平成21年厚生委員会(2009年12月11日)八王子小児のNICUについて等

平成21年厚生委員会(2009年12月11日)


◯野上委員

 最初に、百六十二号議案、東京都地域医療再生基金条例についてお伺いいたします。
 本会議でも、小児三病院の再編とか新型インフルエンザとか、医療に関する質疑が多くなされました。いずれにしても医療資源の不足が深刻な中、医療再生が急務であることは共通の認識でございます。都としても、全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと思っております。
 三病院についての存続のはがきについては、いまだに私どもの方にも届いておりまして、先日は電報が届いておりまして、何事かなと思って、受け取りのいろいろ申請をしておりましたら、はがきと同じ内容の電報で本当にびっくりしたということがございました。
 地域医療再生基金についてでございますけれども、国は、前政権による第一次補正予算で地域医療再生特例交付金を予算化して、地域医療の再生に向けた都道府県の取り組みに対して財政的に支援することといたしました。この一部は、現政権下の中では、補正予算見直しの中で一部執行停止になってしまいました。でも、現在、二千三百五十億円の予算が残っているということです。東京都もこれを活用することとして、小児医療あるいは周産期医療等の拡充を図るために、先般、地域医療再生計画を取りまとめて国に提出をいたしました。
 この計画案が国に認められれば、この二つの計画で最大六十億円の資金が国から交付されるということになります。都は、これを本条例案に基づく基金に積み立てて、計画事業の推進に活用していくこととなりますけれども、まず、地域医療再生基金の特徴について、お伺いいたします。

〇吉井医療政策部長

 お答えいたします。
 地域医療再生基金の特徴といたしましては、地域医療再生計画が二次医療圏を単位といたしまして、これは柔軟な設定を可能としつつもということでございますが、地域の医療課題の解決を図る都道府県の取り組みを支援するものでございます。そして、複数年度にわたる支援ということになってございまして、地域の実情に応じまして都道府県が事業を決定していくというものでございます。
 交付されます交付金は補助率の設定がなく、先ほどおっしゃられましたように、三十億円が補助基準額として上限設定されているというものでございます。

◯野上委員

 交付金として出していただけるということで、柔軟な制度であり、都もこの制度をうまく活用すべきだと思っております。この計画案を読みまして、東京都は、重点的に対応すべき分野に集中的に基金を投入して事業を推進していこうということがよくわかりました。
 次に、どこの地域を選ぶかということで、東京都の地域医療再生計画では、一つは多摩地域、もう一つは区東部保健医療圏--江戸川区、江東区、そして墨田区ですかね、この三つのところを対象地域として計画案を作成しておりますが、この二地域を対象に選定した理由を伺います。
 例えば、私が住んでいる葛飾区は区東北部なんですけれども、同じように非常に医療資源としては厳しいところがございますので、この二地域を対象にした理由について、お伺いしたいと思います。

〇吉井医療政策部長

 お答えいたします。
 多摩地域と区東部地域、これを今回の計画に選定したところの理由でございますけれども、一つには、人口当たりの医師数、それから病院数、これが相対的に都の平均からは少ない状況にあったということとあわせまして、小児や周産期などの医療提供体制の確保が急務である。こうしたことから、医療審議会の意見を聞き、今回の再生計画の対象圏域としたものでございます。

◯野上委員

 次に、地域医療再生基金設置後の今後の予定について、お伺いいたします。

〇吉井医療政策部長

 今後の予定でございますけれども、国は、有識者による協議会で審議をした後、交付金の額の内示を行うとしてございます。
 地域医療再生計画、この計画期間は平成二十一年度から平成二十五年度までの五年間でございますけれども、都におきまして、その基金の充当は計画事業の進捗に合わせ、平成二十二年度から行う予定でございます。

◯野上委員

 せっかくの基金ですので、平成二十二年度に入ったらできるだけ早く執行に結びつけて、喫緊の課題であります医療再生の実を上げていただきたいと思っております。
 さらに、今回の計画では、小児と並んで周産期医療体制の整備が挙げられております。
 小児医療資源が不足する中で、都立小児総合医療センターに二十四床のNICUがつくられるために、清瀬小児あるいは八王子小児のNICUを閉じなければならない。これは当然のことですけれども、今回の代表質問では、NICU十五床が減ることだけを問題にしているような発言が多かった、議論が多かったように感じております。今回、NICUが多摩地域においては九床ふえるということを評価して、さらに、今後NICUをふやしていくためにはどうすべきかという前向きの議論をすべきだと考えております。
 そこで、都は、NICUをふやすために財政的な支援策をどう考えているのか、お伺いいたします。

〇吉井医療政策部長

 お答えいたします。
 まず、NICUの病床につきましては、本会議でもご答弁申し上げましたように、都として増床の必要性を認識しておりまして、出生一万人対三十床を基本にして、周産期医療協議会の意見を聞きながら、東京都全域を一つの圏域として、具体的な目標を定め増床に取り組む、こういうご答弁を差し上げたところでございます。
 今ご質問のNICUの増床の支援策といたしましては、一つは、国に対しまして診療報酬の大幅な引き上げと国庫補助制度の充実、これを要望してございます。また、東京都といたしましても周産期医療センターの運営費に係る補助基準額、これの拡充と補助率の引き上げを検討しているところでございます。さらに、NICUを増床する場合の施設整備費につきましても、補助率の引き上げを検討しているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、NICUの増床に支援をしてまいりたいというふうに考えております。

◯野上委員

 今、国の方でも、厚生労働省と財務省の駆け引きで診療報酬をどうやっていくかという、毎日のようにテレビ報道がなされておりますけれども、ぜひそういった意味で、このNICUの整備に、国の方でもしっかりと資金を入れていただいて--もう一つは、資金もそうなんですけれども、例えばNICUに入っている赤ちゃん。物すごく、足の指が小指ぐらいの感じで、注射一本を打つのも、非常にすぐれた医療技術を持っている看護師さんとかがいないと、老眼が進んで注射を打とうとしてもずれてしまうというようなことがあるので、結構真剣に、NICU一床に対して一人の看護師さんを整備するということも、かなり腕のいい看護師さんを持ってこなくちゃいけないというようなこともありまして大変だと思いますけれども、引き続き、少子高齢化の中で安心して子どもを産み育てられるように、積極的に取り組んでいっていただきたいと思っております。
 次に、百六十三号議案、東京都地域自殺対策緊急強化基金条例について、お伺いいたします。
 第四回定例会の代表質問で、我が公明党は、東村政調会長が自殺対策についても質問いたしました。これは、フィンランドでの先駆的な取り組みを参考にして、都でも具体的な施策を進めるように提案をしたものです。
 本会議では、地域自殺対策緊急強化基金に関連して何点か質問したいと思います。
 自殺につきましては、NHKでも放映されておりました。一番最初に、東京マラソンの三万五千人分の映像がばっとスクリーンに映し出されて、その後、一瞬にしてその人間がぱっと消えた画面が映されまして、これだけ、三万人を超える人たちが亡くなっているんだという非常にインパクトの強いショッキングな導入で、自殺対策についての放映があったところなんですけれども、毎年十一年間連続して三万人を超えているということはかなり異常事態だと思っております。また今、非常に厳しい経済情勢を踏まえて、追い込まれている人に対するセーフティーネットとして、地域における自殺対策の強化を進めていかなければいけないと思っております。
 国全体で百億円の予算規模で各都道府県に基金を造成するということなので、国からは、人口規模とか自殺率を勘案して都道府県に予算を交付してくださるということで、東京都には約五億九千万円が交付されるというふうに聞いております。
 まず、この基金を使ってできる事業についてと、都としてこの事業を今後どのように進めていくのかについて、お伺いいたします。

〇住友保健政策部長

 地域自殺対策緊急強化基金は、国が幾つかの事業メニューを示しておりまして、その中から地方公共団体や民間団体が地域の実情を踏まえて実施事業を選択することとされております。
 国から示されております事業メニューは、対面型相談支援事業、電話相談支援事業、人材養成事業、普及啓発事業、強化モデル事業の五つでございます。今後、区市町村や自殺予防に取り組むNPO団体等の意見も踏まえながら、基金の活用を図ってまいります。

◯野上委員

 今後の基金は、二十一年度から二十三年度までの三年間が実施期間とされております。国から都道府県に対して概要が示されたのが遅かったといっても、都民を取り巻く雇用、経済状況が非常に厳しいことを考えると、早急に事業着手しなくちゃいけないと思っております。
 この基金を活用した事業はいつから始められるのかということと、自殺予防対策の担い手であります区市町村、あるいはNPOに対しては、いつごろ、どのような形でこれが示されるんでしょうか。

〇住友保健政策部長

 ただいまの基金につきましては、今年度から活用は可能でございますが、他の補助金を充当して実施している事業や既存事業は対象外とされております。そのため、今年度につきましては、今回の補正予算に計上しております電話相談等に係る人材育成等について基金を活用することとしております。
 区市町村が基金を活用するに当たりましては、まず、区市町村が事業実施計画を策定することが求められております。したがいまして、基金条例成立後、早急に区市町村に計画策定を依頼いたします。また、NPOにつきましては、各団体の事業実施の意向につきまして今後調査を行った上で、基金の活用を図ってまいります。

◯野上委員

 先ほどのお話ですと、この基金については電話相談にも使えると。
 現在、NPO団体であります「いのちの電話」、それから自殺予防センターが電話相談を実施しておられますけれども、どちらの相談電話も非常に深刻な相談が多いということもあって、一件当たりの相談時間が長くなりがちで、時間帯によってはなかなか電話がつながらないということでございます。
 電話回線をふやしても、要するに、対応する相談員の育成に時間を要するために、すぐにはなかなかふやせないと聞いております。自殺をしようかと思い悩んでいる人にとってみれば、電話相談というのは最後の最後に頼るところではないでしょうか。
 今回の基金で、民間団体に対して相談員の人材育成を支援することとあわせて、都として電話相談体制の強化を図るべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

〇住友保健政策部長

 自殺に関する相談は、相談者の悩みを傾聴して、複雑に絡み合う問題を整理した上で解決に向けた支援を行うことが必要でありまして、相談員には高い資質が求められます。そのため、基金を活用して、民間団体も含めまして、自殺の相談に従事する人材の育成が行えるよう、十分に調整を行ってまいります。
 あわせまして、電話相談が自殺防止のために重要な役割を果たしていることを踏まえまして、都といたしましても、電話相談体制の強化について検討を進めてまいります。

◯野上委員

 ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。
 自殺対策というのは、自治体はもちろんですけれども、自殺対策に取り組むNPOを初めとした民間団体や、それから企業とか、教育関係者とか、さまざまな分野の関係者が連携して取り組んでいくことは重要だと思います。例えば、東尋坊のところにも警察官のOBの方が待ち構えていて、じいっとしている方に声をかけて自殺を思いとどまらせているというような例もあります。都では既に相談ネットワークを構築して、連携した取り組みを進めておられますけれども、今後の基金については、これは初めてのことでありますので、区市町村やNPO団体は、どのように使えるのか戸惑っているところもあるかと思います。
 せっかくの基金を有効に活用するためにも、区市町村、NPOにしっかりと情報を伝えていただくよう要望して、次の質問に入ります。
 次は、第百六十六号議案、東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例について伺います。
 この子育て支援対策臨時特例交付金は、安心こども基金の今般の追加補正予算案ですが、この危機的な構造不況の打開策として、国の前政権下のもとで成立をした第一次補正予算の一環でございました。現政権のもとでは、必要財源をいろいろ捻出していかなくちゃいけないという名のもとに、政権が発足して間もない十月十六日という時期に、突然に第一次補正予算の多くの事業について執行の見直しが行われました。
 例えば子育て応援特別手当、これは就学前三年間の子どもたちに支給されるという手当でございまして、非常に多くの方が待ち望んでおりましたけれども、これ、執行停止になりまして、区市町村とか国民の混乱は非常に大変だったのは記憶に新しいところだと思っております。
 しかし、その中にありまして、この安心こども基金については執行停止されることなく継続をしておりまして、当時、国が目指した成長戦略としての未来への投資の実現のために実効ある施策であると評価しております。
 そこで伺いますが、今般の国の安心こども基金の拡充の概要と特色について、改めて伺います。今回の補正予算で具体的に取り組む内容についても、あわせてお伺いいたします。

〇吉岡少子社会対策部長

 今回の安心こども基金の拡充におきましては、制度創設時の目的でございます保育サービスの充実のほか、新たに、すべての子ども、家庭への支援、ひとり親家庭等対策の拡充、さらに社会的養護の充実の三分野が加えられました。このように、すべての子どもや子育て家庭に対し多様な支援策を講ずることが可能になったこと、また、都の包括補助事業のように、区市町村がそれぞれの地域の創意工夫により事業を提案し、都がこれを採択して支援するという手法が導入されたことが特色でございます。
 都は、このような区市町村の創意ある取り組みを支援する地域子育て創生事業や、母子家庭の自立に向けて、資格の取得を支援する高等技能訓練促進費等事業、児童相談所や児童福祉施設の環境改善などに取り組んでまいります。

◯野上委員

 この不況下の中で、母子家庭の生活は非常に厳しいという声もあります。母子家庭への就労への支援は急務です。中でも、母子家庭における高等技能訓練促進費は、国が二回に分けて制度の拡充を図っておりまして、経済対策としても非常に期待が高い施策であると考えられます。
 この高等技能訓練促進費等事業の制度及び二回の改正概要、今年度の実施状況についてお伺いいたします。

〇吉岡少子社会対策部長

 高等技能訓練促進費等事業は、母子家庭の母が看護師や保育士、介護福祉士など、経済的な自立に効果的な資格を取得することを支援するため、その訓練期間に対して生活費を支援する事業でございます。
 平成二十一年一月までは、母子家庭に対して生活費が支給される期間は、資格取得の訓練期間の後半三分の一の期間でございましたが、平成二十一年二月からは、訓練期間の後半二分の一の期間に拡充されました。さらに、平成二十一年六月からは、訓練中の全期間に拡充されるとともに、支給額の増額も図られました。
 実施状況でございますが、平成二十一年六月の制度改正を機に都内全体で新規の支給件数が増加をしておりまして、平成二十年度の支給者数百四十六名に対して、平成二十一年十一月時点での支給者数は三百二十五名となっております。

◯野上委員

 この高等技能訓練促進費の拡充によりまして、母子家庭の方が生活の心配をすることなく資格を取得され、自立されていくことは大変意義があると思います。
 例えば看護師になりたいとかいろいろ資格を取りたい、保育士になりたいという方が、約三年間にわたって、学びながら、生活費をいただきながら勉強できる、すばらしい制度だと思っております。前は、この金額で大丈夫かなというぐらいだったんですが、今、一月十四万一千円を支給していただきながら三年間勉強して資格を取っていくという、これは多くの方が何とか生活をしていくぎりぎりかなと思うんですけれども、勉強をしながらやっていけるということで、これはすばらしい制度ではないかと思っております。
 都内の母子家庭の方の約八割以上の方が働いていらっしゃるというデータがあります。これは八五・六%だそうなんですけど、そのような高い就業率のもとで、就業に結びつかない方々は、ご自身の健康上の課題とか、子どもや親の介護の問題、あるいは面接などの就職のためのトレーニングに恵まれなかったとか、さまざまな個別の事情を抱えていらっしゃるものと思いますが、国の安心こども基金には、在宅就業支援、あるいは個別訪問などのメニューもあります。今後、都には、母子家庭の自立のためにさまざまな社会資源を生かしながら、きめ細かく実効性の高い施策に取り組んでいっていただきたいと思います。
 最後になりますが、第百六十七号議案、東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきたいと思います。
 国においては、障害者自立支援法を廃止し、新たな障害者支援のための制度を検討するということでございますが、まだ私の方では具体的な内容をつかんでいない、わからないんですが、障害者の方が一人一人、自分の能力や適性を持って、個別の支援を行って、障害があっても自立した日常生活を営んでいくということが大事ではないかと思っております。障害者や、また障害児はその障害の内容や程度によって、また取り巻く環境によって、必要とするサービスが多種多様です。障害者一人一人のニーズを的確に把握し、質の高いサービスを提供できる人材を確保していくことが求められております。
 今回の補正予算案には、この人材確保のための福祉・介護人材の処遇改善事業を実施するための予算額が計上されております。ぜひこの事業を活用して、都内の障害福祉サービスに従事する職員の処遇を改善し、障害者に良質なサービスを提供できる体制を整備していただきたいと思います。
 ここで、この事業について幾つか質問をいたしますが、まず、今回の処遇改善事業の概要について、改めてお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 今回の処遇改善事業は、福祉・介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対し、平成二十三年度末までの助成を行う事業でございます。
 障害福祉サービスにつきましては、サービスの質の向上と経営基盤の強化、職員の処遇改善を図るため、平成二十一年四月にプラス五・一%の報酬改定が行われたところでございますが、他の業種との賃金格差をさらに縮め、障害福祉サービスが確固とした雇用の場として成長していけるよう、処遇改善を一層進めていく必要があることから、この事業が創設されたところでございます。
 都におきましては、このような事業目的に従い、直接処遇に当たる福祉・介護職員を対象とし、常勤職員一人当たり平均で月額約一万五千円の賃金引き上げに相当する助成金を交付する処遇改善事業を、全額国庫負担により実施するものでございます。

◯野上委員

 この人材確保が非常に難しい、直接処遇に当たる職員を対象に、給与改善などの効果が上がるように実施するとのことですけれども、事業に要する経費として、どれぐらいの予算を計上しているのか伺います。

〇芦田障害者施策推進部長

 国は、処遇改善事業を平成二十一年十月から二年半にわたって実施することとし、その財源として、総額一千七十億円を用意し、各都道府県が設置している基金への積み増しにより対応するとしております。
 都は、今定例会に提案しました平成二十一年度補正予算案におきまして、障害者自立支援対策臨時特例基金に百三十九億五千万円の積み増しを行うこととしておりますが、そのうち、処遇改善事業に関するものが約百十億円となっております。また、平成二十一年度分の事業実施に要する経費といたしましては、同じく平成二十一年度補正予算案におきまして、十四億八千万円の歳出を計上しております。

◯野上委員

 かなりの、十四億余ということで経費が投入されるわけですから、ぜひ効果が上がるように使っていただきたいと思っております。
 既に申請受け付けに入っておりまして、ニュースでも今回の処遇改善事業について報道がなされているところでございますが、これまでの都の取り組みと、これからのスケジュールについてお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 職員の賃金や給与水準が向上するなど、具体的な効果が上がるように事業が実施される必要があることから、都は助成金の交付見込み額を上回って賃金を改善する計画が作成されているかを審査し、適正と認めた事業者を助成金の交付対象として承認しております。
 今後の助成金の支払いスケジュールでございますが、初回の助成金は、平成二十一年十月分のサービスに係る報酬の支払いと同時の今月十二月十五日に支払える予定でございます。以後の助成金も、報酬の支払いと同様、サービス提供の二カ月後に支払われ、平成二十四年五月まで支払いが行われることになります。
 なお、都は、国の補正予算成立後、事業の趣旨、目的及び申請手続につきまして周知を図るため、八月上旬に事業者説明会を開催するとともに、その後、電話及びファクシミリによる専用相談窓口を設けて、個別の問い合わせに対応してきたところでございます。

◯野上委員

 既に申請を受け付けているということですが、先ほどの早坂理事の介護保険の処遇改善事業に関する質疑でも、申請がそれほど伸びていないという話がありましたけれども、この障害者サービスの処遇改善についても、まだ未申請のところがあるようにも伺っております。
 事業者からは、申請のための提出書類が多くて、特に先ほど吉田副委員長もおっしゃっていましたけれども、事務負担の軽減をどうしていくのかということとかがありますが、専任の事務職員がいない零細な事業者にとっては、書類の作成がなかなか負担である上に、関連する手続が煩雑であるというような声も聞いております。せっかく国費を投じて実施する有意義な事業なのですから、できるだけ多くの事業者に活用していただいて、人材の確保、定着を図ってほしいと思っております。
 事業者への周知や関連手続の案内、書類作成に当たっての事務負担の軽減について、都としてどのように進めていくのか、見解をお伺いいたします。

〇芦田障害者施策推進部長

 八月に行いました事業者説明会では、特に申請書類につきまして、記載例に沿いながら説明を行うとともに、記載事項の一部の自動的な入力や、助成金の見込み額の自動的な算定ができるように工夫を加え、申請を行う事業者の事務負担の軽減を図ったところでございます。
 説明会の後に設けた専用窓口では、就業規則や給与規定の改正の要否、社会福祉法人における理事会の開催や所轄の労働基準監督署への届け出の手続に至るまで、必要な助言や案内を行ってまいりました。
 さらに、平成二十二年度の申請手続に向けましては、事業者が一層円滑に申請事務を行うことができるよう、今月二十五日に開催予定の事業者説明会におきまして、平成二十一年度の申請受け付けの際に事業者から質問が多く寄せられた事項を中心に、具体的な事例を織り込みながら、一層わかりやすく説明を行う予定でございます。

◯野上委員

 さまざまな改善策を検討していることがよくわかりました。多くの事業者がこの事業を活用して、ぜひきめ細かく、丁寧な対応をしていただけるようにお願いをしておきます。
 このような対策により、人材が確保され、事業者の経営も安定し、サービスが拡大していくことは大変喜ばしいことですが、せっかくサービスがふえても、利用者がサービスにアクセスできないようでは、障害者の地域での生活を充実させていくことはできません。
 そのような観点から、関連になりますけれども、盲ろう者の問題について一点だけ伺います。
 かねてから、私ども都議会公明党は、盲ろう者の声をすくい上げ、東京都に事業の充実を働きかけてまいりました。そして、ことしの五月下旬に、都内に全国初の東京都盲ろう者支援センターが開設されました。盲ろう者支援センターが事業を開始して約半年が経過したところでございますが、これまでに全国から盲ろう者や家族、自治体の職員や関係者など、約千人を超える方々が相談や施設を訪れていらっしゃるそうです。また、コミュニケーションの訓練とか、パソコンの操作の訓練、生活訓練なども充実してきております。盲ろう者自体は都内で約二千人いると推計されておりますが、盲ろう者のための支援や訓練を受けている人は現在、百人にも満たない状況だそうです。盲ろう者支援センターの活動をきめ細かく普及啓発して、何の支援も受けられずに閉じこもりがちになっている盲ろう者を一人でも多くこのセンターに結びつける取り組みが必要であると考えます。
 聞くところによりますと、大田区では独自に普及啓発の取り組みを行っているということなんですが、都としては今後どのような普及啓発を図っていくのか、所見を伺います。

〇芦田障害者施策推進部長

 大田区では、ことしの十月、区内の身体障害者手帳所持者を調査し、その中から、視覚障害と聴覚障害をあわせ持つ盲ろう者を把握し、それらの方々にわかりやすくつくり直した盲ろう者支援センターのパンフレットを送付するなど、普及啓発への取り組みを始めたところでございます。
 この取り組みによりまして、今まで盲ろう者支援のサービスを全く受けていなかった方からの相談があったと聞いております。今までサービスを受けずにいた盲ろう者の方に対して、盲ろう者支援センターの事業について普及啓発を行うことは、大田区の例のように、地域できめ細かく取り組んでいくことが重要であると考えております。
 都はこれまで、各区市町村の連絡会や、都民向け催しなどを通じて普及に努めるとともに、地域で活動している民生児童委員にも普及の協力をお願いしてきたところでございます。
 今後とも、大田区の取り組み例を各区市町村に紹介するほか、センターを運営しておりますNPO法人東京盲ろう者友の会とも連携し、さまざまな機会を通じて普及啓発を図ってまいります。

◯野上委員

 最後になります。
 まだまだ盲ろう者支援のサービスについて知らない盲ろう者の方、あるいはご家族の方も多く、なお一層の普及啓発が必要であります。
 盲ろう者の方は目も見えない、耳も聞こえない、真っ暗やみの中で、しかも静寂な世界の中で生きている、壮絶な孤独な世界だと思っております。
 引き続き、大田区の例のように、身近な地域できめ細かい周知を図っていくとともに、都においてもあらゆる方策を講じて、盲ろう者支援のための普及啓発に努めていただくよう要望して、私の疑問を終わります。

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