平成15年度各会計決算特別委員会第2分科会(2004年10月20日)自律経営推進予算について等

平成15年度各会計決算特別委員会第2分科会(2004年10月20日)


◯野上委員

 大きく四点について質問します。あとで意見表明を、一点について述べさせていただきたいと思います。

 最初に、自律経営推進予算についてお伺いいたします。

 都の教育委員会は、平成十五年度予算において、予算面での校長の裁量権限の拡大を図るために、自律経営推進予算制度を都として初めて導入いたしました。都立高校では予算額約四十五億六千百万のうち、約四十四億二千八百万円が執行されました。平成十四年度決算では九五%であった執行率も、平成十五年度には九七%に上昇しております。

 最初に、自律経営推進予算の導入の目的について、お伺いいたします。

〇齊藤学校経営指導担当部長

 都教育委員会は、平成十五年度から自律経営推進予算を導入いたしまして、校長のリーダーシップを予算面で支え、都立学校が特色ある教育活動を展開できるようにいたしております。

◯野上委員

 次に、自律経営推進予算を導入したことで、学校にどのようなメリットがあるのか、お伺いいたします。

〇齊藤学校経営指導担当部長

 自律経営推進予算の導入によりまして、校長先生は配付された予算総額の中で備品購入費、それから報償費など予算執行科目にとらわれませんで、校長先生の定める学校経営計画、これの実現に向けた教育活動に、柔軟に予算を配分することが可能となっております。

 また、経営努力によりまして節約いたしました予算を、他の執行科目の教育活動に充てるなど、配付された予算を効率的に執行することも可能となっております。

◯野上委員

 今までの学校の経営状態というのですか、一昔前までは学校の中で予算委員会を開いて、一部の組合が握っているというのですか、先生方は回り持ちで出張している、そういうようなことが行われていたようですけれども、この自律経営推進予算の導入によって、校長の経営ビジョンに沿った、より柔軟で効率的な予算執行が可能となったと、評価できます。

 特に、生徒たちの指導に効果がある取り組みとしてどのようなものがあるか、お伺いしたいと思います。

〇齊藤学校経営指導担当部長

 校長先生は、自律経営推進予算を、講演会、それから総合的な学習の時間における外部講師の謝礼、それから地元の商店や企業に働きかけまして生徒のインターンシップ体験を充実させる経費に充てるなど、学習指導、それから進路指導上の取り組みを拡充することが可能となっております。

◯野上委員

 大変自由に予算配分を、校長が自分の経営方針に基づいて執行できるというような制度で、大変いい制度だと思います。

 また、これとはちょっと別なんですけれども、重点学校支援の予算もありますけれども、学校経営正常化の意味でも、こういった自律経営推進予算をこれからも推進していっていただきたいと思います。

 次に、荒れている学校に対する支援について質問いたします。

 ある中学校の例なんですけれども、子どもたちは、今、先生方が体罰ができないという実態を知っております。ですから、先生が腹を立てるようなことを目の前で平気でいって、先生は悔しいけれども手が出せない。こぶしを握ってじっと我慢をしている。そういう先生に対して、生徒が、ばあかとかいって逃げていく。

 また、牛乳瓶が窓から落ちてくる。主事さんが一生懸命けがしないようにきれいに掃除したら、また上から牛乳瓶が落ちてくる。とうとうその学校の場合、紙パックの牛乳にした。ガラスもほとんど割られて強化ガラスにしてしまった、そういうようなことがあります。

 先生方は、休憩時間もなく、ずっと廊下に立って子どもの様子を見ているとか、あるいは給食時間になると、先生が給食のワゴンを占拠して、先生みずから配る。そうしないと、いつの間にか給食が食べられない子が出てしまう。先生方もだんだん疲れてきて、やってもやっても改善されず、病気になり、休職する先生が続出し、代替の先生もやめていく、そういう状態が続いてきたわけです。 

 負のスパイラルというのですか、そういった現状で、地域も手をこまねいているだけではなく、子どもたちの監視というのですか、そのために教室に張りついたりはしたのですけれども、だんだんと疲れてきて、本当に大変な状況にあるということがありました。

 そこの区では、学校支援のために特別に二人、指導員を区の予算で雇って、その学校に張りつけたりしております。それから指導主事も定期的に派遣をして、何とか頑張ってもらうように助言したりしていますけれども、なかなか改善が図れない。不登校の子どもの数も増加してしまっている。教師も地域の人々も、悪いことに対する対応に忙殺されている。子どもたちも、こんな学校にいられないということで、転校する子もいる。

 荒れている学校の例は枚挙にいとまがないわけですけれども、こんなに長く荒れたというのは、余り私も知らないわけです。区市町村教育委員会に対して、人的サポートを含めた支援が、東京都としても重要であると思いますけれども、所見をお伺いしたいと思います。

〇近藤指導部長

 中学校におきます暴力行為の件数は、この間、年々減少傾向にあったわけでございますが、昨年度微増に転じておりまして、深刻な課題として受け取りまして、各学校においては家庭、地域との連携を図り、問題行動の予防や解決など、児童生徒の健全育成に取り組むことが重要であると認識しております。

 現在、東京都教育委員会では、区市町村教育委員会と連携を図りまして、指導主事の学校への派遣、スクールカウンセラーの全中学校への配置、ケアを必要とする生徒に対するアドバイザリースタッフの派遣などを通しまして、児童生徒一人一人の課題に応じた支援をしているところでございます。

 今後とも区市町村教育委員会と連携いたしまして、学校における生活指導の実態把握に努め、問題行動等の具体的な解決を図るサポートチームの編成、セーフティー教室の開催や警察等関係機関との連携など、健全育成の充実に向けた取り組みについて、具体的に支援を行ってまいりたいと考えております。

 また、教員人事につきましては、校長の学校経営を支援するため、区市町村教育委員会と連携しまして、必要な教員の配置をしていくよう努めたいと考えております。

◯野上委員

 最後のところは、とてもうれしいあれだと思います。教員人事において、校長の学校経営を支援するために区市町村教育委員会とも連携し、必要な教員を配置するよう努めていく。本当に困っているところには優秀な教員を配置していただいて、学校健全化に少しでも早く努力ができるようにしていただきたいということを、切に要望しておきます。

 続きまして、体験活動について質問いたします。

 心の東京革命の中にも、体験の重要性が述べられております。体験することによって生まれてくる感動が、子どもの人格をつくる源にもなると感じております。自然との触れ合い、人との触れ合い、動物などの生き物との触れ合い、社会との触れ合い、勤労奉仕、それからボランティア活動など、人間形成、人格形成の上で大切な要素を持っているものと思います。小学校と都立盲学校の児童が、三十年間交流を続けているという話も聞いております。

 都の教育委員会では、十一月にトライ&チャレンジふれあい月間を実施しております。どのような体験活動が行われているのか、その実施状況と成果について、お伺いいたします。

〇近藤指導部長

 都教育委員会では、学校、家庭、地域社会が一体となって子どもたちの健全育成を図る重点月間といたしまして、トライ&チャレンジふれあい月間を設定し、十一月をその月間として位置づけてございます。

 昨年度、この月間に実施された各学校の取り組みといたしましては、地域清掃が小学校が六百十九校、中学校が三百六十七校、高齢者との交流活動が小学校で五百十一校、中学校で百五十六校で行われております。

 なお、お話の盲・ろう・養護学校の交流活動については、小学校は五十九校、中学校は三十五校で行われております。その他、地域の伝統・文化を受け継ぐ活動、福祉体験活動など、さまざまな体験活動が都内のすべての学校で行われました。

 この月間の取り組みの成果に関する調査では、規範意識の醸成について、都内の小中学校の約九〇%が好ましい成果が見られたと回答しておりまして、また思いやりの心の育成につきましても、幼稚園、小中学校の九〇%以上が好ましい成果が見られたと回答してございます。さらに家庭等の連携の強化や、地域コミュニティの活性化についても、多くの学校が成果が見られたと回答しているところでございます。

 このトライ&チャレンジふれあい月間については、子どもたちが社会の一員としての自覚を高め、健全で豊かな心をはぐくむ取り組みとして、また学校、家庭、地域社会との信頼関係を深める取り組みとして、大きな成果があったものとして考えております。

◯野上委員

 トライ&チャレンジふれあい月間にかかわらず、一年間を通して、また、こういう体験活動を通して規範意識の醸成、思いやりの心の育成とかを図っていくよい機会になると思いますので、今後ともぜひ続けていっていただきたいと思います。

 その体験活動の一つにもなりますけれども、朝の読書時間の実施についてお伺いいたします。

 読書の喜びを知っている人と知らない人とでは、人生の深さ、大きさがまるきり違ってしまいます。一冊の良書への出会いは、偉大な教師にめぐり会ったと同じようなものです。読書は人間だけができる特権であり、いかなる動物も読書はできません。自分の人生は一回限りですけれども、読書によっては何千何万のほかの人生に触れることもできますし、また二千年前の賢者とも話ができるわけであります。

 そういった意味で、子どもたちにとって読書は極めて重要であり、読書活動の推進のためには、朝の読書時間の設定などが有効であると思いますけれども、小中学校において、朝の読書時間はどの程度実施されているのか、また、実施校での成果はどうなっているのかをお伺いしたいと思います。

〇近藤指導部長

 お話のように、読書活動は児童生徒に豊かな感性や表現力、創造力を身につかせる上で極めて重要でありまして、東京都教育委員会は、東京都子ども読書活動推進計画に基づきまして読書活動の推進に努めているところでございます。

 お話の朝の読書時間の設定は、平成十五年度の東京都教育委員会の調査でございますが、都内の公立小学校の約七九%、中学校の約五七%が実施してございます。実施校においては、児童生徒の読書への関心が高まったこと、落ちついた雰囲気で授業が迎えられることなどの成果が上がっておりまして、こうしたことは、読書週間の定着や学習活動の充実にもつながっていくものであると考えております。

 今後とも、東京都子ども読書活動推進計画を着実に実施していく中で、朝の読書活動など指導事例を各学校に紹介したり、司書教諭の研修で扱うなどいたしまして、児童生徒の読書活動の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。

◯野上委員

 荒れた学校においても、朝読を始めることによって教室内が大変落ちついたという例もたくさんございます。

 健康な体には食物の栄養が必要なように、健康な心には書物の栄養が必要です。食べ物でも、甘いお菓子や歯ごたえのない、やわらかい物ばかり食べたらだめ、病気になってしまいます。食わず嫌いや偏食も重ねてはいけない。それと同じように、書物も栄養のある良書を選ばなければいけないというふうに思います。

 初めは簡単な本からだんだんと高度な本に、良書へと変化するこういった読書指導については、特に力を入れて、今後もしっかりと続けていただきたいと思っております。

 最後に、都立大田ろう学校、石神井ろう学校の専攻科の募集停止について、一言意見表明をさせていただきます。

 今回の特別支援教育推進計画概要では、ろう学校の再編整理が計画されております。計画では、平成十一年の聴覚障害教育推進構想で発表されて以来、待望久しい中高一貫校のろう学校が設置されることになりました。これは大学への進学、それから、より高度の資格を取得したいという生徒や保護者の多様な進路希望にこたえることを目的としております。このことは、全国初の取り組みであり、聴覚障害教育改革への東京都の意欲を高く評価いたします。

 しかし、その一方では、高等部単独校として多くの卒業生を社会に送り出してきた都立大田ろう学校と石神井ろう学校が閉校されることになり、二校の専攻科は来年の四月から生徒募集を停止すると聞いております。専攻科は職業教育をより専門的に深め、卒業後の職業自立に向けた教育を行っており、就業年限二年間で情報、機械、印刷、家政などの職業教育を行い、聴覚障害者の社会参加、自立に寄与してきた歴史と実績を持っております。

 両校が閉校されることについては、聴覚障害教育推進構想にも挙げられておりましたが、実施時期こそ明らかにされていなかったために、関係者の間では周知徹底が図られていなくて、そのことについて聞いていない方もいらっしゃいました。他のろう学校の専攻科への進学も視野に入れた進路指導が必要だったと思いますけれども、自校の専攻科への進学しか考えていなかった生徒たちにとっては、七月十四日の発表から三月の実施までが余りにも急で、動揺しております。

 閉校されるときには、生徒数が約五名前後になることが見込まれており、青年期の適切な教育環境を確保するという点からは、都教育委員会としても大変厳しい決断を迫られているということは一定の理解ができますが、このような再編整備、特に学校を閉校したり募集停止をしたりするような場合は、関係者の声をよく聞いて進めることが必要と考えます。

 また、立川ろう学校、葛飾ろう学校の専攻科を希望する生徒については、その受け入れ体制について十分配慮していただきたいと思います。

 私からは、この点について強く要望して、終わります。

 以上でございます。

関連記事

カテゴリー

PAGE TOP