平成25年文教委員会(2013年3月15日)スクールカウンセラー活用事業について等

平成25年文教委員会(2013年3月15日)



〇野上(純)委員

 平成二十五年度の予算と東京都の教育ビジョン三次の内容から、約七点にわたり質疑をさせていただきます。

 最初に、緑の学び舎事業について質問させていただきます。

 東京都は、平成十九年度から、緑化推進、ヒートアイランド対策、体力向上などを目的として校庭の芝生化事業を進めてまいりました。私たち公明党も全国の学校を、芝生にした先進的な事例を視察に行かせていただきまして、そこでの長所と課題点等をさまざまに調査してまいりました。

 例えば、手入れが非常に難しいとか、水はけの問題とか、枯れてしまうとか、いろいろなことがありました。大体成功した事例といたしましては、学校芝生応援団というのがありまして、その地域の方々がその芝生の管理をしていらっしゃいまして、きれいに芝をそろえて、そこでゴルフのパターとか、またちょっといろいろ練習をできるような、すごいすばらしいところもございました。そういうふうに地域の方も校庭を使い、芝生を管理し、子どもたちもそこで遊び、地域との関係がうまくいっているところはいつも芝生がきちっとなされているというようなことがございました。

 平成二十四年度から、公立小中学校の校庭芝生化事業を環境局から教育庁へ執行委任し、平成二十五年度からは教育庁へ本格的に移管すると聞いております。なぜ環境局から教育庁へ事業を移管することになったのか、その背景と理由についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 校庭の芝生化は、都市の緑化にとどまらず、子どもたちの体力を向上させ、自然への理解を深めるなど、教育上も有意義な事業でございます。また、校庭芝生化を一層推進するためには、校庭を実際に管理する学校や区市町村教育委員会との密接な連携を図る必要もございます。このため、公立学校を所管する教育庁の事業といたしました。

 各学校の実情を踏まえたきめ細かな支援を実施することにより、芝生を校舎や体育館と同じようにすべての学校に必須の施設と位置づけ、あって当たり前の芝生をキャッチフレーズに校庭芝生化事業をより一層推進してまいります。

〇野上(純)委員

 事業移管に先立って、既に予算の執行委任を受けて、教育庁において本年度、校庭芝生化を実施してきたということですけれども、実際に芝生化の推進の効果は上がっているんでしょうか。

〇谷島地域教育支援部長

 平成十七年度のモデル事業開始から昨年度までの七年間におきまして、環境局所管のもとで二百七十五校の公立小中学校が芝生化されました。今年度は新たに一年間で八十五校の校庭芝生化が行われる見込みでございまして、単年度実績で比較いたしますと、おおむね倍増でございます。

 都教育委員会は、去る二月七日に東京芝生大会を開催いたしました。そこでは、十八の区市町村教育委員会とともに、全校の芝生化を約束いたします校庭芝生化東京宣言を採択いたしました。今後も区市町村教育委員会との連携をさらに深め、芝生化推進の輪を広げてまいります。

〇野上(純)委員

 今までになく、校庭の芝生化が推進されるという成果があらわれていると思います。各学校において校庭の芝生を有効に活用し、教育の質の向上につなげていただきたいと思いますが、実際の活用方策についても、具体的な実例などが示されないと、なかなか学校現場では活用が進まないと思います。

 教育効果の高い活用方策の提案がなされることを期待しておりますけれども、このことについて見解をお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 校庭の芝生の活用策といたしまして、身近な自然である校庭に集まる生き物に親しみを持つよう、昨年十月に小学校二年生の生活の授業といたしまして、虫ききの会を実施いたしました。また、子どもたちの体力向上のため、昨年十二月に小学校五年生の体育の授業として、ビニール製の安全な用具を使いました、芝生の上で遊ぶ競い遊びを実施いたしました。

 参加しましたいずれの学校からも好評でございまして、今後、より多くの学校で実施できるよう、教育効果の高い活用策の普及に努めてまいります。

〇野上(純)委員

 校庭芝生化に当たっては、その維持管理に地域の方々が参加する場合に、芝生化の費用の全額が補助されてまいりましたが、地域の方々が参加できるかどうかということが学校にとっては非常に大きな課題だと思っております。

 私の地元の葛飾区では、東京芝生大会に参加をいたしまして、全校芝生化を目指す校庭芝生化東京宣言も採択をしております。地元の青少年委員の方が地域コーディネーターとして学校と家庭の橋渡し役を担って、地域の人たちが熱心に芝生の維持管理に参加しております。

 しかし、すべての都内の学校で地域参加がうまくできるかどうか、これは疑問に思っております。補助を受けるためには、これまでどおり維持管理への地域参加をやっぱり求めることになるんでしょうか。その理由についてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 校庭芝生化の整備費につきましては、芝生の維持管理に地域の協力が得られる場合には、これまでどおり全額を補助することとしております。都教育委員会は昨年十一月に、校長、副校長を初めとする教員や地域の方を対象に、芝生の維持管理活動を通じまして地域連携に顕著な成果を上げている方を校庭芝生の親方として、また、芝生の管理技術の普及に尽力されている方を校庭芝生のたくみとしまして、合計二十七名を認証いたしました。

 こうした地域で芝生化に貢献する方々をふやしまして校庭の芝生化を推進することは、子どもたちが豊かな人間関係を築き、社会性を身につけるだけではなく、芝生を地域の財産として保護し、活用していくことでもございまして、今後も地域の方々の参加を求めてまいります。

〇野上(純)委員

 校庭の芝生化が子どもの教育に役立つというばかりではなく、学校と地域との連携を深めるきっかけになるということですから、やはりすべての学校で校庭の芝生化を進めることは大変大事な事業だと思っております。

 しかし、これから芝生化しようとする学校は、芝生化に適した校庭ばかりではないと思います。そこで、都教育委員会は、これから校庭芝生化に取り組もうとしている学校に向けて柔軟な施策を展開すべきと考えておりますが、見解をお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 日照等の問題によりまして、校庭での芝生の生育が困難な学校におきましても、子どもたちが芝生に触れ合える場を創設できるよう、補助の対象を屋上や中庭などにも拡大しております。

 また、芝生化にあわせまして、水たまりの解消や傾斜の是正等、芝生の維持に必要な校庭の改修も補助に含めております。

〇野上(純)委員

 芝生化に関しましては、私は大変意義のある事業だと思っておりますので、ぜひ積極的に住民参加を推進していきながら、この校庭芝生化事業をすべての区市町村で実施できるように推進していただければと思っております。

 二番目に、非構造部材の耐震化についてお伺いいたします。

 学校における非構造部材の耐震化なんですけれども、東日本大震災から二年が経過し、東京都においても、首都直下地震がいつ来るかもわからないということで、建物の耐震化については、公立学校は構造体の耐震化が九七%、非構造部材の耐震化率は三〇%という、まだまだちょっと低い状況なんですけれども、この非構造部材の耐震化も、すべての学校を対象に早急に推進すべきだと思っております。

 二年前の三・一一の日に九段会館で卒業式が行われておりまして、天井の落下によりお二人の方がお亡くなりになりました。九段会館の建物自身は耐震化はしっかりされていて、崩れることはなかったんですけれども、こうした非構造部材ということがこれからの大きな課題になってくると思っております。

 区市町村が非構造部材の耐震化に取り組むとしても、現在はその対象及び指標が国によって明らかにされておりませんで、どのような工事をどの程度すれば安心なのか、まだまだ区市町村はわからず、困っております。都は、国に対して非構造部材の耐震化に係る具体的な対象及び指標を示すよう要求しておりますが、その見込みについてお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 国は、天井高が高く、落下した場合に致命的な事故につながるおそれが大きい体育館の天井について、優先的に落下防止対策案を作成し、現在パブリックコメントを求めているところでございます。それを踏まえまして、本年五月ごろ、建築基準法施行令の一部改正などが行われる予定でございます。

 一方、校舎等につきましては、来年度中に対策を検討するとしており、現在の学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック等を見直し、内容の充実を図る予定と聞いております。

〇野上(純)委員

 いろいろ文科省にも問い合わせしたんですけれども、体育館の天井はなるべくとってくださいという、そういう指標で、でも、体育館の天井にいろいろな、バスケットボールの何ですかね、ゴールがあるような場合はちょっと難しいですねというような、そういった話でした。

 国による耐震化対策の対象や指標がまだ一度に示されていないのは、これから耐震化の対象について、天井、あるいは壁とかガラスとか、たくさんいろんなメニューがあるので、非構造部材についても、どこをどのように耐震化するというのが非常に難しいんだと思うんですね。

 ですけれども、特に体育館というのは災害時においては避難場所となりますので、やはり天井からの落下物というのが一番困るんではないかと思っております。天井については早急に耐震化を進めることはもとより、いつまでにそれを終えるのかということをお伺いしたいと思います。

〇谷島地域教育支援部長

 学校の体育館は、児童生徒の安全確保のみならず、避難所としての役割を担うことから、その天井の耐震化は極めて重要でございます。

 都教育委員会は、都立学校につきましては、平成二十七年度完了を目指しまして、体育館の天井の耐震化対策を計画的に実施してまいります。

 一方、公立小中学校につきましては、国は、平成二十七年度までの速やかな完了を目指して取り組むよう方針を示していますことから、都教育委員会は、設置者である区市町村教育委員会に対しまして、都と同様の時期に体育館の天井の耐震化対策を完了するよう働きかけてまいります。

〇野上(純)委員

 次に、校舎を初めとする、現時点では対象と指標が示されていない部分の耐震化についてお伺いいたします。

 平成二十五年度の都の補助制度は校舎等も対象と聞いておりますけれども、いまだ対象も指標も明らかではない中、耐震化を進める手順について所見をお伺いいたします。

〇谷島地域教育支援部長

 校舎等の非構造部材の耐震化につきましては、国から対象や指標の示せる時期が来年度以降と聞いており、その取り組みの本格化は二十六年度以降になると思いますが、都教育委員会は、既に区市町村教育委員会に対し専門家による点検などを促しているところでございます。

 また、国のガイドブックの見直し状況などの情報を適宜適切に提供いたしまして、補助制度の活用とあわせて積極的な取り組みを支援してまいります。

〇野上(純)委員

 私は常日ごろ、最悪の事態を想定して、今できる最高の備えをしておくことが肝要であるといっております。校舎等の耐震化対策については、平成二十六年度から本格化するようでありますけれども、地震はいつ来るかもわかりません。平成二十七年度までといわないまでも、早急に対策が進むように都として積極的に取り組んでいただくことを希望して、次の質問に移ります。

 次は、スクールカウンセラーの活用事業についてでございます。

 私は過去九回、本会議や一般質問、決算特別委員会等を通してスクールカウンセラーの小学校への導入というのをいい続けてまいりました。

 一番最初に申し上げたのが平成十三年の定例会、一般質問でございましたけれども、そのときには小中学校の不登校の数が一万人を超えておりまして、まだまだ増加の一途をたどっていると。家に引きこもったまま、社会参加できない青年が全国で八十万人いると。その大半の原因が、不登校から外に出られない。それは大きな社会現象であると。ですから、中学校もそうなんですけれども、小学校にもぜひスクールカウンセラーを配置して、しっかりと対応を進めるべきだということをいい続けてまいりました。

 今回、すべての小中高都立学校にスクールカウンセラーの導入が決定をしたということで、スクールカウンセラーの役割と、平成二十五年度のスクールカウンセラー活用事業の事業規模について最初に伺います。

〇坂本指導部長

 スクールカウンセラーは、学校における教育相談機能の充実を図り、いじめや不登校など、児童生徒の問題行動等の未然防止や解消に資することを目的としまして、児童生徒へのカウンセリング、子育てや生活指導に関する保護者への助言、援助、教育相談等についての教員への指導援助を行っております。

 都教育委員会は、平成二十五年度予算におきまして、すべての公立小学校、中学校、高等学校、二千百十七校にスクールカウンセラーを配置するのに必要な経費を計上しております。

〇野上(純)委員

 平成二十五年度にスクールカウンセラーの配備拡大を行うこととした理由についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 いじめや不登校など、児童生徒の問題行動の背景や要因は複雑でありまして、教員からの指導に加え、心理の立場からのアプローチが問題解決に有効である場合が多くあります。

 このため、すべての学校に児童生徒等の心のケアを行うスクールカウンセラーを配置し、児童生徒の健全育成を推進する環境を整えることが必要であり、スクールカウンセラーを全公立小中高等学校に配置することといたしました。

〇野上(純)委員

 それでは、スクールカウンセラーの応募要件と選考方法についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 学校で起きる問題は多種多様であるため、特定の分野に特化した人材ではなく、あらゆる課題に対応できる人材をスクールカウンセラーとして配置することが必要であります。

 そのため、現在のスクールカウンセラーの応募要件は次の三つとなっております。

 第一は財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士、第二は精神科医、第三は児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第一条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師、または助教の職にある者、またはあった者となっております。

 こうした人材をより安定的に確保し、これまでと同様な相談の質を維持するため、公募による選考を実施しております。

〇野上(純)委員

 質の確保ということを明示されております。

 スクールカウンセラーの勤務条件についてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 スクールカウンセラーは都の非常勤職員でございまして、一校当たり、週一回、一日七時間四十五分、年間三十五回勤務していただいております。

 報酬は一日当たり四万四千円で、これに加え、交通費を東京都の規定に準じ支給しております。

〇野上(純)委員

 勤務条件については、非常勤職員ということと、一年間の雇用形態ということだと思うんですけれども、よくわかりました。

 スクールカウンセラーが相談等で把握した情報を校内でどういうふうに活用していくのかについてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 都教育委員会は、スクールカウンセラーに対しまして、校内で個人として活動するのではなく、カウンセリング等の業務の中で得た情報のうち、学校が指導のために必要となる内容について必ず学校に報告するよう徹底しております。

 こうしたスクールカウンセラーからの情報を生活指導部会や学年会等を通じて教員が共有することで、組織的な対応につなげ、児童生徒の問題行動の解決を図っております。

〇野上(純)委員

 こうした予算規模の大きいスクールカウンセラーの導入が来年度から、四月一日から導入されるということで、一斉に各学校に配備されることになってまいります。一件でも二件でも、子どもたちの問題行動の解決が図れるように期待をしております。

 次の問題に移ります。

 次は、東京ベーシック・ドリルの作成について質問したいと思うんですけれども、問一と問二は小山さんと全く一緒だったので、飛ばさせていただきます。

 私は、基礎学力の定着というのは、四則計算とか漢字の読み書きとかもそうなんですけれども、繰り返しドリル学習が基本的には必要じゃないかと思っております。よく小学校六年生ぐらいで、ほかの計算はよくできても、例えば七、六、四十二を四十三とかと覚えているとしますよね。そうすると、その問題が来たときは全部間違えるわけです。ですから、何でこの子はここでいつも間違えるんだろうということをずっとさかのぼってやると、二年生で習う掛け算、九九の基本的なものが、うそをしっかりと覚えているので、その計算が来たときは全部間違えているということになるんですね。

 ですから、そういう四則計算とかもそうなんですけれども、どの学年でどれをしっかり自分たちが身につけていかなければいけないのかということを、やっぱり最低限のものがわかっているということが大事だと思っているんですね。

 そういう意味で、この東京ベーシック・ドリルというのは大変すばらしい提案だなと思っておりますし、また、私は小学校四年生というよりも、小学校三年生ぐらいまでも非常に大事で、小学校四年生の算数のつまずきが人生を大きく狂わせるなというふうに思っているんですね。ですから、それぐらいまでの大体学力をしっかり身につけさせることが大事だということで、東京ベーシック・ドリルは大賛成でございます。

 これ、ちょっとその続きになるんですけれども、東京ベーシック・ドリルはだれが作成するのかについてお聞きしたいと思います。

〇坂本指導部長

 東京ベーシック・ドリルの作成に当たりましては、東京都の児童の実態に即していること、実際に使用する教員にとって使い勝手のよいものであることを目指しております。

 そのため、都内公立小学校に勤務する教科の専門性が高い教員の協力を得ながら、都教育委員会の指導主事等が中心となって作成してまいります。

〇野上(純)委員

 東京ベーシック・ドリルの配布の規模、これについてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 東京ベーシック・ドリルの配布につきましては、都内公立小学校全校の第一学年から第四学年までの各学年に一冊ずつ配布するとともに、ホームページ上に東京ベーシック・ドリルの内容を掲載いたしまして、だれにでも活用していただけるようにしてまいります。

〇野上(純)委員

 四百三十六万という予算規模が非常に少ない事業ではあるんですけれども、専門性の高い教員が協力をし合ってつくり上げていくということから、専門性の高い教員同士の切磋琢磨にもつながりますし、ホームページでだれでも自由にその内容を取り出せて、何度でも使えるということで、これは非常に大事な事業ではないかと思っておりますので、ぜひこれがうまく皆様方に活用していただけるように望みまして、次の質問に移ります。

 次は、言語能力の向上ということで、これは言語能力向上推進事業ということと、言葉の祭典、それから高校生の書評合戦ということで予算が割かれておりますけれども、特に私はディベートや討論の推進、これは大事なことではないかと思っております。

 論理的に考えたり説明したりする能力を育てていくためには、ディベートや討論を推進していくことが大事であると考えております。都教育委員会の見解と取り組みについてお伺いいたします。

〇坂本指導部長

 ディベートや討論は、物事を論理的にとらえたり、的確に説明したりする力を養う上で有効な指導方法の一つであり、ディベートについては、立場を決め、相手を説得するために意見を述べ合う活動として学習指導要領に示されております。

 既に都立高校では地理、歴史や公民、外国語などの授業においてディベートや討論が取り入れられております。また、都教育委員会では、平成二十四年度から日本語による討論や英語によるディベートなどを実施いたします都立高校言葉の祭典を開催しまして、生徒がみずからの考えや意見を発表し合い、競い合っております。

 今後、授業におけるすぐれた事例をホームページで紹介したり、言葉の祭典への参加を学校に促したりすることなどを通しまして、生徒の論理的に思考する力や説明する力の育成を図ってまいります。

〇野上(純)委員

 知事は書評合戦についてもかなり力を入れていらっしゃると思うんですけれども、ディベートや討論も一緒に推進していただければと思っております。

 次に六番目で、管理職の計画的な育成について質問をいたします。

 東京都教育ビジョン(第三次)の案の中の二九ページなんですけれども、教育の成否は子どもたちの教育に直接かかわる教員にかかっており、その質と数の充実は最も重要な課題の一つであるということと、あと同じ二九ページの下から十三行目には、ベテラン教員の大量退職に伴う若手教員の増加により、学校全体の指導力の低下が懸念される中、複雑化、多様化する学校を取り巻く課題に対し、学校が組織的に課題解決に当たることができるよう、初任時から組織人としての認識を持たせるなど、若手教員を確実に育成することが必要である。また、その下には、教育管理職については、教育管理職選考受験者数が低下する中で、受験者を確保し、管理職としての資質、能力を持った優秀な人材を選考し、育成していくことが課題というふうに書かれております。

 そこで、まず最初に、大量退職、大量採用というふうによくいわれておりますけれども、その現状の確認という点から、教員の過去三年間の退職者数及び採用者数についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 過去三カ年の教員の退職者数は、平成二十一年度二千八百六十人、二十二年度二千八百六十三人、二十三年度二千八百四十八人でございまして、採用者数は、平成二十一年度二千九百八十八人、二十二年度三千二十五人、二十三年度三千百十九人となっております。

 このように、都では毎年三千人規模の教員を採用しておりまして、十年間で東京の公立学校の教員約六万人の半数が入れかわるという年齢構成の転換期を迎えておりますことから、若手教員の育成が急務となっております。

〇野上(純)委員

 そういうふうにベテラン教員の大量退職の実態がわかったと思います。

 それに伴って新規採用教員を数多く採用しておりますけれども、全員が教員としての資質、能力を有しているとは限らないと思います。また、実際に学校に勤務してみて、自分には適性がない、教師に向いていないと判断を下す人もいるかもしれません。そのため、一年間の条件つき採用は、教員としての適性を見る上で、一つには重要な期間であると思っております。

 そこで、過去三年間で、新規採用教員が一年間の条件つき採用期間の中で、成績不良等で正式採用できなかった人数についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 正式採用とならなかった教員のうち、転職などによる年度途中の自主退職以外で正式採用しなかった者の人数と、それが新規採用教員全体に占める割合を申し上げますと、平成二十一年度は二十八人で〇・九七%、二十二年度は十九人で〇・六五%、二十三年度は十五人で〇・五%でございました。

〇野上(純)委員

 平成二十三年度は十五人という数でありますけど、この中には、例えばほかの会社の方に転職をしたとか、自己都合でやめたという人の数は入っていないということですね。

 採用後一年間の条件つき採用期間終了時には、教員採用選考合格者の中に正式採用ができなかった人が昨年度は十五人ということなんですけれども、正式採用された先生であっても、採用間もない教員の多くは教員として未熟な部分もあり、経験豊富な教員が大量に退職していく現在、採用直後から教員を計画的に育成していくことが求められると思います。

 特に新規採用教員が学級を担任する小学校では、速やかに担任としての資質、能力を高めていく必要があることから、定年退職をした再任用短時間勤務教員が新人育成教員として、新規採用教員とペアで学級担任を実施しております。実践的な指導、育成を行う学級経営研修について一層の拡大を図るべきであると私は考えておりますが、これまでの取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 学級経営研修は小学校に配置される新人の育成方法として極めて有効でございますが、この研修を円滑に実施していくためには、児童への高い指導力に加えまして、社会経験のない新人を一人前に育てる力のある退職者を育成教員として必要数確保することが重要でございます。

 都教育委員会はこれまで、都内の全公立小学校長を対象とした実践報告や、退職予定者への募集説明会やリーフレットの配布などを実施し、この研修を開始した平成二十二年度に約八十人であった育成教員を現在までに二百人に増員しております。

 今後は、区市町村教育委員会と連携して、すぐれた人材を指名して育成教員となるよう働きかけていきます。また、募集説明会に、直近の退職予定者だけでなく、退職を数年後に迎える教員も新たに招きまして、計画的に育成教員の増員を図ってまいります。

〇野上(純)委員

 私もこの報告書を読ませていただきましたけれども、担任が二人いるというのがいかに心強いかということと、それから、退職された三十八年ぐらいの経験の先生が新人教員に対してしっかりと指導していくというこの制度は非常に大事だなというふうに思っておりますので、今後さらに展開をしていただきたいと思っております。

 それから、教育管理職について質問させていただきます。

 教育管理職であります校長、副校長は東京の教育改革を進めるキーパーソンであります。しかし、その職責の大変さなどから教育管理職のなり手が少なくなっているという現場の声もよく聞きます。

 特に小学校では、副校長が不足している状態であるとも聞いております。学校経営の担い手である管理職が不足する状況は、東京の学校教育全体への信頼を揺るがしかねない深刻な問題であります。次代の学校経営を担い、質の高い教育を推進する人材を早急に確保、育成することが急務ではないかと思っております。

 そこで、二年後には管理職として昇任する小学校の教育管理職B選考の状況と、現在、管理職不足をどうしているのかについて、その取り組みについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 小学校の教育管理職B選考の受験者数は、平成二十二年度が百四十四人、二十三年度が百四十九人、二十四年度が百五十五人と微増傾向にはございますが、各年度の選考倍率は一・一倍程度と低迷しておりまして、小学校の管理職の確保に努めているところでございます。

 具体的には、これまで区市町村教育委員会と連携して受験者の掘り起こしを積極的に行うとともに、退職した管理職の再任用により対応しているところでございます。

〇野上(純)委員

 優秀な管理職の再任用で管理職不足を回避することは、人材活用の観点から是としたいところでございますが、管理職確保に特に厳しい小学校では、全校長に占める再任用者の割合はどの程度かについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 過去三カ年の小学校の再任用校長の数と、それが校長全体に占める率でございますが、平成二十二年度は七十七名で約五・九%、二十三年度は百十九名で約九・一%、二十四年度は百四十九名で約一一・五%となっておりまして、再任用校長の割合は年々増加しております。

〇野上(純)委員

 再任用校長を提案した者としてはちょっと心苦しいんですけれども、副校長が校長に昇任できなくなるのではないかという弊害も聞いております。

 そもそも管理職不足となっている状態について、その理由を都教育委員会はどう見ているのかお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 教育管理職選考の受験者数減少の要因といたしましては、まず現在、管理職選考の受験対象となる三十代後半から四十代前半の教員が少ない、年齢構成の谷に当たっていることが挙げられますが、これは主任教諭、主幹教諭の制度の定着とともに、今後回復すると予測しております。

 問題は、学校組織の中で主体的に学校経営を担おうという意識が若手教員に希薄なことでございまして、将来管理職になろうとする気概を持つ者が少なくなっていることでございます。このことが現在の管理職不足の本質的な問題と考えております。

〇野上(純)委員

 質の高い教育管理職の確保、育成は学校教育にとって欠かすことのできないことであります。これまで有為な人材に対して、若いころから管理職を志す動機づけについては、学校や区市町村の教育委員会に任せている状態であったように思います。

 そこで、来年度から、将来、学校のリーダーとなり得る有為な若手教員を区市町村教育委員会と都教育委員会が主体となって選抜し、学校マネジメント能力を育成していく学校リーダー育成プログラムを展開すると聞いております。この学校リーダー育成プログラムとは具体的にどんなことなのか、実施内容についてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 学校リーダー育成プログラムは、区市町村教育委員会と都教育委員会が一体となって選抜した若手教員のキャリアアップを支援し、学校マネジメント能力を高めながら管理職に導いていく数カ年にわたる研修システムでございます。

 具体的には、まず初めに、将来管理職にさせたい有為な三十代の主任教諭を選抜いたしまして、キャリア形成の道筋を示したりマネジメント能力を育成する学校マネジメント講座を受講させます。これは区市町村教育委員会が主体となって実施するものです。

 次に、この講座を修了した者のうち、特にリーダーとしてすぐれた資質を有する者を区市町村教育委員会が選びまして、翌年度に都教育委員会が実施する学校リーダー育成特別講座を受講させます。

 その後、教育管理職候補者B選考の養成講座を受講させ、管理職選考の一次選考免除の資格を与えて受験をさせ、管理職として任用していくという一連の仕組みとなっております。

〇野上(純)委員

 まず学校マネジメント講座、そしてその次に学校リーダー育成特別講座というふうに、段階を追って副校長に昇任される流れをつくっていくということだと思います。

 私は葛飾区なんですけれども、地域で育てた地域の核となる教員を、その区とか市とか、その地区に残して管理職にすることが必要ではないかと思っております。このプログラムにそのような配慮はなされているのかお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 小中学校の管理職の育成、確保につきましては、都教育委員会だけでなく、すべての区市町村が問題意識を共有し、連携して努力すべき大きな課題でございます。

 一方、区市町村がみずから育てた優秀な教員をそれぞれの自治体の教育施策の振興に積極的に貢献させたいという要望にもこたえなければなりません。

 そこで、区市町村が学校リーダー育成プログラムを活用して育成した教員につきましては、毎年一ないし二名、自地区の中で管理職まで昇任させ、地区の核となる人材として活躍することができるよう人事上の配慮を行ってまいります。

〇野上(純)委員

 このプログラムは確かに育成するのにかなり時間がかかるんですけれども、計画的に必要な管理職を養成していける点と、あと地区の核となる教員を残すシステムがあるということで、大変に高く評価できると思っております。

 残ってもらいたい教員、残りたい教員、相思相愛になることが本当は一番望ましいわけでございますけれども、今後とも、さまざまな取り組みで東京のあすを担う教育管理職を確保し、育成していただきたいということを教育庁にお願いをして、次の質問に移ります。

 最後です。小中学校における特別支援教育の充実についてでございます。

 公立小中学校の特別支援学級では、児童生徒の増加に対応して教員がふえておりまして、また、ベテラン教員が大量退職していることもありまして、現在、特別支援学級担任において、障害のある子どもへの指導経験が少ない教員の比率が高くなっております。

 特別支援教育に関する教員の専門性の確保と育成は、障害のある子どもの保護者にとって重要な問題でありまして、どのような教員が子どもの担任になるかで子どもの将来の自立と社会参加に希望が持てるか否かにもつながってくる、極めて重要な問題であると思っております。

 このため、特別支援教育に関する教員の専門性の向上に向け、研修の充実等さまざまな取り組みを進めるとともに、特別支援学校がセンター的機能を発揮して地域の小中学校の特別支援学級担任の専門性を向上させ、ひいては、すべての教員の特別支援教育の専門性を向上させる取り組みが重要であると思います。

 私の地元の葛飾区では、平成二十三年と二十四年度の二年間に、都の指定を受けて、区立小中学校の特別支援学級と都立水元特別支援学校が連携をし、特別支援学校のセンター的機能を発揮し、教員の専門性を向上させるモデル事業として、特別支援学級と特別支援学校の連携による専門的向上プロジェクトという事業を推進してきました。

 そこで、都教育委員会が進めてきた特別支援学校のセンター的機能の発揮に関するモデル事業の目的と概要についてお伺いいたします。

〇廣瀬特別支援教育推進担当部長

 特別支援学校のセンター的機能の発揮に関するモデル事業は、小中学校特別支援学級担任の専門性向上を図ることを目的としております。

 従来から特別支援学校は、小中学校からの要請を受け、障害の特性に応じた指導に関する助言や研修会への講師派遣等を行ってまいりました。それに対しまして、平成二十三年度、二十四年度に実施した本モデル事業では、モデル校に指定した都立特別支援学校四校が各地区の教育委員会と連携して、当該教育委員会が選定した小中学校の特別支援学級を支援してきました。

 具体的には、当該特別支援学級担任の専門性を向上させるため、モデル校の教員が指導計画、授業評価等の改善を支援するとともに、定期的、継続的に実際の指導場面に立ち会い、児童生徒の行動や理解の状態を踏まえた助言を行ってきたところでございます。

〇野上(純)委員

 今の答弁で、これまでの特別支援学校のセンター的機能の発揮は、特別支援学校が受け身であったのに対して、この本モデル事業は特別支援学校と区市町村教育委員会とが連携し、特別支援学級担任の専門性を計画的に向上させていこうとする取り組みであることがわかったと思います。

 本モデル事業による成果と都教育委員会の今後の取り組みについてお伺いいたします。

〇廣瀬特別支援教育推進担当部長

 本モデル事業によりまして、特別支援学級担任の児童生徒の障害の実態を把握する力、実態に応じて教育内容や指導方法を改善する力、児童生徒が集中して学習に取り組める教室環境を整備する力などの向上が見られたと、各教育委員会からの評価を受けております。

 特別支援学級担任からも、子どもの行動の理由を的確に把握できるようになったなど、専門性の向上を実感したとの意見が上がってございます。

 今後、都教育委員会は、全区市町村教育委員会に対し、本モデル事業の報告書をもとに特別支援学校のセンター的機能の計画的活用を提案し、小中学校特別支援学級担任の専門性向上が確実に図られるよう、積極的に働きかけてまいります。

〇野上(純)委員

 このモデル事業のように、特別支援学校のセンター的機能の発揮によりまして、特別支援学校がこれまで蓄積してきた支援を必要としている子どもたちへの指導の専門性を小中学校の特別支援学級の先生方に引き継いで、その波及効果として、すべての小中学校の先生方が特別支援教育の専門性を高めて、平成二十八年度以降に予定している特別支援教室構想が円滑に導入できることを期待しております。

 そのためにも、今答弁にあったように、都教育委員会は積極的に区市町村教育委員会に働きかけることをお願いして、私の質問を終わります。

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