2016.10.24 : 平成27年度各会計決算特別委員会第3分科会(第3号) 本文

野上委員 平成二十七年度東京都一般会計決算中、建設局に関連いたしまして質問させていただきます。
まず、公益財団法人東京都公園協会について伺います。
公園協会は都の監理団体であり、都立公園等の指定管理者でもあることから、都からさまざまな業務を請け負っていると伺っております。
東京都総務局の行政改革推進部のホームページを拝見いたしますと、東京都公園協会の役員十四名のうち、常勤三名、そのうち三名は都の退職者、そして非常勤十名、そのうち都の職員は二名、都の退職者は一名、常勤の職員数は、役員を除いたものですけれども、六百六人、うち東京都の派遣の方が六十三人、都の退職者が五十人。そして大きなところは、ほかの東京都の監理団体とは大きく異なるところは、東京都の出捐が一〇〇%というところであると思います。より適正な運営を東京都としても考えなくてはいけない監理団体の一つであるというふうに考えております。
そこで、平成二十七年度に建設局から公園関係で公園協会に委託した契約件数と契約金額について伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 平成二十七年度に公益財団法人東京都公園協会に公園関係で委託した契約件数及び契約金額につきましては、指定管理業務としては十件で約七十九億四千五百万円、業務委託としては六件で約一億四千八百万円でございます。


野上委員 平成二十一年度の東京都が出しました包括外部監査報告書、包括外部監査において公園協会が指定管理事業の再委託契約を結ぶ際に随意契約で行っている契約の中で、競争入札に付すことが可能な契約が多数あるとの意見が付されました。これを受けて局はこれまでどのように対応し、その結果、どのように改善されたのか伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 平成二十一年度包括外部監査における意見を踏まえまして、建設局は、公園協会に対しまして複数の公園にまたがる契約の集約化を図り、競争入札を推進するよう指導を行ったところでございます。
その結果、指定管理事業における維持管理業務に関する契約件数につきましては、平成二十一年度の七百六十一件から、平成二十七年度の六百件へと集約されたところでございます。また、契約に占める競争入札の件数及び割合につきましては、平成二十一年度の百三十九件、一八・三%から、平成二十七年度の二百三十件、三八・三%へと二〇ポイントの改善が図られたところでございます。


野上委員 包括外部監査報告を受けて、改善が図られているということがわかりました。しかしながら、指定管理者制度は、民間との競争があることによって、その指定管理という制度の趣旨の実現をできることだというふうに思っております。やはり公の施設の管理全般について点検していただいて、都民のサービスの向上を図り、施設運営経費の節減を図るということをさらに行っていただきたいと思います。
また、東京都としましても、契約に当たっては、例えば協定書など、清算条項とかがあったりする場合もあるかもしれませんし、協定書の見直し等をその都度図っていただき、効率的な業務運営にも反映させていただきたいと思います。
次に、同じく建設局が所管する監理団体である公益財団法人東京動物園協会について伺わせていただきます。
まず、平成二十七年度に建設局から動物園協会に委託した契約件数と契約金額について伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 平成二十七年度に公益財団法人東京動物園協会に委託した契約件数及び金額につきましては、指定管理業務としては一件で約五十六億円、業務委託としては三件で約四千三百万円でございます。


野上委員 この動物園協会は、都立動物園、水族園、つまりは恩賜上野動物園、多摩動物公園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園の指定管理者であります。このところ、この水族園であるとか動物園は、学校教育における博物館の活用等も学習指導要領の方に取り込まれて、さらに動物園、水族園、植物園、教育の機能に注目した法制度の整備や、あるいは国の助成事業など、特に博物館化に向けた、そうした取り組みの追い風を受けて、全国的にも博物館、水族館は入場者数あるいは利用者数がふえているというふうに伺っております。
そこで、都立動物園、水族園四園の過去の入園者数と入園料収入の推移を伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 平成二十五年度から平成二十七年度までに、恩賜上野動物園、多摩動物公園、井の頭自然文化園におきましては、入園者数、入園料収入ともに増加いたしております。葛西臨海水族園につきましては、平成二十六年の後半から平成二十七年の前半にかけてマグロが減少した影響もありまして、平成二十七年度は平成二十五年度に比べまして入園者数は約一%、入園料収入は約二%の微減となっております。


野上委員 三つの動物園の入園者数などは増加しているということですけれども、葛西臨海水族園では入園者数が微減傾向にあるということであります。
一般的に水族園、水族館では、民間運営の水族館の特性である収益性を高めるエンターテインメント性、例えばイルカのショーとかですけれども、そういった機能と、あるいは公的機関運営の社会教育性の両立はなかなか困難であるというふうに伺っております。
そこで、葛西臨海水族園においては、収益性、効率性を高めるためにコストの削減や入園者数の増加のためにどのような取り組みを行っているのか伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 水族園の維持管理経費の大きな割合を占めます光熱水費の抑制と地球温暖化対策を目的といたしまして、電気や給水、熱源設備の更新時に省エネルギータイプへの転換を図っております。具体的には、照明設備更新時のLED化を初め、給排水設備ろ過ポンプのインバーター化や空調機ファン及び給排気ファンへの省エネベルトの導入などを行っており、効率的な運用とあわせた結果、平成十六年度からの十年間でのエネルギー使用量を約一四%削減しております。
一方、来園者増加の取り組みといたしましては、繁忙期における休園日の臨時開園ですとか開園時間の延長、民間事業者との連携などにより集客増を図るVisit Zoo Tokyoキャンペーンなどを実施しております。


野上委員 特に水族館の経営というのは、動物園や植物園と比べてランニングコストが非常にかかるという点では難しいと思います。しかしながら、エネルギーの抑制しかり、最近の技術の導入によってさらなる削減が見込まれるという施設でもあるといえます。ぜひともこの取り組みを進めていただきたいと思っております。
また、指定管理者制度は、柔軟性を持って施設運営やサービスの展開ができる一方で、期間満了ごとに競争が避けられません。競争しなくてはいけないということは冒頭に申し上げたところでございます。
指定管理者は、その継続が保障されていないことから、実際に勤務する職員を有期の雇用契約とせざるを得ない状況も考えられます。そのため、優秀な人材の確保や人材の指導、育成が困難になり、それは動植物の飼育栽培技術の蓄積、開発、継承にも支障を来しているとの指摘があります。
特に、先ほど伺いました来園者や入場料の収入、そういった数値ではかれる部分については評価しやすいですけれども、例えば種の保存について、あるいは社会教育性についての取り組みをどのように行ってきたのかという、数値でははかれない、また特に種の保存については失敗も多いですし、なかなか成果につなげられない。
長期間の取り組みが必要である事業についてもそうでありますけれども、なかなか評価につながらないところがあり、効率性等を考えると、指定管理制度の中では公的なサービスというか、種の保存であるとか、そういったことが担えない状況である水族園や動物園もあるというふうに伺っているところでございます。
また、施設整備面、整備管理においても、整備機器の運転や保守にかかわる熟知度、熟練度が低いと問題の把握がおくれて、安全に対する意識不足によって、その園内や飼育している動物あるいは貴重な植物を巻き込んでの大事故に巻き込む可能性をはらんでおります。動植物管理等、設備管理にかかわる職員の専門性というのも重要であります。
そこで、都立の動物園、水族園の指定管理者である動物園協会における技術継承や人材育成の取り組みについて伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 動物園協会におきましては、長年の間に培われた飼育繁殖技術を次世代に継承発展させていくために、新人職員について、ベテランの指導のもと基礎的な技術を習得させた上で、さらに各園で定期的に開催いたします若手からベテランまでの職員がそろった飼育展示研究会に参加させまして、経験に裏打ちされた知識や技術の承継を図っているところでございます。また、業務に必要な資格の取得の支援、国内の動物園、水族館の技術者研究会や海外研修への参加などによる飼育技術の習得も図っております。
一方、将来の動物園の担い手を育成するため、畜産学系、水産学系を中心とした大学などから実習生やインターンシップを各園で毎年受け入れております。平成二十七年度につきましては、恩賜上野動物園で五十六名、多摩動物公園で五十名、葛西臨海水族園で三十名、井の頭自然文化園で十四名、四園合計で百五十名の方々が約二週間にわたって職員とともに動物飼育やイベントなどの現場を経験しております。これまでに実習経験者が動物園協会に採用された例もございます。


野上委員 さまざまな取り組みをしていることがわかりました。
特に今、高校生でほぼ大学全入時代になりまして、専門性を持って、畜産であるとか、あるいは水産学部であるとか、きちんと勉強された大学生がなかなか就職先が見つからない。そういった中で、東京都が運営をしている動物園や水族園は非常に高度な技術を擁し、また世界にも誇れるような展示をされているということで、働きたいという若者も多いと思います。しかしながら、予算もありますし、希望する方が全員採用ということになるわけではありません。
一方で、そうした志のある若い人材を公の機関として何らかの形でやはりチャンスを与える、機会を与える、そして、みずからが飼育や仕事にかかわることによって自分の適性を図りながら、将来に向けて人材を育てていくという機会を、この動物園でも水族園でも行っていただきたいと思っております。
さて、欧米では、さまざまな団体が動物の飼育や種の保存について一定の取り組みを行うことを約束することで寄附金を集め、その寄附金による活動の成果を見学者に広く宣伝することを通じて、民間の資金を活用しながら生物多様性保全の取り組みを行う仕組みが構築されていると聞いております。
そこで、動物園や水族園において、寄附金を初め民間資金を活用する取り組みにはどのようなものがあるか伺います。


◯松原公園管理担当部長公園活用担当部長兼務 動物園協会におきましては、個人や団体から寄附を得て動物舎に日よけを設置するなど飼育環境の改善を図る動物園サポーター事業ですとか、募金等を積み立てジャイアントパンダ保護に向けた普及啓発活動などに活用するジャイアントパンダ保護サポート基金事業、寄附金を積み立てまして野生生物の保全に取り組む個人や団体に対して助成金の交付を行います東京動物園協会野生生物保全基金事業などを実施しております。
なお、動物園サポーター事業では、ご支援いただいた方々を動物園サポーターに登録しまして、都立動物園において開催するイベントに招待するなど動物園事業への理解と参画意識の醸成を図っております。
また、葛西臨海水族園では、製薬会社からの寄附金をもとに無料開園サービスやイベントの開催、展示改善なども実施したところでございます。


野上委員 東京都の動物園、水族園は、野生の生物を飼育、展示するということのみならず、事業概要にも載っているとおり、自然保護の場であり、また研究の場であり、教育の場であり、レクリエーションの場であるというさまざまな社会的な機能があるというふうに認識をいたしております。
そうした意味では、来園者のみならず、都民、市民による施設運営への参加や、あるいはイベントも含めて、さまざまな担い手がこうして支援していくということは大切だと思っております。また、企業の社会的責任を重要な課題と位置づけて、社会貢献として企業が水族園や動物園にかかわる事案も世界では多くありますけれども、日本でも多く見られてきているというふうに伺っております。都の委託費の軽減や都民サービスの向上にぜひこうした取り組みも含めて役立てていただきたいと思っております。
さらなる発展を希望いたしまして、私の質問を終わります。


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