平成22年厚生委員会(2010年3月17日)精神障害者について等

平成22年厚生委員会(2010年3月17日)


◯野上委員

 私の方からは、最初に、要約筆記事業についてお伺いいたします。
 障害に至った経緯はさまざまですけれども、人生の途中で聴力を失ってしまうということは大変につらいことですし、また、人とのコミュニケーションがとれない状況は仕事等でもかなり厳しいものがあると思います。
 特別支援教育では、例えば手話とか口語、口語というのは口の形を見て何を話しているのかを知る方法ですけれども、幼いころから学習をしてきているコミュニケーションの伝達手段がありますけれども、中途で失聴された場合は、会話の手段は筆記が中心になるのかなと思っております。また、一対一あるいは少人数でお話をする場合には、紙に書いて、それをお互いに見せ合ってコミュニケーションをとることができますけれども、大勢で会議形式の場合には、中心者の人の発言内容を要約して、例えばオーバーヘッドプロジェクター、OHPのような機械で拡大をして共通のコミュニケーション手段として使うことが、一番手っ取り早くて皆さんが理解できる方法だと思っております。
 中途失聴、難聴者のコミュニケーションの支援の一つであります要約筆記者派遣事業、これについては先ほど議論がありましたので、ちょっと飛ばします。十八年度までは東京都が実施主体であったと。十九年度から障害者自立支援法で区市町村事業になったと。それでも東京都は、二十年度は経過措置として、都の事業として実施をしてきた。二十一年度からは、要約筆記者派遣事業が、全面的に東京都から区市町村事業として案分方式という形で実施をされるということに決まったということなんですが、実施主体が都から区市町村に変わっても、東京都が実施してきた方法とほぼ同様に利用できるように、区市町村、あるいは要約筆記者の派遣センターとの間で調整を行ってきたという先ほど答弁がございました。
 しかし、利用者の方からは、事前に参加者の名簿を出さなくてはならない、それが利用の制約になっているという声もあるんですね。このことについて東京都のお考えをお聞きいたします。

◯芦田障害者施策推進部長

 グループ派遣を都事業として行ってきたときには、事前に区市町村ごとの利用者を把握して、その人数を申請していただくこととしておりました。区市町村が実施主体になっても、区市町村ごとの利用者を把握して申請することにおいて、都事業のときの申し込み方法と比べても大きな変更はないものと考えております。
 本事業は、他のコミュニケーション支援事業と同様に、利用に際しましてはあらかじめ参加者の居住する区市町村に申請を行うことが前提となっております。また、参加者の都合等で急に利用者が変動することも考えられますが、当日に利用者の名簿を修正することも可能となっておりまして、その最終的な名簿に基づいて、派遣センターが各区市町村に請求をすることとしておりますことから、事前の申請方式を求めることが利用の制約になるとは考えておりません。

◯野上委員

 確認すれば、参加者の都合で急に欠席をしたり、あるいは申し込んでいない人が急に参加をしても、当日に利用者の名簿を修正できるし、その最終名簿を使って派遣センターが各区市町村に請求することができるということですよね。だから、五十人とか百人とか大きな会場で参加した人が、必ず自分の区市、名前等を記入して会場に入るようにするとかの確認が大事ということだと思います。そうすると、特定の区市ばっかりで派遣通訳の費用を負担するということはなくなるということでよろしいでしょうか。確認をしておきます。
 それともう一つ、区市町村によっては利用回数の時間の制限があるということを聞いております。東京都の事業で実施していたときはこのような制約はなかった。特に役員の方とか、かなりこの通訳派遣事業をたくさん使う方が利用回数を全部使ってしまったとか、時間も全部、自分の分は使ってしまったときに、その方が例えば急に病気になったりとか、日常生活で使いたいのにもう全部使ってしまったというようなときに、要約筆記が利用できなくなるということはないんでしょうか。そこら辺をお聞きいたします。

◯芦田障害者施策推進部長

 まず最初の点でございますが、派遣センターが区市町村に請求をするときには、最終的な利用者の名簿に基づいて、その利用者が居住する区市町村に案分をして請求するということになっておりますので、特定の区市町村に請求するということではございません。
 また、二点目でございますが、この事業は、各区市町村が地域の実情等に応じて実施をしていくものでありますことから、区市町村によりましては、利用回数や時間の上限を設けているところもございますが、病気などで病院にかかるときや日常生活に必要があるときなど、利用内容に応じまして実情を踏まえて運用されており、日常生活に困難を来すようなことがないように対応していると考えております。

◯野上委員

 ぜひ日常生活に支障がないようにお願いしたいと思っております。
 次に、障害者自立支援法では、都道府県は市町村の地域生活支援事業の実施体制の整備状況やその他、地域の実情を勘案して関係市町村の意見を聞いて、市町村にかわって事業を行うことができるという一文があるんですが、このことについて都の考えはいかがなんでしょうか。
 もう一つ、盲ろう者、これは視覚、聴覚両方に障害のある方々へのコミュニケーションの支援は、都道府県が地域生活支援事業として、東京都が主体実施なんですけれども、同様にこの要約筆記事業を東京都が実施するということは考えられないんでしょうか。先ほどは考えられないといっていたんですけど、どうでしょうか。

◯芦田障害者施策推進部長

 まず、盲ろう者支援の事業についてでございますが、この盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業につきましては、障害者自立支援法に基づく都道府県の地域生活支援事業に位置づけられております。また、利用者数も少なく、地域での支援体制がまだできていないことから、東京都が事業実施をしているものでございます。
 それから、市町村の地域生活支援事業についても、市町村にかわって事業を行うことができるというような規定はございますが、要約筆記者の派遣事業につきましては、グループへの派遣についてはすべての区市で既に実施をしております。また、利用実績につきましても、都事業として実施していたときと比べてふえておりまして、各区市において定着をしていることから、引き続き区市町村が実施していくべきものと考えております。

◯野上委員

 盲ろう者というのは、これから区市での把握をする状況なので、東京都が一括して支援することが望ましいと思います。ぜひこの要約筆記事業については、事業者の方が使いやすい制度にしていただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、精神障害者地域生活支援についてお伺いいたします。
 この精神障害者の施設での社会的入院から、地域での自立と社会参加という流れがあって、より一層、地域で生活する精神障害者を支えるための取り組みがこれまで以上に求められていると思います。
 先日、葛飾区にあります精神障害者を対象とした就労支援施設と地域活動支援センターを視察させていただきました。就労支援施設では、細やかな作業をしていたり、日ごろはパンをつくって、それを売って、障害者の方々が焼いたパンを売る場所を昨年、葛飾区でも開所して、そこで売りに出しているということで、あいにくちょっと水曜日お休みということで見学することはできなかったんですけれども、さまざまな営業活動をしておりまして、仕事、ハローワークなどの研究機関との連携のもと、利用者と相談しながら就労に向けての必要なプログラムを提供しておりました。就職活動の支援、また就職後のサポートなども行っており、こうした施設は自立をした生活を目指す障害者にとっては、精神障害者にとっては、これからますます重要だなということを感じた次第であります。
 また、就労支援施設と併設されていた地域活動支援センターは、いつもはここに卓球台が置いてあったところなんですが、そこに机といすを用意していただいてお話をお聞きすることができたんですけれども、このセンターにも来られる人は二通りあって、みずから進んで来ている人と、もう一つは、家庭内でずっと引きこもっていて、保護者の方がレスパイトという要素もあって連れてきて、そこで過ごすということ、この二通りあるということをおっしゃっておりました。
 しかしながら、相談を受けられる方が何かあれば必要なサービスにつながることが必要なんですけれども、家に引きこもってぐあいが悪くなっても、医者にかからず必要な医療すら受けずに入退院を引き返す例も多いということで、ぜひこの訪問サービスの充実が必要ということでした。
 このようにぐあいが悪くなった精神障害者を支えて、適切な医療につなげるため、来年度新たに都内で三つの精神保健福祉センターで訪問型支援のモデル実施が予定されているので、この事業について何点か伺います。
 このアウトリーチモデル事業というんですかね、を実施する精神保健福祉センターの基本的な役割と、その主な事業内容について伺います。

◯芦田障害者施策推進部長

 精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づきまして都道府県に設置される機関でございまして、精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及の促進、調査研究、精神障害者に関する相談指導のうち、複雑または困難なものなどを行うこととされております。精神保健福祉センターでは、精神保健福祉に関する専門相談、普及啓発、区市町村等関係機関に対する技術援助のほか、デイケア等の通所訓練なども行っております。

◯野上委員

 予算書を見ると、未治療や治療中断で症状が悪化し、家庭内や地域で問題行動があるなど、地域定着が難しい精神障害者に対して、このアウトリーチ支援チームが出かけていって、要するに、地域生活の安定化を図って、関係機関の職員に対しても援助支援技法の普及を図るというすばらしい制度なんですけど、かなり専門的なことを行っている方が行かないと厳しいかなと思うんですが、この職員の職種についてお聞きいたします。

◯芦田障害者施策推進部長

 精神保健福祉センターの職員は、精神科医師のほか、保健師、看護師、心理士等の専門職種を配置しております。

◯野上委員

 この精神保健福祉センターは、これまで培ったノウハウを生かして、地域活動支援とか関係機関支援を重視する方向に機能転換をし、その一環として、訪問型支援のモデル事業を行うとのことですが、このモデル事業の実施目的についてお伺いいたします。

◯芦田障害者施策推進部長

 このモデル事業につきましては、地域で生活している精神障害者が、医療の中断等により症状が悪化して地域定着が難しい事例について、地域の関係機関と共同して家庭等に訪問することにより、安定した地域生活の継続を図ることを目的としております。あわせて、地域関係機関と連携して支援することを通じて、区市町村等関係機関の支援対応力の向上を図るものでございます。

◯野上委員

 この事業によって支援する精神障害者の方はどういう人というか、どういう状況にある人を対象として行うんでしょうか。

◯芦田障害者施策推進部長

 本事業の対象者でございますが、未治療や治療中断など、医療機関にかかっていないために、家庭内や地域で問題行動がある方や、措置入院を繰り返している方、あるいは病院から退院した後に生活が不安定になった方など、地域生活を続けていくことが困難になった方を支援していく予定でございます。

◯野上委員

 この事業は具体的にどのような形で実施されるのか、実施内容についてお伺いします。

◯芦田障害者施策推進部長

 この事業は、区市町村の要請に基づいて、精神保健福祉センターの医師や保健師などの専門職チームが、区市町村との密接な連携により、支援対象者の事例検討を行った上で訪問調査を行い、支援方針を決定いたします。治療の必要のある方に対しましては、治療のための通院や入院を支援するとともに、日常生活を送る上での相談、助言、地域活動支援センターなど、関係機関との支援ネットワークによる地域生活安定化に向けた支援を行っていく予定でございます。

◯野上委員

 この精神保健福祉センターの専門的なノウハウを活用したモデル事業であることがよくわかりました。
 精神障害者を地域で支えていくためには、身近な地域における支援体制の整備が重要であります。区市町村の対応力の強化が不可欠です。この事業を通じて地域の対応力をどう強化していくのか、所見を伺います。

◯芦田障害者施策推進部長

 本事業は、区市町村や保健所との密接な連携のもとで、精神障害者を訪問支援していくものでございまして、事例を通じて地域における困難事例に適切に対応できる人材の育成を進めてまいります。また、精神保健福祉センターは専門機関として、区市町村等関係機関職員を対象に支援ノウハウについての研修を行うこと等によりまして、地域の対応力の強化を図っていきたいと考えております。

◯野上委員

 このモデル事業の内容はよくわかりました。
 この事業を実施する中で、より効果的な支援手法を検討していただいて、なるべく早期に本格実施をしていただきたいと思います。この精神保健福祉センターや地域の関係機関が密接に連携して支援を行うことにより、地域で生活する精神障害者支援のより一層の充実を期待しております。
 次の質問に移ります。若年認知症についてお伺いいたします。
 この若年性認知症の支援につきましては、二千二百二十九万五千円という予算がついております。都内には六十五歳未満で発症する若年性認知症の方が約四千人いると推計されております。しかし、都内には約二十九万人いると推計されている認知症高齢者の方に比べれば、極端に数が少ないために、今まで若年性認知症の特有の課題と支援策について、なかなか十分な検討がされてこなかったという現状がございます。
 こうした中で東京都は、若年性認知症特有の課題に配慮した支援策を検討するため、平成二十年に若年性認知症支援部会を設置したとお伺いしております。
 そこでまず、ことしの二月に支援策の検討を終えた若年性認知症部会では、そこでどのような提言がなされているのか、お伺いいたします。

◯狩野高齢社会対策部長

 お話しの若年性認知症支援部会では、若年性認知症の本人、家族の実態調査や、区市町村の相談窓口と介護サービス事業者に対する対応状況等についての調査を行うとともに、家族、関係者からのヒアリングなどを行いまして、生活上の課題について分析したところでございます。
 その結果、若年性認知症の方の支援におきましては、単に症状への対応策のみを考えるのではなく、生活全般を支援する視点で施策を構築すべきであることが指摘されてございます。
 また、若年性の認知症は、原因の疾患が多様で症状も大きく異なる一方で、個々の疾患の発症数は少ないことから、疾患ごとの対策を講じることは非効率的であると。そこで、若年性認知症の多岐にわたるニーズに既存の医療介護サービスが柔軟にこたえられるようにする必要があることなどが提言されております。
 具体的には、情報提供や相談体制の充実、相談、早期診断など医療分野における取り組みの促進、介護サービスの質の向上、それから就労や職場における支援、経済的支援の五つの分野について具体的な対応策が提言されてございます。

◯野上委員

 この前、私も若年性認知症を支援する会に参加させていただいたんですけれども、かなり東京都では、前向きにいろいろな対策をやっているという、全国の方が駆けつけてきたんですが、東京都を非常に褒めておりました。その中で、東京都で二十一年度から若年性認知症支援モデル事業というのを実施しているんですが、このモデル事業の事業内容、そしてそのねらいについてお伺いいたします。

◯狩野高齢社会対策部長

 若年性認知症支援モデル事業は、認知症高齢者とは異なる若年性認知症特有の課題に対するサービスのあり方を検討するため、公募により二事業者を選定し、今年度から三年間実施することとしております。江戸川区では、特別養護老人ホームなぎさ和楽苑におきまして、特養のスペースを活用して就労型のデイサービスを実施し、若年性認知症に適した個別性を重視したプログラムの開発に取り組んでおります。
 また、目黒区のいきいき福祉ネットワークセンターにおきましては、若年性認知症の人の家族の介護保険や障害福祉など、多岐にわたる相談をワンストップで受けるとともに、情報の提供、関係機関との連携、それに各種手続の支援などを行い、本人、家族の支援についてのノウハウを蓄積することを目的として事業を実施しているところでございます。

◯野上委員

 若年性認知症については、発症時にばりばり仕事をしていたという、そういうような方が多いために、企業や職場での対策を推進することは極めて重要だと考えております。しかし、若年性認知症の人の数が少なくて、企業において、この支援のノウハウ、そういうものもなかなか蓄積されていないことから、企業においては若年性認知症対策の推進を企業の自助努力にゆだねるしか方法がないんですね。
 そこで、最後にこうした観点から、来年度にどのような取り組みを行うのか、具体的な方策について伺います。

◯狩野高齢社会対策部長

 ご指摘のとおり、企業における若年性認知症への理解を深め、支援体制を構築することは、この病気の早期発見、早期診断に大変有効であり、早急に取り組むべきであると考えております。そこで、職域保健や企業のメンタルヘルス対策の核となっております産業医に対しまして、若年性認知症について研修を実施し、早期発見と企業内の支援体制の構築を図ってまいります。これにより、当該企業における就労の維持や、傷病手当金等の円滑な支給手続などにも寄与するものと考えております。

◯野上委員

 「明日の記憶」という映画がありましたけれども、そのモデルとなった方も、前の前の会には来ていらっしゃって、まだちょっとおっしゃっておりましたけれども、やはり企業の中で、この産業医対策ってすごく大事じゃないかなと思っております。年をとると、だれしも認知状況が出てきまして、歌手の名前とかなかなか出てきませんけど、こういうのとまた違って、若年性認知症というのは、人格までだんだん破壊されるという大変厳しい状況なので、こうしたしっかりとした手だてをしていただければと思っております。
 次に、自殺対策についてお伺いいたします。
 まだまだ厳しい状況が続いておりまして、不況と自殺というのが折れ線グラフで見ると関係性が深くて、こういうような経済状況とか、また、雇用情勢、なかなか好転していないということで、昨年、二

〇〇九年度には全国で三万二千七百五十三人の方がみずから命を絶っていると。毎日九十人の方が自殺で亡くなっているという現状がございます。

 東京都の自殺者数は、ここ何年間は二千七百人前後で推移しているということなんですが、例年三月は企業の決算期ということで、一年の時期で三月が一番自殺が多い月ということで、東京都では三月を自殺対策強化月間と位置づけて、毎年キャンペーンを行ってきております。
 国の方も、やっとことしから三月を自殺対策強化月間と位置づけて、広告等によるキャンペーンとか開始しておりますし、また、つり革広告とか、お父さん、眠れていますかとテレビでも放映をしている状況です。
 東京都では、キャンペーン月間には講演会とか広報といった普及啓発活動に加えて、自殺や多重債務等の相談機関が連携して、特別相談として、普通よりも相談時間を延長するなど、相談体制を強化しております。自殺を考えなくてはならないほど悩んでいる方にとって、電話相談というのは最後の最後に頼るところではないかと思っております。自殺予防を進める上で大変重要な役割を担っております。
 この特別相談以外の通常の自殺に関する電話相談は、これまで、いのちの電話とか、自殺予防センターとか、こころの耳とか、こころの健康相談統一ダイヤルとか、また、子どものチャイルドラインとか、たくさんやっているんですね。民間団体が中心となって悩みを持つ方々の声を受けとめてきておりますが、これらの電話の相談では深刻な相談が多いことから、一件当たりの相談時間が長くなって、時間帯によってはなかなか電話がつながらないということもあります。電話回線をふやして対応しようとしても、相談員は主にボランティアでやっておりますので、なかなか育成するのに時間がかかるということもあって、すぐに体制を強化することは難しいと聞いております。
 このような状況を受けて、私は昨年の第四回定例会の厚生委員会で、都として自殺予防の電話相談体制の強化を図るべきであるという質問をいたしましたが、今回、平成二十二年度予算に東京都自殺相談ダイヤルを計上していただき、都として新たな電話相談事業に乗り出そうとしていることは高く評価いたします。
 そこで、この事業に関して何点か質問いたします。この電話相談の役割と目的について、まず最初にお伺いいたします。

◯住友保健政策部長

 自殺の背景には、心の問題や経済、家庭の問題など、さまざまな問題が複雑に絡み合っており、それぞれの専門相談機関はあるものの、当事者にとってはどこに相談すべきかの判断は必ずしも容易ではありません。平成二十二年度に新たに開始する東京都自殺相談ダイヤル、こころといのちのホットラインという名称でございますけれども、これは自殺を考える相談者の背景にある複雑な問題を受けとめ、これを解きほぐした上で、適切な専門機関に確実につなげていくことを目的としております。
 現在、民間団体等が実施しております電話相談を補完する意味からも、比較的電話がつながりにくい午後二時から十時までの間、相談を実施する予定でおります。

◯野上委員

 まず悩みを一義的に受けとめる窓口として電話相談を実施することは、自殺予防に必ず資するものと期待されます。できるだけ早い時期の開設が待たれますが、一方で、相談を効果的にするためには質の高い相談員が求められると思います。相談員の育成、また、相談員の確保を早急に行って、早期の開設を目指すべきと考えますけれども、所見を伺います。

◯住友保健政策部長

 電話相談員の育成につきましては、今年度から創設されました地域自殺対策緊急強化基金を活用いたしまして、技能向上のための研修を開始しております。
 具体的には、自殺予防の電話相談員として働く意思のある臨床心理士、精神保健福祉士等を対象といたしまして、実習も含めて十日間の研修を行うもので、今年度中に約五十名が研修を修了する予定でございます。自殺相談ダイヤルでは、この研修修了者も活用して相談員を確保いたしまして、平成二十二年四月中の開設を目指してまいります。

◯野上委員

 四月中の開設ということで、一日も早いこの事業の開始を望んでおります。
 自殺を考える方の背景には、多重債務、雇用や労働、心の問題、また多岐にわたる問題があります。これらの問題を一つ一つ解決して、ほぐれた糸を解きほぐすようにして解決をしていかなければならないのですけれども、本人はどこに相談したらよいのかわからないことが多いと思います。
 先ほどご答弁がありましたけれども、自殺相談ダイヤルでは、相談者の悩みを確実に専門相談機関につないでいくということですが、受けとめる側の専門相談機関との連携協力体制がなければ問題の解決にならないと思います。都ではこれまで、相談機関同士のネットワークの構築を進めてきています。このネットワークも活用することにより、自殺相談体制の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。

◯住友保健政策部長

 都では、自殺の背景となるさまざまな要因について、相談機関が連携して解決を図る体制といたしまして、こころといのちの相談・支援東京ネットワークを構築しております。自殺相談ダイヤルでは、相談者のご希望を伺い、了解を得た上で、このネットワークに参加しているさまざまな分野の専門相談機関に直接連絡をとるなど、より確実に橋渡しを行い、相談者の問題解決に向けてサポートすることとしております。そのため、自殺相談ダイヤルと相談・支援ネットワークの連携体制を構築いたしまして、自殺予防に向けた相談体制を強化してまいります。

◯野上委員

 ぜひネットワークを活用して、関係機関としっかり連携をとり合っていただきたいと思います。
 また、事業開始に当たっては、都民への周知、これも大事な観点かと思っております。今後、電話番号も決められると思いますが、覚えやすい番号を工夫していただき、あわせて事業についての周知も広く行っていただきたいと思っております。また、この電話相談事業とあわせて、身近な人の異変に気づき、しかるべき機関へつなげる役割を果たすゲートキーパーの養成と、かかりつけ医へのうつ診療充実強化研修なども重要です。これらの既存の事業についても引き続き推進し、自殺対策の一層の強化を図っていただくよう要望します。
 次の質問に入ります。
 次は動物対策でございます。これは、一三八ページに予算案が載っております。現状なんですけれども、今、子どもの数よりもペットの数の方が多い、こういう実態があります。多くの動物が各家庭で飼われているかも、はかり知れないわけでございます。また、子どもが育った後の空の巣症候群という、心が空っぽになってしまって、生きる意欲がわかないときに犬とか猫を飼うことによっていやしの効果が抜群といわれているわけでございます。
 しかし、飼っている人の高齢化に伴いまして、散歩に連れていけなくなったとか、転勤でやむなく、どうしてもここに捨てないといけないとか、いろいろな事情が発生いたします。
 私の住んでいる水元公園にも、三月の終わりから四月になると、多くの犬がつながれたまま放置してあります。犬は帰巣本能がありますので、かなり戻ってくる確率が高いんですが、戻ってこないようにしっかりとつながれている、本当に見ていてかわいそうだなと思う現状が多々あります。
 全国の犬の登録数というんですか、それが六百八十万頭いるそうですけど、東京都の犬の年間登録数はおよそ四十七万頭となっております。一方、全国では年間三十万頭を超える犬とか猫が殺処分されております。しかし、東京都では、殺処分の数を何とか減らしていこうとの思いで、多くの工夫をしながら取り組みを行って、殺処分される数はかなり少なくなっていると聞いております。大体、全国の数の十分の一が東京都の数というイメージがあるんですが、三十万頭殺処分されていると三万頭ぐらいかなというイメージがあるんですけれども、いろいろ工夫をしてきた都の取り組みと東京都の年間の殺処分数についてお伺いいたします。

◯鈴木健康安全部長

 都は、犬、猫などの飼い主に対しまして、命ある動物を適正に飼い養う適正飼養の普及啓発、安易な飼養の放棄を原因とする引き取りの抑制、それから、収容した動物の譲渡事業を推進する、これらの取り組みによりまして、致死処分数の減少に努めております。
 その結果、平成十年度には一万五千頭を超えていた犬、猫の処分数は、平成二十年度には五千六百八十六頭にまで減少いたしました。このうちおよそ七割の四千百九十四頭は、拾得したものから引き取った出生後間もない子猫で、育成困難なため譲渡できないものであります。こうした猫をふやさないためにも、区市町村が行う不妊去勢など、地域における飼い主のいない猫対策に対して都として財政支援を行い、子猫の処分数の減少に努めております。

◯野上委員

 引き算をすると、子猫以外で殺処分される数が千四百九十二頭ということだと思います。
 それともう一つ、ちょっと関連して、狂犬病についてですけれども、数年前までは一〇〇%の予防接種ができていましたけれども、今なかなか狂犬病の予防接種、一〇〇%に達していないということがあります。狂犬病になると確実に死に至るということで、かなり危険な要素があるわけですけれども、狂犬病の予防接種は本来、飼い主が責任を持って実施すべきものだと思いますが、登録が年一回から生涯一回へという改正もあって、残念ながら、かつての接種率に比べて近年は減少傾向にあります。
 東京都の狂犬病予防接種率の現状と接種率向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。

◯鈴木健康安全部長

 平成二十年度の都内の犬の狂犬病予防注射の接種頭数は三十五万三千六百四十七頭であり、同年の犬の登録頭数四十七万二千二百八十三頭に対して、接種率は約七五%となっております。
 都はこれまで、東京都獣医師会、区市町村及び動物取扱業者などと連携いたしまして、動物病院での登録や注射などの手続の簡素化、また飼い主に対する普及啓発、販売時に新たに飼い主となる人への説明の徹底など、接種率の向上に向けた取り組みを進めております。

◯野上委員

 東京都のホームページを見ますと、収容した動物の情報とかが出ております。いろいろの状況がわかるように出ておりますけれども、ある程度の期間載せて、引き取り手がいなかったら多分それは消去してしまうんでしょうけれども、この東京都のホームページの内容についてお伺いいたします。

◯鈴木健康安全部長

 都では、飼い主から離れて迷ったり負傷したりした犬、猫などを動物愛護相談センターに収容しております。収容した犬、猫等につきましては、センターのホームページに動物の種類、収容した場所、収容日などの情報を画像とともに掲載をしまして、迷い犬、迷い猫などを探している飼い主が情報を検索しやすくすることによりまして、飼い主へのご返還の推進を図っております。

◯野上委員

 この収容以外にも、飼い主から直接引き取った犬とかもあると思うんですが、飼い主に返還できなかった犬も含め、それらの犬はどうなるんでしょうか。

◯鈴木健康安全部長

 安易な飼養の放棄を抑止する観点から、引き取りをその飼い主から求められた場合には、まず、みずから新しい飼い主を探す努力、これを求めまして、真に引き取らざるを得ない逼迫した状況に限り、有料で引き取っております。あわせて、都では動物の生命を尊重し、できるだけ生存の機会を与える観点から、収容後、飼い主に返還できなかった犬や飼い主から引き取った犬について、都が開催する譲渡会、それから登録された動物愛護団体を通じた譲渡事業、これらを推進しているところでございます。
 平成二十年度は二千百八十五頭の犬の収容等を行い、このうち飼い主に返還された犬は千百九十七頭でした。残りの九百八十八頭のうち五百七十三頭、約五八%ですが、この犬については新たな飼い主に譲渡できております。最終的に譲渡に適さないと判断されたものにつきましては、やむを得ず処分をしております。

◯野上委員

 どの犬も最終的に譲渡をしてもらいたいんですけれども、どのような犬が最終的に譲渡に適さないと判断され、殺処分されるんでしょうか。

◯鈴木健康安全部長

 攻撃性が強いなど、人及び社会環境に順応性がない犬等は譲渡にはどうしても適さないと判断し、やむを得ずできるだけ苦痛を与えない方法により致死処分をしております。
 なお、これまで申し上げてきました飼い主に対する適正飼養の普及啓発、安易な飼養放棄の抑止、譲渡事業の推進等の取り組みにより、平成十年度には二千二百九十三頭であった犬の処分数は、平成二十年度に四百十五頭に減少しております。今後とも処分数がさらに減少するように努めてまいります。

◯野上委員

 動物を、その動物が亡くなるまで最終飼養することは、子どものころから命の大切さを学ぶことが必要であり、そのための動物ふれあい教室というのは非常に重要な事業と考えております。四千四十七万円の事業でございますけれども、動物ふれあい教室の実施内容についてお伺いいたします。

◯鈴木健康安全部長

 動物ふれあい教室は、児童期から動物に親しみ、命の大切さを体感することで、動物愛護精神を養うとともに、動物による事故防止、感染症予防を図る目的で実施をしております。小学校低学年を対象に、平成二十年度には都内六十二カ所の小学校で開催をいたしまして、合わせて三千四百二十人の児童の参加がありました。動物ふれあい教室では、犬の心臓の音を聞かせることですとか、実際に犬にさわってみる体験などを織りまぜた学習としておりまして、今後も内容を工夫しながら実施してまいります。

◯野上委員

 私の実家でも犬を飼っているんですが、その犬は、実は保健所に行く前の犬を、おいっ子がどうしてもかわいそうだ、うちで飼いたいといって引き取った犬をいまだに飼って、十二歳になるんですが、ちょっとよぼよぼしているんですけれども、飼っております。(発言する者あり)まだ元気でかわいいんですけれども、だんだんそうなってくると思うんですけど──いいたいことは何かというと、最後に動物の殺処分をしない国とかもありまして、例えばドイツなどは犬を飼うときに、最初に登録料、税金ですか、そういうものを納めていただいて、最終的に自分でどうしても飼えなくなった場合には、引き取って晩年までしっかりと面倒を見てくれるシェルターがあるんですね。この殺処分にされるような、人にかみつくどうもうな犬とかも引き取ってくれて、豊かな余生を送らせてくれるというんです。文化が違うので何ともいえないんですけれども、ここは団体とか企業の寄附で、このシェルターが行っているということなんです。最終的には殺される犬がゼロになるように、今後とも努力をしていっていただきたいということを要望しておきます。
 最後になりますが、住居喪失不安定就労者サポート事業についてお伺いいたします。
 今回、インターネット端末利用営業の規制に関する条例、新たにこれが制定されまして、インターネットカフェ等の営業者に対して、本人確認義務等が課せられることになりました。この規制により、身分証明書を持たずに本人確認ができない住居喪失不安定就労者がインターネットカフェ等を利用できない場合、TOKYOチャレンジネットで対応することになると思うんですが、TOKYOチャレンジネットの現在の実績についてお伺いいたします。

◯庄司生活支援担当部長

 都はインターネットカフェや漫画喫茶などに寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就労する方々に対しまして、全国に先駆け平成二十年度より、生活安定化総合対策事業の一環といたしまして、生活、居住、就労の相談や資金貸し付けを行う住居喪失不安定就労者サポート事業、いわゆるTOKYOチャレンジネット事業を実施しております。
 平成二十年四月の事業開始から本年二月末現在までに、電話やメール等による問い合わせは六千八百九十九件ありまして、来所し継続的な相談のための登録を行った方は千七百八十四人でございます。このうち、住宅資金などの貸し付けを受けた方は二百八十七人、求人を紹介し就職に至った方は三百九十九人でございます。

◯野上委員

 私も警察・消防委員会の人たちと一緒に、このインターネットカフェの視察というか見学に行かせていただきました。一番最初に行ったインターネットカフェというのは、身分証が要らないインターネットカフェなんですね。そこにいらっしゃる方たちと──次に行ったところは、ちゃんと自分の身分証明書を登録して、何月何日何時から何時までこのパソコンを使ったのはだれだということがはっきりとわかるインターネットカフェだったんですね。ちょっと内々で話したんですけど、やっぱり、雰囲気が全然、客層が違うなっていうのをちょっと感じたんですね。
 そういった意味で、何というのかしら、このインターネットを利用していろいろな犯罪等が行われている現状であれば、そういう、このパソコンでだれが発信したということがわかるように、犯罪抑止につながるのではないかなって、私は個人的にはそう思うんですけれども。
 確かに、その寝泊まりしている人がたくさんいるインターネットカフェで、そういう事業が始まると、その人たちがうわっと追い出されてしまう。そうなってくると大変だということで、この福祉保健局の出番というような感じになってくると思うんです。この住居喪失不安定就労者サポート事業を初め生活安定化総合対策事業に、今後ともしっかりと福祉保健局が取り組むべきと考えます。そこで局長の決意を伺うのが一つ。
 もう一つ、この児童ポルノですね。この、みだりに所有しない責務を負うという児童ポルノの所持についても、警察・消防委員会の方でも、きょうやっているんだと思うんです。この児童ポルノっていうのは、自分の子どものヌード、裸を親が撮って、それを売り買いをしているというこの現状っていうのは。自分の子どもの裸を撮って自分で見るのはそうでもない、かわいいなと思うね、先ほどいってましたようにかわいいなと思う人もいるのかもしれない。それを売り買いに使ってるっていうのは、これは私はもう最大の児童虐待ではないかなというふうに思っているんですよ、思うんです。
 そういうこともありまして、あわせて安藤福祉保健局長にお伺いいたします。私の質問はこれで終わります。

◯門脇委員長

 二つとも局長ですね。

◯野上委員

 はい、二つとも。

◯安藤福祉保健局長

 今日の大変深刻な経済雇用情勢の中で、生活に困窮していらっしゃる都民の方が、みずから生活安定への道を切り開けるようにということで、国に先駆けてお話の生活安定化総合対策を行ってまいりました。
 引き続き、本当に支援が必要な方々について、みずから生活安定への道を切り開けるように、そして、都民がそれぞれ活躍して明るい展望が持てる社会の実現に取り組んでいくというのが使命だと思っています。そのため、インターネットカフェ等で寝泊まりしている方々に対しましては、これからも就労支援や生活支援など、生活の実態を踏まえた的確な支援を講じていきたいと思います。
 青少年の健全な育成に関する条例の一部改正についての見解でありますけれども、本会議でもご質問いただきましたが、性的虐待は子どもの心に大変大きな傷を残しますので、その未然防止が重要であるというふうに思います。
 ポルノグラフィーの被写体などを子どもに強要したり、あるいは性的行為を見せることなどは、やはり性的虐待であるというふうに思いますので、お話の条例は、性的虐待の防止対策の一つというふうに、一つになり得るのではないかというふうに私は考えております。

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