊地男女平等参画担当部長

 一時保護所を出た後の被害者にとって、ステップハウスは重要な役割を果たしていますが、施設の借り上げなど、立ち上げに要する初期費用が民間団体にとって大きな負担になっていると認識しております。

 都は、民間団体による自立支援の取り組みをさらに充実させるため、住民生活に光をそそぐ交付金を活用し、ステップハウスの立ち上げに要する初期費用に対して助成することができないか検討してまいります。

〇野上(純)委員

 ステップハウスの立ち上げに必要な初期費用への助成を検討するという答弁がございました。ぜひとも実現に向けて取り組んでいただくようお願い申し上げます。

 先ほどの答弁にありましたが、民間団体にとって財源不足とともに問題となっているのが人材不足でございます。私が団体の方から聞いた話では、心理的に不安定な状況にある被害者が自立に向けた各種手続を行うために、区市町村の窓口や子どもの学校等に出向く際に、団体の方が同行する支援の取り組みがあるそうです。こうした支援は、被害者にとって大きな負担軽減になりますが、一つの団体だけでは被害者が希望する日時に同行できないなどの対応に限界があるとも聞いております。

 もし、複数の団体が協力をしてスタッフ等を融通し合えば、被害者のニーズに合った支援を行えるのではないでしょうか。こうした事例を初めとして、複数の民間団体が協力し合い、被害者のための支援活動を広げていくような取り組みが必要と考えますが、所見を伺います。

〇菊地男女平等参画担当部長

 民間団体は、団体間の横のつながりが弱く、多くの場合、個別に活動しているのが実態であります。複数の民間団体が連携し、互いに不足する資源やノウハウを共有して事業を実施することは、団体の支援能力の向上、ひいては被害者の自立支援の充実強化につながると期待できます。

 このため、ご指摘のあった同行支援の事業も含め、複数の民間団体が協力し合い、新しく連携して行う取り組みへの支援についても検討してまいります。

〇野上(純)委員

 DV被害者への支援は待ったなしです。現在行われている男女平等参画審議会での議論や、都に寄せられた民間団体のさまざまなニーズなどを踏まえ、DV対策の充実に積極的に取り組んでいただきたいと考えます。

 昨年度の補正予算で、福祉・健康安心基金にDV対策に活用できる光交付金が積み立てられましたが、執行上の工夫もしながら、早目に活用を始めていただくようお願いいたします。

 最後に、DVとちょっと角度が違うんですが、最近の事例で、個人情報もありますので、要望をさせていただきます。

 実の子どもが高齢者の母に対して暴力を振るっているという電話がございました。近所の方々がいろいろ対応しているわけでございますが、大変体も大きく、統合症も併発しているので、危険ということで、警察の方にお連れいたしました。そして、一泊は警察のソファーで明かして、二晩目は私の友人にお願いして、そこに泊めていただいたわけでございます。

 DVというのは、配偶者からの暴力ということでございますが、これからの時代、実の娘、あるいは実の息子から、実の母とか父への暴力ということもふえてくるのではないかと思います。そうした命に危険がある場合の家庭内の暴力という意味で、それもDVかもしれないんですけれども、そういった支援も今後ともぜひ検討していただければということを要望して、質疑を終わらせていただきます。

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