平成25年文教委員会 スポーツ振興局(2013年3月19日)スポーツ指導者の暴力問題について等

平成25年文教委員会 スポーツ振興局(2013年3月19日)



〇野上(純)委員

 私の方からは、東京都スポーツ推進計画についてお伺いいたします。

 ここ数カ月の間に、一部の学校部活動や競技団体で、スポーツ指導において暴力を行使する事案が明るみに出ました。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致に臨んでいる日本にとって、これはゆゆしき問題だと思っております。

 私は、そもそもスポーツはすること自体が楽しみや喜びであり、技術の向上に当たっても、指導者と選手が信頼ときずなで結ばれ、励まし合いつつ、ともに高め合っていくのがその本来の姿だと考えております。

 ちょっと私の体験を申し上げますと、私が教育現場にいたころ、まだ非常にやせていたころなんですけれども、朝七時から八時まで、学校週五日制のころなんですが、毎朝、体操教室を行っておりました。なかなかこの体操というのは、根性だけでできるようになるものではなく、科学的に分析をして、繰り返し繰り返し練習をすることによって、バク転とかロンダートとか、跳び箱の上に手をついてくるんと回る転回跳びとか、そういったものができるようになるんですね。

 これ、指導者である私も見本を見せなくちゃいけないので、やっておりましたけれども、今はちょっとできませんけれども……(「できたの」と呼ぶ者あり)はい。今はちょっとできませんけれども。

 そういうことで、子どもたちができるようになるというのかしら、一個一個技術が獲得できる喜びというのは、本当に喜んでうれしいものなんですね。そこには絶対に体罰なんかあり得ないわけです。子どもの着実な努力によって一個一個できるわけですから。ですから、喜びの中には必ず達成感があるし、絶対にその中には暴力はないというふうに思っております。

 心情的な面から、根性とか、いろいろあると思うんですけれども、私は、やはりスポーツというのは、科学的、医学的なサポートが必要だと思っております。

 そこで、先日の予算特別委員会において我が党の中山委員が、東京都の医科学サポート事業の取り組みについて、昨今いわれているスポーツ界を取り巻く暴力や体罰の問題とは対極にあるものであるとの趣旨の発言をいたしました。

 そこで、改めて、この医科学サポート事業についてお伺いいたします。

〇板垣スポーツ事業部長

 医科学サポート事業は、国体やインターハイ、国際大会などで活躍できる東京のアスリートを養成するため、医学的、科学的なデータなどを活用しながら、選手や指導者をサポートしていく事業でございます。

 今日、全国大会や国際大会のように、トップアスリート同士がしのぎを削る中で勝ち抜いていくためには、いかにわずかな差を争っていくかが重要になります。このため、精神論に基づく特訓の積み重ねではなく、医学的、科学的な情報を積極的に取り入れて試合に臨むことが不可欠となっております。

 都では、日本体育大学、日本女子体育大学、国士舘大学と協定を締結し、大学機関などが有する最新の知見や技術、施設などを活用し、都内のトップレベルの高校生アスリートのサポートを実施しております。

 具体的には、選手の身体形態や筋力、最大酸素摂取量など、専門的な測定を行いまして、選手の能力の把握やトレーニング内容の検討、改善に活用するコンディションサポートや、試合の状況を撮影し、そこで得られた映像データをもとにして対戦相手や試合展開等に関する実践的な分析を行うパフォーマンスサポートなどを実施しております。

 さらに、測定データを踏まえて、トレーニング内容の改善充実を図るトレーニングサポートや、栄養セミナーなどを実施し、試合に向けたコンディショニングに関する相談を行う栄養サポートも実施しております。

〇野上(純)委員

 今ご答弁がありましたように、医科学サポート事業は、医学的な要素や科学的なデータなどを活用して、選手や指導者に対して効果的なサポートを行っているということがわかったと思います。

 そこで、この事業による成果についてお伺いいたします。

〇板垣スポーツ事業部長

 本事業におきましては、選手の筋力や動作などについて客観的なデータが提供されるため、事業に参加した選手からは、自分の体の筋力を箇所別に細かく知ることができ、筋トレも弱い部分を意識してできるようになったなどの声が寄せられており、競技者みずからが考えてトレーニングなどに取り組むことができるようになっております。

 また、選手の強化すべき課題が明確になり、指導していくポイントがはっきりしたなど、指導する側にとっても、有益な情報やデータに基づいた冷静な判断ができるため、指導者の意識改革にもつながり、指導現場における暴力的な指導の根絶にも寄与していくものと考えられております。

 こうした取り組みによりまして、昨年開催されたぎふ清流国体やインターハイには延べ六十八名のサポート対象選手が出場することができ、そのうち三十二名が上位入賞を果たしております。

 これらの成果を踏まえまして、今回策定する計画では、本事業をさらに効果的に推進できるよう見直しを図り、新たにテクニカルサポート事業として取り組んでいくこととしております。

〇野上(純)委員

 やはりデータに基づいた冷静な判断ということが大事だと思っております。今までの事業の結果として、六十八名の選手の中の三十二名が上位入選、約半数の人たちがそういう結果をもたらしたということで、大変すばらしい事業だと思っております。

 また、昨年のロンドン・オリンピックで日本人選手が優秀な成績をおさめることができたのは、栄養士や情報分析スタッフが常駐して、選手のコンディショニングや疲労回復、栄養面などで多角的な支援を行ったマルチサポートハウスの効果が大きかったといわれております。

 パラリンピックに行ったうちの議員がいるんですけれども、伊藤都議なんですけれども、どうだったと聞いたら、パラリンピックにはその施設はなかったとおっしゃっていました。多分、オリンピックだけだったと思うんですね。こういうものは、多分、オリンピックにもパラリンピックにもあった方がいいんじゃないかなというふうに私は思うんですね。

 都の競技力向上施策においても科学的な分析によるサポートで成果が上がっているとのことでありましたけれども、こうした取り組みは、まさにスポーツの世界における暴力や体罰の問題などとは対極にあるものでありまして、すばらしい取り組みであると思っております。

 今後は、スポーツ指導者に対してスポーツの科学的な知識やその意義を浸透させていくことも必要であり、指導者の育成が急務であると思いますが、所見をお伺いいたします。

〇板垣スポーツ事業部長

 スポーツ指導者は、自身の経験や熱意だけでなく、スポーツ医科学に立脚した客観的なデータによる冷静な説明、選手のモチベーションを高めるための言葉による指導力を身につけることが必要でございます。

 指導者の育成は競技団体が取り組んでいくことが基本でありますが、都は、指導者の資質の向上に資するよう、海外で効果を上げている最新のスポーツ医科学情報や、客観的なデータの活用方法などの情報を提供し、新しいコーチングスキル習得のきっかけづくりとして指導者講習会などを実施してまいります。

〇野上(純)委員

 本来、スポーツ指導における暴力行為については、決して行われないよう指導者に自覚を促すとともに、そのことが競技団体により徹底されるべきであると思います。

 都としても、このことを明確に示すべきであると考えますが、都の見解を伺います。

〇板垣スポーツ事業部長

 多くの選手は、試合に勝利するため、あるいはよい成績を得るために厳しい練習を行います。しかし、選手が自分の限界を超えるために必要なことは、委員ご指摘のとおり、決して暴力による指導ではなく、みずからが考え、みずからの力で克服していくということであり、それを的確にサポートする客観的な指導助言でございます。

 都は、現在策定中の東京都スポーツ推進計画におきまして、これまでの医科学サポート事業の成果を踏まえて、こうした本来あるべきスポーツ指導のあり方を明確化するとともに、指導者講習会等を通じて、暴力行為によるスポーツ指導の根絶を徹底してまいります。

〇野上(純)委員

 力強い答弁、ありがとうございます。

 スポーツが持つ科学的かつ文化的な価値に基づいた教育、指導、育成を図っていくためにも、スポーツ祭東京二〇一三が終了した後も、医科学的な分析に基づく選手サポートなど、東京の選手の競技力強化に、より一層取り組んでもらいたいと思っております。

 そして、ぜひとも二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックなどの国際舞台で一人でも多くの東京育ちのアスリートが活躍し、東京がスポーツ都市であることを世界に示していただきたいことを要望いたしまして、質疑を終わらせていただきます。

 以上です。

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