平成22年厚生委員会(2010年2月19日)クローン由来食品について等

平成22年厚生委員会(2010年2月19日)


◯野上委員

 同じく請願二一第一三四号、食品表示制度の抜本改正を求める意見書提出に関する請願について幾つかお伺いいたします。
 一昨年だったと思うんですけど、メタミドホスという猛毒が冷凍ギョーザから検出されて、中国ギョーザ中毒事件というようなことで大変な状況だったように記憶をしております。
 石原知事も、食の安全の観点から英断をされて、調理冷凍食品の表示を義務づけるべきだという提案がされて、議会もそれを承認して、都条例に基づく調理冷凍食品の原料原産地表示が昨年の六月一日から実施の運びになったわけでございます。
 このことにより、都民が調理冷凍食品を購入する際に、原料原産地表示を食品選択の一つの指標にすることができて、調理冷凍食品全般に対する信頼感の向上につながったのではないかと思われます。
 一方で、加工食品に使われています原材料は多種多様、いろいろな国から来ておりますので、その産地も多岐にわたるものが使用されているために、これを正確に表示することはなかなか業者にとっても厳しいという声もお聞きをしてきました。
 そこで伺うんですけれども、都条例に基づく調理冷凍食品の原料原産地表示を制度化するに当たって、東京都が取り組んできた内容について伺います。

〇奥澤食品医薬品安全担当部長

 原料原産地表示制度の導入に当たりましては、事業者のヒアリングを実施するとともに、広く都民から意見を募集いたしました。これらの結果を踏まえ、表示のわかりやすさや実行可能性の観点を考慮して、表示すべき原材料の種類と範囲を定めました。
 なお、原材料の産地が頻繁に変わるなど、容器包装への表示が困難な場合には、インターネット等での情報提供も認めることといたしました。
 また、検討の過程におきましては、法制度との整合性の確認やWTO通報の手続などについて、農林水産省や外務省など関係機関との調整を行いました。
 制度の周知に当たりましては、事業者向け講習会、消費者向けシンポジウム、リーフレット、メールマガジン、食品業界誌への記事掲載などさまざまな方法を活用いたしました。特に調理冷凍食品を製造する事業者に対しましては、事業者団体と繰り返し情報交換を行うことにより理解と協力を求めるとともに、都外の事業者も含めて個別相談に応じるなど制度の普及に努めました。
 なお、先ほどもご答弁申し上げましたが、制度開始以降、都内に流通する冷凍食品について調査を行いましたところ、表示率として一〇〇%でございました。

◯野上委員

 この制度の導入に際しては、都民や事業者等、広く情報を収集して、さまざまな観点から検討をして、制度構築に取り組まれたということがよくわかります。説明の中にはありませんでしたけれども、決してスムーズにはいかなかったのではないかと思われます。
 食品の表示制度は本来、全国的な制度として整備すべきものだと考えますけれども、国においては、先ほど説明があった共同会議においていろいろな協議が行われたわけですけど、その検討内容がどうだったのかということと、都として、原料原産地表示の対象品目の拡大について、今後どのように考えているのかについてお聞きいたします。

〇奥澤食品医薬品安全担当部長

 平成二十一年八月にまとめられた共同会議の報告書では、JAS法の表示義務には直罰規定が設けられていることからも、規模を問わずすべての事業者が遵守可能なものでなければ制度の信頼性が確保できないため、実行可能性を担保しなければならないとしております。
 また、表示義務化の検討に当たりましては、実際に表示を行う上での課題をさらに明らかにし、消費者の選択に資するという目的と、生産の実態等々を踏まえて、製造者、製造業者が対応可能であるという実効性を検証していく必要があるとしております。
 加工食品の原料原産地表示につきましては、引き続き消費者庁において検討していくこととされており、都としては、これら国の動きを見守っていくべきと考えております。

◯野上委員

 規模を問わず、すべての事業者の方が遵守可能なものでなければ制度の信頼性が確保できないため、国の検討の中ではなかなか一足飛びで拡大していくというわけにはいかないと思います。
 次に、遺伝子組みかえの食品の表示についてお伺いいたします。現状では、遺伝子組みかえ食品の表示はどうなっているんでしょうか。

〇奥澤食品医薬品安全担当部長

 遺伝子組みかえ食品につきましては、食品衛生法及びJAS法に基づき、トウモロコシや大豆などの七作物と、これらを主な原材料とするポップコーンや豆腐などの加工食品三十二食品群を対象に表示義務が課せられております。
 なお、加工食品につきましては、上位三位までの主な原材料であって、かつその加工食品の重量に占める割合が五%以上のものが表示の対象となっております。

◯野上委員

 じゃ、そのすべての加工食品に遺伝子組みかえ表示を義務づけることに、問題点というんですか、どんなものがあると考えているんでしょうか。

〇奥澤食品医薬品安全担当部長

 加工食品の中でも、しょうゆや食用油のような加工度の高い食品につきましては、その加工工程で組みかえられたDNAや、これらによって生じたたんぱく質が除去分解され検出できないため、これらについて表示が義務づけられたとしても、表示の真偽について科学的に検証することはできません。また、加工食品には原材料として多くの食品が使用されており、その量にかかわらず、すべてについて遺伝子組みかえ食品が含まれているのかを確認して表示することは現実的には困難でございます。
 このようなことを踏まえますと、遺伝子組みかえに関する表示をすべての加工食品やその原材料に義務づけることにつきましては、さまざまな課題があり、困難であると考えております。

◯野上委員

 遺伝子組みかえ表示を義務づけるにはちょっと課題があるかなということですよね。
 次に、クローン由来食品についてお伺いいたします。
 先ほども説明があったんですけれども、クローン家畜由来食品については、その旨の表示が義務づけられていないということなんですが、先ほど説明があった中に、平成二十年で五頭、二十一年で三頭、合計八頭だけですよね。このクローン家畜由来食品、牛ですね、牛がつくられて販売をされたわけですけれども、このクローン家畜由来食品の表示の義務づけについて、東京都としてどのように考えているんでしょうか。

〇奥澤食品医薬品安全担当部長

 先ほどご説明申し上げましたとおり、農林水産省では、受精卵クローン牛及び体細胞クローン家畜の出生や出荷などの状況をすべて把握し、毎月その情報を公開しております。
 これによりますと、今ありましたようにクローン牛は畜産試験場など研究機関で生産され、平成二十一年に食肉出荷された受精卵クローンは全国で三頭、平成二十一年に国内で食肉として出荷された牛、約百二十万頭に対する割合はごくわずかでございます。また、体細胞クローン家畜につきましては、技術的に改善の余地が多いなどの理由から食肉出荷は自粛されており、現行の技術水準では商業生産への利用は見込まれる状況ではございません。
 これらのことから、現時点ではクローン家畜由来食品について表示を義務化する状況ではないと考えております。

◯野上委員

 そういうことでクローン家畜由来食品というのは余りはやらないような気がいたします。
 食品表示は消費者が食品を購入する際に、その食品の情報を確認できる手段としてできるだけ多くの情報が伝わることが望ましいと考えております。
 一方で、新たな表示事項の義務づけに当たっては、表示のわかりやすさや制度の信頼性を確保することを考慮して、事業者にとって実行可能性あるいはコストの問題とか、さまざまな課題を検討する必要があることがわかりました。
 以上で私の質問を終わります。

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