平成20年厚生委員会(2008年11月28日)小児総合医療センターについて等

平成20年厚生委員会(2008年11月28日)


◯野上委員

 
 それでは、二〇第四一号、都立八王子病院の存続に関する請願について質問いたします。
 厚生委員会等でずっと質疑をしてきましたけれども、立て続けに起きたハイリスク妊婦の総合周産期医療センターに関する問題で、これから出産を控えている都民の方たちは大変な不安を覚えているのではないかと思います。昨年の東京都の出生数なんですけれども、東京二十三区、区部が六万九千七百九人、多摩地域が三万三千九百二十二人という状況の中で、総合周産期医療センターが区部には八カ所ありますけれども、多摩地域にはたった一カ所しかありません。これはかなり偏在をしているわけでございます。したがって、広大な多摩地域の唯一の総合周産期医療センターである杏林大学病院の今回の件も、起こるべくして起こったのではないかと関係者の間ではいわれております。
 このような事態を打開するために、平成二十二年三月に、都立の八王子、清瀬、梅ケ丘の小児病院を統合し、府中に小児総合医療センターを建設し、あわせて多摩総合医療センターと一体となって多摩地域に二つ目の総合周産期医療センターを設置することが決まりまして、多摩地域の都民には大変に大きな安心をもたらすことになると思います。他方、統廃合される地元の方からは、今回のように存続の請願が出されているわけでございます。そこで、なぜ八王子、清瀬、梅ケ丘の小児病院を統合せざるを得なかったのか、改めて都の見解を求めます。

〇黒田経営戦略・再編整備担当部長

 八王子小児病院など三病院を統合し、小児総合医療センターを整備する理由についてでございますが、八王子小児病院、清瀬小児病院及び梅ケ丘病院は、それぞれ小児専門病院、小児精神専門病院として機能してまいりました。しかしながら、小児医療を取り巻く環境が一層厳しくなっている現状の中にありまして、小児科領域における医療の多様化、また小児期疾患の成人後、いわゆるキャリーオーバー患者への対応、さらには心の疾患を持つ患者の増加という医療需要に加えまして、医療資源の面からは、全国的な小児科医師の絶対的不足など、それぞれの病院が困難な課題に直面しております。また、各病院とも施設の老朽化が進んでおりまして、現施設において今後とも良質な医療を提供し続けることは困難な状況となってきております。
 こうしたことから、限られた小児の医療資源を最大限有効活用していくために、これらの三病院を統合いたしまして、小児医療に関しまして、心から体に至る高度専門的な医療を提供する病院としまして、小児総合医療センターを新たに多摩メディカル・キャンパス内に整備しまして、都における小児医療の拠点として充実を図っていくこととしたものでございます。

◯野上委員

  高水準で専門性の高い病院にすることによって、今大変小児科医の先生方がなかなか見つからないというか、絶対的な不足の状態になっているということと、あと、この三つの施設を建てかえるというのは結構大変な予算も要りますので、一つの大きな施設として、専門的な施設として、施設の老朽化に対応するために今回こういうような計画が出されたということだと思います。
 さらに、多摩地域の二つ目の総合周産期医療センターとなる小児総合医療センターと多摩総合医療センターによる総合周産期医療としての具体的な機能について説明を求めます。

〇黒田経営戦略・再編整備担当部長

 小児総合医療センターと多摩総合医療センターによります総合周産期医療としての具体的な機能についてでございますが、小児総合医療センターには、まず新生児集中治療管理室、いわゆるNICUを統合前と比較いたしまして九床増加の二十四床整備いたします。また、回復期中等症治療室、いわゆるGCUを六床増加の四十八床整備することとしております。また、多摩総合医療センターにおきましては、母体胎児集中治療管理室、いわゆるM-FICUを九床新たに整備することとしております。このことによりまして、母体と新生児を一貫して診療する体制ができることとなるということでございます。
 このことによりまして、杏林大学医学部付属病院に続きまして、多摩地域におきまして二つ目の総合周産期母子医療センターが整備されることは、小児総合医療センター、多摩総合医療センターの一体となった運営の大きなメリットといえるものと私どもは考えてございます。

◯野上委員

  今までよりも、NICUも九床ふえる、GCUも六床ふえる、さらにM-FICUが新たに九床ということで、かなり整備体制が充実するのではないかと思います。
 先日、私も名古屋第一赤十字病院に視察をさせていただいたのですけれども、やはり急に妊婦さんが、羊水が漏れてしまった妊婦さんが担ぎ込まれまして、なるべくおなかの中で、ある程度の週が、育つまではおなかにいた方が取り出したときのリスクが全然違うということで、羊水を注入して、絶対安静をしてその妊婦さんを守っているということがございまして、やはりこういうM-FICUがあることによって、また多くの赤ちゃんも、そして妊婦さんにも大変有効な施設になるのではないかなというふうに思っております。大変に期待をしています。
 この小児総合医療センターと多摩総合医療センターが一体となって運営されることによって、総合周産期医療センターとしての機能のほかに、幾つかのメリットがあると仄聞をしております。
 そこで、このメリットについて具体的に説明を求めます。

〇黒田経営戦略・再編整備担当部長

 小児総合医療センターと多摩総合医療センターが一体となって運営されることによります周産期医療以外の具体的なメリットについてでございますが、例えば、まず、小児期に発症しまして、成人になっても診療が必要ないわゆる移行期医療に関しまして、この二つのセンターが密接な連携を行いながら治療に当たることができるということがございます。
 さらに、小児神経難病につきましては、同じキャンパス内にございます神経病院と、さらには療育医療につきましては、やはり同じキャンパス内にございます府中療育センターと連携するなど、多摩メディカル・キャンパス内の各施設との密接な連携体制を構築することで、高度専門医療機能のより一層の向上を目指すことなど、さまざまな意味におきまして連携が可能となります。
 そのほかにも、心と体、大人と子ども、それぞれの分野にかかわる医療関係者の交流が容易に可能となりますことから、合同研修等を通じたスキルアップや総合的なレジデント教育が可能になるなど、人材育成面でのメリットも期待できるものでございます。

◯野上委員

  今まで縦割り行政で、小児は小児、成人は成人でぷつっと切れていた移行期医療なんかもかなり充実されるのではないかというふうに思います。それから、小児神経難病と療育医療、府中療育センターがございますけれども、こことも非常に密接に連携を組むことによって、子どもたちがどういう施設に行けば将来自立に向けてのステップアップができるかということもすっきりとできるのではないかというふうに期待をしております。
 ことしの予算特別委員会で我が党の東村邦浩議員が、八王子小児病院の統廃合後の八王子市の小児医療体制の確保に向けた都の支援策について問いただしました。その中で病院経営本部長から、小児の二次医療体制整備のために、八王子市が中核病院として位置づける二つの大学病院に対する医師の派遣について積極的に対応するとともに、緊急時の搬送手段としての小児用ドクターカーの配備に対する支援も協議を行っているという答弁をいただいております。
 そこで、都と市の協議の結果、医師の派遣や小児用ドクターカーの配備は具体的にどのようになったのか、明らかにしていただきたいと思います。見解を求めます。

〇黒田経営戦略・再編整備担当部長

 医師の派遣や小児用ドクターカーの配備についてでございますが、協議会では、八王子小児病院移転後の二次医療機能を中心となって担います二つの中核病院が、これまで八王子小児病院が診てきた患者さんを円滑に受け入れることができる医療体制を整えるとともに、この二つの中核病院と小児総合医療センターとの連携を確固たるものにしまして、中核病院の専門性の向上を図るため、当分の間、都は専門医師を中核病院に派遣することとしております。
 また、ドクターカーにつきましては、現在八王子小児病院にございます新生児ドクターカー一台を小児総合医療センターに移転して配備するとともに、新生児も搬送できます小児ドクターカーをさらに一台小児総合医療センターに配備することによりまして、さきの新生児ドクターカーと合わせまして二台体制で運行していくこととしております。
 これらの施策の具体化に向けまして、引き続き八王子市と協議を行いまして、八王子小児病院移転後の八王子地域における小児医療確保施策について着実に取り組んでまいります。

◯野上委員

  当分の間は中核病院に都が専門医師を派遣するということと新生児ドクターカー二台体制ということで、多分八王子の方たちも少しは安心できるのではないかなと思っております。
 小児総合医療センターは、限られた小児医療資源を最大限に有効活用し、多摩地域の小児医療の一大拠点として整備されるものであります。十分に機能が発揮できるよう、しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 一方、八王子地域の住民の方にとってみましたら、八王子小児病院移転後の地域の小児医療体制がどうなるのかと心配されることは当然であります。今後、八王子市の新しい小児医療体制を充実させていくことが極めて重要な問題であり、具体的な対応策については、東京都は八王子市としっかりと協議をして、支援していくべきと考えます。
 最後になりますが、八王子市の新しい小児医療体制の充実に向けての中井病院経営本部長の決意を伺って、私の質問を終わります。

〇中井病院経営本部長

 小児総合医療センターは、理事ご指摘のとおり、多摩地域における新たな病院ではあるわけですが、これまでの三小児病院の機能を引き継ぎ、それをさらに拡充していくわけでございます。さらに、理事からもお話があったとおり、今日の周産期医療の非常に厳しい状況、とりわけ多摩地域はその状況が深刻なわけでございますが、そういった中で、母体搬送も可能な総合周産期医療センターがここにできるわけでございまして、これによって、現在三鷹市にある杏林大学一つが総合周産期医療センターであるわけですが、地理的にも非常に多摩地域にとっては心強い、格好の場所にセンターが整備されるということで、一刻も早い実現に向けて、私ども、現在鋭意取り組みをさせていただいているということでございます。
 また、このほかにも、慢性的な小児疾患の方にとっては、移行期の医療というのが常々課題とされてきたわけでございますが、多摩総合医療センターと併設されるということで、小児の医療から大人の医療へのつなぎ、連携というのも非常にスムーズにいくであろうというふうに考えておりますし、全国で初めての取り組みである心と体の総合的な医療を提供できる機関という形での効果も十分に期待できるというふうに考えております。
 こういったさまざまな機能を持ち、さらに多摩地域における小児の三次医療機関ということになりますので、これによって、八王子市を含む多摩地域の一次から三次の小児の医療体制が整備できるということであるわけでございます。
 しかしながら、その一方で、これまで八王子小児病院は八王子市における地域の医療機能に重要な役割を果たしてきたというのも事実でございまして、小児総合医療センターの整備とあわせて、八王子市の今後の医療機能の充実について、東京都として責任を持って対応していく必要があるという認識のもとに、これまで八王子市、関係機関と協議を重ねてきて、一定のまとめを、せんだって、協議会のまとめという形でさせていただいたわけであります。
 その中では、八王子市が中核病院として位置づけております二つの大学病院、そこへの専門医師の派遣、あるいは緊急時の搬送手段としての小児用ドクターカーの増強、こういった支援をこの報告書の中ではまとめさせていただいたというわけであります。
 今後とも、こういった協議会での取りまとめの一層の具体化、実現に向けて、病院経営本部は、福祉保健局とも連携をしながら、また、八王子市さんを初め関係機関との具体的な協議をさらに精力的に進めてまいりまして、八王子市地域の小児医療の充実に全力を挙げて努めてまいりたいというふうに考えております。

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