2016.10.28 : 平成27年度各会計決算特別委員会第3分科会(第5号)

野上委員 労働委員会について幾つか質問をさせていただきます。
労働委員会は、その時々の社会的ニーズに沿って、我が国唯一の集団的労使紛争を調整する行政機関として、これまでも役割を果たしてきたところでございます。
しかしながら、労働委員会制度の発足から七十年を経て、社会経済状況が大きく変化をしております。先ほどお二人の委員からもご説明がありましたとおり、やはり労働組合組織率の低下、あるいは雇用環境の大きな変化、雇用形態の多様化によりまして、これまでこの労働委員会が扱ってこられた集団的紛争から、問題が個別化していることによって、労使の紛争解決システムの中では、少し後ろの方に退いているという感じを見受けているところでございます。
しかしながら、これまで委員会の役割として、紛争の解決をしてきた処理件数もさることながら、やはり春闘などの仲裁の裁定や、あるいは大争議などの必要度が薄れてきたということが少し要因にもなっていると伺っているところでございます。
そこで、労働委員会は、事件数が横ばいの状況であります。制度の有効活用という観点に立てば、その知名度を高めていくことが重要であるというふうに考えますが、現在どのような取り組みをしているのか伺います。


◯土渕労働委員会事務局長 都労委では、委員会の仕組みや利用の仕方などを紹介した労働委員会のてびきなど、都民向け広報資料を作成し、産業労働局の労働相談情報センターや国の機関である東京労働局などに配布することにより、労働委員会制度の普及に努めているところでございます。
また、都のホームページには、命令の概要を掲載して周知しているほか、命令を出した際には、ツイッターも活用して広く都民にも周知しております。
今後とも、あらゆる機会を捉え、労働委員会の活動につきまして一層の啓発活動に努めていきたいと、このように考えているところでございます。


野上委員 二〇〇〇年に制定された個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に伴って、自治事務たる個々の都道府県労働委員会が個別紛争に取り組めることになっております。東京と兵庫を除く四十五道府県は、自治体と連携をして個別紛争あっせんを実施しているというふうに伺っているところです。
例えば、広島県の労働委員会では、労働委員会の新たな展開プランとして、これまで、もちろん東京都は非常に処理件数は多いですけれども、他県は一桁台の労働委員会もありますので、一概には比較はできませんけれども、労働委員会自体の活性化や、あるいはPRも含めて、どのように県民の皆さん、東京都でいえば都民の皆さんに、労働委員会というものを知っていただいて、それに伴う紛争の予防政策としてPRの事業を行っているというふうに伺っているところです。
ぜひとも、昨年度の取り組みは伺いましたけれども、次年度につなげて展開をしていただきたいということを希望いたしておきます。
また、常に変化する社会経済状況に柔軟に対応するとともに、労働委員会制度を支える委員と事務局職員が本来の機能を発揮するため、資質の維持向上を図るべきと考えますが、都はどのように対応しているのか伺います。


◯土渕労働委員会事務局長 まず、ご答弁の前に、大変恐縮ですが、都道府県で個別の労働紛争を行っていないのは、東京都と兵庫県と福岡県の三都県になりますので……。
都労委では、不当労働行為の審査に適切に対応できるよう、公益委員に、労働法だけでなく会社法や社会保障法など多様な法律分野の専門家を選任しております。また、公益委員を補佐する事務局職員は、労働関係法令を中心として専門的な知識が求められることから、東京労働大学での二カ月間にわたる講座や、中央労働委員会が主催する専門研修に派遣をしているところでございます。
さらに、事務局内においても、命令書起案のための研修、交付した命令を素材にした事例研究など、研修やOJTを通じて、職員の専門知識や事務処理能力の向上に努めているところでございます。


野上委員 今、局長がおっしゃっていただいたように、三都県は個別紛争あっせんを行っていないということでございますが、例えば、他県でいうと人的交流も活発に行われております。それぞれの労働委員会との人的交流、あるいは、例えば東京都でいえば、先ほど他の委員から出ましたけれども、産労でやっている個別の労働相談の人的交流というものがあると考えられますが、それについては、これまではどのように取り組んできたのか伺います。


◯土渕労働委員会事務局長 労働委員会では、毎年度、公労使の三者委員が、関東ブロックや十四都道府県のメンバーで構成する会議に出席し、労働問題に関する議論を行うなど、委員の知識とノウハウを共有しております。
また、都労委では、国の機関である中央労働委員会が主催する専門研修に事務局職員を派遣しているほか、事務局職員を対象とした専門研修に関東ブロックの他県の労働委員会事務局職員を受け入れており、職員の専門性を高めるための人的交流を行っているところでございます。


野上委員 ぜひとも、東京の雇用の労働環境を踏まえて、安定した労使関係を構築して、労働者が安心して働ける雇用、労働環境を創出していただけるようにお願いしたいと思います。
また、先ほどの質疑でも伺いましたけれども、法制度のもとで設置されている労働委員会だからといって、限られた業務をやっていればよいということではありません。何度も、先ほども例に挙げましたけれども、他の労働委員会では、例えば未然に外部に紛争の解決を求めるという手段を選ばれる、前段階の状態できちんと紛争を解決するための未然の取り組み、例えば自律的な紛争解決のためのPRを、労働委員会自体でPR事業の一つとしてやっております。
特に、東京は企業が集積しておりますし、そういった取り組みも、東京都の労働委員会だからこそ、全国に向けてモデルをお示しすることができると思っております。
ぜひ、これまでの取り組みに加えて、東京都の先進的な委員会の運営を、そして効率的な運営をしていただけるよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。

関連記事

カテゴリー

PAGE TOP