平成24年文教委員会(2012年6月4日)スクールカウンセラーについて等

平成24年文教委員会(2012年6月4日)



〇野上(純)委員

 請願二四第六号のスクールカウンセラーの採用に関する請願について質疑をしていきたいと思っております。

 学校にはさまざまな課題がございます。不登校とかいじめとか、学力不振、あるいは問題行動、最悪の場合は自殺ということも考えられると思います。あと、発達障害等の課題等、さまざまなことで悩んでいる児童生徒の、その行動の裏側に一体何があるのかを深く受けとめて課題解決を図って、例えば自殺を考えている子であれば、未然防止を図っていかなければいけないと思っております。一人一人の悩みを確かに受けとめ、心のケアを行うことが重要であると考えております。

 東京都教育委員会では、平成七年から学校にスクールカウンセラーを配置し、児童生徒等に対してのカウンセリングを行ってきたところでございますが、このスクールカウンセラー活用事業は、当初は国の委託事業として開始されたのですが、平成十三年度からは補助事業となりまして、現在は国が三分の一、東京都が三分の二を負担しているということでございます。

 このように、本事業は国の補助を受けて実施しているということですから、国がスクールカウンセラーとして活用するのにふさわしい人材を理解していく必要があるのではないかと思っております。まず最初に、文科省がスクールカウンセラーとはどのような資格を持った人材を採用しているのか、お伺いいたします。

〇坂本指導部長

 文部科学省は、スクールカウンセラー活用事業の実施に当たりまして、その実施要領の中で、スクールカウンセラーとして三つの専門家を挙げております。第一は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士、第二は、精神科医、第三は、児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第一条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師(常時勤務をする者に限る)または助教の職にある者またはあった者でございます。

〇野上(純)委員

 一番最初にいわれました、財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士は、これは国家資格ではないということ、あくまでも財団法人の認定資格であるという資格なわけです。

 文科省がスクールカウンセラーとして適した人材として、臨床心理士、あるいは精神科医を挙げているということはよくわかりました。今回請願を出されている方々が創設されましたガイダンスカウンセラーという資格は、スクールカウンセラーに準ずる者というものに当たるということなんですね。このスクールカウンセラーに準ずる者というものの規定があるわけですが、文科省が示すスクールカウンセラーに準ずる者というのはどのような人材を指すのか、お伺いいたします。

〇坂本指導部長

 文部科学省は実施要領の中で、スクールカウンセラーに準ずる者として三つの要件を示しております。

 第一は、大学院修士課程を修了した者で、心理臨床業務または児童生徒を対象とした相談業務について一年以上の経験を有する者。第二は、大学もしくは短期大学を卒業した者で、心理臨床業務または児童生徒を対象とした相談業務について五年以上の経験を有する者。第三は、医師で、心理臨床業務または児童生徒を対象とした相談業務について一年以上の経験を有する者でございます。

 また、文部科学省はその実施要領の中で、このスクールカウンセラーに準ずる者については、スクールカウンセラーに当たるよりも準ずる者を配置することに合理的な理由がある場合に配置することができると規定しております。

〇野上(純)委員

 スクールカウンセラーに準ずる者についての規定は、特別な資格がなくても、大学もしくは短期大学を卒業した者で、心理臨床業務または児童生徒を対象とした相談業務について五年以上の経験を有する者と、スクールカウンセラー等活用事業実施要領に記載をされております。

 私ごとで恐縮なのですが、私は目黒にありました都立教育研究所でスクールカウンセラーの中級というのを取得いたしました。これは約一年かけて、毎週土曜日の二時から五時まで、夏季合宿等も含めますと約三十単位で取得をいたしました。また、教育現場で学校教育相談を五年以上担当いたしましたので、準ずる者に該当するかどうか、どうなんでしょうかね、わからないんですけれども、就職のためにいっているのではないんですけれども、専門的にカウンセリングについて何冊も本を出している、この請願にあります國分先生のような大変ご高名な先生等、現場の中で事例研究を通して、また現実の問題と格闘しながらカウンセリングの技法を磨いてきた人、いろいろなさまざまな人がいるわけで、カウンセリングの技法にもかなり差があることも事実だと思うんですね。

 特によく現場でいわれるのは、元気いっぱいの校長とか副校長の管理職だった方が退職をして、教育センターとかに再就職をして、子どもが不登校だからちょっと行ってよというので行ったら、余計悪化してしまったと。それはごくごく一部ですよ、みんなというわけじゃなくて、ごくごく一部の方だと思うんですけれども、本当に専門性がないがゆえに、かえって相談事例を悪化させてしまう等の苦情も寄せられていることも事実だと思っております。

 この専門性については、かなり幅があるんじゃないでしょうかね。先ほど質疑の中で、現在も東京都で小学校三百二十七、中学校一〇〇%、六百三十一校、高等学校百校、合計千五十八校にスクールカウンセラーを配置しているという説明がありました。まだまだ、例えば特別支援学校にも配置をしていただきたいという要望等もございます。子どもの心のケアに当たったり、保護者から子育てに関するさまざまな相談に応ずるなど、高い専門性がないととても務まらない仕事だと思っております。

 相談する立場から考えても、安心して相談できる人材であるかどうかということが大変重要なポイントになるのではないでしょうか。東京都では、スクールカウンセラーとしてどのような人材を任用しているのか伺います。

〇坂本指導部長

 スクールカウンセラーは、学校において日常的に児童生徒の心の悩みや保護者からの相談に応じるとともに、万が一、学校で事件、事故が起こった場合には、事故後の児童生徒の心のケアにも当たるなど、児童生徒や保護者の心理面からのサポートに大きな役割を果たしております。

 こうしたことから、スクールカウンセラーは臨床心理について高度に専門的な知識や経験が必要であり、心理学を専攻する大学院修士課程の修了を応募要件とします臨床心理士をスクールカウンセラーとして配置しております。

〇野上(純)委員

 東京都では、高い専門性と幅広い知識と経験を備えた人材として、心理学を専攻する大学院修士課程の修了を応募要件とするという臨床心理士をスクールカウンセラーとして配置してきているということです。一定のレベルの担保というんですか、それを保つために、こういう基準を設けているということだと思っております。

 先ほどの現在の状況についての説明によりますと、東京都の場合、高い専門性を持った人材を安定的に確保することができていますよと、また、現在、スクールカウンセラーの配置に必要な数は充足できているということをおっしゃっておりました。このため、学校における教育相談の質が維持をされていると。それから、児童生徒や保護者が安心してさまざまな問題をスクールカウンセラーに相談できる環境が整えられているということをおっしゃっておりました。

 この間に至るまでも、私も何回かスクールカウンセラーについても質疑をさせていただきまして、できれば一つの教室を与えられてじっとしているのではなくて、たまにはアウトリーチ型で、不登校で悩んでいる、いろんな問題を抱えているところにも出かけていって相談できるようにしてほしいということも要望してきたところでございます。

 またもう一つ、東京都では、臨床心理士という高い専門性を持った人材であっても、一年契約で、毎年選考を受けなければならないという厳しい条件で採用しているということでございます。

 教育現場でもスクールカウンセラーの質が問われ、これは一年ごとの契約であるがゆえに身分は全然安定しません。そのことがかえって、継続して採用されるためには、かなり努力をして、効果がある、人気がある、子どもたちに好かれる、地域の人に大事にされるというような、人格を保っていけるというんではないかと思っております。

 このことは、東京都教育委員会がいかにその質を大切にしているかのあらわれではないと思っております。これからも各学校における教育相談の質の維持を図るために、すぐれた人材の確保をお願いしたいと思っております。

 しかし、一方、子どもの問題行動の背景は多種多様であり、複雑化、深刻化していることから、健全育成上の課題を解決するためには、学校生活において課題の見られる子どもへ直接指導するだけではなく、保護者への支援も行うことも必要ではないかと思います。

 また、協力してくれる人材も、スクールカウンセラーに限定することなく、それぞれの専門性を生かして、さまざまな面から協力していただけることは、学校にとってまことに心強いことだと思っております。現在、こうした学校の教育活動への協力の機会は、東京都に限らず、区市町村においても多く存在するのではないかと思います。

 スクールカウンセラーに準ずる者という、そういう準ずる者の方々の中にも、東京都のスクールカウンセラーとしてではないとしても、児童生徒のために力を発揮していただくことがとてもありがたいことだと感じております。スクールカウンセラーに準ずる者が児童生徒の健全育成の推進のために活動できる場についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 東京都教育委員会では、平成二十三年度から、児童生徒への直接の指導だけではなく、その保護者からの相談にも応じる人材としまして、家庭と子どもの支援員の配置を、保護司、民生児童委員や教員OB、心理学系の大学院生等の協力を得て行っております。

 また、学級の荒れ等の問題に対応する人材としまして、都教育相談センターが問題行動サポートスタッフを派遣する事業を行っておりまして、学校や区市町村教育委員会の要請に応じて教員OBや心理の専門家等を派遣しております。

 さらに、区市町村教育委員会で独自の心理職の採用を行っているところもございまして、こうした事業に多くの方々の協力を得ることが、児童生徒の健全育成の推進に欠かせないことだと考えております。

 今後とも区市町村教育委員会と連携し、より一層幅広い人材を活用できるようにしてまいります。

〇野上(純)委員

 この事業は平成二十三年度から始まったものですけれども、児童生徒への直接の指導だけではなく、その保護者からの相談にも応じる人材として、家庭と子どもの支援員もこれからの大事なカウンセラーの仕事になるものと思われます。

 それからまた、問題行動サポートスタッフも、いざというときに現場に駆けつけてくれて学校をサポートする、また先生をサポートしてくれる、児童生徒をサポートしてくれるという制度として、専門性を生かした活躍の場があることもわかりました。

 それから、区市町村教育委員会で独自の心理職の採用を行っているところもあるというような情報を的確に示していただき、準ずる方々がそれぞれの場所で実力を発揮していただくことによって、この活躍の場も大いに広がっていくものと思われます。

 臨床心理士が治療の分野のプロということで、例えば夜尿症で悩んでいるとか、チック症とか、過去にその原因を求めて、今に至るまでの自分の内面に目を向けて治療していく、解決していく、そういう方途を持っているのが臨床心理士というふうに私は思っているんですけれども、例えば箱庭療法とか睡眠療法とか夢分析など、自分の内面に目を向けて治療していく、そういう治療法には臨床心理士は大変に向いていると思われます。

 しかし、学校教育現場の中で、現在の生活で直面している問題について、例えば人とのかかわりをどうしたらいいかとか、集団とのかかわり、それから、家族との人間関係をどう図っていくのかとか、また地域社会の中でのかかわりという、かかわり論に関しては、成長発達を目的とするスクールカウンセリングではちょっとどうなのかなというふうに思っております。こういうところはガイダンスカウンセラーの先生方が得意とされている分野ではないかと思っております。

 とにかく、情報を積極的に周知していただくことを通して、さまざまな専門性を持った人材の活用が一層推進されると思います。児童生徒の健全育成に結果的にいかに役立つかが大事だと思っております。

 今回請願を出された方々については、こうした東京都の児童生徒の健全育成にかかわるさまざまな取り組みの中で、ある程度実績を積んでいく必要があるのではないかと思っております。現時点での専門性等に対しての評価等がまだまだ未知数であるということで、多分、採用する東京都としても、実績がない中で、いきなりスクールカウンセラーとしての採用と申し出られても、なかなか判断が難しいのではないかと思っております。

 とにかく、さまざまな場面で自分たちの実績を都の枠組みの中で積んでいただいて、やっぱりすばらしいカウンセリングをしてくださるのはガイダンスカウンセラーの方なんだなという、このガイダンスカウンセラーの方はかなり厳しい資格要件を持っている先生方だという、この評判が積み重なっていくことが大事ではないかと私は思います。

 また、先ほど心理職に対する国家資格創設の動きがあることの話もありましたが、こうした国の動向も含めて、これから国がどういうふうにこの資格を決定するかはまだわかりませんので、現時点でのスクールカウンセラーの応募要件にかかわる判断につきましては、私どもは継続審査を求めたいと思います。

 以上でございます。

〇野上(純)委員

 陳情二四第二九号と三〇号の新都立多摩図書館建設における都立図書館の資料保存機能の充実に関する陳情について、質疑をさせていただきます。

 まず最初に、中央図書館と多摩図書館での重複した資料の収集、保存は行わないということで、両館の資料収集は原則一点としていますが、そうした方針をとっている理由についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 平成十四年一月に都立図書館のあり方検討委員会において、新たな都立図書館の運営体制と機能をお示ししたところでございます。

 具体的には、中央図書館を都立図書館の中心館とし、都立図書館二館が一体となって、効率的な運営とサービスの充実を図るため、両館の関係を地域分担から機能分担に変更し、それぞれが異なる役割を果たすようにいたしました。

 これに伴い、中央図書館と多摩図書館での重複した資料の収集、保存は行わないこととしたところでございます。

〇野上(純)委員

 中央図書館、多摩図書館の二館が一体としての図書館として機能を発揮していくということはよくわかりました。

 それでは、中央図書館と多摩図書館で、それぞれの機能については、どう違いを持たせているのか、お伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 中央図書館は、都立図書館の企画運営の統括機能といった中心館としての役割とともに、都民への高度な情報サービスの提供という観点から、必要な資料や情報を必要な人に的確に案内する、いわゆるレファレンスサービスを高度専門的に実施し、都市東京に関する情報の提供や、都民等の活動への情報支援、区市町村立図書館への協力支援事業を重点的に展開しております。

 また、多摩図書館では、児童青少年資料を中心とするサービスの提供や、学校の読書活動等への支援事業を行うとともに、一般的なものから学術的、専門的なものまで、広範囲に雑誌を収集する全国でも先例のない、東京マガジンバンクを設けております。

〇野上(純)委員

 それぞれが機能分担をしていることを確認しました。

 中央図書館と多摩図書館の両館で本の収集を一点しかしないということになりますと、所蔵はどちらか一方の図書館ということになり、例えば、中央図書館に行って閲覧したい本が、実は多摩図書館に収蔵されているということもあります。

 機能分担しているので、大まかにはこの本は中央図書館に、この系統の本は多摩図書館と分類されているということなのですが、せっかく予測をして中央図書館に出向いたときに、多摩の方に置いてあったということでは、二の足を踏んでしまうというようなこともあると思うんですが、そうした場合の都民へのサービスについてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 都立図書館では、都民から電話やメール等での照会に対してレファレンスを行うとともに、インターネットでも都立図書館の資料検索が可能となっております。

 このため、委員ご質問の例示でいいますと、中央図書館で多摩図書館所蔵の図書を利用したい場合には、電話やメール、インターネット等で事前に申し込みをいただき、図書の準備ができ次第、都立図書館から利用者へ連絡し、利用していただくことができます。

 また、区市町村立図書館で都立図書館の資料を利用したい場合には、区市町村立図書館に申し込みを行っていただくと、都立図書館から区市町村立図書館に資料を送付し、利用することが可能となっております。

〇野上(純)委員

 区市町村立図書館でも都立図書館の資料を利用できるとのことでございましたが、都立図書館は図書館の図書館といわれておりまして、区市町村立図書館にもさまざまな支援を行っております。

 この支援の内容について具体的にお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 都立図書館では、区市町村立図書館が所蔵していない、あるいは入手することができない資料について、都立図書館から必要とする資料を貸し出し、利用者に提供する協力貸し出しを実施しており、都立図書館の協力者が全区市町村図書館の拠点館を週に一回の割合で循環し、資料の貸し出しや返却を行っております。

 このほか、区市町村立図書館の依頼に応じて行う協力レファレンスや、区市町村立図書館職員の資質向上を目指した職員研修の実施などとともに、都立公立図書館の蔵書を横断的に検索できるシステムを構築し、区市町村立図書館の相互対策の促進も図っているところでございます。

〇野上(純)委員

 平成十八年に公表されました都立図書館改革の具体的方策では、都立図書館の資料について、利用者の調査研究に資するために長期保存することとし、原則として百年間保存するというふうに書いてあります。

 そこで質問ですけれども、百年経過を理由として除籍された本はあるんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 現在までに、都立図書館の資料として、発行後百年を経過したことを理由に除籍した実績はございません。

〇野上(純)委員

 では、発行から三十年をめどに点検を行って、内容が古くなり、必要度が著しく劣ったものについては、この時点で除籍とするというふうにあるんですけれども、具体的にはどのようなものが対象になるのか、お伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 発行後三十年をめどに除籍対象となる資料の例として、継続的に更新されている目録等で、オンラインデータベースなどの代替検索手段があり、保存資料を参照することなく情報取得が可能なものや、パソコンの操作書などのような入門書、実用書、実務書等で類似の図書が多い分野のものなどがございます。

〇野上(純)委員

 また、平成十八年に公表されました都立図書館改革の具体的方策の中では、江戸後期から明治初期の貴重資料である特別文庫資料や東京資料等については、後世に伝えるため、永年保存としております。

 永年保存するものはやはり東京にとって重要な資料であるからだと思いますが、その本が永年保存とすべき貴重な本なのか否かの判断基準についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 都立図書館は、司書資格を有する職員を八十二人擁しておりまして、都立図書館の責任において資料の内容、貴重性や保存状態などを総合的に検討し、最終的に永年保存するか否かを決定しております。

〇野上(純)委員

 基準となるものは人の判断、判断基準は八十二人の司書資格を有する方々の責任において永年保存するのか、廃棄するのかを決めるという確認でいいですね。

 都立図書館の年間の図書購入の予算はどれくらいなんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 平成二十四年度の年間図書購入予算額は約三億二千万円でございます。

〇野上(純)委員

 三億二千万円ということで、一冊、高い本も安い本もあります。平均して約四千円、この本を年間購入すると冊数は八万冊ということになります。

 限られた予算の中で必要な資料を効果的に収集していくことは大切でありますけれども、図書館に対する寄贈本も資料収集方法としては有効と思います。

 現在、都立図書館でも図書の寄贈制度を持っているようですけれども、この本の寄贈を受け付けるガイドラインについて伺います。

〇谷島地域教育支援部長

 都立図書館では寄贈図書について、東京都立図書館寄贈資料取扱方針及び寄贈申出資料の受付に関するガイドラインを策定、公表し、寄贈図書の受け付けを行っております。

 寄贈を受け付ける資料は、東京都立図書館資料収集方針に基づいて、国や地方公共団体、研究機関等が刊行する調査研究書や郷土、特に東京に関する資料、都立図書館で欠号している雑誌のバックナンバーなどであり、都立図書館が現に所蔵していない場合に限っております。

 昨年の例で申しますと、京丹後市教育委員会が発行いたしました京都府京丹後市寺社建築物調査報告書の寄贈をいただいたところでございます。

〇野上(純)委員

 貴重な本は知的遺産です。知的財産といえます。都立図書館二館で除籍した本の扱いについてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 除籍した図書等は、汚れたり壊れたりした資料を除き、区市町村立図書館や公立学校等へ提供することを基本として、資料の再活用を図ることとしております。

 平成二十三年度までの十年間で除籍した資料、約三十三万冊のうち約二十万冊の再活用を図っております。

〇野上(純)委員

 約三分の二の本が除籍した後に再活用されているということで、これは大変にすばらしいことだと思っております。

 陳情者によれば、都立図書館では、非図書資料も含めて年間約八万冊の図書を購入しており、毎年本がふえていく中で収蔵庫の確保も重要であり、今後の都立図書館の保存スペースの確保について計画をされているところだと思いますが、このことについて具体的にお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 多摩図書館の移転改築に係る基本設計業者を選定するプロポーザル契約の公募の際、多摩図書館の収蔵能力として開架書庫分を含む蔵書数を約二百八十万冊とお示ししました。

 現在、基本設計を進めているところであり、具体的な収蔵能力は今後明らかにしてまいりますが、この収蔵能力の拡大とともに、重複本及び発行後三十年をめどに点検し、必要度が著しく劣った資料を計画的に除籍していくことにより、中長期にわたって必要な収蔵スペースを確保できるものと考えております。

〇野上(純)委員

 二百八十万冊の本を収蔵できるということで、今後、約三十五年ぐらいは収蔵できるんではないかと思っておりますが、それ以上ふえてしまうと収蔵するのが困難になってくるのではないかと心配もいたします。

 そのときには、また新たな収納方法を考えていくしかないということで、現在の保存は書籍の保存ということで、紙をベースとした、いわゆる本を保存していると思うんですけれども、収蔵スペースという観点から、将来的には、本の内容のデジタル化も必要だと思っております。

 デジタル化については著作権の課題等もあるので、いろいろ難しい面もありますけれども、今後そういった計画があるんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 現在、江戸後期から明治時代初期までの資料的価値が高く、広く公開することで調査研究に資することが可能な資料については、当該資料が著作権法の対象外であることもあり、これまで計画的に電子化を進めてきております。電子化を行った資料は、貴重資料画像データベースとして、都立図書館のホームページ上で広く公開を行っているところでございます。

 著作権法が保護の対象としている資料につきましては、一般的には資料の複製物を作成できませんが、欠損、汚れ、破損部分の保管、あるいは損傷しやすいなどの特別の理由がある場合には、法の範囲内において電子化に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、資料の電子情報化につきましては、法律の改正状況などを注視しつつ、適切に対応してまいります。

〇野上(純)委員

 最後です。

 今までの質疑を通して、要旨である、1の都民の貴重な財産である蔵書を保存する書庫を確保し、将来の蔵書の増加に対応するスペースを拡充すること、2の一冊しか所蔵しない資料を保存するスペースと管理、出納する体制を確保することは達成されたものと思い、これは継続審査とさせていただきます。

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