平成28年文教委員会(2016年5月31日)知的障害特別支援学校について等

平成28年文教委員会(2016年5月31日)



〇野上(純)委員

 私も、請願二八第五号、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願について質疑をさせていただきたいと思っております。

 過去の記録をいろいろ調べてみたんですけれども、平成十六年の文教委員会、五月にあったんですけれども、そのときにも教室不足のことについて質疑をしてまいりました。そのときには、使わなくなった都立の高校の跡をうまく活用できないかということを提案させていただきました。

 それから、平成二十二年の第二回定例会、これは代表質問だったんですけれども、その中でも教室不足について質疑をして、しっかりとその年の計画の中に盛り込んでいただいたという経緯がございます。ということは、都教育委員会は、計画に基づいて特別支援学校の施設整備を進めてきた経緯があると思っております。

 また、新築や増改築に関しては、可能な限り多くの教室を確保してきたとのことですけれども、現状では特別支援学校に在籍する子供たちの急増に伴って、普通教室を確保するために転用や分割を行っております。子供たちの急増になかなか間に合っていないのが実情のようです。

 私も特別支援学校の入学式、卒業式、特に盲学校とか、ろう学校なども含めて、ご案内いただいたところには積極的に参加をさせていただいて、なるべく多くの学校を訪問して、直接学校の様子を見せていただき、子供たちに触れる機会を多くつくってまいりました。

 特に肢体不自由の学校の卒業式は非常に感動的で、子供たちがストレッチャーに乗っていたり、あるいは車椅子に乗っていたりして、名前を呼ばれても三秒後ぐらいに、はいという返事がしてまいります。これは担当の先生が、はいと返事をしていたりするわけなんですけれども、学校の現状は本当にさまざまで、障害にも差があります。重い障害があって大変厳しい現状もある子もあるし、あるいはボーダー的な子供たちもたくさんいます。しかし、どの子も学校行事にきちんと参加をしている。その子供たちの様子を見ておりますと、学校での教育活動の毎日の積み重ねが大事なんだなということを感じております。

 子供たちには、ぜひ良好な教育環境を整えるべきだと思っております。教室が足りていない大きな原因は何なのか。知的障害特別支援学校に在籍する子供たちの急増が原因ではないかと思っております。

 そこで、具体的な数字で、知的障害特別支援学校の在籍者のこれまでの増加についてお伺いいたします。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 都立特別支援学校の児童生徒数は、特別支援教育推進計画を策定した平成十六年度には八千十一人でありましたが、平成二十七年度には一万一千八百九十三人と、十一年間で約一・五倍に伸びております。

 中でも知的障害特別支援学校の児童生徒の伸びは著しく、五千百四十九人から八千七百三十六人と三千五百八十七人の増加で約一・七倍の伸びとなっております。

〇野上(純)委員

 先ほど山崎さんの質疑の中でも一・七倍ということを出してありましたけれども、知的障害特別支援学校の子供たちが本当にふえているということが認識できます。数字を聞きますと、著しく増加をしていることが改めてわかります。

 この請願の中に、都の特別支援学校の教室不足は、いまだ深刻な状況にあると記述されております。私も学校を視察させていただいた際に、普通教室をカーテンで仕切った教室、あるいは特別教室を転用した普通教室を目にしておりますが、中にはパーティションで区切っているところもあるんですけれども、パーティションの上がすっかりあいております。これは何であいているんだろうと。声とか全部筒抜けなのにと思ったら、お話をお伺いすると、クーラーが、パーティションで仕切ってしまうと個別の部屋には全く行かないので、上をあけておかないと、クーラーが届くように、冷気が来るように工夫をしているということでございました。

 そこで、現在の特別支援学校全体及び知的障害特別支援学校の教室不足についてお伺いいたします。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 都立特別支援学校において、平成二十七年五月一日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は四百二十九教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室の数は二百五十四教室でございます。

 特に在籍者の増加が著しい知的障害特別支援学校において、平成二十七年五月一日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は三百二十八教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室の数は百四十三教室でございます。

〇野上(純)委員

 知的障害特別支援学校に、まだまだ多くの転用教室や分割教室が存在をしていると。都教育委員会では、平成十六年度に特別支援教育推進計画を策定し、適正規模、適正配置に取り組み、その結果、在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校においては、平成二十七年度までの十一年間に、普通教室四百二十六教室を整備し、千百六十二教室まで増加してきたという経緯があります。これだけの整備を計画的に進めているにもかかわらず、まだ普通教室の確保は十分にはできていないわけです。

 そこで、現在実施している特別支援教育推進計画第三次実施計画による児童生徒数の推計と、実際の児童生徒数及び今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 知的障害特別支援学校について見ると、第三次実施計画において推計した平成二十七年度都立特別支援学校在籍者数は、都内全体で八千六百八十一人のところ、実際の児童生徒数は八千七百三十六人であり、推計に対して五十五人増となっております。

 一方、平成二十七年度の教育人口等推計によれば、都内公立小中学校の児童生徒数は今後も増加傾向にあると推計されていることから、知的障害特別支援学校の児童生徒数も増加する可能性が高いと考えております。

〇野上(純)委員

 平成二十七年度の時点では、推計値と実際の児童生徒数にはほとんど差がなかったわけです。しかし、今後は知的障害特別支援学校の児童生徒の数も増加する可能性が高いということでございます。

 特別支援学校の児童生徒の約七割が知的障害特別支援学校であることを考えますと、知的障害の児童生徒が増加する可能性が高いということは、今後の普通教室の確保についても、より一層の取り組みをしていかなければなりません。

 現在、特別支援教育推進計画第三次実施計画を推進しているところでございますけれども、施設整備についての計画継続期間は、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間と伺っております。今がちょうど十年間の二分の一をちょっと経過したところでございます。施設整備には時間がかかりますけれども、第三次実施計画で計画した新築、増改築がこれから完成を迎えると、知的障害特別支援学校の教室不足はどの程度解消されるんでしょうか。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 今後も計画に基づき、新設三校、増改築十三校の整備を引き続き進めてまいります。

 在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、特別支援教育推進計画対象校の整備が全て完了すれば、第三次実施計画策定時に推計した学級数に必要な教室数を確保できる見込みでございます。

〇野上(純)委員

 平成三十二年、全ての新設三校、増改築十三校が整備できれば、増加の著しい特別支援学校の教室不足が解消される見込みということで、ちょっと安心をいたしました。

 次に、児童生徒への配慮について質問させていただきます。

 子供たちが毎日過ごす学校の教育環境の充実は、非常に重要であることはいうまでもありません。保護者の方も、障害のある子供にとっても、良好な教育環境を期待して子供たちを入学させております。教室の転用や分割を行う場合は、子供たちの教育活動を最優先した施設利用を行うことが重要だと思っております。

 そこで、転用や間仕切りを行う上で、教育活動に支障が出ないようにするため、具体的な工夫や配慮についてお伺いいたします。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 管理諸室や特別教室を普通教室に転用する場合、教育活動実施上の影響を最小限にするため、学校ではさまざまな工夫をしております。

 やむを得ず転用する場合には、児童生徒が直接学習活動に使用しない会議室などの管理関係部門の諸室を優先して利用したり、複数設置されている特別教室の一室を転用するなど、児童生徒の学習活動になるべく支障の出ないように転用する教室を選定しております。その上で、学校全体で指導方法や時間割を工夫し、教育活動を適切に実施しております。

〇野上(純)委員

 指導の工夫についてですけれども、知的障害特別支援学校では、子供たちの障害の状況は、本当に先ほどもいいましたように、さまざまでございます。子供たちの能力を最大限に伸ばしていくための工夫をしていかなければならないと思っております。そのためには、一人一人の障害に応じたきめ細やかな指導が必要なことはいうまでもありません。

 子供たちの能力を伸ばすためには、児童生徒の課題に応じて、能力別に学習グループを分けて指導することが私は有効だと思うんですけれども、その際には限られた施設の中で教室を有効利用していかなければなりません。この教室の利用の工夫についてお伺いいたします。

〇浅野特別支援教育推進担当部長

 知的障害特別支援学校では、児童生徒の障害の状態や教育的ニーズに応じて、個別学習や少人数学習、学年単位での学習など、多様な学習形態が行われております。

 児童生徒の課題に応じて能力別に学習グループを分けて指導する際の教室は、学級で使用している教室のほか、学習グループの人数が少ない場合は小さな教室で授業を行うなど、授業が効果的にできるよう学習環境を工夫しております。

 また、学年ごとなど、集団規模が一定以上で授業を行う体育や音楽などでは、学習集団に合わせて広い特別教室等を使っております。

 さらに、学年ごとに時間割を調整して、校舎内の限られた学習場所を有効に活用しております。

〇野上(純)委員

 最後です。都教育委員会では、これまで施設の新設や増改築などによって教育環境の改善を図ってきましたけれども、現在も教室の転用や分割により普通教室を確保している状況があります。教育活動になるべく支障が出ないように、学校ではさまざまな工夫を行っておりますが、それでも子供たちが不便な思いをしているのではないかと心配をしております。

 先ほどの答弁でも、特別支援学校の児童生徒数は増加する可能性が高いとのことでございましたが、その可能性が高いのであれば、今後の対応策をしっかりと立てることが大切です。

 また、新築や増改築に時間がかかったとしても、今回の請願に記載のあるとおり、一刻も早く教室不足を解消し、教育活動に必要な教室を確保すべきであると思います。

 都議会公明党といたしましても、障害のある児童生徒が、よりよい教育環境の中で学び、一人一人の可能性を最大限に伸長できるように取り組んでいくことを申し上げ、質疑を終わります。

 以上でございます。

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