平成25年文教委員会(2013年6月5日)運動部活動の体罰について等

平成25年文教委員会(2013年6月5日)



〇野上(純)委員

 体罰について質疑をさせていただきます。

 昔、荒れていた学校の事例なんですけれども--学校教育法というものは、昭和二十二年三月三十一日につくられたもので、第十一条は、校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童生徒及び学生に懲戒を加えることができる、ただし、体罰を加えることはできないということで、懲戒と体罰の違いにつきましては、本当にさんざんいろいろなところで議論し尽くされていたような状況であります。

 こういうときに、ちょっと荒れていたときの学校の事例では、本当に、生徒と、それから先生の人間関係がなかなかつかめないということで、子どもたちがいろんなものをぼこぼこに壊したり、先生たちにわざと怒りの感情を爆発させるようなことをいってみたりして、でも、先生たちは体罰はいけないということで、かたく両手をぐっと握り締めて、震える手をぐっと我慢して握り締めて、ずっと耐えていたというようなこともお話を聞きます。

 要するに、体罰によって子どもたちを指導するということは、逆にいえばなかなか効果が上がらない。そうじゃなくて、先ほど答弁がありましたけれども、本当に、心の中に打ち響くような言葉を投げかけながら、子どもの心を少しずつ変えていくことしかできないのかなというふうに思っております。

 体罰につきましては、文部科学省の通知におきまして、児童生徒の体に対する侵害、要するに殴ったり、けったり、つねったりというようなことだと思います。児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなものということと定義されております。

 肉体的苦痛というので、長時間立たされたり、あるいは昔の映画でいえばバケツを持って廊下に立っていたりとか、そういうような肉体的苦痛を長時間にわたって与えるようなものじゃないかなと思っております。

 今回の体罰の実態調査に当たって、どのような行為が体罰に該当するのか、具体的な基準がなければ、学校ごとに体罰の判断が異なることとなって、体罰の実態を正確に把握することが困難と考えます。

 例えば、私が隣の古賀先生にちょっとこうぽっとやったのでも、人間関係ができていなければ、もうたたかれた、すごい暴力を振るわれたととらえるだろうし、人間関係ができていれば、ね、先生といってぽんとしたのも、普通の軽いあいさつみたいにとらえるわけで、それぞれの状況によって非常に難しい状況があると思うんですね。

 そういう意味で、児童生徒が体罰を受けたと回答した内容が確実に都の教育委員会まで伝わっていくことが必要ではないかと思っております。

 そこで、今回の体罰の実態調査における体罰の把握、あるいは認定の方法について、まず最初にお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 今回の調査は、体罰の実態を的確に把握するため、都内全公立学校の教職員に加えまして、児童生徒にまで調査対象を拡大いたしました。教職員や児童生徒から回答があった場合には、校長が関係者から事実関係を確認し、体罰の疑い例までも含めて幅広く都教育委員会に報告する仕組みとしたものです。

 報告のあったすべての事案につきまして、都教育委員会が定めた体罰の分類基準、これに基づきまして、各事案の状況を学校に十分に確認した上で、都教育委員会、区市町村教育委員会が共通の考え方で、体罰であるか、不適切、行き過ぎた指導であるか、指導の範囲内であるか、非該当であるかの仕分けを行いました。

〇野上(純)委員

 そのお話を聞いただけでも、すごい調査だったんだなというふうに思います。一個一個の事例を確認し、現場に行き、現場の声を聞いて、そして分類をして上げるという大変な調査内容で、お疲れだったと思います。お疲れさまです。指導部の皆様、また一緒になって教育庁の皆様、本当にお疲れさまだと思います。

 体罰の実態調査の最終報告では、体罰のあった学校について学校名が公表されております。百八十二人の百四十六校ということです。不適切、あるいは行き過ぎた指導のあった学校については公表されておりません。この数は、先ほども出ましたけれども、三百三十五校で、合計すると、二つ合わせると五百四十二人ということです。

 したがって、報告したにもかかわらず学校名が公表されていない事案は、これは不適切な指導に当たると考えられるわけですが、体罰と不適切な指導の区分は、一般の方にはなかなかわかりにくいものだと思っております。

 そこで、体罰と不適切な指導は、具体的にどこが違うかについてお伺いいたします。

〇岡崎人事部長

 今回定めました体罰分類基準では、体罰とは、児童生徒の身体を侵害する有形力の行使であって、具体的には苦痛を伴うような強さでたたく、殴る、ける、髪をつかんで引っ張るなどの行為をいうとしました。

 また、不適切、行き過ぎた指導については、体罰には至らない軽微な肉体的苦痛を与える程度の有形力の行使としまして、軽くたたいた場合や足で押す、しっぺ、こづくなどの行為をいうとしました。

 今回の調査では、不適切、行き過ぎた指導については学校名を公表しておりませんが、体罰と同様にあってはならないものでございまして、当該行為を行った者に対しても、処分や措置、指導を行うことなどを適切に対処してまいります。

〇野上(純)委員

 平成二十五年五月二十七日に、文部科学省が出しております運動部活動の在り方に関する調査研究報告書というのがございます。この中で、運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議というところで、運動部活動での指導のガイドラインを取りまとめております。

 このガイドラインでは、運動部活動の指導における厳しい指導と体罰等の許されない指導との区別について、具体的な事例が示されております。読ませていただきました。

 今回の調査で作成された体罰分類基準では、運動部活動での指導に限らず、体罰と指導の範囲をわかりやすく示しておりまして、これは画期的であると思っております。今回の調査結果では、体罰を行った百八十二人のうち三十二人が体罰と思っていなかったと回答しております。

 学校現場から体罰をなくしていくためには、早急にこれらの教師に周知徹底し、体罰と指導の違いを具体的かつわかりやすく示していくことが効果的であると考えます。

 そこで、運動部活動での指導のガイドラインや体罰分類基準を教員に周知する方法について伺います。

 文科省も、ぜひ自分のところを参考にして、それぞれの都道府県でしっかりとつくっていただきたいということを書いておりますので、よろしくお願いいたします。

〇岡崎人事部長

 今回都がつくりました体罰分類基準は、今回の調査で報告のあった約千件の事案につきまして、何が体罰であるかどうかの分類をするために整理したものです。

 お話の国が示した運動部活動での指導のガイドラインや私どもが今回の調査で得た体罰事例などを活用して、どのような行為が体罰に当たるのかにつきまして、すべての教員に対して意識喚起を行うため、来月七月を体罰防止月間と位置づけまして、都内全公立学校において体罰防止研修を実施いたします。

 今後、部活動指導等の在り方検討委員会におきまして、内容をさらに精査し、体罰と指導の範囲を明確にしたガイドラインを示してまいります。

〇野上(純)委員

 今回の調査で百八十二人の体罰が判明しました。体罰だけではなく、児童生徒に対する暴言などの不適切な指導も報告されております。

 言葉の暴力は、児童生徒の心に大きな傷を与え、体罰以上に深刻な影響をもたらすこともございます。この中にもパワーハラスメントと判断される言葉や態度による脅し、威圧、威嚇的な発言や行為、嫌がらせ等、また、セクシュアルハラスメントと判断される発言や行為、あるいは身体や容姿にかかわること、人格を侮辱したり、否定したりするような発言、それから特定の生徒に対して独善的、執拗かつ過度に肉体的、精神的負荷を与えるようなことも許されない指導として考えられるということで書いてあります。

 これらの言葉の暴力等の行為を放置しておくと、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントにも発展することも考えられます。

 そこで、言葉による暴力の今後の防止策についてお伺いいたします。

〇金子指導部長

 暴言は、児童生徒の心を深く傷つける行為であり、いかなる理由があろうとも認められるものではございません。暴言を用いることなく、心を揺り動かす言葉かけや働きかけによりまして、子ども自身が心から納得して反省できるようにすることこそが教育でございます。

 今後とも、こうした教師の重要な職責につきまして、改めて学校に周知徹底を図ってまいります。

〇野上(純)委員

 スポーツに関しまして、特に運動部活動の在り方に関する調査研究報告書の中に、トップアスリートとして活躍する者の中で、指導において体罰を受けた経験がないと述べる者がいらっしゃるということで、すぐれた指導者、適切な指導を行える指導者は、体罰を行うことなく、技能や記録の向上で成績を上げており、スポーツの指導において体罰は不必要であるということを述べてあります。これからもっと科学的な見地にのっとったスポーツ指導等も大事ではないかと思っております。

 都教育委員会では、体罰の根絶に向けて、部活動指導等の在り方検討委員会において、八月を目途に総合的な対策を検討するということでございますけれども、検討に当たっては、児童生徒の健全育成のため、教員が暴力や暴言に頼らず、毅然とした指導ができるようにするということが大事だと思っております。

 それともう一つ、過度に教員が萎縮することがないように、これはしっかりと対策を講じていただきたいということと、もう一つちょっとつけ加えまして、体罰調査委員会報告書の最後に書いてあるんですけれども、外部指導員の方たちにつきましては--教師に対しては、体罰をテーマとしていろいろな研修を定期的に実施しているけれども、外部指導員に対する研修に関しては、管理職からも顧問からもそういう研修を行っていないということが書いてあります。外部指導員の指導範囲、顧問等の連絡のあり方、事故を未然に防ぐための研修など、ぜひ学校と外部指導員との関係についてしっかりと、責任と権限があいまいになっていることも含めまして、そういう方たちにも体罰の指導を今後行っていただきたいと思っております。

 このこともお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

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