平成18年公営企業委員会(2006年11月21日)女性専用車両について等

平成18年公営企業委員会(2006年11月21日)


〇野上(純)委員

 まず最初に、女性専用車両の導入について質問いたします。
 私は、都議会公明党の女性議員として、女性の人権を守る立場から、数多くの提案を行ってまいりました。その中でも、女性専用車両の導入については、再三にわたり議会の場でも取り上げて、その実現に努めてまいりました。この背景には、若い女性の一番の悩みは何かというアンケート調査を行ったときに、上位にランクされていたのが電車の中での痴漢行為であるという結果でした。ぎゅうぎゅう詰めの通勤ラッシュの中で、痴漢行為をされると、体力的にも精神的にもつらいですし、耐えられません。都内の痴漢の発生件数は毎年二千件を超えているということです。女性の人権擁護という視点と、また、男性の冤罪防止という視点でも、女性専用車両の導入は必要不可欠のサービスではないでしょうか。
 実は、男性の冤罪被害も多く、冤罪のために人生を台なしにされてしまいますし、一度検挙されると、自分が痴漢をしたということを認めないとなかなか家に帰してもらえない。認めないといつまでも勾留されてしまう。本当は本心じゃないんですが、仕方なしに認めた場合、後で裁判で冤罪を晴らすためには時間と労力を要してしまうということです。
 快適な通勤通学を保障し、東京の治安の向上を図るという観点から、女性専用車両の導入を主張してきたという経過がございます。
 私たち公明党は、昨年一月に女性専用車両の導入を求める署名活動を寒風吹きすさぶ中、先頭に立って行いました。約七万四千二百七十人の署名を集めて、国土交通大臣に届けました。それを機に国土交通省から、平成十七年三月七日に、JR、都営交通、私鉄各社に呼びかけて、女性専用車両の導入に向けての検討会が立ち上がったわけです。そうした私どもの願いを背景として、昨年五月には、関東圏の大手の鉄道会社十一社でその導入が実現されました。大きな成果を上げることができたと思います。
 都営交通に女性専用車両を導入するに当たっては三つの課題がございました。一つは、女性専用車両以外の車両がラッシュ時には余計に混雑するのではないか。これが一つ。二つ目は、女性専用車両の中に男性が入ってきては困るので、案内整理要員、そういう人たちが必要ではないか。人件費がかかるのではないか。三つ目には、相互乗り入れの会社との合意が必要ではないか。紆余曲折を経て、交通局においては都営新宿線で女性専用車両を試行的に導入したわけですが、現在の都営新宿線における女性専用車両について、さまざまな課題を克服して試験的な導入に踏み切ったわけですが、京王電鉄との調整、あるいは今運行している時間帯などについて、あるいは導入の経過について具体的にお伺いします。

〇佐藤電車部長

 新宿線の女性専用車両につきましては、相互直通運転をしております京王電鉄と、車両の位置をどこにするかとか、それからまた、運行の時間帯をどの辺に設定するかとか、そういった点について調整をやってまいりまして、その導入を図ってまいったところでございます。また、導入に際しましては、ホームに案内整理要員を配置するなど、利用者の混乱が生じることのないような工夫もしたところでございます。
 具体的には、平成十七年五月九日より、朝ラッシュ時間帯の七時三十分から九時三十分までの間に新宿駅から本八幡駅に向かう九本の列車を対象としまして、その先頭車両を女性専用の車両としまして運用してございます。

〇野上(純)委員

 都営交通を初めとした首都圏の鉄道各社が女性専用車両の導入に取り組み始めたことは、私自身、大いに評価のできるものと考えておりますし、多くの都民や利用者からも賛同も得られるものと感じております。
 国土交通省のかつてのアンケートにおいても、男性の六六%、女性の七七%が、女性専用車両の導入を強く希望しているという結果が出ておりました。女性専用車両の導入によって、そうした考え方は社会全体としてもますます勢いを得てきているのではないかと感じております。
 そこで、都営交通における女性専用車両の導入について、利用者からの声について、交通局はどのように受けとめ認識しているかについて伺います。

〇佐藤電車部長

 地下鉄の車内におけます痴漢の犯罪を防止しまして、都営交通をお客様に安心してご利用いただくため、さまざまな意見や指摘を十分に踏まえた取り組みこそが重要であるというふうに考えております。
 この女性専用車両につきまして、交通局が昨年十月に実施したアンケート調査によりますと、全体の六六・三%が導入に賛成しておりまして、反対は一六・七%となっております。また、平成十八年十月までに交通局に女性専用車両に係ります五十四件の意見が寄せられておりますが、そのうち三十九件は導入に賛成する内容となっておりまして、反対意見は十件という状況になっております。
 こうした内容から、女性専用車両の導入につきましては、支持する意見が多数ではないかというふうに受けとめております。

〇野上(純)委員

 女性専用車両の導入については、賛成の意見を持っている方が多いことが交通局に寄せられたデータによって明らかであるように思います。
 私たち公明党がかつて朝の通勤ラッシュや深夜の時間帯を含めて、一刻も早く女性専用車両を導入するよう署名活動してきた努力が認められたものと感じて感慨深いものがあります。しかし、女性専用車両が導入されたことをもって、私どもの目的とする痴漢行為がすべて撲滅されるというように安易に考えているわけでもありません。特に警視庁のホームページを見ていると、痴漢犯罪のような行為は、八割近く電車の車内で発生しているというデータもございます。その時間帯も午前七時から八時台までの二時間で約五割、特に八時台前半に集中しているという分析が寄せられております。
 都営交通の混雑率は八時台前半にピークを迎えます。特に新宿線では一七〇%を超えるような日もあるように聞いております。私もかつて都営新宿線を使って通勤しておりました。大島駅、あるいは西大島駅という駅におりるわけですが、客が多くており切れない。なるべく戸があく近くにいないと、乗り越してしまうような大変な混雑状況で、日々苦労しておりました。まさしく新聞を広げることも当然ままならないし、乗客同士が密着して押し合いへし合いしている時間帯に痴漢行為が最も数多く発生しているものと考えてよいかと思います。交通局として、混雑の激しい時間帯に女性専用車両を導入して痴漢行為の解消に乗り出したことは、正しい方向性であるように感じております。
 そこでお伺いいたしますが、都営新宿線を初めとする都営四線における痴漢の状況については実態はどのようになっているのか、お伺いいたします。

〇佐藤電車部長

 都営地下鉄の車内の痴漢行為でございますが、平成十七年度は都営四線で計七十五件に上っております。そのうち新宿線が三十一件と最も多くなっています。また、朝ラッシュ時間帯の七時から十時までの発生件数が四十五件と突出している状況もございます。
 交通局としましては、痴漢行為の件数の多い新宿線などで少しでも効果的な対応を図りまして、都営地下鉄をお客様が安心して快適にご利用するような環境づくりに取り組んでまいります。

〇野上(純)委員

 今の説明を聞いておりますと、痴漢行為については新宿線で最も多く発生しているということがわかります。恐らく潜在的には被害届けを出している人の十倍以上は泣き寝入りをしていると思われます。さきの説明からも明らかなように、新宿線の女性専用車両は試行的に導入されたものという位置づけなのですが、今後はより効果的な車両の運用について、何よりもまず新宿線においてしっかりと検討して、速やかな対応策の導入を図ることが不可欠だと思っております。
 特に現在は、朝のラッシュ時に混雑が最も激しいのは、新宿から本八幡方向に運行する列車ではなく、むしろ、新宿のオフィス街に旅客を運ぶ逆の方向の列車であるとも聞いております。混雑の激しい区間にこそ、この女性専用車両を重点的に配備することが痴漢行為の抑制と解消につながることを考えると、むしろ現在の本八幡行きだけではなく、逆方向の新宿方向に行く都営新宿線にこそ女性専用車両を導入していくことが効果的と考えております。都営新宿線での現在の取り組みの結果などを踏まえて、ぜひ本八幡から新宿に向かう路線について、女性専用車両の拡充を図るべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

〇佐藤電車部長

 地下鉄の車内におけます痴漢犯罪を解消するためには、こうした犯罪が発生する可能性の高い朝ラッシュの時間帯に効果的な対応策を重点的に行うことが必要であるというふうに考えております。
 現在の新宿線においては、本八幡方面から新宿駅に向かう列車の混雑率は、新宿駅から本八幡の方に向かうものよりも、おおむね高い状況が続いております。このため、従前より先生からご要望をちょうだいしているように、朝ラッシュ時間帯の七時台から九時台にかけまして、本八幡方面から新宿駅に運行する二十七本の列車につきまして、十二月中を目途に女性専用列車を新たに導入しまして、新宿線におけます本格的な実施を図る予定でございます。

〇野上(純)委員

 今、十二月を目途にして本八幡から新宿行きの女性専用車両の拡充を図るという答弁がございました。大変喜ばしいことだと思います。
 都営地下鉄四線における痴漢犯罪の数を考えると、痴漢行為の撲滅は、新宿線の取り組みだけに尽きるものではなく、むしろ、交通局として新宿線の状況を十分に精査し、検討を加えた上で、ぜひほかの三線にも拡大していくことが必要であると考えております。女性専用車両の導入によって、交通局でも車両の運用のあり方や相互直通をしている他の鉄道会社との調整など、さまざまな努力やコストが必要になると考えております。しかし、こうした取り組みこそが女性の人権を守り、公営交通として痴漢撲滅という公共的な役割を先導的に展開することにもつながるものと確信しております。
 実は、きのうから東京メトロで東西線の平日朝六時五十七分から九時までの五十一本に女性専用車両の導入が図られました。これも我が党が要望を国土交通大臣に提出し、実現したものでございます。都営新宿線を初め浅草線、三田線、大江戸線においても女性専用車両が効果的に導入されて、女性を初めとするお客様が安心して利用することのできる都営交通が確立されることを願って、一番目の質問を終わります。
 次に、実は、吉倉さんがきょう欠席ですので、かわりにさせていただきます。
 先般、十五日の公営企業会計決算特別委員会の総括質疑におきまして、某会派から各局に民間委託に関する質問があったとお聞きいたしました。その中で、交通局には、都営地下鉄において現在進めている駅業務の外注化に関して、某会派の議員は、一たん災害でも起きれば、駅では多くの人を誘導しなければなりません、駅の職員は人命にもかかわる大事な仕事を受け持つ、その職員がパートやアルバイトなどの不安定雇用で、どうして都民の安全を守れるのでしょうかなどと、委託職員では事故等への緊急対応などはできないと決めつけるかのような間違った差別的な発言を行ったと聞いております。表現もさることながら、雇用が不安定で、給料も安いから、安全性を確保することができないという短絡的で論理に飛躍のある決めつけは、意欲を持って駅業務に当たる委託職員のモラルを損なうことになるのではないでしょうか。
 そもそも委託職員の採用に当たっては、応募者は雇用条件を応諾して、双方の意見が合致した契約に基づいて働いているわけでありますので、身分も安定せず賃金も安過ぎるから、やるべき業務ができない、やらないという話ではないと思います。こうしたことを背景に質問をしたいと思います。
 まず、交通局の駅業務は、現在、百一駅のうち三十一の駅において外注化が進められており、これらの駅では管理責任者である局の職員とともに、財団法人である交通局協力会の職員が窓口業務や案内業務などに従事していると伺っております。良質なサービス水準を維持し、安全輸送を確保するとともに、経済性の高い事業運営を実現するために、交通局では平成十五年から駅業務を外注化して一定の成果を上げてきているものと伺っております。民間の鉄道事業者が厳しい経営努力を重ねる中、交通局も民間並みの経営効率を実現するため、業務運営のあり方を見直して、さまざまな手法の導入を図ることは必要であると考えます。
 そこでまず、駅業務の委託については、民間鉄道事業者や他の公営交通において導入が図られているものなのかどうかをお伺いいたします。

〇佐藤電車部長

 鉄道事業におきまして、業務運営の効率性を高めて、経済性を十分に発揮した経営を行うため、駅業務の外注化は、民間のみならず、公営の事業者におきましても活用が進んでいるところでございます。民間では、京浜急行のようにすべての駅を業務委託している場合、それから、公営企業では、大阪市交通局のように昭和六十三年から委託を実施している例もございます。
 交通局におきましても、民間並みの経済性を発揮しまして、最少の経費で最良のサービスを提供する上で駅業務の外注化を引き続き効果的に活用することが重要であると考えております。

〇野上(純)委員

 駅業務の委託は、民間でも用いられている一般的な手法であることがわかりました。もとより駅の業務は公共輸送という人命にもかかわる重要な仕事であります。しかし、そうした業務だからといって、必ずしも交通局の直営のみで行うものではなく、輸送の安全性を的確に確保しながら、外注化などにより効果的に業務を進めることは必要です。交通局としては、安全性やサービス水準の面において責任ある駅業務の運営体制をつくり上げているものと思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、委託駅において委託職員が安全性の確保やサービスの向上が図られるよう交通局としての取り組みをお聞きいたします。

〇佐藤電車部長

 委託駅につきましては、パート社員だけでなく、リーダー的な立場にございます契約社員、それから正規社員を配置しまして、業務運営を円滑に行うことのできる、そういった仕組みとしております。こうした委託職員につきまして、委託先との契約におきまして、交通局職員と同様の研修や訓練を義務づけまして、鉄道係員として十分な教育を実施しまして、安全性の確保やサービス推進の維持に努めているところでございます。
 さらには、交通局職員でございます助役を管理者として配置しまして、駅の安全確保やサービス提供などの業務運営を適切に行うとともに、異常時には助役の指示のもと安全確保を最優先した体制を整えるといったことなど、万全の措置を講じているところでございます。

〇野上(純)委員

 ただいまの答弁からも明らかなように、委託駅においては、安全性の確保のみならず、サービス水準の維持にも交通局として十分な配慮と対応を行っているということですね。
 身分が不安定だからとか、賃金が安いからといって、委託職員では駅業務における安全性の確保が難しいなどということは根拠のない話であることも明確かと思います。交通局として安全性やサービスの内容をめぐる誤った議論や指摘に惑わされることなく、事業運営の効率性を高めて、着実な公営企業改革に努めていっていただきたいと思います。
 以上で終わります。

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