平成25年文教委員会(2013年5月29日)全日本柔道連盟について等

平成25年文教委員会(2013年5月29日)



〇野上(純)委員

 では、陳情二五第一〇号について発言をさせていただきます。

 今ちょうどサンクトペテルブルクで、スポーツアコード会議がこれから始まるということで、あす、イスタンブール、そして東京、マドリードと、約二十分間ずつのプレゼンが行われるということでございます。スポーツ振興局の方々も参加されて、一生懸命、オリンピック招致に向けて頑張っていらっしゃることと思っております。

 オリンピック・パラリンピックの目的というんですか、意義というものなんですけれども、一つには、人々に夢と希望、そして感動を与えるということと、もう一つは、東日本大震災から大変な被害を乗り越えて、日本が本当に明るく希望を持って再生をしたという、そういうシンボルとなるということから、ぜひとも私は招致を実現するべきと考えております。

 今回付託された陳情は、全日本柔道連盟が、柔道の女子選手に対する暴力行為が判明したにもかかわらず監督を続投させようとしたことは、オリンピック憲章に違反しているとして、日本国及び日本オリンピック委員会はオリンピックを招致する資格がない、したがって、都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を東京都に招致すべきではないということでございます。

 確かに、スポーツの世界に、古い体質ともいえる体罰とかしごきが残っておりまして、アスリートのプライバシーとか人権が守られないままに見過ごされるようなことがあっては、日本のスポーツ界にとっても、子どもたちを健全に育成していく社会にとっても、これはとても嘆かわしいことだと思っております。

 そこで、この問題に国やスポーツ界がどう取り組んでいるのかを確認していきたいと思っております。

 まず、アスリートが指導者から暴力行為やパワーハラスメントを受けた場合、それを告発するのは大変な勇気が要ることだと思います。アスリートのプライバシーが守られ、不利益とならないような配慮が必要だと思うんですけれども、今回の事件をきっかけにした対応の変化についてお伺いいたします。

〇松永招致推進部長

 JOC、日本オリンピック委員会は、全日本柔道連盟に対し、十三項目にわたる改善を勧告するとともに、選手、指導者を対象とした通報相談窓口を設置いたしました。

 また、国は、日本スポーツ振興センター法を改正し、スポーツ指導で暴力を受けた選手が相談できる第三者機関を設置することといたしました。

 さらに、文部科学省は、スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議を設置し、指導から暴力を排除し、いかに選手の自主性を引き出すかといったテーマや、国内外におけるスポーツ指導者養成の実例などを議論しております。

 東京都も、本年三月に策定いたしました東京都スポーツ推進計画におきまして、スポーツ指導現場における暴力行為は決してあってはならないということを明確に示すとともに、科学的知見や技術を活用した指導法を提唱しております。

 さらに、東京都体育協会におきましても、倫理に関するガイドラインを三月に策定しまして、全加盟団体に周知しております。

〇野上(純)委員

 今回の件を契機にして、JOCを初めとして、暴力根絶に向けた取り組みが着実に動き出しているものと思われます。

 四月の二十五日には、JOCのほか、日本体育協会、日本障害者スポーツ協会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟が、スポーツ界における暴力行為根絶宣言を採択いたしました。

 全日本柔道連盟も、学識経験者を交えた暴力の根絶プロジェクトにおいて、暴力行為に対する厳しい処分案を検討するということを聞いております。

 これは、将来、スポーツを志し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを目指す若きアスリート、そして親御さんなどにとっても安心できる材料ではないかと思っております。

 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京招致は、スポーツ界の一部に、いまだ残っているかもしれないあしき習慣を一掃し、より合理的で科学的なスポーツ界をつくり上げるという点でも意義のあるものではないでしょうか。

 そこで、スポーツ界を変革していくという観点から、今回のオリンピック・パラリンピック招致の意義について、改めてお伺いいたします。

〇松永招致推進部長

 スポーツには、人に夢や希望、感動を与え、人々を結びつける力がございます。この力が、次代を担う若者に夢や未来への希望、目標を与え、さらには日本社会の活力を高める契機となることから、東京都は二〇二〇年大会に立候補したものでございます。

 また、オリンピック憲章は、スポーツにおけるいかなる形の暴力も否定しており、コーチや選手によるフェアプレーと非暴力の精神の尊重が定められております。

 日本のスポーツ界の一部に、いまだ暴力行為が残っていたことは非常に残念ではありますが、二〇二〇年大会の東京開催を目指すことはオリンピックムーブメントの推進に寄与し、スポーツの本来持つ力や価値を社会に広く浸透させ、スポーツにおける暴力の排除や科学的トレーニングの普及にもつながると認識しております。

〇野上(純)委員

 最後です。

 本来、スポーツとは自分との戦いであるはずです。他人から強制や暴力によって何かをやらされても、スポーツの持つ本質的な価値には到達し得ないものと思っております。

 私のことでございますが、私は中学校から自然観察ワンダーフォーゲル部に身を置いておりまして、練習としては毎日十キロのマラソン、そして、歩荷といわれる、人を背負って神社の石段を上ったりおりたりする訓練等を重ねてまいりました。

 そして、その中で、やっぱり冬山登山等は一歩間違えれば命も落とすし、また夏山でも、油断をすれば大変危険な状態であるということで、訓練というのは、暴力によって強制されるトレーニングではなく、自分と友達を守り合うためのトレーニングだと思ってやってまいりました。

 これは、一つのワンダーフォーゲルというスポーツの持っている特質だと思うんですけれども、そういう意味で非常に、トレーニングのすばらしさ、自分で自分を啓発していくことの大切さなどを感じて育ってまいりました。

 オリンピック・パラリンピックの開催によって、スポーツ界も日本社会も、不合理な暴力や体罰、人権侵害がない社会にしていくべきだと思います。

 よって、この陳情には、私は賛同することはできません。

 以上です。

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