平成24年文教委員会(2012年3月16日)アレルギー疾患のある児童生徒について等

平成24年文教委員会(2012年3月16日)



〇野上(純)委員

 最初に、アレルギー疾患について質問いたします。

 ハチに刺されたりとか、あるいはそば等、小麦粉とか卵とかそういった食物を体に取り入れたときに、アナフィラキシーという非常にショック状態が起こる子どもたちがいます。

 昨年、商標名でエピペンというんですけれども、それが保険適用になりまして、各学校でエピペンを持って、ジーパンの上からぴっと刺すと、エピペンでショック症状が和らいで命が助かるというものをそれぞれ子どもたちが学校に持っていって、保健の先生等に相談しながら、アレルギーに対するさまざまな取り組みを行っていると聞いているんですけれども、今までアレルギー疾患がある児童生徒に対して、都教育委員会はどのように取り組んできたのかお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 アレルギー疾患のある児童生徒が安心して学校生活を送ることができるように、平成二十年四月に文部科学省監修による学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが示されたところでございます。

 これに伴い、都教育委員会では、教職員にアレルギー疾患に対する理解と対応能力を高め、各学校での取り組みを進めるため、平成二十一年度以降毎年、都立、公立学校教職員等を対象に専門の医師などを講師として招聘し、研修会を実施しております。平成二十三年度末までに十回研修を実施し、延べ二千五百名ほどが参加しているところでございます。

 平成二十三年九月には、今、先生、エピペンと申されましたアドレナリン自己注射薬が保険適用となったことを受けまして、今年度の研修会ではアドレナリン自己注射薬の知識、使用方法及び学校での注意点を中心に、アレルギー全般の知識などについても周知しております。

 また毎年、区市町村教育委員会に対し、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒の調査を実施しております。

〇野上(純)委員

 丁寧に、登録商標じゃなくて普通の名称はそうだと思うんですけれども、どれぐらいの児童生徒がアドレナリン自己注射薬を携帯しているんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 平成二十三年度の調査では、都内公立幼稚園及び小中学校で合わせて四百名でございます。

〇野上(純)委員

 幼稚園と小中学校合わせて四百人のそういう子どもたちが携帯しているということがわかりました。

 アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒に対して、延べ研修参加者二千五百人で相当多数の方が研修に参加をしていらっしゃるということで、特にアドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒が在籍している学校の教職員には、研修会に参加することがとても大事だと思っているんですけれども、これについて来年度はどのような取り組みを予定しているんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 来年度も区市町村教育委員会に対し、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒の調査を行うほか、ガイドラインに示された学校生活管理指導表を活用し、教職員が児童生徒の実態を十分把握した上で、適切に対応できるよう周知を図るとともに、関係教職員等を対象に、二回研修を実施する予定でございます。

 特に、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒が在籍している学校に対しましては着実に周知されますよう、区市町村教育委員会に働きかけてまいります。

〇野上(純)委員

 幼稚園、小学校、中学校は所管が区市町村教育委員会になっていますので、直接所管をしている都立学校ではアレルギー疾患がある児童生徒ですね、特別支援学校もあるので、児童生徒に対してはどのように取り組んできたんでしょうか。

〇直原都立学校教育部長

 研修会につきましては、全公立学校教職員を対象とした研修に都立学校教職員も参加しております。

 また、平成二十四年一月一日現在ですが、都立学校でのアドレナリン自己注射薬の処方を受けている児童生徒数は六十一名でございまして、来年度もすべての都立学校が国の学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインにのっとりまして、アレルギー疾患がある児童生徒に対し適切に対処できるよう、特に当該児童生徒が在籍している学校を中心に、教員研修などを通じて引き続き取り組んでまいります。

〇野上(純)委員

 今回、なぜアレルギー疾患に対する取り組みを取り上げたかといいますと、通知文がそれぞれの学校に届きます。そうすると、この研修会に参加する人というので、だれかいませんか、だれか代表で一人でいいので行ってくださいというふうにいいます。すると、中には養護の先生、また忙しいので副校長、一番いいのは、子どもの担任が行ければいいのですが、なかなかそういう時間がとれなかったりして行けないということで、だれか一人代表で研修を受けてきます。それで終わってしまっていると、そこが問題だと。

 一回この研修を受けてきた人が、必ずその学校で伝達講習をしなければ意味がない。エピペンをぴっとジーパンの上から刺すわけですので、非常に怖がっている先生方が、担任の先生もどうしようと。なるべく責任逃れじゃないけれども、やりたくないということもあるので、ぜひ伝達講習会をやることと、それから、エピペンという業者だと思うんですけれども、メーカーに声をかければ、エピペントレーナーという五十本のトレーニングするものが送られてくるんですね。

 それと、都教育委員会がつくってくださっているすばらしいビデオがあるので、そのビデオを一時間見ながら、エピペントレーナーでぴっと練習をすれば、先生、それから校長先生、副校長すべての人が、子どもがそういうふうなアナフィラキシーになったときにぱっと対応できて、命が助かるということがいえるわけです。ですから、ぜひそういった意味で、全校の先生の共通認識でアレルギー対策をしていただきたいということを切に望みます。

 次に、校務改善について質問いたします。

 実は、予特で取り上げようと思って、時間がなくて、こちらに回させていただきます。済みません。

 小中学校の校務改善なんですけれども、都教育委員会は平成十五年に管理職と一般教員の間に、監督職である主幹教諭制度を導入したと、二十一年度には、若手教員の育成を担う主任教諭の制度を導入したということなんですね。

 私も教職にいたもので、私が教職にいたころは、校長、そのころは教頭といっていました。校長、教頭がなべのふたの部分にいて、あとみんな平教諭、なべぶた組織といわれていたんですね。

 それを段階的に校長、副校長、主幹、主任、教諭という、会社でいえば代表取締役、取締役、本部長、部長、課長、係長みたいな会社組織のような形にしていきたいというふうな流れがあったと思います。

 学校経営のかなめである副校長が学校に配布されるさまざまな書類の収受や仕分け、また教育委員会からの調査、これは私たちが質問するために、教育委員会からぱっと書類が来て、さっと出さなくちゃいけないという、非常に忙しくなると。

 例えばさっき質問した、エピペンを使わなくちゃいけない人何人いるのといったら、ぱっと書類が来て、ぱっと回収して、何人というふうに、非常に現場が忙しいというような声も聞いておりまして、また、来校者の電話や対応、特に今、非常に難しいモンスターペアレントという方たちもいたりして、そういう対応、いろいろなメンタルヘルスの対応とか大変な仕事が待っているわけです。

 一人先生が休むと、その代理の教師が見つかるまでいろいろと毎晩のように電話をして見つけなくちゃいけないとか、そういう仕事がたくさんありまして、本来の仕事は人材育成だと思うんですね、教師の人材育成をしていかなくちゃいけないのに、なかなかそういう時間がとれない。自分のたまった仕事は、朝早く行ってやるか、夜遅く残ってやるか、土曜、日曜、休日に処理をしなくちゃいけないということがあったと思うんですね。

 都教育委員会は、ここら辺がすごいすばらしいと思うんですけれども、平成二十二年、二十三年の二年間、現場で業務実態調査を実施してきております。読ませていただきますと、かなり細かい部分まで踏み込んだ調査をしていらっしゃいます。昨年度の調査結果からは、一部の学校では副校長等が調査への回答や報告など事務的な仕事に追われて、教育活動に力を注ぎ切れない実態、そういったこととか、また教職間で役務分担が不明確である。

 要するに、例えば学校便り一つつくるのも、これはだれの仕事なのか、教務主任がやるのか、副校長がやるのか、はたまたちょっと暇そうな校長がやるのかとか、学校によっていろいろ分担が違って、だれがやったらいいのかというのがいろいろ不明確であったと。

 それから、教職員の人材育成とか情報の共有化が進んでいないということがあって、体制づくりが難しいんだなということが明らかになったということですね。

 調査研究に関しましては、小学校十校、中学校十校の合計二十校をモデル校として、その効果を検証してきたということなんですけれども、この検証の結果について最初に質問いたします。

〇岡崎人事部長

 都教育委員会は、今年度、小中学校二十校をモデル校に指定しまして、経営支援部の設置、副校長の支援職員や経営専任主幹の配置などを試行的に実施し、学校関係者等々、区市町村教育委員会の代表者から成る校務改善検討会議におきまして、昨年度との業務内容の比較を詳細に分析して、その効果を検証してまいりました。

 モデル校では、調査報告や広報業務など、従来役割分担が不明確でございました業務の分担を明確化することによりまして、副校長が教員の人材育成など、本来、管理職として行うべき業務に一層力を注げるようになりました。

 とりわけ経営支援部を設置した学校では、いずれの分掌にも属さない突発的な事態が生じても円滑に対応できたほか、経営支援部に所属する教職員だけでなく、他の部の教職員も主体的に校務を担うようになりました。

〇野上(純)委員

 モデル校での検証の結果、先ほどおっしゃいました経営支援部の設置は特に効果があったということですけれども、この理由についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 学校におけます実態調査から、教職員間の役割分担が不明確な場合には、管理職がリーダーシップを効果的に発揮できず、副校長など特定の教職員が業務を抱えがちになってしまうことが明らかとなっておりました。

 経営支援部は、主幹教諭や事務職員等を構成員とする副校長直轄の組織でございまして、副校長に集中していた業務を構成員で分担する機能と校務を横断的に調整する機能をあわせ持つ常設の組織でございます。

 この組織の設置によりまして、副校長がよりリーダーシップを発揮しやすくなり、また、構成員に変更があっても、安定的、継続的に校務を処理できる体制が構築されるものと分析しております。

〇野上(純)委員

 このすばらしいところは、先ほども村上副委員長がいってらっしゃいましたけれども、組織の人間が変わっても、基盤がしっかりしていれば、だれがトップになってもうまくいくということですね、これが大事だと思っております。

 このたび、学校関係者、区市町村教育委員会や都教育委員会の代表者から成る校務改善検討会議の検討結果のまとめとして、小中学校の校務改善推進プランを公表いたしました。都教育委員会は、今後、各学校の実情を踏まえつつ、経営支援部の設置を積極的に推進していくべきと考えます。

 本年四月における経営支援部を設置する予定の学校数、それから校務改善の今後の取り組みについてあわせてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 本年一月に区市町村教育委員会に対しまして、経営支援部設置の意向調査を実施いたしましたところ、全公立小中学校の約一二%に当たる約二百四十校が四月から経営支援組織を設置する意向を示しておられます。

 今回公表いたしました小中学校の校務改善推進プランは、今後、学校、都及び区市町村教育委員会が連携して取り組むべき施策の実施方針でございます。都教育委員会は、この三者の代表者で構成いたします校務改善推進会議を新たに設置しまして、各学校におけるさまざまな取り組みの成果を区市町村教育委員会を通じて普及してまいります。

 さらに、ICTを活用した業務の効率化や管理職研修の充実なども行いまして、全公立小中学校の校務改善を積極的に推進してまいります。

〇野上(純)委員

 ぜひ小中学校の校務改善推進プランを積極的に推進していただいて、現場が本当に時間に余裕ができて、子どもたちに向き合える時間がとれたという結果が出るようにしていただきたいと思っております。

 次に、歩数調査について質問させていただきます。

 都教育委員会は、二月に東京都統一体力テストとともに、日常生活活動に関する調査の結果を発表されております。

 この調査は、現代の子どもたちが、朝起きてから寝るまでの間にどれくらい体を動かしているのかを分析するために、歩数計を子どもたちにつけさせて調査したと聞いております。

 これは読ませていただいて、すばらしい内容なんですけれども、歩数調査を実施した背景や目的について最初にお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 児童生徒の体力低下の原因を解明しまして、実効性のある対策を講じるためには、児童生徒の生活実態を客観的に把握し、現状を正確に分析していくことが必要であります。

 しかし、我が国では現在までに、児童生徒の生活実態に関する大規模な調査の例がなく、児童生徒の運動量の目安が示されていないという現状でございました。そこで、東京都の児童生徒の生活実態に関する客観的なデータを得るために、身体活動量と密接な関係がございます一日の歩数を調べることにしたことでございます。

〇野上(純)委員

 この報告書を見ますと、今回の歩数調査が国内はもとより世界的にも例がないというふうに書かれているんですけれども、今回の調査の特徴についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 厚生労働省は、日本人の成人の平均歩数を経年的に調査してきており、それによりますと、現在成人の一日の平均歩数は、男性が七千二百歩、女性が六千四百歩となっております。

 ところが、児童生徒の身体活動量については、研究者が五十人、百人程度の小規模の調査を行ったという例は過去にはございますが、区市町村単位や都道府県単位の大規模調査というものはございません。

 また、国外においても、カナダやアメリカで二千五百人や一万人規模の子どもの歩数調査がある程度でございました。

 こうしたこれまでの調査と比べまして、本調査は島しょ地域も含めた六十二のすべての区市町村から小中高校百三十五校を抽出した広域調査であること、約一万六千人の児童生徒を対象とした大規模調査であること、生活実態や体力テストの結果との相関を分析した、こういったところに特徴がございます。

〇野上(純)委員

 私も携帯に歩数計がついておりまして、いつも一万歩を目標にしているんですけれども、大体三千歩いくかいかないかぐらいです。ほとんど車を使っております、なかなか運動不足です。

 国内はもとより、世界的に見てもほとんど例がない調査ということで、非常にすばらしいと思っております。

 よく歩数計をつけると、つけたときは意識して活動的になるんですけれども、少したつともとに戻ってしまうということで、子どもたちも一時的に体を動かしたりするのではないかと思いますが、正確な調査を行うために、この実施方法なんですけれども、どういうふうにしたのかお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 児童生徒は、歩数計をつけると喜んで動き回る傾向があり、つけた当初は通常よりも大幅に歩数がふえることが予想されます。このため、このときの歩数調査では、二週間にわたって朝起きてから寝るまで定められた歩数計を毎日装着して数値を記録いたしましたが、正確さを期するため、後半の一週間のデータのみを正式な記録といたしました。

 また、一日を朝起きてから登校するまで、登校してから下校するまで、そして下校してから寝るまでに区分しまして、それぞれデータを記録することによりまして、いつ、どこで、どの程度活動しているのかが把握できるようにいたしました。

〇野上(純)委員

 今回の歩数調査の報告書によりますと、東京都の児童生徒の一日平均歩数は、小学生は約一万一千歩、よく歩いていると思います。中学生は約九千歩、高校生は約八千歩であって、小学生から高校生まですべてを含めると、平均して一日一万歩であったというふうに結果が載っております。

 先ほど、この歩数調査と合わせまして、生活様式とか体力テストとの相関について関連を調査したとありましたが、それらの関連についてはどのようなことがわかったのでしょうか。

〇坂本指導部長

 小中学生は、一緒に遊ぶ友達の多い児童生徒ほど、また体力テストで高い得点を示す児童生徒ほど、一日の歩数が多いことが明らかになりました。

 また、学校生活では歩数に大きな差がなく、放課後や休日の歩数の差が一日の平均歩数の差となってあらわれているという結果も得られました。

 さらに、平日では一日千歩程度から二万歩以上も活動する児童生徒がいるなど、個人差が著しいことも明らかになりました。

〇野上(純)委員

 これは大変興味深い内容だと思っております。スポーツクラブ等に入って、一生懸命土曜、日曜、体を動かし運動している子と、テレビの前でミカンを食べながらこたつに入っている子どもたちと、やっぱり相当の運動量の違いになってくるのではないかと思っております。

 こうした調査結果から、都教育委員会は子どもの体力低下の要因、それから、生活実態等をどのように分析しているのかお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 過去の幾つかの調査によりますと、戦後、児童生徒の体力がピークであったとされる三十年前の昭和五十年代には、児童生徒が一日二万歩以上活動していたといわれております。現在、東京都の児童生徒の一日の歩数は、この三十年前の二分の一以下に減少しております。

 また、小中高校全体で約三割の児童生徒が放課後や休日に体を動かす遊びや活動をしていないという現状もわかりました。

 このように、外での遊びやスポーツによる活動量が減少したことによる運動不足が児童生徒の体力低下の直接的な原因であると分析しております。

〇野上(純)委員

 今答弁されたように、東京都の抱えている子どもたちの現状、それから今後の課題が見え隠れしていると思うんですね。この調査結果を子どもたちの体力向上に役立てていかなければ意味がないと思うんですね。これをどういうふうに活用していくんでしょうか。

〇坂本指導部長

 都教育委員会は、総合的な子供の基礎体力向上方策第一次推進計画におきまして、児童生徒の一日の活動量のガイドラインを一日一万五千歩と示したところでございます。

 しかし、このたびの調査で、現実の児童生徒の活動量は大きく予想を下回る結果となりましたこと、体の活動量には児童生徒一人一人によって大きな差があり、特に放課後や休日の過ごし方によって大きなばらつきがあることがわかりました。このため、学校における年齢に応じた対策はもとより、学校以外の家庭、地域における個別の対策が必要でございます。

 こうしたことから、今後さらに検討を加えまして、その結果を平成二十四年度策定予定の第二次推進計画に反映させてまいります。

〇野上(純)委員

 学校における子どもたちの活動の時間というのは非常に固定化しておりますし、限りがあると思っております。その分、土曜日とか日曜日、祝日にどれぐらい子どもたちの活動時間を、運動時間をふやしていくかというのがこれから大事だと思っております。

 そのためには、家庭とか地域と連携をしながら、望ましい生活習慣というんですかね、そういったものを確立する対策が都教育委員会に求められるのではないでしょうか。

 せっかくこの貴重な調査結果があるわけなので、今後とも子どもの体力向上を図るように、しっかりと具体的な方策をとっていただければと思っております。

 続きまして、夜間中学について質問をさせていただきます。

 二月十八日に曳舟文化センターというところで、公立夜間中学校と教育を守る会という会合がありまして、行ってまいりました。その会合には、我が党の石井義修元副議長も忙しい中いらしておりまして、夜間中学とはちょっと違うんですけれども、定時制で学んだその苦労とそして喜びのようなものを語られて、いかに定時制の中で苦労しながら学んでいったことが、人間性豊かな人格をつくっていくんだろうかということで、いろいろと感動した次第でございます。

 先ほども質疑がございましたので、先ほどあった改正の趣旨については省略をさせていただきます。

 夜間の日本語学校に関する改正の中で、在籍年限を一年間に限るとしたことで、十分な日本語習得ができなくなるのではないかという不安の声がたくさん上がっておりました。そして、卒業生の方々も、やはり日本語はかなり上手なんですけれども、もともと母語が違うなという感じの方が何人も何人も登壇されまして、本当に教育が大事だということを述べていらっしゃいました。

 夜間の日本語学級については今回初めて規定を設けたということで、在籍期間についての規定も今まではなかったので、学校現場の実態としては、要するに個々の生徒たちに必要と思われる期間とか、指導を行ってきた期間というのが、現場によってはまちまちだったと思うんですね。

 ことしの要綱改定の中で、初めて在籍期間の規定が明記されたということで、関係者の方々にとってみれば不安材料になったんだと思うんですね。今までなかったものが規定されたということで、今までのことがスムーズにいかないんじゃないかと非常に不安感をあおられたということだと思います。

 日本語学級の在籍期間について、これまでなかった一年間の制限を設けることにしたそもそもの理由は何なんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 区市町村立小中学校の学級編制につきまして、義務標準法の改正に伴い、平成二十四年四月より区市町村教育委員会から都道府県教育委員会への学級編制に係る事前の同意協議が不要となり、事後の届け出制となりました。

 これにより、従来、義務標準法の規定による事前協議の中で学級の編制を毎年度個別に決定してきました中学校夜間学級の日本語学級について、事前の申請手続を規定する必要が生じたため、従来、運用してきた手続等を明文化することとしたものでございます。

 新たに要綱の中に規定を設けるに当たりまして、夜間の日本語学級についても、設置申請に際しての要件等を明らかにする必要があったため、在籍年限の規定を設けたものでございます。

 夜間の日本語学級は、通常学級での中学校の授業を受けるために必要な日本語の習得のため、日本語の学習を集中的に実施しているものでございます。そこで、中学校の修業年限は三年間であることから、中学校の各教科の授業の時間を確保するため、一年以内の在籍を原則としたところでございます。

〇野上(純)委員

 都教育委員会が規定を設けた趣旨というのはそういうことだと思っております。夜間学級は、義務教育を終えていない方に中学校教育を行うことが本来の目的ということですから、最初から日本語集中の授業を二年間とか三年間やりますというのとはちょっと趣旨が違うと思うんですね。

 理屈はそのとおりだと思うんですけれども、実際に夜間学級を見学させていただきますと、中国からの引揚者の方、高齢の生徒さんなどもたくさんいらっしゃいまして、なれない日本語の習得に大変苦労していらっしゃる方もおいでのようです。

 私が議員になったころ、双葉の夜間中学を見せていただいたときには、日本の高齢者の方も結構いらっしゃいまして、その方も戦争とかで中学校を出ていないということで学んでいらっしゃいました。あと、不登校で、中学校三年間、卒業証書をもらわないで過ごしてきたので、あと何年か行くという子もいらっしゃいましたが、今現在は、そういう方が非常に少ないように感じます。ほとんどの方が、ある程度の日本語がうまく話せないような方が多いんじゃないかと思っております。

 中学校夜間学校にこのような日本語学級が設置された経緯についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 中学校夜間学級は、もともと戦後の混乱期に経済的理由などで昼の中学校を長期欠席していた生徒の教育の場として設置され、現在では学齢を超過した義務教育未修了者に中学校教育を行う場としての役割を果たしております。

 昭和四十年代から韓国及び中国からの引揚者の増加があり、これら引揚者の夜間学級への入学がふえるとともに日本語教育の必要性が高まったため、昭和四十六年に初めて中学校夜間学級の日本語学級が設置されたところでございます。

 なお現在では、中国、フィリピン、ベトナムなどのアジア各国語を母語とする外国人生徒が増加してきております。

〇野上(純)委員

 日本語学級で中国からの引き揚げの高齢の皆様が学んでいたことに関しては、そういう経過があったということが確認されました。

 これまで社会を支えるセーフティーネットとして、中国引揚者の方たちの日本の社会での円滑な受け入れのために夜間の日本語学級が果たしてきた役割等を考えると、このような方々には一定の配慮を行う必要を感じております。とりわけ高齢の方などが日本語習得に時間がかかる事情があるケースについては、特段の配慮をしてほしいと思います。

 私たちが逆に中国に行って、年齢も高齢になりましたので、一年間で中国語をマスターするといったら非常に厳しいと思うんですね。やっぱり一年、二年ぐらいかかってしまうと思うんです。

 まだ脳のやわらかい語学修得が簡単な若いころというのは、一年間で日本語をマスターするのは、ある程度、かなり速い速度でできると思うんですけれども、高齢の方というのは非常に難しい、時間がかかると思うんです。そのことに関して特段の配慮をしてほしいということに関して、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 ご指摘いただいたように、高齢者などの中には、日本語の習得が困難な場合があることは承知しているところでございます。このため、要綱に特別な事情が認められる場合を除く旨の規定を置き、在籍年限の延長については個々に判断を行うこととしております。

 一年間では修得が不十分と認められるケースにつきましては、現場の校長の声を聞いているそれぞれの教育委員会から事情をよく聞きまして、適切に対応してまいります。

〇野上(純)委員

 中学校夜間学級の日本語学級は、都教育委員会がおっしゃるとおり、あくまでも中学校であって日本語学校ではない、これが原則です。一番いいのは、一年間日本語について勉強し、残りの学年を中学校の勉強をするというのが一番理想的だと思うんですけれども、日本語がしっかりできないのに、普通学校に、普通の教室に行って、理科とか社会とか英語とか、いろいろな教科を勉強するのは非常に困難をきわめると思うんですね。

 ですから、あくまでも日本語学校ではないんですけれども、中国の引き揚げの方々の支援のためにも、やはり原則は原則なんですが、しっかりと配慮をしていただきたいと思っております。

 また、定住外国人の方にきちんと日本語や日本の習慣を学んでいただくことも必要です。この点は、先生方が非常にご苦労されて、日本の習慣をしっかりと教えられて、生活基盤のこととか本当に細かいところまで、先生方の努力で面倒を見ていただいていることを知っておりますので、本当に感謝の念にたえない気持ちでいっぱいです。

 都教育委員会は、夜間の日本語学校へのきめ細かい配慮をしていただくようにお願いをします。

 最後に、国際バカロレア認定校について質問いたします。

 皆様方の中にも、アイフォン4Sとか持っていらっしゃる方がいらっしゃると思うんですね。細かい部品を分析してみると、三分の一は日本の製品が使われているそうなんですね、三分の一。それから、ボーイング747も部品の細かいところは三分の一が日本の製品だと。

 ものづくり教育も非常に大事なんですけれども、つくった製品を各世界に売り込んでいく人たち、営業していく人がいないとなかなか成立していかないということがあると思います。

 この厳しい国際社会の中で勝っていける、売り込んで交渉していけるという人材を育てていくことも大事ではないかと思っております。

 都立高校改革推進計画の中で、都立高校初の国際バカロレア認定校を将来的に目指すとしております。それは、国立ではなく私立でもなく、なぜ都立高校に国際バカロレア認定なのか、その理由について伺います。

〇直原都立学校教育部長

 社会のグローバル化が進展する中で、都立高校には、生徒に高校在学中の留学や海外大学への進学を通して、広い視野やさまざまな分野に挑戦する意欲を持たせ、将来、世界を舞台に活躍し、日本の未来を担う次世代のリーダーとして育成することが求められております。

 このため、新たな都立高校改革推進計画では、都立高校生の海外留学を支援する次世代リーダー育成道場のほか、世界的な教育プログラムであり、海外大学への進学に対応した国際バカロレアの認定校を目指すこととしたものでございます。

〇野上(純)委員

 国際バカロレアによる都立高校は、国際バカロレア機構の認定を受ける必要があります。この国際バカロレア機構とは、どのような理念に基づいて運営されて、その目的である国際教育をどういうふうに位置づけているかについてお伺いします。

〇直原都立学校教育部長

 国際バカロレア機構は、異なる文化の理解と尊重を通じ、より望ましい世界かつ平和な世界をつくり出すことに貢献し得る探究心、知性、寛容の精神を持つ若者を育てることを活動の理念としております。

 また、国際バカロレア機構では、国際教育を定義するに当たりまして、世界の文化、言語の関係を考え、共存を目指す市民を育てること、生徒のアイデンティティーと文化に対する感覚を育てること、学習の喜びと発見の精神を培う探究心を育てることなどを基準として掲げております。

〇野上(純)委員

 最後です。先ほどの答弁で、都立高校改革推進計画におけるグローバル化の進展への対応策である次代を担うリーダーの育成事業として、一つは、次世代リーダー育成道場とバカロレアの認定校の二つがありますね。都教育委員会は、共通の目的を持つ両事業を単にそれぞれ実施するだけではなく、例えば次世代育成道場の国内で行う事前研修で、バカロレア認定校の授業に参加させるなどの連携とか交流を図りながら、さらに効果的な事業実施を図るべきと考えますが、見解を伺います。

〇直原都立学校教育部長

 次代を担うリーダーの育成事業として実施する次世代リーダー育成道場とバカロレアの認定は、将来、世界を舞台に活躍し、日本や東京の未来を担う次世代のリーダーを育成することを目的に、高校卒業後に海外の大学へ進学することを視野に入れるなど、共通した考え方により事業を計画しております。

 現時点では、バカロレアの認定を受けた都立高校の教育内容などがいまだ明確になっておらず、両事業の具体的な連携、交流について検討する段階には至っておりませんけれども、ご指摘のように、例えば次世代リーダー育成道場の留学前の国内研修プログラムに外国語指導にすぐれたバカロレア認定校の授業や指導方法を活用するなど、両事業を効果的に実行するために有効なものと考えられますので、今後の検討課題としてまいります。

〇野上(純)委員

 実施までに数年かかると思いますけれども、ぜひこの事業が大成功しますように応援してまいりますので、頑張っていただきたいと思います。

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