平成21年厚生委員会(2009年3月18日)小児総合医療センターについて等

平成21年厚生委員会(2009年3月18日)


◯野上委員

 条例改正の提案で設置が予定されております小児総合医療センター等について、お伺いいたします。
 私は、さきの厚生委員会においても質疑をさせていただきました。今回は、条例改正に反対していただきたいとのはがき、私のところにこれだけ来ております。いただいております。多くのはがきをいただいて、住民の皆様がいかに不安に思っているかを痛感いたしましたので、もう一度確認の意味で質疑をさせていただきたいと思っております。
 確かに自分の住んでいる身近に小児病院があることは、心強く感じると思います。これは周産期医療でも確認をしたことなんですけれども、一つの産院で二人の医師がいて、不眠不休で分娩を取り扱っている。ところが、一人の先生がぐあいが悪くなると、必ずもう少しして、もう一人の先生もぐあいが悪くなって、結局、その産院が廃院になってしまうというケースがたくさんあるわけですね。
 これからの医療というのは、とにかく多くの先生で、何人かの、例えば産科医なら産科医で六人ぐらいでチームを組んで、あらゆるリスクの高い分娩も取り扱う。そして、その中で六人いるから一人の先生は休みがとれる、休憩がとれる、そういうふうにしていかないと、病院そのものが、どんどんばたばたつぶれていったのではしようがないと思っているんですね。
 今確かに皆様方の要望の、清瀬小児も残し、八王子小児も残し、梅ケ丘病院も残して、さらに小児総合医療センターもできれば、これは東京都は、最強の小児科医療の、すごい、すばらしいものであるということはいえると思うんですが、実はこの一番ネックとなっているのが医者なんですね。医者が、本当にたった一人の小児科医を探すんだって、どれほど苦労しているかわからない。
 その原因はいろいろありますけれども、今小児科の先生も大分高齢化している。有名な先生が高齢化しているとか、あるいは若手が小児科をなかなか希望しない。診療が大変なのでなかなか希望してくれないとか、また女性医師が小児科医は非常に多いので、結婚まではいいんですけれども、出産と同時にどうしても離職してしまって、さらに小児科医が少なくなるとか、そういういろいろな事情で、小児科を担ってくれる先生が本当に今、全国でも少ないんです。東京でも少ないわけです。
 そうなってくると、限られた医療資源をもとにして、それを最大限に有効活用するという、なかなかそれが難しいというのが今現状なんです。ですから、今回、この三つの病院を統廃合して、小児科のことなら何でもここに来てくださいよという小児総合医療センターを立ち上げるというような計画だと思っているんです。私はそう思っているんですけれども。
 この小児総合医療センターが多摩総合医療センターと一体として整備されることによって、実現できる医療機能やメリットについて、総合周産期母子医療センターなどを取り上げて、今までずっと確認してまいりました。この小児総合医療センターについては、本会議や予算特別委員会において、重篤な小児救命救急患者に対応できるとか、小児専門のERができるといった説明もございました。
 今回、清瀬小児病院と八王子小児病院という体を扱っている病院と、梅ケ丘病院という心の病院が統合されることによって実現をしていきます医療機能、メリットについて、特に心の医療を中心に確認をいたしたいと思います。
 実は私はずっと教育相談をやっておりまして、ADHDとか、LDとか、自閉症の子どもたちにどう接していけばいいのかというノウハウを、梅ケ丘の病院の先生に、いろいろな研修を受けて随分教えていただいた経緯がございます。梅ケ丘病院というのは、子どもの心の疾患の専門病院として、自閉症などの発達障害や不登校を伴う心因性の精神障害など、さまざまな障害を持つ幼児期から思春期、二十を超えてまでもいろいろ対象として診療を行っております。小児精神の分野で全国有数の病院であります。このため、都内全域はもとより、周辺県からも患者さんが集まってこられているとお聞きしております。
 最初に、現在梅ケ丘病院を利用する皆様の居住地別状況について、お伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 平成二十年十月に実施をいたしましたワンデイ調査でございますけれども、これによりますと、入院では大田区、板橋区、練馬区が五・六%、次いで世田谷区が三・九%、二十三区全体で四七・八%、多摩の市町村で二九・二%、神奈川、埼玉などの都外で二三%となっております。
 外来ですが、世田谷区が一一・八%、次いで練馬区が六・九%、二十三区全体で四五・八%、多摩の市町村で二九・二%、神奈川、埼玉などの都外で二五・〇%となっております。

◯野上委員

 もう少し世田谷の方が多いのかなと思っておりましたけれども、意外と少ないんですね。世田谷で三・九%。びっくりしたのは都外が多いですよね。東京外から、大体四分の一の方が、入院でも外来でも来られている。そういうことは、いかに今の梅ケ丘病院が近県を含めて広範囲の患者さんから利用されているのかがよくわかります。
 来年度開設されますこの小児総合医療センターでは、こうした梅ケ丘病院の持つ機能を余すところなく引き継いでいただいて、心と体、両面からの医療が提供できることから、心の疾患を持つ子どもの体の合併症、あるいは慢性的な体の疾患を持つ子どもの心理的な問題への対応など、より高度専門的で広範囲な子どもの心の疾患に対応することを目指しているということをお聞きしております。
 例えば児童虐待とかの相談が多いんですけれども、体の治療も大事なんですけれども、大事なのは心のケアをどうやって行っていくかということだと思うんです。それから、よく相談に来られるのは、思春期やせ症とかといって、食べては吐き食べては吐きを繰り返してしまう子どもたちに対しても、これも心と体、両面で支援をすることが大事だと思っております。
 心と体、両面の疾患を治療できるという、このことを実現することができれば、この三つの小児病院を統合することは、さらに極めて大きな意義を持つのではないかと思っております。
 そこでお伺いいたしますが、府中の多摩メディカル・キャンパスという、自然環境にも恵まれた地で小児総合医療センターを展開し、心と体の診療機能部門が一体となることによって、具体的にはどのような医療が提供できるのかをお伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 小児総合医療センターは、お話にございますとおり、心と体を密接に関連づけました総合的な医療を提供することとしております。
 その一例を挙げますと、ただいま理事からご指摘のあった大量に食べて嘔吐したり、極端なカロリー制限を行うといった、いわゆる過食症や拒食症といった摂食障害がございますが、こうした症状から胃や腸などの消化器の疾患を伴うことが多い。心と体の両面からも、こうした患者さんに対する治療を行う必要がございます。
 また、虐待を受けたお子さんには、体の治療はもちろんのことですけれども、心のケアも行うということによって、心の発達に与える影響を最小限に抑えるといったこともできるようになります。
 さらに、子どもの高度専門医療を扱う小児総合医療センターならではの新たな試みといたしまして、小児がん、がんなど、体の疾患を持つお子さんと、その家族の心の問題に対しまして、精神科医が積極的にかかわって解決していく、いわゆるコンサルテーションリエゾン医療というんですが、こういった医療の提供も考えておるところでございます。
 こうした医療を多摩メディカル・キャンパスという武蔵野の面影が色濃く残る自然豊かな立地条件のもとで展開をいたしまして、また、周辺施設でございます神経病院や府中療育センターとも密接な連携を図ることによりまして、医療環境の一層の向上が図れるものというふうに考えております。

◯野上委員

 より機能がアップされるということでございますが、現在でもこの子どもの心の拠点的役割を果たしている病院が、ますますその重要性を高めることは間違いないと思います。このような心の分野を担う医師の専門性はとても高いものがあり、だからこそ、その医師の確保は容易ではないとお聞きいたします。
 そこで、梅ケ丘病院が小児総合医療センターに移転統合されることで、医師の確保にどんなメリットがあるのか、お伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 梅ケ丘病院は、日本最大規模の小児精神科の専門病院でございまして、開設以来、我が国の小児精神医療をリードし続けてきております。
 小児総合医療センターは、この梅ケ丘病院の機能を引き継ぐため、当然そうした専門性を身につけたいと考えておる医師が集まる環境にございます。また、小児総合医療センターは、小児に関しまして、先ほど来お話ししているとおり、心から体に至る高度専門的な医療を提供する全国でも例を見ない病院でございまして、専門分野の異なる医師が集結をして、そうした点からも、小児医療を志す医師にとっては非常に魅力ある、さらなる魅力がある環境となります。
 さらに、キャンパス内の各施設、あるいは隣接する多摩総合医療センターとの活発な交流ということも考えられますので、より一層のキャリアアップの機会も高めるというふうに考えております。
 このため、小児総合医療センターに移転統合することは、専門性の高い小児精神科医を確保する上で、極めて大きなメリットがあるものというふうに考えております。

◯野上委員

 子どもの患者に対して心のケアを行うことは、本当に重要なことなんですね。小児総合医療センターでは、このことが日常的に可能となります。専門性の高い、志の高い医師も数多く集まる。そうした病院が東京都にできることは、子どもの患者にとっても、またその親御さんにとっても、大変心強いことだと思います。
 一方で、今回の梅ケ丘病院を初めとする小児病院の移転統合に関しては、現在それぞれある場所で継続すればよいという意見もあります。清瀬小児病院と梅ケ丘病院は、耐震上の問題があると聞いております。また、耐震上問題のない八王子小児病院を含めて、設備の老朽化の問題もあり、今ある場所で効率的、効果的に医療機能を維持し、向上させることは困難です。単にハード面だけの問題ではないが、そうした現実というものも十分に踏まえる必要があると思っております。もし何かあったときに、大きな地震があって崩れてしまって、そこでということがあると、やっぱり問題があると思います。
 そうした平成二十一年度に予定されている梅ケ丘病院の小児総合医療センターへの移転を前に、大塚病院に小児精神科外来棟を設備し、区部における小児精神医療の機能を確保するということです。このことについては、さきの予算特別委員会において、我が党の長橋議員が取り上げました。そして、本年十月一日が開設日であると中井本部長からもご答弁をいただいたところです。この小児総合医療センターの開設前に拡充される姿が確かなものとして示されたということになり、大変喜ばしいことだと思っております。
 そこで、確認のためにお伺いいたしますが、大塚病院では、小児精神分野についてどのような医療を、どのような体制で展開するんでしょうか。

〇及川経営企画部長

 大塚病院の小児精神科では、外来診療を一日三十人、個別指導や小集団活動等を通じて社会性の向上を促すデイケアが、年間登録人員約五十人と見込んでおります。
 医師につきましては、現在、梅ケ丘病院に所属する医師二名を配置していく予定でございます。そのほかに、看護師一名、心理士二名、作業療法士一名、福祉指導一名、保育士一名を配置することとしておりまして、医師と合わせて計八名のスタッフで外来診療とデイケアを担ってまいります。

◯野上委員

 コメディカルも含めて八名で、チーム大塚病院みたいな感じでやっていくということですね。
 今回の大塚病院に新たにできる小児精神科外来は、入院施設を持たないですよね。現在の梅ケ丘病院と比べると、非常にコンパクトになっております。ただいま答えていただいたように、多くの専門職種の方々がチームとしてかかわっていただけるということがよくわかりました。
 専門人材が少ない中で、この大塚病院の小児精神科外来が安定的に運営されるためには、継続して医師を初めとした人材の確保がなされる必要があります。小児総合医療センターともしっかり連携し、必要な人材を大塚病院でも確保していただきたいと思います。
 また、入院が必要な場合もありますよね。そうしたときは、この小児総合医療センターとの連携で対応するとのお話ですが、そうした仕組みもきちんとつくり上げていただければと思っております。
 ところで、八王子小児病院や清瀬小児病院については、小児総合医療センターに移転統合するに当たって、移転後の小児医療体制の確保について、地元市との協議を行っていると聞いております。
 そこで、もう一方の梅ケ丘病院の移転に当たり、地元世田谷区とはどのような協議をしているのか、お伺いいたします。

〇及川経営企画部長

 地元の世田谷区の担当部局とは、これまで適宜情報交換に努めてまいりました。
 世田谷区では、昨年の区議会第三回定例会で、梅ケ丘病院移転後の跡地を活用して、世田谷区の保健、医療、福祉サービスを展開する拠点とするための調査研究の費用を、補正予算として計上したというふうに聞いております。
 今後とも、地元の意向に十分配慮しながら、密接に連携してまいります。

◯野上委員

 最後ですが、大塚病院の小児精神科外来の開設日である十月一日までは、約半年でございます。小児総合医療センターの開設までは、あと一年を切りました。それぞれ円滑に開設できるよう、しっかりと準備に取り組まなければなりません。残された期間は少ないですけれども、着実な取り組みを要望して、私の質疑を終わります。
 以上です。

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