平成21年厚生委員会(2009年10月29日)リハビリテーション病院について等

平成21年厚生委員会(2009年10月29日)


◯野上委員

 六項目にわたり質問をさせていただきます。
 まず最初に、十月二十日の病院経営本部の質疑の続きとなります、精神障害者の退院促進事業、地域支援について、まず最初に質問したいと思っております。
 東京都では、いわゆる社会的入院の状態にある精神障害者の地域移行を進めるために、精神障害者退院促進支援事業を現在、実施しておりますが、この事業の概要についてお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 精神障害者退院促進支援事業でございますが、この事業は、平成十八年度から実施をしておりまして、東京都障害福祉計画にも位置づけております。
 対象者は、原則として一年以上、精神科病院に入院している精神障害者で、病状が安定し、地域の受け入れ条件が整えば退院可能な患者のうち、本人が退院を希望する方でございます。
 この事業は、地域活動支援センターなど十二カ所の事業所に委託をして実施しており、事業所に配置をいたしましたコーディネーターが協力病院へ出向き、入院中から退院に向けた支援を行っております。
 また、グループホームに居室を確保し、入院中の体験宿泊や、退院後のショートステイも行っております。
 これらの事業を円滑に実施するため、今年度から、都内三カ所の精神保健福祉センターに新たに地域体制整備コーディネーターを配置し、区市町村の相談支援体制及び基盤整備を支援するなど、精神障害者の地域移行に向けた総合的調整を実施しているところでございます。

◯野上委員

 平成十八年度から実施している事業なんですけれども、この事業によって、どれぐらいの方が退院促進が図られたのか、その実績についてお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 この事業の実績でございますが、本事業に協力する病院は年々増加しており、一年以上入院している患者がいる都内七十病院のうち、平成十八年度末現在の協力病院は十九病院でしたが、平成二十年度末現在の協力病院は五十一病院となっております。平成十八年度から平成二十年度までの三カ年で、二百二十六名を対象に支援を行い、百七名が退院しており、九十二名の方に対して引き続き支援を行っております。

◯野上委員

 この精神障害者の退院促進支援事業によって、何とか、コーディネーターの方がご支援をし続けて退院した患者さんのその後のフォローというのはどうなっているんでしょうか。

〇芦田障害者施策推進部長

 この事業では、退院後、おおむね六カ月の間、地域定着に向けた支援を実施しております。
 具体的には、精神保健福祉センターの地域体制整備コーディネーターと、相談支援事業所等に配置したコーディネーターが連携し、退院後の生活に必要な調整を行った上で、自立支援医療の申請の同行や、公共料金の振り込み手続を支援したり、病状悪化時には病院との調整や通院支援を行うなど、退院後の安定した生活に向けた支援を行っているところでございます。

◯野上委員

 やっと地域に帰って生活ができるようになった精神障害者の中には、なかなか自分で服薬のコントロールがきかないとか、それから、ひきこもってしまって通院治療が中断してしまうとか、いろいろなことがございます。私の知っている方も、結局、なかなか自分で薬を飲まないので、薬を細かく砕いて飲み物の中に入れて、やっと飲ませているとか、いろいろなご苦労があるようなんです。
 入退院を繰り返す人もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、退院した後に再入院をする率というんですか、人の割合はどれぐらいなんでしょうか。

〇芦田障害者施策推進部長

 厚生労働省が毎年六月三十日を基準日として実施している調査の結果によりますと、平成十八年六月の一カ月間に、都内精神科病院に入院した患者のうち、過去三カ月の間に入院歴のある患者の割合は九・四%となっております。

◯野上委員

 九・四%、一割弱の方が繰り返しているという現状でございますけれども、精神障害者の方が安心して地域で生活をしていけるように、相談拠点を設けたり、また、保健所との連携を密にとったりとか、地域で治療を継続していく仕組みづくりが必要と思っております。この取り組みについてお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 区市町村におきましては、地域における精神障害者の相談支援の拠点として、地域活動支援センターⅠ型を中心に相談支援事業を実施しております。
 このセンターでは、精神保健福祉士等の専門職員を配置し、保健医療に関する情報の提供や助言、障害福祉サービスの利用支援など、必要な支援を行っております。
 都としましても、精神保健福祉センターや保健所において、区市町村など関係機関に対する技術支援を行っているところでございます。
 さらに、精神障害者が地域で安定した生活を送るためには、適切な医療を身近な地域で継続して受けられるようにすることが重要であることから、都では、本年六月、東京都地方精神保健福祉審議会において、精神障害者を地域で支える上で必要な医療提供体制の整備等について検討を開始いたしました。
 今後、審議会の意見を踏まえ、地域における適切な医療提供体制の構築について検討を進めてまいります。

◯野上委員

 やっと審議会を立ち上げて、意見を聴取するということでございますけれども、引き続き、精神障害者の地域移行に向けた取り組みを推進していただければと思っております。
 これから、地域移行した障害者の方が安心して生活ができるように、地域における保健、医療、福祉サービス、この一層の充実を求めておきます。
 それから、東京都としてできることというのは、結局、区市町村をバックアップするために、精神保健医療の専門機関である精神保健福祉センターとか、あるいは保健所の地域支援機能の充実強化を図っていくべきだと考えております。
 次に、サービス推進費について、重なっているところはちょっと省略をいたしまして、質疑をさせていただきたいと思います。
 都では、民間社会福祉施設に対してのサービス推進費補助を行っておりますけれども、この制度にどの程度の都費を投入しているのか、最初にお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 障害者の入所施設や通所施設を設置運営している社会福祉法人に対し、平成二十一年度予算では約百十八億円の補助を行っております。

◯野上委員

 約百十八億円の補助金ということですね。
 この間、このサービス推進費の果たしてきた役割について、簡単にお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 民間社会福祉施設サービス推進費は、都として望ましいサービス水準の確保、また、努力した施設が報われる仕組みの二点を基本として、平成十六年度から実施をしております。
 具体的には、重度障害者の受け入れ促進といった観点から、重度者を積極的に受け入れるなどの取り組みを行う施設に対して加算を行い、サービス向上努力を促してきました。
 また、サービスの質の向上や社会福祉法人改革を進める観点から、苦情対応経費や第三者サービス評価に要する経費についても補助しております。

◯野上委員

 国の制度に加算するという視点と、もう一つは、サービス推進費によって、施設のサービス向上、例えば重度障害者の受け入れに対する加算等をやってきたわけですけれども、その一方で、支援費制度を前提としているサービスなんですけれども、これは、障害者自立支援法と整合性を図るということですが、補助制度を見直すことにより、各障害者施設の運営に大きな影響が及ぶのではないかということが、先ほどの議論でもいろいろあったんですけれども、今回のサービス推進費の再構築により、施設には余り影響がないというような話がございましたが、ここら辺はどうなんでしょうか。

〇芦田障害者施策推進部長

 今回の再構築は、望ましいサービス水準を確保し努力した施設が報われる仕組みという基本的な考え方のもとに行うものでございますが、補助制度の見直しにより施設運営に多大な影響が及びサービスの質の低下が生じることがないよう配慮が必要であると考えております。
 そこで、施設運営の安定に配慮し、再構築後の一定期間について、激変緩和のための経過措置を講じることとしております。

◯野上委員

 施設運営の安定への配慮は十分にしていくということですね。
 一方、多くの都費を投入するわけですから、利用者にとってもより使いやすい施設事業になることが大事だと思っております。関係者の方からも、最近は医療的なニーズを必要としている利用者もふえているということで、その分どうしても手間もかかって、施設運営の費用もかなりな負担になるということで、そういう方こそ在宅の生活が難しいと思いますので、施設に入りたいという希望も強い。ぜひこの見直しによって、こうしたニーズを抱いている方が入所できる、対応できる施設運営になっていければいいかと思っております。
 最後なんですけれども、この見直しによって、こうしたニーズにも対応できる施設運営が可能になっていくのかということを、もう一回、確認の意味でお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 今後、施設入所支援の機能といたしましては、重度障害者や医療的ケアを要する方など、専門的支援を真に必要とする障害者の受け入れを積極的に行い、質の高い支援を実施することが必要であると考えております。
 そこで、重度障害者や医療的ケアを要する方の受け入れを行っている施設に対する加算を都独自に設けることにより、こうした障害者の施設への受け入れと適切な支援の確保が進むよう、制度設計を行っているところでございます。

◯野上委員

 ある程度安心したわけですけれども、これからは、中度、軽度の方々も仕事についたり、通所サービスを利用して地域で生活をして、重度の障害があったり、また、在宅でもケアホームでも生活が難しいという方は入所施設がきちんと受け入れていくことがこれからますます大事ではないかと思っております。
 また、そうした方向での施設機能の再編が進むように、関係者にも働きかけていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、東京都リハビリテーション病院についてお伺いいたします。
 これは、結構、身近な人々が脳梗塞等で倒れて、一命は取りとめたものの、体の一部の機能不全が起こって、何とかリハビリで機能回復を図っていきたいと願う方が多い現在でございます。
 先日、私たち都議会公明党六人で、墨田区の東京都リハビリテーション病院を視察させていただきました。この病院は、急性期を脱して回復期に入った患者さんに高度なリハビリ訓練を行う施設として、とても有名でございます。また、医療関係者の教育とか研修、臨床研究なども行っている施設でありまして、私たちも、運動療法のお部屋とか作業療法室などの熱心に行われているリハビリの訓練の様子や、入院患者さんのいらっしゃる病棟などを視察させていただきました。
 また、入浴訓練とか、きめ細かなリハビリテーションのための設備が整っているほか、車の運転に関する脳の機能の回復状況を見るためのドライビングシミュレーターという機械もありまして、これ、私も乗せていただいて、自分で大きな画面で運転をしてみたんですけれども、いきなりトラックが出てきて、ブレーキをかけたんですが、間に合わないで、ばあんとぶつかるような状況で、大丈夫かなと思ったんですけど、そういうこともありまして、本当に臨床だけでなく研究にも活用されており、大変すばらしい施設であると、視察に行った全員の感想でございました。
 視察したメンバーの中には、この病院が都立病院であるということを初めて知ったという人もいました。
 そこでまず、この病院の運営形態と、また自己収支比率はどの程度なのか、お伺いいたします。

〇中川原参事

 東京都リハビリテーション病院は、平成十八年から東京都医師会が指定管理者として運営してございます。病院運営に必要な経費は都が予算措置し、診療報酬等の病院収入は都が収入するという方式をとっておりまして、自己収支比率は平成二十年度で七〇・九%となってございます。

◯野上委員

 東京都医師会が指定管理者になっているということで、地域の診療所等との連携が積極的に取り組まれているんだと思います。
 患者さんのリハビリは長期間にわたるものでありまして、病院におけるリハビリはそのスタートにすぎません。病院でしっかりとしたリハビリを行うことはもちろんですけれども、患者さんが地域に戻ってリハビリを継続できるような環境づくりについても、これをさらに進めていただければと思っております。
 また、財政的には、せっかくのすばらしい施設と人材を有している病院なので、その持てる力を最大限に発揮して、経営改善にも努力していただければと思っております。
 東京都リハビリテーション病院は、基本的に他の病院からの紹介患者のみを受け入れるということでありますが、具体的に、患者さんの紹介があってから受け入れに至るまで、どういう手続を踏んで受け入れるのか、お伺いいたします。

〇中川原参事

 受け入れ手続ということでございますが、病院から患者の紹介があった場合には、当日または翌日の判定会で入院の可否を判断いたします。ここでは、診療報酬上の回復期リハビリテーションの対象となります発症後二カ月以内の患者さんが判定の対象となります。この判定会で入院の可否を判断し、その結果を直ちに紹介元病院に連絡しております。
 なお、当病院では、入院受け入れができないと判定された場合には、紹介元病院におきまして他の転院先を速やかに探していただくこととしております。

◯野上委員

 視察において伺った話とか、自分の体験とかも含めてなんですけど、紹介患者さんのうち半数弱は受け入れをお断りせざるを得ないということでありましたが、この理由についてお伺いいたします。

〇中川原参事

 東京都リハビリテーション病院の回復期病棟は、病床利用率が平成二十年度で九七%となってございます。男性患者さん、女性患者さんの部屋を分けることなどをあわせ考えますと、ほぼ常にベッドが満床の状態にございます。このため、紹介患者の入院受け入れをお断りせざるを得ない状況にございます。

◯野上委員

 病床の利用率が九七%、ほとんどベッドが満床のため、お断りせざるを得ない状況にあるということです。
 実は、こうした断らざるを得ない状況は、今回、我が党が視察した東京都リハビリテーション病院に限らないで、ほかの都内の病院でもいえることではないでしょうか。
 そこで、東京都内の回復期リハビリテーションの病床数ですけれども、十分確保されているのかということと、現状と、その打開策についてお伺いいたします。

〇中川原参事

 都内の回復期リハビリテーションの病床数は、平成二十一年四月一日現在、三千四百二十二床でございますが、これを人口十万人対比で見てみますと、病床数は二十六・五床と、全国平均四十一床の約三分の二にとどまっておりまして、今後とも病床の確保に努めていく必要があると考えております。
 そこで、都におきましては今年度から、回復期リハビリテーション病床の整備促進を図ることといたしまして、回復期リハビリテーション病棟の整備に向けました施設設備整備費補助を独自に開始しております。

◯野上委員

 都内の回復期リハビリテーションの病床数は全国に比べて少ないということですけれども、また、都民も急速に高齢化しておりまして、今後は、より一層回復期リハビリテーションのニーズが増加していくことが予想されます。
 このような都独自の積極的な確保策は、大いに評価していきたいと思っております。引き続き取り組みを進めていただきたいと思っております。
 回復期リハビリテーションの効果を保つには、生活復帰した後の取り組みも不可欠です。急性期、回復期、慢性期、それに至るまでの切れ目のないリハビリ医療を提供していくという視点が重要となってまいります。
 東京都リハビリテーション病院では、墨田区の医師会と連携をして、退院後の患者が在宅での生活機能維持を目指して取り組むリハビリテーションに対して、地域の診療所医師と連携して継続的に支援する在宅リハビリテーション支援の取り組みを昨年度から開始したということを聞いております。これは、医療連携の取り組みを墨田区が事業化したものということですが、このような在宅リハビリテーションの支援の取り組みがほかの地域でも展開されるよう、都としても支援すべきではないでしょうか。

〇中川原参事

 副委員長お話しの在宅リハビリテーション支援の取り組みは、墨田区が、地域リハビリテーション支援センターでございます東京都リハビリテーション病院の機能を生かしまして、都の区市町村包括補助事業を活用して事業化したものでございます。
 都では、このような先駆的取り組みに関する情報を区市町村に広く提供いたしまして、他の地域での取り組みを促しているところであり、現在、複数の区で実施を検討していると聞いております。
 また、二次保健医療圏ごとに指定しております地域リハビリテーション支援センターにも、東京都リハビリテーション病院のノウハウを提供いたしまして、各地域の特性に応じた形でリハビリテーションの充実に資する取り組みが展開されるよう働きかけていきたいというふうに考えております。

◯野上委員

 リハビリ医療というのは非常にこれからも大事な事業となりますので、しっかり取り組んで、拡充を図っていただければと思っております。
 続きまして、東京都における自殺対策についてご質問いたします。
 自殺対策については、国も都も数値目標を掲げて取り組んでおりますけれども、なかなかこの不況の状況で、数が減っていかないのではないかと思っております。自殺をするというのはいろいろな背景があると思います。複雑な要因が絡み合っていると思うんですけれども、自殺対策を効果的に推進していくためには、自殺の実態がどういうことから、どういうものから起因して起こるかということを知ることが大事ではないかと思っております。
 東京都は昨年、自殺の実態調査を実施したという、この報告書がございますが、この調査は、自殺防止活動に取り組むNPO団体に委託して実施したということでございますが、調査員がご遺族から直接聞き取りを行っており、自殺された方やご遺族の状況を知る上で大変貴重な資料となっております。
 これ、私も急いで読ませていただきました。自殺実態調査では、自殺された方の亡くなる直前の状況について調査しておりますが、自殺者の方はどんなことに悩んでいたのか、また、そのことについて遺族の方は気づいておられたかなど、いろいろな状況が書いてあるんですけれども、どのような状況が明らかになったのか、かいつまんでお願いいたします。

〇住友保健政策部長

 都が実施いたしました自殺実態調査の結果では、自殺された方の悩みは多岐にわたっておりますが、亡くなる二週間前に、ふだんと変わった様子があったという方が六六%、亡くなる前に、悩んでいることや困っていることについて医療機関や公的な相談機関に相談していたという方が七八%でございました。
 また、亡くなる前に自殺をほのめかす何らかのサインを発していたという方が七二%ございましたけれども、そのうちの六一%のご遺族は、当時は、それが自殺のサインと思わなかったというふうな状況が明らかになっております。

◯野上委員

 自殺された方が生前に何らかのサインを出していたということと、それから、多くの方が相談機関につながっていたことが大きなポイントではないかと思います。周囲の人や相談機関が早期に気づいて対応することで、未然に防ぐことができたのではないかということも考えられます。
 昨年の質問でも取り上げましたけれども、ゲートキーパー養成の必要性がますます高まっていると思います。経済雇用情勢が悪化する中、ことしは昨年より自殺者が増加しております。このような状況において、男性の自殺者が多い年代である働き盛りの四十代、五十代の自殺を防ぐためには、経済分野と労働分野との連携がますます重要になってくると思います。働き盛りの男性の自殺を防ぐために、経済問題に関する相談や、企業での自殺予防対策を強化すべきではないでしょうか。質問いたします。

〇住友保健政策部長

 働き盛りの自殺を減らすためには、相談体制を充実することとあわせて、職域でのゲートキーパーを養成することも重要であると考えております。
 まず、相談体制の充実といたしましては、本年九月の自殺防止キャンペーン月間に、自殺に関する相談に加えまして、多重債務一一〇番や仕事の悩み特別相談など、経済、労働分野とも連携して、自殺の悩み特別相談を実施いたしました。
 さらに、中小企業の経営者や人事管理担当者を対象とした労働セミナーを実施するなど、職域におけるゲートキーパーの養成に取り組んでおります。

◯野上委員

 この三月に出された、東京における自殺総合対策の基本的な取組方針では、今、話のあった働き盛り世代の取り組みのほかに、若い世代の自殺率の上昇に歯どめをかけることとしております。高齢者人口の増加に伴ってふえている高齢者の自殺者数の伸びを抑えるという方向性が示されております。
 青少年、そして高齢者の自殺を防ぐために、今まで、青少年への取り組み、あるいは高齢者への取り組みと、さまざまな事業をやってきたことと思いますけれども、今後どう取り組んでいくのか、お伺いいたします。

〇住友保健政策部長

 青少年に対する自殺防止の取り組みといたしましては、九月のキャンペーン月間に、若者の生きづらさをどう支えるかということをテーマにいたしましてシンポジウムを開催し、都民や関係者に普及啓発を行いました。
 また、高齢者の自殺防止の取り組みといたしましては、高齢者の自殺の背景として重要なうつ病等の精神疾患の診療について、内科医等のかかりつけ医と精神科医との連携を強化することを目的に、かかりつけ医を対象といたしました、うつ診療充実強化研修事業を実施しております。昨年度は三地区、今年度は七地区に拡大して研修を実施する予定でおります。
 今後もさまざまな分野の部署や関係機関と連携を図り、青少年や高齢者の自殺防止対策を進めてまいります。

◯野上委員

 それから、もう一つの大事な観点といたしましては、多くの遺族の方が、心身の不調とか生活上の不安など、さまざまな問題を抱えているということが書いてありました。自死遺族は、自殺のハイリスクグループでもあります。
 都は、自死遺族への支援についても積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。

〇住友保健政策部長

 実態調査の結果では、自死遺族の方々の要望として、さまざまな手続や補助制度等について情報が欲しいと回答した方が約四割でございました。そのため、都では、官公庁や金融機関等への諸手続や、遺族ご本人の心身の健康上の問題に関する相談窓口の情報等を掲載したリーフレットを作成いたしまして、遺族に配布しております。
 あわせて、遺族支援に当たる職員を対象として人材育成を行うとともに、遺族支援に取り組む区市町村への支援を行うなど、自死遺族の方々への支援に努めてまいります。
 今後とも、さまざまな分野の関係機関と連携を図りながら、総合的な自殺対策を推進してまいります。

◯野上委員

 ぜひ推進を図っていっていただきたいと思います。
 次に、飲食店における受動喫煙防止対策についてお伺いいたします。
 これ、毎回テーマにして、禁煙対策、受動喫煙防止対策ってずっといっているんですけれども、東京都は昨年、飲食店関係団体とか学識経験者等で構成される検討会を立ち上げるということで、飲食店における受動喫煙防止の方策等について検討中であるということをお聞きしております。
 都内の飲食店における受動喫煙防止対策に関する調査を実施したとのことでございますけれども、この禁煙や分煙などの取り組み状況についてお伺いいたします。

〇住友保健政策部長

 都は昨年度、受動喫煙防止対策の実施状況や課題につきまして、四千店の飲食店を対象に調査を行いました。回収率は約四割で、千五百四店から回答を得ました。
 その結果といたしまして、店舗内の禁煙や分煙の状況を見ますと、特に対策をしていないという飲食店が約七割で、何らかの対策をしている飲食店が約二割でございました。対策をしていない飲食店にその理由を尋ねましたところ、スペースや構造上、効果的な分煙が難しいとする回答が約七割と最も多く、次いで、お客様からの苦情や要望がないためというのが五割、お客様や売り上げが減少すると思ったためとの回答が約四割でございました。

◯野上委員

 私の親しいスナックのマスターが、実はカラオケをずっと十年間やっておりまして、そこが、お酒とたばこで、毎日もうもうとした煙の中に十年間過ごしておりまして、肺気腫、COPDという病気になりまして、今回、そのカラオケスナックを閉店することになったんですね。大きな室内の空気清浄機とか換気扇とか、あったらしいんですけれども、やっぱり十年間ずっとそういうたばこを、紫煙という、吸っていない煙を吸い続けたというのは、すごく大きな健康被害があるんだなというふうに思いました。
 いろいろな事情があるとは思うんですけれども、都民の健康増進を図るために、都内の飲食店での受動喫煙防止に向けて、東京都として積極的に取り組むことが必要と考えております。
 例えば、前に、昨年の第二回定例会でも発言をしたんですけれども、禁煙とか分煙の店などの表示マークが店先にあれば、飲食店の利用者は店を選択しやすくなり、飲食店が受動喫煙防止対策を講じる契機ともなると思います。
 禁煙とか分煙のステッカーを作成して広く配布することによって、事業者の関心を高めて、飲食店における受動喫煙防止対策を推進していくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

〇住友保健政策部長

 ただいま野上副委員長お話しのとおり、飲食店の店頭などに禁煙あるいは分煙の取り組みの表示を行いますことは、都民が飲食店を選ぶ際の参考になるというふうに考えております。
 しかし、今回の調査結果では、受動喫煙防止対策をしている店舗でも、約三割の飲食店はその表示を行っておりませんでした。このため都は、禁煙か分煙かを店頭に表示できますよう、都独自のステッカーを今後作成したいと考えております。
 あわせまして、ステッカーによる表示と受動喫煙防止対策の取り組みを呼びかけるリーフレットを作成いたしまして、区市町村や関係団体と連携して、飲食店へ配布を行ってまいります。
 今後も、このような取り組みを通して、飲食店における受動喫煙防止対策の推進を図ってまいります。

◯野上委員

 本当にステッカーとかがあると、お店も選びやすくなりますし、罰則ではなく、表示マークがあるから、きょうは禁煙のお店に行こうとか、たばこを吸う人は喫煙のお店に行こうとか、自分で選んでお店に入れるということで、これは大変すばらしい政策ではないかと思っております。ぜひ進めていただければと思います。
 最後に、子宮頸がんワクチンについて、これは質問ではないんですけれども、要望いたします。
 実は、厚生労働省の方で九月二十九日に、子宮頸がんの予防ワクチンを承認することが決定いたしました。私たち公明党といたしましては、女性の健康支援ということで、ずっとがん対策を進めてまいりました。そして、子宮頸がんの予防ワクチンの早期実現を図るべきだということでずっと推進をしてまいりました。
 今回、それが決まったわけでございますけれども、この子宮頸がんというのは、がんの中でも原因がはっきりしている、ヒトパピローマウイルスというウイルスによる発がんということで、原因がはっきりしている特異ながんでございますので、このワクチンを接種することによって多くの女性の命が救われる。これは毎年、約八千人の人が子宮頸がんにかかって、約二千五百人の方が死亡している。しかも若い人たちにふえているということで、一家の太陽のようなお母さんとかが突然に亡くなってしまうという、非常に悲劇に見舞われるわけでございますけれども、このワクチンが大変有効であるということで、オーストラリアとか、イギリスとか、イタリア、フランス、ドイツ、ノルウェー、アメリカとかは、公的な助成制度がこのワクチンに対してあるわけですね。
 今後、日本はこれからなんですけれども、ぜひ、そのワクチン接種をすることが決まったときには、収入の多い少ないにかかわらず、希望者全員がこういう助成制度が受けられるように、公的助成制度を創設していくべきだと考えております。
 これは要望して、私の質疑を終わらせていただきます。以上でございます

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