平成24年文教委員会(2012年11月6日)肢体不自由特別支援学校について等

平成24年文教委員会(2012年11月6日)


〇野上(純)委員

 教育全般にわたって、約七点にわたってご質問させていただきます。

 まず最初に、特別支援教育についてお伺いいたします。

 都教育委員会では、都立肢体不自由特別支援学校の児童生徒の障害の重度重複化、多様化に対応するために、理学療法士、作業療法士等の外部専門家を導入し、教員との連携による教育効果を高めていく取り組みを行っております。

 私は極力、入学式や卒業式、あるいは文化祭等、ご案内をいただいている特別支援学校はお伺いさせていただくようにしております。その中で、親御さん、保護者の方がおっしゃるには、いろいろな外部の専門家を導入することによって、子どもの家でのケアの仕方を理学療法士さんに教わって大変役に立ったとか、専門家のアドバイスが非常に大事だというふうに感じているというような意見が届いております。

 一方、都立の知的障害特別支援学校では、児童生徒数が増加傾向にある中で、多様な障害の児童生徒が在籍をしておりまして、一人一人の障害の状態等を踏まえた指導を行うことがますます重要になってきております。

 肢体不自由特別支援学校での成果を踏まえて、都立知的障害特別支援学校においても、教員と外部専門家との連携により教育を充実させていくことが必要であると考えます。

 そこで、平成二十四年は、三つの都立知的障害特別支援学校において外部専門家を導入するというふうにしておりますけれども、導入した学校において、外部専門家の活用についてお伺いいたします。

〇廣瀬特別支援教育推進担当部長

 児童生徒の障害が多様化、複雑化している都立知的障害特別支援学校においては、児童生徒一人一人の障害の状態や程度に応じて、教育内容、方法を充実させていくことが重要でございます。このため、専門的な知識や技能を有する外部専門家の導入を図り、外部専門家の指導助言を教員による指導に生かすことといたしました。

 平成二十四年度に導入した三校では、小中学部に、主として、児童生徒のコミュニケーション能力の向上や身体機能の向上を専門とする外部専門家を導入し、高等部に、主として、青年期の不安定になりがちな心理面を支援できる外部専門家と将来の企業等で働く力の育成に助言できる外部専門家を導入しております。

〇野上(純)委員

 今後、そういった都立知的障害特別支援学校における外部専門家の多様な活用について検討をしていただき、さらに学校の実情に合わせ充実が図られることを期待しております。

 次に、小中学校の通常の学校に在籍する発達障害のある児童生徒に対する支援についてお伺いいたします。

 都教育委員会は、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画において、発達障害のある児童生徒に対する指導の充実を図るために、すべての小中学校で特別支援教室の設置を進め、専門性の高い教員が巡回指導する特別支援教育構想を進めるとしております。

 特別支援教育構想により、支援を必要とする児童生徒の多くは、在籍をしている学校で専門性の高い教員の指導を受けられるようになることが期待をされます。

 そこで、現在行っている特別支援教室モデル事業の進捗状況についてお伺いいたします。

〇廣瀬特別支援教育推進担当部長

 都教育委員会は、特別支援教室の小学校における導入を進めるため、モデル地区として、目黒区、北区、狛江市、羽村市を指定し、平成二十四年度から三年間のモデル事業を開始いたしました。

 これまで四区市では、保護者向けの説明会や教員向けの研修会を実施するとともに、平成二十五年度からの巡回指導の試行実施に向け、特別支援教室における巡回指導体制、指導内容、方法等の検討を行っております。

〇野上(純)委員

 このモデル事業を通じて、発達障害のある児童生徒に対する指導内容、方法の充実が図られて、通常の学級で児童生徒が安心して授業に取り組むことができるよう、体制が整備されることを期待しております。

 また、このモデル事業での成果がすべての小中学校の児童生徒の支援に生かされることが重要であります。

 そこで、特別支援教室モデル事業の今後の見通しについてお伺いいたします。

〇廣瀬特別支援教育推進担当部長

 特別支援教室のモデル事業では、特別支援教室における指導の開始、終了の手続や、児童生徒の学級担任と巡回指導担当教員との連携のあり方等、特別支援教室の活用について、実践的な試行、検証を行います。

 平成二十六年度には、都教育委員会が各モデル地区の検証結果を踏まえて、全都導入に向けた特別支援教室の設置と活用に関するガイドラインを作成し、平成二十七年度に、全区市町村への周知を図ってまいります。

 小学校については、平成二十八年度から順次、すべての区市町村において、特別支援教室の設置と巡回指導の導入を促進していく予定でございます。

 なお、中学校につきましては、現状や課題等の把握を十分に行った上で、導入計画について検討いたします。

〇野上(純)委員

 特別支援教室を各学校に配置して、巡回指導を通してきめ細やかな指導を徹底していくことが大事だと思います。指導計画に関しても、絵にかいたもちにならないよう、しっかりと検討結果を反映していただけますようお願いいたします。

 次の質問に移ります。次は食育です。

 近年、子どもたちの不規則な食生活や栄養バランスの偏りなどから、健康への影響が懸念をされております。

 また、東京では、食の生産現場が近くに見えないことから、食を大切にする心の希薄化などの問題が生じております。

 学校給食法では、学校教育の達成すべき目標として、適切な栄養の摂取による健康の保持増進に加え、食事について正しい理解や望ましい食習慣を養うこと、食生活が自然の恵みによるもので、生命や自然を尊重する精神の必要性について、給食を通じて学ぶことをうたっております。

 九月二十八日に、日本食育学会が開催をいたしました日本食育学会シンポジウムに参加してまいりました。特に今回は、その中で和食の必要性についてのシンポジウムとなっておりまして、この和食が、主食である米を中心にして、おみそ汁、魚や野菜、山菜といったおかずを絡めて栄養のバランスがとれた食事であり、なおかつ低カロリーであることから、世界的に日本食ブームが起きている等々の内容も反映されておりました。

 また、和食は、食事という空間の中で自然の尊重という精神を表現している社会的習慣であることから、和食イコール日本人の伝統的な食文化として、ユネスコ無形文化遺産への登録申請が決定されておりまして、和食が日本の伝統文化の一つとして、多くの人々に共有されております。

 あくまでも栄養のバランスのとれた食生活も大事でありますけれども、この和食をベースとした食育を通じて、子どもたちに地場産物や地域文化を学ばせるべきだと考えております。

 都教育委員会では、平成二十年度はモデル地区、平成二十一年度から二十四年度までは食育研究指定地区を指定し、地域に根差した食育を推進する実践的な取り組みを行っておりますが、その先進的な取り組みと活用についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 食育は、給食の時間のみならず、各教科等における指導においても展開されており、地場産物を利用した料理を通しての郷土愛の涵養、望ましい食習慣と健康についての考察、また、給食メニューを利用した我が国の文化や歴史への理解、さらには食料自給率に対する議論など、幅広く取り組まれております。

 都教育委員会では、平成二十年度から食育研究に係る地区を指定し、そこでの先進的な取り組みを冊子にまとめて毎年配布しており、各校の食育リーダーは、これを参考に、さまざまな工夫を凝らして食育に取り組んでいるところでございます。

〇野上(純)委員

 このような先駆的な取り組みを各学校に広げていただいて、食育を推進していくためには、食育リーダーに対して指導助言を行う栄養教諭の役割が重要になってまいります。

 そこで、現在の栄養教諭の配置状況についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 都教育委員会は、平成二十年五月に策定いたしました東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、平成二十年度から平成二十四年度まで、栄養教諭を区市に計画的に配置することとしております。

 現在、四十一区市に四十一名、都立学校に二名、計四十三名の栄養教諭を配置してございます。

〇野上(純)委員

 食育リーダーの方を指導するという、あくまでも経験豊かな方を栄養教諭として配置をして、それぞれの区や市の栄養士さんに指導する立場ということで、採用に関してはなかなか枠が広がりにくいこともよくわかるのですが、これからも少しずつ拡充をしていただきたく、これは要望をしておきます。

 次に、防災教育について質問させていただきます。

 防災教育の補助教材について、震災から約一年八カ月を迎えようとしておりますが、防災教育をより実践的なものにしていくためには、避難訓練や防災訓練を改善するとともに、防災に関する知識についてもしっかりと指導をしていくことが重要です。また、防災知識の習得については、どのような教材で指導するかが大切だと思っております。

 私は、昨年六月の文教委員会において、都教育委員会が昭和四十八年から作成しております防災副読本「地震と安全」について、配布対象の拡大の意義、活用場面等をお伺いいたしました。そのご答弁からは、都教育委員会が東日本大震災を踏まえ、子どもたちのかけがえのない命を守るために、いち早く防災教育の充実に取り組まれた積極的な姿勢が伝わってまいりました。

 防災教育には教科書がない現状を考えると、「地震と安全」は継続して作成していくことが大切です。

 そこで、今年度の防災教育副読本「地震と安全」の配布時期や改訂点についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 防災教育副読本「地震と安全」は、大地震発生時の児童生徒の安全対応能力を高め、平素から地震に備える防災教育を推進することをねらいとして作成しております。

 従来は、九月一日の防災の日に合わせて配布しておりましたが、東日本大震災を受けまして、昨年は七月に配布いたしました。今年度は、さらに配布時期を一カ月早め、六月に都内の国公私立学校すべての児童生徒に配布いたしました。

 主な改訂点は、東日本大震災の被災地の写真を多く掲載するなど、より視覚的に訴えたこと、いざというときに自分の身を守る方法や大地震への備え、避難所でのボランティア等について、児童生徒が自分の考えを具体的に書き込めるようにしたことなどでございます。

〇野上(純)委員

 今年度版の「地震と安全」は、子どもたちの防災について、関心を高め、思考力、判断力を高めるような副読本に改善されていることもわかりました。

 ことしの一月、東京都教育委員会は、新たな防災教育補助教材「三・一一を忘れない」を作成し、都立、公立学校の小学校五年生、中学校二年生に配布をいたしました。

 私は、三月の都議会予算特別委員会で、この新たな補助教材について、防災に関する各教科が見開きで一つの題材としてまとまっており、しかも、それぞれのページの右上には、国語とか理科、道徳などの教科をあらわすマークがついていて、先生方が指導する際にどの時間で活用できるかがすぐにわかる、そういう工夫がなされていると高く評価をいたしました。

 しかし、どんなによい教材であっても、それを各学校に普及啓発していくのはなかなか難しいのではないかと考えております。

 そこで、小中学校版防災教育補助教材「三・一一を忘れない」の普及啓発について、また、学校での活用方法についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 本年一月と二月に、小中学校版防災教育補助教材「三・一一を忘れない」の普及啓発を図るため、区市町村教育委員会指導主事等を対象としました活用説明会を実施いたしまして、本教材を活用した授業公開、作成の趣旨や特色、想定される活用場面等についての説明を行いました。

 現在、学校では、道徳の時間や学級活動、理科等で、本教材を活用した授業が行われております。例えば道徳の授業で、本教材に掲載した写真や新聞記事、被災地の児童生徒の作文を用いて東日本大震災が発生した日のことを思い起こさせ、地震災害への備えや感謝して生きる心について考えさせる授業が行われております。また、理科の時間では、自然災害の年表や写真を活用いたしまして、地震後の土地の様子の変化について調べる授業が行われております。

 今後も本教材の活用事例を収集いたしまして、区市町村教育委員会を通じて小中学校に紹介することで、本教材を活用した防災教育を推進してまいります。

〇野上(純)委員

 この教材が各学校において効果的に活用されていることがわかりました。

 災害は忘れたころにやってくるといいます。今後も東京都の防災教育が一層充実するよう期待するとともに、二十五年度以降も副読本「地震と安全」や補助教材「三・一一を忘れない」を継続して配布することを要望し、防災教育補助教材に関する質問を終わります。

 次に、理数教育検討委員会の設置などについて質問をさせていただきます。

 最近、理数教育の必要性、理科離れ、いろいろなことが取りざたされております。小学校とかは理科専科の方も少ないですし、一時間の授業の中で、理科の実験器具を用意して、それを組み立てて、そして、実験器具をきれいに洗っておさめて一時間が終わるというような組み立て方も非常に大変な状況だと思っております。

 先生方が理数教育を大変得意として大好きで、理数教育の定着をしっかりと図っている先生のもとには、非常に理数教育の好きな子どもたちが生まれてくるということもあります。

 今年度新たに理数教育振興施策検討委員会を設置した背景について、最初にお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 平成二十年に告示されました学習指導要領では、中央教育審議会の答申におきまして、教育内容に関する主な改善事項の一つとして理数教育の充実が示されたことを受けまして、理科や算数、数学について、授業時数の増加や指導内容の見直し等が行われました。

 一方、平成二十三年度における都独自の学力調査の結果によれば、小中学校の理科や中学校の数学において、学力の定着状況に課題があることが明らかになりました。このような状況を踏まえまして、都として理数教育の充実を図るための施策を打ち出していく必要があるため、理数教育振興施策検討委員会を設置いたしました。

〇野上(純)委員

 その理数教育振興施策検討委員会で現在検討されている内容についてお伺いしたいと思います。

〇坂本指導部長

 理数教育振興施策検討委員会におきましては、これまで実施してきました理科支援員配置事業及びコア・サイエンス・ティーチャー活用事業に関する効果を検証しております。

 また、今年度、小中学校と区市町村教育委員会を対象として実施しました、理科教育の現状と課題を把握するための調査の結果等を踏まえまして、学校と関係機関との連携のあり方を含めた今後の東京都の理数教育の基本的な考え方などについて検討しております。

〇野上(純)委員

 今年度、研究協力校として十五校が指定されているはずなんですけれども、この十五校での実践内容についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 研究協力校では、児童生徒の理数に対する興味、関心を高め、基礎的、基本的な内容を定着させるとともに、科学的な見方や考え方を養うことを目的とした研究を行っております。

 また、研究協力校の中には、土曜日などに理科の授業を公開する際、保護者や地域の方が薬品や測定機器を用いて生徒と一緒に観察、実験を体験している学校や、近隣の小中学校の教員同士が連携して理科の授業交流を行い、指導方法の研究をしている学校もございます。

 さらに、専門性の高い教員が、観察、実験での器具の使い方や地域の自然環境の特色等について小学生に対して直接指導を行う出前授業を実施している中学校もございます。

〇野上(純)委員

 私の地元の葛飾区は、来年、東京理科大という大学が、区で初めての大学なんです。別の短大から大学になった大学はほかにもあるんですけれども、本格的な四年制大学としては初めて東京理科大が開校いたします。

 大学からそれぞれの小中学校等に一緒に連携を図ろうというのは、なかなかそういう手だては少ないと思っているんですね。逆に地元の小中学校から大学に、しっかりと連携をとりながら子どもたちの理数教育の充実を図っていきたいということはいえると思うんですけれども、今後、理数教育の充実を図るためには、大学や企業等との連携も大切であると考えておりますけれども、都教育委員会の見解についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 大学の教員や研究者等、専門的な知識や技術を有する人の知見を活用することは、教員の指導力を向上させることや、理数に高い興味や関心を持つ児童生徒の資質、能力をより一層伸長させることに効果的であると考えております。

 都教育委員会では、これまでも多くの大学等と連携し、気象観測や植物観察の方法、DNAに関する教材開発といった内容について、専門家から教員が指導を受ける研修を実施してまいりました。

 また、大学や企業等と連携しまして、児童生徒が専門家から発展的な内容について指導を受ける出前授業を設定したり、教材開発を行う際に専門家から助言を受けたりしている学校もございます。

 今後とも、学校における理数教育の充実に向けて、大学や企業等との連携を推進してまいります。

〇野上(純)委員

 しっかりと連携を推進していっていただきたいと思っております。

 次に、都立高校学力スタンダードというのがこの中にも出ておりましたけれども、この策定の目的について最初にお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 都立高校の中には、生徒の学力の実態把握が十分に行われず、担当する教員により、授業の進度や内容、評価方法が異なるなど、組織的な指導体制がとられていないという課題があります。必ずしも生徒一人一人の学力を最大限に伸ばしているとはいい切れない状況でございます。

 そこで、各学校が組織的、効果的な指導と評価を行い、指導内容、方法の改善を進め、生徒の学力を伸長するためには、具体的な学習目標を設定する必要がございます。

 こうしたことから、都教育委員会は、各学校が学習目標を設定する上で基準となる都立高校学力スタンダードを策定することといたしました。

〇野上(純)委員

 具体的な学習目標を設定する必要があるということで、都教育委員会が設定をし、各学校が学習目標をさらに設定していくということだと思うんですけれども、この都立高校学力スタンダードの内容についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 文部科学省が定める学習指導要領では、指導する科目やその目標及び内容等について項目のみを示しております。

 今回、都教育委員会が定める都立高校学力スタンダードは、すべての生徒が学ぶ科目につきまして、生徒の実態に応じ、学習指導要領で示されている内容を具体的にどこまで指導するかを定めるものでございます。

 各学校は、これをもとに自校の生徒の実態に応じた学力スタンダードを設定しまして、授業の進度や指導内容、評価方法などを統一して、組織的、効果的な学習指導を行ってまいります。

〇野上(純)委員

 さまざまなタイプの学校があります。学力に関しても、本当に千差万別でございます。それぞれの学校の生徒の実態に応じた学力スタンダードを設定するということで、その学校の先生方が、授業の進度とか指導内容、指導方法などに特化して、同じ学校でも同じ教科の先生で指導方法が違うということがないように、その学校の独自の学力スタンダードを設定していくということでよろしいんでしょうか。そうとらえてよろしいんでしょうか。--はい、わかりました。

 次に、メンタルヘルスについてお伺いいたします。

 東京都の公立学校の教員の精神疾患による休職者数は、平成二十年度の五百四十人をピークとして平成二十三年度も五百二十七人と、依然高い状態が続いていると聞いております。この現状は深刻な状況であるといわざるを得ません。

 都教育委員会では、教員が精神疾患により病気休暇や病気休職に至らないように、早期自覚、早期対処に重点を置いた施策を展開していることは承知しておりますが、その中でも臨床心理士などによるカウンセリングが非常に重要であると認識をしております。

 都教育委員会では、平日の相談事業だけでなく、臨床心理士を活用した土曜日、日曜日の相談事業を平成二十二年度から新たに開始し、平成二十四年度からは日曜日の窓口をふやしたということですが、その実施状況についてお伺いいたします。

〇前田福利厚生部長

 土日相談の相談件数は、平成二十二年度は四百四十九件であったものが、平成二十三年度は五百五十二件と増加しております。さらに、相談窓口を拡充した平成二十四年度の四月から九月までの相談件数は三百六十四件であり、これは昨年度同時期の二百七十六件を八十八件上回っております。

 都教育委員会では、全教職員を対象としたストレス検査など、教職員の早期自覚を促す事業を行っており、これらの対策が相談件数の増加につながっていると考えられます。今後ともメンタルヘルス対策に積極的に取り組んでまいります。

〇野上(純)委員

 一人でも多くそういう人が治りますように、これからも私たちもしっかりと支援をしていきたいと思っております。

 では、いじめ対策について質問いたします。

 いじめが原因で自殺した最初の事件というのは、一九八六年、都内の中野富士見中学校でした。教師が葬式ごっこにかかわったということでセンセーショナルに取り上げられ、地域では、おやじの会ができたり、協力体制が組まれました。

 ちょうどそのころ、私は中野向台小学校に勤務しておりまして、小学校の進学先がこの中野富士見中学校でございました。当時はまだ学区域制度がありまして、この中野富士見中学校に行かないで私学に進んだ子どもたちが大変多くて、入学願書を百通以上も書いたのを記憶しております。本当に学校の評判とか評価が大いに影響を与えているということを感じました。

 この中野富士見中は、その事件があった後も、教師は授業で勝負をするというタイトルで研究授業を、私も見学に行きました。その中で、教師が一生懸命授業をしているんですけれども、子どもたちががやがやがやがや騒いでる、おしゃべりをしている。教師が、おまえたち、聞けよといったら、てめえの授業なんか聞けるかいといったのをすごい思い出して、その子が机をばあんとこかして、ぱっと教室の外に出ていったのがすごく印象的で、もし自分の子どもがいたら、ちょっと入れられないなという、すごい強い印象を受けました。やっぱり学校全体が落ちついていないなということを感じたことがあります。

 それから八年たった一九九四年、愛知県の東部中学校での大河内清輝君の自殺。これには旅日記という遺書が残されております。金を要求され続け、これ以上お金が用意できない段階で死を選んでいます。これは、もう壮絶ないじめ死です。

 二〇〇五年九月に北海道で、日本で初めて小学生が、しかも学校の中で首つり自殺をいたしました。

 先日の大津の事件では、当初、学校はいじめを認めませんでした。しかし、これは裁判を起こしたことにより警察の捜査を受ける事態に発展をしたわけです。

 壮絶ないじめの渦中で、いじめられている子は親にも教師にもいわないというよりいえない状況があります。親に心配をかけたくない、報復が怖い、形を変えたいじめが定着することもあります。いじめる側も巧妙で、教師にわからないように執拗にいじめを繰り返します。暴力にしても、あざが目立たないように手口を変えたり、多くは教師に相談することにより教師にちくるという行為とみなされ、いじめは一層激しくなります。

 この対応の方法で、結果として被害者が自殺に至った事件では、いじめていた子といじめられていた子を集めて仲直り、いわゆる手打ち式というんですけれども、これが一番悪い状況をつくり出しております。

 一方、ボクシングの元世界チャンピオン、内藤大助さんという葛飾に住んでいらっしゃる方なんですけれども、この方も非常につらいいじめを受けておりました。それが、あるときを境にぴたっといじめがやんだんです。その要因は何か。教師がいじめの現場をみずから直接発見し、いじめていた加害者に激しく、かつ厳しく注意するようにしたために、一挙に解決したということなんですね。

 現に、冒頭に挙げた四つの事件では、いじめの初期の段階で、被害者は学校の先生に相談しています。しかし、そのことの事実を先生が加害者に知らせて指導したことを契機に、いじめはより潜在化し、陰湿になったわけです。

 今回の大津の事件についても、平成二十四年七月六日の朝日新聞の報道によれば、自殺の一週間ほど前に、父親は生徒から量販店で万引きしたことがあると打ち明けられております。同級生に強制されたことは否定しておりますが、父親は学校に報告をしたんですね。これを受け、担任は、この同級生の親らに事実かどうかを確認したといいます。父親は、息子はその報復を受けたようだというふうに話しています。

 これらの事例は、見方を変えれば、学校の先生の対応がいじめをより深刻化している一因になっているといっても、私は過言ではないと思います。

 手打ち式という、いわゆる仲直りの場を設定することについてですが、確かにこれによって、悪口とか、ぶった、ぶたれたとか、通常のいじめの大部分、恐らくは九五%は解決すると考えます。しかし、今、大きな社会問題となっている、過去に結果として被害者が自殺に追い込まれてしまったようないじめ事件では、実は、この仲直りのための会合が大きな要因であって、被害者にとっては最も危険なことであります。

 これは、私の意見なんですけれども、教育長の所見を伺いたいと考えておりますが、これ、求めていないので、いいです。大丈夫です。

 第三回定例会での代表質問で、私は二点主張しました。一つは、いじめはどの学校でもどの学級でも起きているという危機感を共有すること、もう一つは、いじめは絶対に許さない、いじめる側が一〇〇%悪いという、この二つの共通認識が大事だと考えております。

 都内のすべての公立学校を対象にしたいじめの緊急調査で、昨年よりことしは約二倍の件数が報告されておりますが、いじめといじめの疑いを合わせて一万一千五百七件です。うちの都議会公明党でも数の件では話題になりました。

 また、昨夜、事務所に電話がありまして、ネットで公表している表をごらんになった方からなんですけれども、数の違いが余りにも大きいと。例えば、この3の表の中で、大田区と世田谷区、どちらも大変大きな区ですけれども、いじめの認知件数、中学校の方ですが、大田区は百五十一件、また、世田谷区は七件なんですね。1の表では、武蔵野市、これは小学校十二校、中学校五校、合計十七校のところはたった一ですね、認知件数が一。小平市は二百六十一。これは、小学校が十九校、中学校が八校、計二十七校です。

 確かに数の違いとか調査のデータ、この数の違いは余り気にしていらっしゃらないということだったんですけれども、調査のデータそのものの信憑性はどうなんでしょうか。都民の方から見れば、いじめがあるのは当たり前という認識を持つべきではないんでしょうか。

 この違いについて教育庁からお聞きしたところ、少ないところは、丁寧に、聞き取りを細かく行って、これはいじめではないねということで消していって、数字が少なくなったというふうにお伺いいたしました。

 しかし、きょうの新聞にも出ておりますが、品川の中学校一年生のいじめ事件でも、この中に、担任の先生が、いじめられていて大丈夫と声をかけたら、大丈夫と回答があり、いじめの事例から除外したというふうに書いてあるんですね。ここなんです、肝になるのはここじゃないかなと思うんです。

 だから、子どもは、自分がいじめられているということを人に知られるのは非常に恥ずかしい行為と思っておりますし、なかなか出したくないという気持ちもあるんですね。同じレベルのことがいじめであったりいじめでなかったり、いじめを見つけようとする認識があるのかどうかということで、そのこと自体が問題ではないんでしょうか、と思います。

 都民がこの結果を見たときになかなか判断ができかねないのではないかということで、数が多いことが汚点ではないわけで、周知させるのも私たち文教委員会の役割であると思っております。

 区市の学校数、学級数、生徒数等の違いもありますので、合計の数の違いは多少違って当たり前なんですけれども、これは認識の違いではないでしょうか。これも私、本当は教育長にどう思われているのかお聞きしたいところですけれども、これ、ちょっと調整していないので、お答え、難しいと思うんですけれども、済みません。

〇比留間教育長

 今、区市町村別の数のご質問をいただきましたけれども、今回の調査のそもそもの目的は、大津の事件をきっかけにして、もう一度、学校の現場でどのような事態になっているのかを丹念に見直して、見詰めていただきたい。仮にいじめの端緒があるとするならば、それを早期の段階で対応していってほしいという、ある意味、学校現場へのメッセージも込めた調査だったわけです。

 結果的に、区市町村によって数値の違いはありますけれども、その多い、少ないについてのコメントはちょっと差し控えさせていただきますけれども、今、野上先生からもお話が出ましたように、非常に数字の多い件数をご報告いただいた区市町村もございます。私は、この自治体については、非常に真摯に今回のケースに向き合っていただいた、そういう一つのあらわれではないかなというふうに高く評価したいと思っています。

〇野上(純)委員

 比留間教育長に非常にすばらしい答弁をしていただいて、さすがだなと思いました。

 もう一つ、いじめと認識した八項目、ここに書いてあるんですけれども、その八項目のうち、金品をたかられるとか、金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりするとか、嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。この項目は、実は犯罪に近いものじゃないかと思っております。

 うちの区でもありましたけれども、集団で寄ってたかって一人の女の子を河原に連れていって裸にして、映像を撮ってネットに流したという事件がございました。これは、どれほどその女の子が傷ついたか、はかり知れません。

 私個人でも、親戚の子がいるんですけれども、その子は非常に成績優秀で、生徒会とかもやっておりまして、非の打ちどころのない、すばらしい子だったんですけれども、いじめに遭って、家から一歩も出られなくなって、今、二十七歳になっても、いまだに引きこもっています。それほど一人の人生を狂わせてしまう。これがいじめだと思っております。

 アンケートの結果で見ても、これを集計すると、犯罪は三けたの数となっております。今回の調査結果で、金品を盗まれたり、嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされた、犯罪につながる可能性のある案件も見られます。こうした案件への対応についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 いじめの問題に限らず、児童生徒の問題行動への対応は、第一義的には学校の教員が保護者とともに解決していくことではございますが、問題行動の中には暴力や恐喝など、犯罪の可能性があるものが見られます。

 生命や身体の安全が脅かされる、金品を強要される、暴力を振るわれるなど、犯罪行為につきましては、直ちに警察に通報するなど、警察と積極的に連携を図りながら、問題解決に向け対応を確実に行うよう、今後とも区市町村教育委員会等と一体となって学校を指導してまいります。

〇野上(純)委員

 今まで事例として一件でも、都教育委員会が区市に働きかけて、警察に相談を持ちかけた事例はあるんでしょうかね。これはないんじゃないかなというふうに思うんですね。これ、また後で教えてください。

 次に、ネットいじめについて質問いたします。

 私は、かつて、学校裏サイト、これは非公式サイトとか名前がいろいろありますけれども、について取り上げて、予防策として、都は委託会社によるネット検索が行われております。委託会社を昨年視察させていただきましたが、ネット監視は目が疲れてくるし、大変な作業だと感じております。

 今は、委託会社が見つけた不適切な書き込みを都教育委員会に連絡し、都教育委員から、小学校、中学校の場合は区市の教育委員会に連絡をし、区市の教育委員会から学校に情報を伝達し、学校から死ねとかそういうことを書いているものを連絡して、学校から削除してほしいという依頼を受けて、その逆の順序を踏んで、委託会社からサイトの運営者に削除依頼をすることになっています。

 逆に、これ、今、成り済ましとかいろいろありまして、ネット上で不適切な書き込みを児童生徒、保護者が見つけて、削除をしてほしいという要請があった場合、どのように対応するのか。書き込みの削除に向けた手順についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 児童生徒や保護者から、ネット上の不適切な書き込みについて相談や削除要請があった場合、その書き込みに関する具体的な情報を聞き取りまして、学校非公式サイト等の監視を通して当該の書き込みを確認いたしますとともに、直ちにサイト運営者に対して削除要請を行っております。

 また、児童生徒本人や保護者自身が直接サイト運営者に対して削除要請を行いたいという場合には、削除方法について助言しますとともに、トラブルの相談窓口を紹介するなど、早急に問題解決が図られるよう対応しております。

 さらに、各学校において相談や削除要請があった場合も、適切な指導助言が行えるよう、全公立学校に配布しております教師用指導資料にも削除方法について掲載しております。

〇野上(純)委員

 今も実際にネットいじめで子どもたちが困っているのは何人ぐらいいるんでしょうか。その中で削除要請があったのは何人くらいなのか。これは、多分、数的には非常に少ないと思います。やっていますということなんですけれども、この数が少ないのは、手順がわからない、ほとんどが泣き寝入りになっているのではないかと思っております。

 私は、さきの代表質問でこう述べました。学校におけるいじめ問題は、あくまでも教育的な配慮から、教育現場での対応が望ましいと考えますけれども、恐喝や暴行、傷害、児童生徒の安全が脅かされる場合には、警視庁と連携をとりながら対応すべきだというふうに。そのためには従前よりも一歩踏み込んで、自殺に至るような悩みを抱えている被害者やその保護者が学校の先生に知られることなく、つまり、さっきもいいましたように、学校の先生に知られると、先生は加害者を問い詰めると。そうすると、加害者が被害者に報復を、要するに被害者が報復を受けると。そういう恐怖心を持っているので、命にかかわるような場合には、直接警察機関に相談できるハードルの低い仕組みが非常に大事ではないかということを提案させていただきました。

 この表の中で、先ほどから何人の方もおっしゃっていますけれども、スクールカウンセラーの存在が大変大事なのではないかと思っております。いじめ問題の対応を含めて、スクールカウンセラーの積極的な活用を図っていく必要があると思いますけれども、見解をお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 学校における教育相談等の機能充実を図り、いじめや不登校等の児童生徒の問題行動等の未然防止や解消を図ることは重要であります。

 こうしたことから、都教育委員会では、児童生徒の臨床心理に関して、高度に専門的な知識、経験を有する臨床心理士をスクールカウンセラーとして学校に配置しております。スクールカウンセラーの配置校からは、児童生徒の相談からいじめの早期発見につながった事例や、いじめ等の悩みを抱える児童生徒への心のケアを行った事例などの報告があり、いじめを初めとする問題行動の対応に効果を上げていると評価しております。

 今後とも、こうしたスクールカウンセラーの配置の成果を生かし、児童生徒の問題行動の未然防止と解消が図られるよう、スクールカウンセラー活用事業の充実を図ってまいります。

〇野上(純)委員

 スクールカウンセラーの方々が積極的に問題解決に対処していただけるように、待っているだけではなく、私はアウトリーチ型の支援も含めて成果を上げていただきたいと思っております。

 最後に、企業、NPOと連携した社会的、職業自立支援についてお伺いいたします。

 新規事業といたしまして、都立高校生の社会的、職業的自立を支援する教育プログラムを開発することになった背景について、最初にお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 都立高校の卒業生の中には、進路が未決定のまま卒業する生徒や就職後三年以内に離職する生徒が多くおりまして、将来について必ずしも明確な目標を持っておらず、職業に対する意識も希薄となっている傾向が見られます。

 そこで、生徒の学ぶこと、働くことに対する意欲を引き出すとともに、実社会で必要とされる基礎的な能力や態度等を育成する必要がございます。

 しかし、現在の都立高校におきまして、実際の企業活動等を熟知する教員は必ずしも多くはおりません。そのため、社会の実情に精通し、教育支援活動に実績のある企業やNPO等と連携し、生徒が体験的な学習を通じて社会や職業を実感できる実践的な教育プログラムを開発するものでございます。

〇野上(純)委員

 体験的な学習を通じて社会や職業を実感きる実践的な教育プログラムの開発について、今までの進捗状況についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 開発を進めている教育プログラムは、今申しましたが、社会や職業を実感する体験的学習を通じて生徒が自分の将来の明確な目標を持ち、社会人になることへの自覚、働こうとする意欲の確立を図るものでございます。

 現在、学校の要望を聞き取りながら、企業やNPO等との調整を行い、プログラム内容を検討しているところでございます。

〇野上(純)委員

 先ほども質疑にありましたけれども、都立高校の中途退学者数というのは、ご努力によりまして年々減少していますけれども、年間の中途退学者数、全日制と定時制を合わせると三千三百三十七人ということで、全日制が千五百四十三人、定時制が千七百九十四人ということで大変多いんですね。

 一度中途退学した生徒は、新しい進路を見出すことはなかなか難しくて、目的意識を失ってしまう傾向にあります。今や、彼らがニートの温床となっているのではないかというふうに大変心配をしております。中途退学といえども、一定の期間サポートしていく必要があるのではないかと考えております。

 そこで、生徒が中途退学する原因や中途退学後の状況を把握しようとするこの調査の意義は大変大きいものとも思われます。これは初めて行うものですよね。--都立高校の中途退学者に対する調査について現在の状況をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

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