平成25年文教委員会(2013年3月19日)高齢者の消費者被害について等

平成25年文教委員会(2013年3月19日)



〇野上(純)委員

 私の方からは二点にわたり質問させていただきます。

 まず最初は、消費者教育についてです。

 平成二十三年度に、都内の消費生活相談窓口に寄せられた相談件数は約十二万四千件あったということです。最近は、高齢化の進行を背景に、高齢者の消費者被害が深刻化しており、相談件数はふえ続け、時には数千万円に上る被害もあり、今まで働いて一生懸命ためていた老後の資金をとられてしまったと。悔やんでも悔やみ切れない事例等、たくさんございます。

 高齢者の方々の被害の中には、悪質商法の知識がないために相手の話を信じ込んでしまって、自分が被害に遭っていることすら気がつかないということもあります。

 また、悪質事業者の方も、判断力の低下した高齢者をねらい撃ちにするなど、手口が悪質化、巧妙化しており、被害がなかなか発覚しないこともあります。

 高齢化の進行とともに、消費者被害はますますふえていくことが予想されます。高齢者の被害防止のための都の取り組みについて、最初にお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 都は毎年、敬老の日がある九月に、関東甲信越ブロックで高齢者被害防止のためのキャンペーンを展開しており、さまざまな媒体による広報や特別相談などを実施しております。

 来年度は、高齢者の防犯対策を所管する警視庁などとの連携を強化し、地域の警察署による防犯啓発活動の中で消費者被害の未然防止のための啓発を行うなど、効果的な取り組みを進めてまいります。

 さらに、高齢者に身近な介護事業者や民生委員等を対象とした出前講座のほか、事業者団体に対し、高齢の親を持つ社員への研修等の機会を設けるよう働きかけることなどにより、高齢者を見守る人々に対し多様な方法で啓発してまいります。

〇野上(純)委員

 介護事業者や民生委員を対象とした出前講座を行うと。それから、事業者団体に対して、高齢の親を持つ社員研修、多様な方法で啓発活動を行っていくということだと思います。

 高齢者本人を対象とした取り組みももちろん大事なんですけれども、被害を早期に発見し、相談窓口に速やかにつなぐためにも、周囲の方に働きかけるということが非常に重要だと思っております。

 今後も、高齢者の被害防止に力を入れて取り組んでいただくようお願いをいたします。

 都はまた、消費者被害に対し、相談員によるあっせんや、悪質な事業者に対しては法令に基づく指導、処分を行うなど、さまざまな対策を講じています。しかし、なかなか被害が減らないのが実情でございます。起こってしまった被害に対応するのはもちろんですけれども、消費者が被害に遭わないよう未然防止のための教育普及がますます重要になっております。

 こうした状況の中、昨年十二月には消費者教育推進法が施行されました。今回の消費生活対策審議会の答申でも、今後の都の重点施策として消費者教育が挙げられております。

 そこで、都の今後の消費者教育の取り組みについてお伺いいたします。

〇藤井消費生活部長

 消費者教育推進法では、対象者の年齢や特性に応じた体系的な消費者教育を推進するため、都道府県における消費者教育推進計画の策定や、消費者団体、事業者団体、教育関係者等の関係機関が情報交換等を行う消費者教育推進地域協議会の設置について定めております。

 こうした趣旨を踏まえ、都は、今回改定する消費生活基本計画におきまして消費者教育を重点施策として位置づけるとともに、来年度、消費者教育推進計画を策定する予定でございます。

 また、地域協議会を来年度の早期に立ち上げ、策定した推進計画に基づき関係機関との連携を強化しながら、消費者教育の一層の充実を図ってまいります。

〇野上(純)委員

 消費者教育を一層充実していくということでございますが、この消費者教育の充実はとても大事なことでございます。すべての世代を対象に、体系的に取り組みを進めていかなければなりません。

 しかし、予算にも人にも限りがあると思います。施策の対象を絞って、例えば、一番被害件数の多い年代層とか、あるいはこれから被害に遭うかもしれない年齢層とか、重点的に取り組んでいくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

〇藤井消費生活部長

 都内の消費生活センターに寄せられる高齢者の相談件数は増加を続けており、平成二十三年度は約三万五千件と過去最多となっております。

 また、若者については、相談件数は減少傾向にありますが、被害に遭いながらも泣き寝入りしてしまったり、自分に落ち度があると思い込みあきらめてしまうなど、被害が潜在化している可能性が高くなっています。

 このような状況を踏まえ、消費者教育推進計画の中で、高齢者本人や高齢者を見守る立場の人、大学生、新社会人といった若者を重点的に取り組む対象として、仮称でありますが、消費者教育アクションプログラムを策定し、企業や大学等と連携して積極的に施策を推進してまいります。

〇野上(純)委員

 仮称消費者教育アクションプログラムを策定していくということですね。

 消費者教育推進法では、学校はもとより、地域、家庭、職場など、さまざまな場において消費者教育を効果的に推進することなどを基本理念として定めております。

 消費者教育は、日々の生活の場である身近な地域で行われるのが最も効果的でありまして、今後、区市町村の役割はますます大きくなってくるに違いありません。

 私の地元の葛飾区では、今年度、子ども向けのすごろくゲームを作成いたしました。子どもたちが遊びながら消費生活や地域について学ぶことができ、小学校や児童館などで親しまれております。

 こうした独自の取り組みを着実に進めているところもあれば、職員が少なかったり、専任の担当部署がなかったりで、消費者教育の実績が余りなくて、法律ができたからといって、実際にどう取り組めばいいのか迷っている区市町村もあると聞いております。

 地域における消費者教育が進むように、都として区市町村への支援を強化していくことが重要と考えますが、所見を伺います。

〇藤井消費生活部長

 消費生活総合センターでは、年間三百回以上の講座の開催、映像やインターネットを利用した教材の作成など、消費者教育の実績を積み重ねてまいりました。

 こうした実績やノウハウを生かし、区市町村への支援をさらに充実するため、来年度から消費生活総合センターに新たな窓口を設置し、区市町村への助言や情報提供、都作成教材の提供のほか、他の自治体による取り組み事例の紹介などの取り組みを実施してまいります。

 さらに、区市町村における消費者教育推進計画の策定や地域協議会の立ち上げを支援してまいります。

〇野上(純)委員

 区市町村との窓口を設置して支援を充実するという力強い答弁をいただきました。

 私の地元の葛飾区では、来年度、いち早く地域協議会を立ち上げようと検討を進めていると聞いております。他の区市町村にもこうした取り組みが広がるよう、都として支援をしていただきたいと思います。

 今回改定される基本計画では、消費者教育の強化が打ち出されてくるものと思います。都は、これまで蓄積してきたノウハウを生かして、区市町村との連携を深めながら、今後も全国をリードするような取り組みを進めていっていただくようお願いをいたします。

 次に、配偶者暴力対策について質問いたします。

 住民生活に光をそそぐ交付金について質問いたします。この後、これを光交付金といわせていただきます。

 私はこの間、文教委員会におきまして、光交付金を活用した配偶者暴力被害者の自立支援に取り組む民間支援団体への助成について、具体的な提案を幾つかしてまいりました。東京都は、二十三年度から二カ年にわたり、光交付金を活用して配偶者暴力対策を推進してきましたが、この三月でその二年間の時限措置が終了となります。

 そこで改めて、この光交付金を活用したこれまでの具体的な取り組みについてお伺いいたします。

〇菊地男女平等参画担当部長

 都では、住民生活に光をそそぐ交付金一億一千万円を活用し、平成二十三年度、二十四年度の二カ年で、さまざまな配偶者暴力対策の取り組みを行ってきました。

 具体的には、被害者の自立支援を行う民間団体の取り組みの充実を図るため、DV被害者支援体制整備等助成事業を実施いたしました。

 また、配偶者暴力の未然防止を図るため、交際相手からの暴力、いわゆるデートDVに関する調査やデートDV特別電話相談の実施、配偶者暴力防止に向けた普及啓発などを実施してまいりました。

〇野上(純)委員

 住民生活に光をそそぐ交付金を活用して、この二年間でさまざまな取り組みを行い、配偶者暴力対策を進めてきたとのことであります。

 ところで、私は、この交付金の活用に当たり大きく二つの具体的な提案をしました。それが、被害者の自立に向けた準備ができる施設でありますステップハウスの立ち上げと、被害者が例えば病院や行政窓口などに出向く際、団体の方が同行する同行支援を複数の団体で行うというこの二つの取り組みでございます。

 ステップハウスの立ち上げや複数の団体が行う同行支援について、今回の助成による成果についてお伺いいたします。

〇菊地男女平等参画担当部長

 ステップハウスの立ち上げや民間団体が連携して行う同行支援に対し、交付金を活用したDV被害者支援体制整備等助成事業により助成を行いました。

 ステップハウスの立ち上げについては、都内民間団体にとっては、敷金、礼金等、不動産賃貸の初期費用が大きな負担となっていました。このため、その費用に対し助成をすることにより都内に新たに三施設が開設され、本年二月末現在では三施設とも全室利用されております。

 また、同行支援については、これまで、一つの団体では人材やノウハウ不足のため、被害者のニーズに合った支援が十分に行えていませんでした。このため、同行する人材を団体間で調整するコーディネーター等の費用を助成することにより、複数の団体間で人材を融通し、八団体、約五十名のスタッフで二百件を超える同行支援を行いました。

〇野上(純)委員

 この光交付金を活用した事業を実施した結果、被害者の自立支援に取り組む民間団体が抱える課題を解決し、ステップハウスが立ち上がり、複数の民間団体が連携して行う同行支援の仕組みができました。被害者支援につながったことは大きな成果であると思います。都の取り組みについて高く評価をいたします。

 住民生活に光をそそぐ交付金は終了いたしますけれども、都の配偶者暴力対策まで終了してしまっては困ります。

 三月十四日に、全国の警察が一年間に認知したDV被害者の件数というのが出ておりました。DV、ドメスチックバイオレンスは四万三千九百五十件で、九千六百二十一件もふえているということと、また、ストーカー被害に関しては一万九千九百二十件で、前年比五千三百二件もふえているということで、そういう警察報道がございました。

 全国の警察が受けたDV被害者の相談件数が初めて四万件を超えたこともありまして、東京にはまだまだ多くの被害者がおります。今この場で質問をしているときも、多くの被害者が苦しんでいる現状があります。

 東京都は、今後も引き続き、DV被害者の相談から自立に至るまで、被害者の視点に立った切れ目のない支援を積極的に行うよう強く要望し、質問を終わらせていただきます。

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