平成19年公営企業委員会(2007年11月28日)高度浄水処理について等

平成19年公営企業委員会(2007年11月28日)



◯野上(純)議員

 生命を支えている水、安全でおいしい水をだれしも望んでいます。今、三十代、二十代の女性の約八割はペットボトルの水を買ってきて飲料にしているという報告がございます。あるいは高価な浄水器を取りつけている家庭も多いと思います。一千二百万の都民の生活を健全に維持するために、都民生活を支える水道として、この多様な都民ニーズに的確にこたえていける水道局の一つの大きな事業が、これから私が質問しようとしております高度浄水処理ではないかと思っております。

 東京都の水源は利根川に約八割を依存しており、残りの約二割は多摩川であるということですが、高度浄水処理は利根川水系の全浄水場に導入するということです。そこで、なぜ高度浄水処理を利根川水系の浄水場に導入するのか、改めてお伺いいたします。

〇鈴木企画担当部長

 利根川水系の原水は、上流域での生活排水などの影響を受けまして、カルキ臭の原因となるアンモニア態窒素、カビ臭原因物質、発がんのおそれがあるトリハロメタンのもととなる前駆物質などが多い傾向にございます。また、上流域での下水道整備の進捗状況などを踏まえますと、今後も原水水質の早急な改善は見込めない状況にございます。このため、利根川水系の浄水場につきましては、通常の浄水処理である急速ろ過方式に加え、オゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄水処理を導入することといたしました。

 一方、多摩川水系の浄水場は水質の良好な羽村地点で取水していることから、通常処理で対応することとしております。

◯野上(純)議員

 利根川水系は多摩川水系と比べて原水の水質がよくないということなので、利根川水系の浄水場に高度浄水処理を導入するということですね。

 ところで、最近、膜ろ過処理というのがかなり普及していると聞いておりますけれども、なぜオゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄水処理を導入するのかお伺いいたします。

〇鈴木企画担当部長

 利根川水系の原水水質に含まれるアンモニア態窒素やカビ臭原因物質などは、膜ろ過処理方式においても適切に処理することが可能でございます。しかしながら、現在の技術レベルで大規模な浄水場へ導入した場合、コスト的にも高くなるなど、いまだ調査研究の段階でございます。このため、オゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄水処理方式を採用しているところでございます。

◯野上(純)議員

 この膜ろ過処理についてはコストが高いということと、現在もう少し調査研究を進めていくということで、とりあえずオゾン処理と生物活性炭吸着処理を組み合わせた高度浄水処理をそれぞれの浄水場で導入をしていくということだと思います。

 金町浄水場は我が家の近くにあるんですけれども、かつては夏になると苦情の電話がよくかかってきて、変な臭いがするとか、特にカビ臭いとか、ネズミの死骸が浮いているんじゃないかとか、いろいろな電話がかかってきておりましたけれども、最近は非常にそういった苦情の電話も少なくなりまして、特にいろいろな講演会なんかでは東京水を宣伝をしたりしながら、これを見せながら、今、ブレンドで五〇%、高度浄水処理をした水と普通の処理をした水を組み合わせた水が金町浄水場で処理をされて、私たちのところに来ているんだということで、かなり普及啓発をしておりますが、この前送られてきました資料を読みますと、お客様満足度調査によると、まだ約五割のお客様がカルキ臭等に対しての不満を持っているということが挙げられておりました。そういった意味で、さらなる水道水質改善の取り組みが必要なのではないかと思っております。

 水道水はおいしいということももちろんすごく大事な要素ですけれども、もう一つ、安全性も重要だと思います。この高度浄水処理は安全面ではどういう効果があるのかお伺いいたします。

〇鈴木企画担当部長

 現在の通常処理においても、国の定める水質基準を満たしていますが、高度浄水処理においては、トリハロメタンをより一層低減することができるとともに、農薬などの微量有機物質の除去性も高くなるなど、安全性が向上いたします。

 また、原水水質事故などによる急激な水質の悪化にも対応でき、より高いレベルの安全性を安定的に確保することができます。

◯野上(純)議員

 高度浄水処理の導入によってより高いレベルで安全性が確保されるということだということで、大変安心をいたしました。水のおいしさが向上するとともに安全性も高まる高度浄水処理は、積極的に導入すべきだと思います。

 さて、私の地元にあります金町浄水場では、先ほど工事契約の報告にありましたけれども、高度浄水施設の第三期建設工事が行われることになっております。金町浄水場における高度浄水施設の第三期建設工事の概要について、改めてお伺いいたします。

〇長岡建設部長

 先ほど先生のご指摘のとおり、金町浄水場における高度浄水処理の割合は、現在、配水量のおおむね半量となっております。このため、より一層安全でおいしい水の供給を目指しまして、配水量の全量を高度浄水処理できるよう、施設整備を進めているところでございます。

 平成十八年度には既存施設の撤去を行っておりますが、今後本格的に工事に着手する予定でありまして、平成二十二年度の完成を目指して着実に整備を行ってまいります。

◯野上(純)議員

 金町浄水場は平成二十二年度、平成二十三年の三月までということだと思うんですが、全量が高度浄水処理になります。より水の安全性が高まるということで、期待も一層高まっております。金町浄水場はこれから本格的に工事が進められるということですが、既存施設を壊して、そこに高度浄水施設を建設をするということですね。これを聞いただけでも大変な工事という印象を受けます。また、これから約五年間にも及ぶ大規模な工事となります。

 そこで、工事に当たっての考えられる課題、そしてその対応の方法についてお伺いいたします。

〇長岡建設部長

 金町浄水場は区部東部地域の約二百五十万人に給水している重要な基幹施設でありまして、運転を停止して工事をすることはできません。また、古くから拡張に次ぐ拡張を重ねてきたことから、施設が大変ふくそうしておりまして、限られたスペースでの施工ですとか、既存施設の移設を要するなど、大変難しい対応を余儀なくされます。このため、工事に当たりましては綿密な施工管理と安全管理を行い、安定給水を確保しながら着実に整備を進めてまいります。

◯野上(純)議員

 安定供給を確保しながら、着実に整備を実施していただければと思います。

 金町浄水場の近隣には、道を隔てて多くの住民が住んでおります。住民に迷惑になることがないように、円滑に工事を進めなければなりません。住民の理解と協力を得ることが不可欠だと思います。これまで第一期、第二期と工事をずっとやってきたわけですから、大丈夫だとは思いますが、この三期工事において、住民にも十分な理解を得て工事を進めていくべきです。所見を伺います。

〇長岡建設部長

 工事に当たりましては、地元住民の皆様のご理解とご協力を得ることが不可欠でございます。このため、十月二十七日には説明会を開催いたしまして、工事の概要を説明させていただくとともに、意見やご要望を伺ったところでございます。また、今後も工事の進捗に合わせ、随時、工事内容や施工予定などの情報提供を行ってまいります。

 さらに、周辺環境に十分配慮し、振動、騒音対策などを適切に行うほか、工事用車両の安全通行ですとか、歩行者通路の確保など、きめ細かな対応を行い、住民の皆様のご理解とご協力をいただくよう努めてまいります。

◯野上(純)議員

 くれぐれも近隣の住民にも応援していただけるような対応をお願いしておきます。二十二年度の完成に向けて、ぜひしっかり取り組んでいただければと思います。

 次に、別の観点から、水道技術の継承についてお伺いいたします。

 どの分野にしてもそうなんですけれども、団塊の世代の大量退職がいよいよございまして、どの分野でも大きな課題となっておりますが、水道局の方も例外ではないと思っております。ベテラン職員の大量退職による技術の継承の課題についてお聞きしますけれども、技術の継承がうまくいかず、一定レベル以上の熟練者がいなくなれば事業が成り立たなくなり、民間企業であれば、今後淘汰されかねないということです。知事もよくいわれていますが、日本の、いいかえれば東京の水道技術のレベルの高さは世界一、こうした技術が失われることは許されることではないと思います。

 水道局では平成十七年十月から、配管工事や漏水防止作業などの実技が行える実習フィールドを兼ね備えた研修・開発センターが本格稼働するなど、いち早く技術の継承に取り組んでいると聞いております。

 そこでまず、設立から一年が経過していますが、今まで行ってきた研修内容についてお伺いいたします。

〇小山職員部長

 当局におきましても、いわゆる団塊の世代の大量退職などにより、今後十年間で技術職員の約四割が退職していく状況にありまして、技術を確実に継承するための人材育成が急務となっております。こうしたことから、ベテラン職員がこれまで培ってきた豊富な経験と技術を継承するため、研修・開発センターにおいて、ベテラン職員みずからが講師となって、実習フィールドを活用した浄水処理技術や配水管の接合、漏水発見などの体験型研修を行うなど、より実践的な研修を実施しております。

 また、研修講師となるベテラン職員に対しましても、講師技法を習得させる講師養成研修を行い、講師としての力量の向上に努めているところでございます。

◯野上(純)議員

 いろいろなところに民間委託も含めて委託化が進んで、局の職員が直接配管工事をすることが少ないと聞いております。これからもこうした状況が続くことは確実です。こうした状況の中で技術を継承していくためには、先ほどいわれました実習フィールドを活用した研修は必要不可欠なことだと思っております。こうした研修をふやして継続をし、実施していくべきだと思います。

 技術を継承する上で研修は最も重要な取り組みの一つですが、民間企業ではこうした研修に加え、より具体的できめ細かなマニュアルの実習などに工夫をして取り組んでいることを聞いております。

 そこで、水道局においてもそのようなマニュアルの充実などにも取り組んでいく必要があると思いますが、どうでしょうか、伺います。

〇小山職員部長

 当局ではこれまでも各職場で必要に応じ、業務取扱指針などの各種マニュアルを整備してきたところでございますが、ご指摘のように、今後よりきめ細かなマニュアルの整備が必要であると考えております。

 具体的には、配水調整や事故時における対応などの業務を通じて、これまでベテラン職員が培ってきた経験や勘に基づく知識・ノウハウであるいわゆる暗黙知を、だれもが容易に理解できる客観的な知識・ノウハウとしての形式知へと移行していくことが重要であります。このため、こうした継承すべき技術を洗い出し、そのポイントや留意点などを、写真、ビデオなどのよりわかりやすい形でマニュアル化することなどを通して、技術の継承に積極的に取り組んでまいります。

◯野上(純)議員

 写真とかビデオとか、わかりやすい形式でマニュアル化していくということは大変重要なことだと思っております。しっかり取り組んでいっていただければと思います。

 ところで、全国の水道事業体の多くは原則として市町村が経営しており、人数が少ないため、技術の継承もままならない状況と聞いております。一方、東京水道は高い技術力を有しているわけですから、日本の水道技術全体を維持発展させていく取り組みを行っていくことが重要だと思いますが、見解をお伺いいたします。

〇小山職員部長

 全国の水道事業体を初め、水道事業の一端を担う民間事業者におきましても、技術者の不足などにより技術の維持向上が緊急の課題となっております。こうしたことから、当局が率先して日本の水道技術の維持発展に向けた取り組みを行うことが重要であると考えております。このため、研修・開発センターの開設を機に、全国の水道事業体などで構成する日本水道協会との連携を深め、事業体職員や民間事業者を対象に、当局の実習フィールドを活用した配水管工事の技能講習会など、各種の研修を共同で実施しております。

 さらに、実習フィールドを有しない近隣の水道事業体などからの要望にもこたえ、研修・開発センターの施設の貸し出しや、他事業体との共同研修の実施などを積極的に進めてまいります。

◯野上(純)議員

 近隣事業体のニーズに応じて実習フィールドの貸し出しや共同研修などを行っていくということは、すごく評価したいと思います。東京水道の技術を自分たちのものだけでなく、周りの事業体にもしっかりと継承を進めていっていただければと思います。また、東京水道の技術を継承することはもちろんですけれども、日本の水道を牽引していっていただければと思っております。

 最後になりますが、技術継承について局長の見解を伺って、質問を終わります。

〇御園水道局長

 東京の水道は都民生活と首都東京の都市活動を支える重要なライフラインでありまして、現在のみならず、将来にわたり安全でおいしい水を安定的に供給していく責務がございます。このためには、水道事業に固有の高度な技術を確保していく必要があることから、ベテラン職員が大量に退職していく状況におきましても、長年にわたり培ってまいりました技術、ノウハウを確実に引き継ぐとともに、今後とも総合的な技術の維持向上を図ってまいります。

 また、東京水道のみならず、日本の水道事業全体にとって、水道技術の継承は緊急の課題となっております。当局ではこれまでも率先して日本の水道技術の維持向上に寄与してまいりましたが、今後とも技術情報の発信などを積極的に行い、我が国の水道事業の発展に一層の努力をしてまいります。

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