平成20年厚生委員会(2008年12月11日)都立病院のNICUの稼働状況について等

平成20年厚生委員会(2008年12月11日)


◯野上委員

 
 私の方からも、都立病院における周産期医療体制の強化について何点か伺います。
 九日の代表質問でも、我が党の藤井一議員から、産科医師の不足という状況がある中で、地域の医師との協力体制をどうつくり上げていくかということで質問をいたしました。
 周産期医療体制の強化に当たっての大きな課題が、全国的な産科医師不足、国の対応のおくれとか、さまざまな指摘がありますけれども、そうはいっても、いわゆる母体搬送の受け入れ要請に対して、NICUが満床であるということを理由に断る周産期母子医療センターが多かったという結果がありますが、産科部門だけではなく、新生児、このNICUの問題に関しても同時に考えていかなければならないのではないかと思っています。
 そこで、都立病院のNICUの稼働状況を見ると、昨年の十月から休止している豊島病院のNICUを除くと、ほかのところは約一〇〇%に近い病院が多くなっております。全体的にこうした状況がある中で、墨東病院のある区東部地域あるいは多摩地域のNICUの病床数がその地域の出生数に比較して少ないということは、さきの代表質問でも我が党から指摘したとおりでございます。渋谷とか新宿とか杉並、中野とか、出生率の非常に低いところにはたくさんの、NICUの充足があるんですけれども、NICU自体の偏在性があるということがあります。
 これらの地域におけるNICUの増床などが効果的に行われる必要がありますけれども、都立病院としても、そのために力を尽くさなければならないということはいうまでもないと思います。
 ただ、豊島病院の六床については休止中ということなんですけれども、都立病院全体のNICUの病床数は四十五床体制のまま変化がないということを聞いております。都立病院の周産期部門を強化するためには、産科部門とあわせてNICU部門の強化を図らなければなりません。
 そこで、都立病院における周産期母子医療センターを今後どのように充足させていくのか、その見通しについて伺います。

〇及川経営企画部長

 ただいま理事からお話がございましたNICUでございますけれども、周産期母子医療センターにおいてNICUの満床が常態化しているということにつきましては、都立病院においても同様でございまして、ご指摘のように、周産期医療を強化していくためにはNICU病床の拡充が不可欠であるというふうに認識をしております。
 このため、現在豊島病院で休止しておりますNICUの六床のうち三床につきましては、総合周産期母子医療センターである墨東病院に機能を移転しまして、来年一月には、現在十二床であるNICUを三床増床して十五床で稼働させる予定となっております。
 また、残りの三床につきましては、地域周産期母子医療センターである大塚病院に機能を移転しまして、来年度中には、やはり現在十二床であるNICUを三床増床して十五床で稼働させるとともに、母体も含めた集中管理室でございますM-FICU六床を新設いたしまして、総合周産期母子医療センターとして整備していく予定でございます。
 さらに、平成二十二年三月に開設する予定でございます多摩総合医療センターにM-FICU九床を新設しますとともに、三つの小児病院を移転、統合して整備をいたします小児総合医療センターでは、統合前と比較してNICUを九床増床して二十四床設置することとしておりまして、両センターが一体となって総合周産期母子医療センターの役割を担うこととしております。
 こうした整備を行いますことで、都立病院の周産期医療はすべて総合周産期母子医療センターとして機能することになります。都内におけるNICU病床の約四分の一を都立病院が保有することになります。
 今後とも、都立病院が担います周産期医療の充実とその体制整備に向けまして全力で取り組む所存でございます。

◯野上委員

  偏在していたNICUが、区の東部地域では、来年早々、一月に墨東病院でNICUが三床増床される。それから、多摩地域では、来年度末に小児総合医療センターができることで今までよりも九床増床される。都立病院としても、周産期医療の強化が最も必要とされる区東部地域とか多摩地域でこういうふうに増強されるということは、大変に喜ばしいことだと思います。
 また、大塚病院でもNICUの増床とM-FICUの新設をするということで、都立の周産期母子医療センターは、すべてでより高度な周産期医療を担う総合周産期母子医療センターを目指すということで、これで都民の期待にもしっかりとこたえていただきたいと思っております。
 しかし、都立病院が周産期医療を今後とも安定的かつ継続的に提供し続けるためには、医師を取り巻く状況が極めて厳しい中でございますので、これまでも何度も申し上げているように、周産期医療を担う産科医、また新生児科などの小児科医の確保、定着が不可欠です。
 とりわけ、産科、小児科では女性医師の割合が高く、特に二十代の産科医の約七割が女性であると聞いております。女性医師は、みずからの結婚、出産を契機に離職するケースが多く、これが医師不足を招いている原因の一つともいえると思います。
 医師の場合、一度医療の現場から離れてしまうと、復帰には大変な努力が必要と、一度離職した女性医師が復職する例が少ないということがあると思います。だからこそ、我が党としては、女性医師が勤務と家庭を両立し働き続けることが医師不足の打開に大きくつながるということをずっと主張してまいりました。
 都立病院では今年度、給与の大幅な改善を行い、モチベーションは給料ではないかもしれませんけれども、産科医を初めとする医師の確保、定着に積極的に取り組んでいることはよく存じております。
 こうした処遇改善とあわせて、女性医師が安心して働き続けるための勤務環境を改善することも必要ですけれども、これまでの取り組みと、今後どのように改善を図っていくのか、お伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 産科医を初めとします医師不足が深刻化する中で、女性医師が出産後も安心して働くことができる勤務環境を整備することは、医師の確保、定着を図る上で大変重要でございます。
 都立病院におきましても、産婦人科と小児科の女性医師の割合は、それぞれ四八%、三一%と高くなっておりまして、出産、育児を契機とする離職を防ぐための対策が急務となっております。
 このため、本年四月から墨東病院及び府中病院で、また十月からは大塚病院で、院内保育室の二十四時間化を実施したところでございます。また、勤務と育児の両立を図りやすくする育児短時間勤務制度を七月から導入し、既に六名の女性医師が利用されております。このうち三名が、産婦人科、小児科の医師でございます。
 今後は、墨東、大塚病院では、対象年齢を三歳から未就学児までに拡大するために必要な保育室の整備を早急に行いまして、保育室の充実を図るなど、女性医師が働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでまいります。

◯野上委員

  先ほど答弁がありましたように、墨東病院はNICUを三床増設し、大塚病院は現在の地域周産期母子医療センターから総合周産期母子医療センターに変更され、二十二年三月に開設する多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの二つのセンターで総合周産期母子医療センターを運営していくということです。
 医療機能の充実を図り、総合周産期母子医療センターを運営していくためには、医師のほかに多くの看護師が必要になってくると思います。その看護師ですけれども、平成十八年度の診療報酬改定で導入された七対一看護基準を取得するために病院間の獲得競争に拍車がかかり、全国的な看護師不足を招いていること、都立病院も例外なくその影響を受けていることを、本会議でもたびたび理事者から説明を受けているところでございます。
 しかし、都立病院が総合周産期母子医療センターとしての役割を担っていくためには、こうした厳しい環境の中でも看護師を確保していくことが不可欠であると思います。
 NICUの看護師さんは一対三ということで、一床をふやすのに八名の看護師さんが要るということで、例えば三床増設するということだと二十四名の看護師さんが必要になるのかどうか、ちょっと詳しいことはわかりませんけれども、やはりかなりの数の看護師さんを確保していかなくてはいけないということがいえると思いますが、この看護師確保に向けて今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 理事のお話にございましたとおり、看護師の採用環境は大変厳しいものとなっております。
 都立病院におきましては、近年、年度後半には看護師の欠員が生ずるといった状態が続いておりまして、都民の期待が大きい総合周産期母子医療センターを運営していくためには、看護師の確保が極めて重要だというふうに認識をしております。
 このため、今年度からは、仙台、新潟を会場といたしまして、新たに地方での採用選考を実施しますとともに、これに伴いまして、周辺地域の大学、養成施設を訪問するなど、採用活動を強化しております。
 また、看護師の確保、定着を図るために、新卒看護師に対します体系的な臨床研修の実施や、中堅看護師に対します認定看護師、専門看護師の資格取得支援など、それぞれのキャリアパスに応じた研修の充実を図っております。
 さらに、女性職員が大半でございますことから、確保対策に有効である院内保育室の二十四時間化や育児短時間勤務制度を導入いたしました。育児短時間勤務制度につきましては、既に看護師二十三人が利用申請をしておりまして、出産後も安心して働き続けられる勤務環境を整備し、その確保に努めているところでございます。
 今後は、病院の特性を踏まえつつ、お話がありましたけれども、既に一部病院で実施をしております七対一の看護基準の人員配置や、二交代制勤務などの多様な勤務形態の導入についてのさらなる検討や、院内保育室の充実などによりまして、引き続き看護師の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。

◯野上委員

  教員もなかなかいなくて、地方で試験をして東京都の教員採用をやるというのと同じような形で、やはり看護師さんも不足をしているということで、仙台とか新潟を会場にして、そこで採用試験を実施する。地方の大学とか、また養成施設を訪問などして採用を強化していく。大変に病院経営本部の皆様方が確保するために頑張っていらっしゃることに敬意を表する次第でございます。
 都立病院が周産期医療の強化に向けて非常に努力をしているということは高く評価いたします。しかしながら、ハード整備が行われても、そこで従事する医療人材が不足しては元も子もありませんので、そういうことにならないようにしっかりと人材の確保に努めて、都民が安心して受診できるよう周産期医療の強化に着実に取り組んでいかれることを強く要望して、質問を終わります。

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